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2023.03.31発売
福音とアジア文化(長崎純心レクチャーズ) 韓国カトリック教会の歴史と課題
創文社オンデマンド叢書
朝鮮半島において、キリスト教はどのように受容されたのか? なぜカトリックが受け入れられたのか? 済州島でのキリスト教の歴史も探る。
【目次より】
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
第一日 韓国社会における福音受容の歴史と課題
朝鮮半島へのカトリック信仰の伝来
李乗薫 最初のカトリック信者
当時の社会的状況と思想的背景
朝鮮王朝による宗教政策
儒教的政治体制の行き詰まり
カトリシズムヘの関心
朝鮮におけるカトリック教会の始まり
迫害の始まり
迫害の政治的・社会的背景
朝鮮王朝時代の身分制度とその崩壊
政治体制、社会秩序の崩壊とカトリック信仰
周文慕神父の殉教
朝鮮最初の司教区設立
朝鮮出身最初の司祭
大迫害時代
韓国カトリック教会の歴史
カトリック信者数の推移
カトリック信者の急増 その光と影
「冷淡者」の問題
小共同体運動
現代カトリック教会 第二バチカン公会議
四つの基本的憲章
これからの課題 四大憲章の精神の具体的実現
質疑応答
第二日 済州におけるカトリック教会 カトリック教会が直面する問題
済州島の歴史 建国の神話
古代国家・耽羅
高麗王国への従属(一一〇五~)
モンゴル占領期(一二七三~一三七四)
朝鮮王朝への従属(一三九三~一九一〇)
朝鮮王朝以後 搾取と抵抗
アメリカ・イギリス・ソ連・中国による信託統治(一九四五~四八)
アメリカ軍政下(一九四五~)
一九四七・三・一 軍政に対する抗議集会と抵抗運動の展開
四・三事件 一九四八年四月三日、南労党による武力闘争の発端
大韓民国軍による討伐作戦
四・三事件の最終段階 犠牲者三万人
ジェノサイド(大量集団虐殺)の問題
四・三事件と韓国政府の対応
全国民が謝罪する必要性
四・三の神学的省察
軍港建設問題
済州カトリック教会の対応
国家とは何か?
日本における国家意識の形成
アメリカの場合
国家対キリスト信者
「神の民」イスラエル
抵抗権の基礎
「神の民」イスラエルと預言者
政治による大規模河川工事(四大川事業)と教会の対応
済州海軍基地建設反対運動 政治的圧力
何故反対するのか
キリスト信者と国家
現代の戦争、軍備拡張と教会の教え
質疑応答
補遺
済州島ガンジェオン村に始まるアジア平和
日本と韓国 文化の違いから見えてくるもの
解説 稲垣良典
あとがき 稲垣良典

2023.03.31発売
三人の求道者(長崎純心レクチャーズ09) ソクラテス・一遍・レヴィナス
創文社オンデマンド叢書
哲学の祖ソクラテス、踊り念仏・時宗の創始者一遍、他者論の思想家レヴィナスという3人の求道者の生き方と思想をわかりやすく語る。
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
目次
第一章 ソクラテスの神 反駁的対話と無知の知
はじめに
一 敬虔
二 ダイモニオン
三 生き方の吟味
四 反駁的対話
五 無知の知
質疑応答
第二章 一遍上人の信
一 浄土教の基本原理
二 一切を捨てる
三 信不信をえらばず
四 名号即往生
五 能所一体
質疑応答
第三章 レヴィナスにおける超越 苦しみと交わり
序論 ハイデガーとレヴィナスの問題
一 カントにおける要請としての神
二 悪
三 汝
四 神の顕現
五 無益な苦しみ
六 弁神論の終焉
七 対話
八 人間のうちなる神
九 さよなら 神に向かって、ア・デュー
質疑応答
あとがき

2023.03.31発売
現代民主主義の憲法思想 フランス憲法および憲法学を素材として
創文社オンデマンド叢書
フランスの歴史と事例を元に、憲法が現代の民主主義において、どのような役割を果たしているかを丹念に探究し、その変遷を辿る労作。
【目次】
はしがき
第一章 戦後フランス憲法思想における転換
はじめに
1 フランス近代憲法思想の主流的見解――議会中心主義
2 議会中心主義からの転換(その一)――行政権の優位への転換、および、主権者=国民の優位への転換
3 議会中心主義からの転換(その二)――遠憲審査制の強化の方向、および、憲法の優位の観念の登場
4 議会中心主義からの二方向への転換――その共存と矛盾
第二章 フランス立憲主義の伝統的思考における「憲法」の観念と人権
1 問題の所在――第三共和制における「憲法」と人権
2 一七八九年宣言の憲法に対する優越性
3 一七八九年宣言の憲法優越性の性質
第三章 第五共和制フランスにおける違憲審査制の最近の展開――憲法院判決における「憲法」観念の拡大傾向――
はじめに
1 一九五八年憲法前文、および、「共和国の諸法律によって承認された基本的諸原理」の憲法規範性――一九七一年七月一六日判決
2 一七八九年人権宣言の憲法規範性――一九七三年一二月二七日判決
3 一九四六年憲法前文の憲法規範性――一九七五年一月一五日判決
4 一九七四年の制度改革による申立権者の範囲の拡大
5 フランスにおける違憲審査制論議の特徴
第四章 「憲法慣習」の観念
はじめに
1 最近フランスにおける憲法慣習論
2 実効的憲法の変遷と憲法法源の変遷
3 ケルゼンと憲法変遷論
第五章 フランスにおける「憲法」のありかたとdirigismeの観念――フランス現代憲法学の検討のための予備的一考察――
1 前提――フランス立憲主義の伝統における「憲法」の観念
2 ≪dirigisme≫の観念
3 ≪dirigisme≫の観念と「憲法」
第六章 「議会までの民主主義」と「行政権までの民主主義」――フランス憲法史における点検――
はじめに
1 「議会までの民主主義」
2 「行政権までの民主主義」
おわりに
第七章 「共同政府綱領」と議会制民主主義
はじめに
1 網領の憲法論的意義
2 一九七三年総選挙以後の展開
第八章 ルネ・カピタン先生の違法論
はじめに
1 法の効力論における直接民主主義の観念
2 統治機構論における直接民主主義の観念
3 経済・社会機構論における直接民主主義の観念
おわりに

2023.03.31発売
マイスター・エックハルト 生涯と著作
創文社オンデマンド叢書
本書描くのは、最新の研究成果をもとに書き下ろされた新しいマイスター・エックハルト像である。
20世紀末から21世紀の初頭にかけて、エックハルト研究は劇的に変化した。それは全集がほぼ完結したことを受けて、文献学的に信頼できるテクストの精読と、社会史的な視点からのドイツ神秘思想の定位が可能になったからである。
神秘家の思想形成に大きな役割を担ったエルフト時代についての本書での考察は、修道院長であり、思索家であった初期活動をあますところなく明らかにし、また最も活動的であったシュトラスブルク時代の教会史的考察は、彼を晩年襲った異端疑惑の真相を明らかにした。
さらに、パリ大学でのアリストテレスをめぐる議論や、ケルン高等神学院でのアルベルトゥス主義が神秘思想と綾なすスリリングなコラボレーションは、中世思想の醍醐味を感じさせる。
【目次より】
目次
第一章 序論 研究のための予備考察
一 エックハルト研究の四つのパラダイム
二 ドイツ神秘思想と言語
三 神秘的言語
第二章 故郷タムバッハとエルフルト――就学地ケルンとパリ
一 エックハルトの故郷
二 大学と托鉢
三 ハインリヒ・ゾイゼの幻想神学校
四 マイスター・エックハルトの修行時代
第三章 エルフルトにおける修道院長時代
一 都市エルフルトとマインツ大司教座
二 テューリンゲンのドミニコ会
三 『教導講話』成立の背
四 修道院長エックハルト
五 教育者エックハルト
六 聖餐論争
七 『教導講話』
八 エルフルトのベギン
九 行いと存在
一〇 離脱とハビトゥス
第四章 パリ大学教授時代
一 第一回パリ教授時代
二 『第一討論』
三 サクソニア管区長時代
四 第二回パリ教授時代
第五章 シュトラースブルク 神秘思想家の誕生
一 シュトラースブルクのドミニコ会
二 シュトラースブルクのベギン
三 開かれた説教
第六章 ケルン高等神学院院長時代
一 告発前夜
二 ケルンでの審理
第七章 アヴィニョン――異端者
一 異端者宣告勅書『主の耕地にて』
第八章 エックハルト以後
一 ケルンのエックハルト信奉者
二 エルフルトのエックハルト信奉者
註
年譜(エックハルトの生涯/関連事項)
あとがき
資料出典
文献目録
索引(人名/用語)

2023.03.31発売
ウィルソン外交と日本 理想と現実の間1913―1921
創文社オンデマンド叢書
アメリカ合衆国大統領ウッドロウ・ウィルソン(1913-1921)に淵源する世界平和の実現のための外交方針。1918年1月には、「十四か条の平和原則」を発表された。侵略戦争を終わらせるための機関として、「国際連盟」を提唱した。
ウィルソン外交の最たる特徴は、「自由主義的・民主主義的・国際主義」を標榜し、国内外の政治体制の変革を追求することがアメリカの使命であると見なすことであり、今日では一般に「ウィルソン主義」と呼ばれている。本書は、日米英の外交史料を駆使して、20世紀アメリカ外交に理念的裏づけを与えたウッドロー・ウィルソン政権による対日政策を、アメリカの東アジア政策史の系譜に位置づけながら、4つの重要問題の再検証を通じて、その特質と実態を明らかにしたものである。ウィルソンの対日外交の分析を通じて、現代アメリカ外交の理念的原点である「ウィルソン主義」の可能性と限界を描き出す。
【目次】
目次
序論 研究動向と問題提起
「ウィルソン主義」をめぐる諸見解
第一節 先行研究の整理
第二節 本書の課題
第三節 アメリカの東アジア政策の伝統
第四節 二〇世紀初頭のアメリカの東アジア政策――ウィルソン政権期に至る歴史的背景
第一章 対華二一箇条要求への対応
第一節 対華二一箇条要求とアメリカ政府内政策方針の相違
第二節 ブライアンの対日宥和的方針
第三節 対日イメージの悪化とウィルソンの対日強硬方針
第二章 石井・ランシング協定への対応
第一節 前史
第二節 交渉の開始とその展開
第三節 石井・ランシング協定の成立
第三章 シベリア出兵への対応
第一節 日米共同出兵への道程
第二節 アメリカ政府の対日抗議と共同出兵の有名無実化
第三節 シベリア撤兵をめぐる諸問題
第四章 パリ講和会議をめぐる日米関係――ウィルソン構想の展開と挫折
第一節 アメリカによる戦後東アジア・太平洋秩序構想
第二節 ウィルソン整形と山東問題
第三節 ウィルソン政権と旧ドイツ領南洋諸島委任統治問題
第四節 ウィルソン政権と人種差別撤廃問題
結論 ウィルソンの対日政策――アメリカの東アジアの政策の中で
第一節 ウィルソン政権の対日政策に見られる振幅の実体
第二節 ウィルソン政権内部における政策潮流
第三節 対外政策における三つの基本要素との関係
第四節 ウィルソンの対日政策に見られる特質
第五節 ウィルソン外交の現代的意義とその東アジアへの適用に見られる限界
あとがき
注
参考文献
人名・事項索引

2023.03.31発売
ポール・リクールの思想 意味の探索
創文社オンデマンド叢書
現代フランスを代表する哲学者ポール・リクールの思想の核心に迫る。〈行為し受苦する人間〉と〈意味を贈与する言葉〉をキーワードに、難解なリクール哲学の全体像を、その根本的な問題関心から描き出す試み。
【目次より】
凡例
序論 リクールの思想の統合的理解のために
(a) リクールの思想の遍歴
(b) 統合的理解の試み
(c) 現代思想における意義
第一章 行為し受苦する人間――反省哲学と悪の問題
第一節 行為する人間の自己了解
第二節 悪の経験と反省哲学
(a) 悪の問題――行為し受苦する人間
(b) 自己の自己に対する不均衡
(c) 悪の経験と言葉
第三節 リクールとナベール
第二章 意味を贈与する言葉――解釈学
第一節 言葉の<詩的な>働き
(a) 言述――出来事からの意味へ
(b) テクスト――世界の開示
第二節 テクストからの行為へ
(a) 行為のミメーシス
(b) 歴史とフィクションの交差
第三節 自己の解釈学
(a) 言語的想像力
(b) 自己の証し
第三章 <よき生>を求めて――倫理思想
第一節 自己、他者、制度――リクールの倫理思想の三極
第二節 『他としての自己-自身』の倫理思想
第四章 <はたらき>としての存在――存在論
第一節 はたらきの存在論
第二節 存在論と<他>
第五章 リクールの哲学とキリスト教――詩学
第一節 満ち溢れの論理
第二節 神の<名>の啓示
あとがき
註
文献表
索引
仏文概要
仏文目次

2023.03.31発売
ティリッヒと弁証神学の挑戦
創文社オンデマンド叢書
パウル・ティリッヒ(1886 - 1965)は、ドイツのプロテスタント神学者であり、組織神学、宗教社会主義の思想家でもある。その影響は哲学や思想、美術史にまで及んでいる。
生涯キリスト教神学者のティリッヒを「弁証神学者」と捉えた上で、それに即してトータルに解明した書。
〈境界の人〉ティリッヒの生涯と思想を厳密に分析、立体的にその全貌を把握し、神学の新しい可能性を示唆する。
彼が取り組んだ根本的な思想とその方法論、思想史的背景、多様な思想内容の体系化他。
【目次】
目次
序論 ティリッヒ研究の課題
第一節 ティリッヒの自己理解とティリッヒ研究の方法
第二節 本書の課題・方法・構成
注
第一章 ティリッヒの思想発展と弁証神学
第一節 弁証神学としてのキリスト教神学
一 キリスト教神学と弁証神学的的動機づけ
二 近代の宗教的状況と世俗化
三 近代ドイツ神学と弁証神学的課題
第二節 ティリッヒ神学の宗教社会史的コンテクスト
第三節 弁証神学プログラム
注
第二章 体系構想とその根拠
第一節 体系構想の背景と問題点
第二節 体系論の目的と哲学的根拠
第三節 体系批判と体系の擁護
第四節 神学と体系
第五節 弁証神学における体系構想の問題
一 シュライエルマッハー
二 トレルチ
三 シュライエルマッハー、トレルチからティリッヒへ
第六節 体系構想―まとめ―
第七節 ティリッヒの体系論の独自性と意義
注
第三章 弁証神学と相関モデル
第一節 ティリッヒ諸体系の研究の視点
第二節 モデルI(形式・内美モデル)と意味の形而上学
第三節 モデルII(問い・答えモデル)と存在論的人間学
第四節 二つのモデルの批判的検討
第五節 一般化された相関モデル
注
第四章 相関の方法と神の問題
第一節 問題
第二節 現代の宗教的状況
第三節 人間存在と神の問い
第四節 存在自体としての神と人格神
第五節 「神」象徴の解釈と神論
一 ティリッヒ神学における神論の構成
二 ティリッヒ神学における三一論解釈
三 「神」象徴の解釈と神のモデル
注
結び 「相関の方法」と宗教研究の可能性
注
あとがき
人名・事項索引
文献表

2023.03.31発売
政府行動の経済分析 国・地方の相互依存関係を中心として
創文社オンデマンド叢書
国ならびに地方の歳入・歳出と税の関係を徹底的に分析する。国税、地方税、所得税、住民税などを、諸外国の例も交えて論じた力作。税と国と地方の経済活動はどうあるべきなのかを検証するための必読書。
はしがき
第I部 国と地方の財政関係
第1章 政府の役割と財政構造
1 政府の役割
2 公共部門の規模
3 国・地方の財政規模
4 国と地方の財政関係
5 都道府県と市町村の財政
6 経済成長と都道府県・市町村の歳入
第2章 諸外国における財政と地方財政調整制度
1 財政規模
2 地方財政調整制度の概要
3 諸外国の地方財政調整の規模
4 地方財政調整制度の将来動向
第3章 地方交付税による財政調整
1 財政調整の概要
2 地方団体間の財源調整方式
3 地方交付税と交付税率
4 交付税の代替的な配分方式による地方歳入のシミュレーション
5 地方交付税配分方式の評価基準に関する一試論
第II部 国の財政構造
第4章 国の歳入・歳出
1 歳入
2 歳 出
3 歳出に含まれる地方への移転
4 税制改革の動向
第5章 所得税の累進構造
1 実証分析の展望
2 所得税制と所得控除
2. 1 所得税制 2.2 所得階級別控除額の推計
3 所得控除
3.1 所得控除の決定要因 3.2 所得階級別所得控除の推移
4 モデルと分析
5 所得分布と所得税
6 シミュレーション
7 まとめ
第6章 最適課税の観点からみた所得税
1 関心高まる所得税減税
2 最適適所得税構造とは
3 最適所得税論の考え方
4 最適課税理論の適用
5 最適所得税制の分析
6 最適所得税からみた現行所得税制
7 むすび
第III部 地方の財政構造
第7章 地方の歳入構造
1 地方団体の歳入構造
2 国税・地方税の地域間格差
3 歳入総額の地域間格差
4 地域別の受益と負担の構造
5 税制改革と地方財政
補論 住民税の地域別減税額推定
第8章 地方の歳出構造
1 歳出構造の概観
2 歳出の相互依存関係について
第9章 歳入・歳出の相互依存関係
1 地方財政調整制度と歳出
2 社会福祉費と地方団体の財政状況
3 経済合理性からみた市町村の投資行動
4 残された問題.
第10章 地方財政モデル
1 実証研究の展望
2 地方財政モデルの特定化と推定
3 モデル・シミュレーション
参考文献・資料

2023.03.31発売
憲法と立法過程 立法過程法学序説
創文社オンデマンド叢書
「立法行為」はどのように観念されるか。憲法学の見地から立法過程を規範的かつ動態的に考察。基本的にはウィーン法学派の動態的法理論に基づき、団藤教授によって提示された立法過程の重畳的な二面的動態理論に導かれつつ、立法過程をひとつの法現象と捉え、いわば「法現象としての立法過程」を規範的かつ動態的に考察する。
【目次】
目次
はしがき
凡例
序論――本書の目的と方法
第一編 基礎理論
第一章 法現象としての立法過程――ウィーン法学派の立法過程論の特質とその限界――
はじめに
第一節 超法的社会事象としての立法過程論
第二節 法現象としての立法過程論
むすび
第二章 法律の実体形成
はじめに
第一節 訴訟理論における「実体形成」概念
第三節 立法過程法理論における「法律の実体形成」概念
むすび――第二編への移行
第二編 本論
第三章 立法行為論
はじめに
第一節 立法行為の概念と種類
第二節 立法追行行為の分類とその特質
第三節 法律の実体形成行為および手続形成行為の意義
むすび
第四章 立法要件論
はじめに
第一節 立法要件の概念と種類
第二節 形式的立法要件
第三節 実体的立法要件
第四節 立法要件存否の認定と効果
第五節 立法要件論と法律発案権および審理・議決権の概念
むすび
第五章 法律の確定力――法律成立の効果――
はじめに
第一節 わが国の学説・判例
第二節 西ドイツの学説・判例
第三節 両者の比較検討
むすび
条文・先例・判例索引
事項索引

2023.03.31発売
若きヘーゲル
創文社オンデマンド叢書
ドイツ観念論の巨人ヘーゲル(1770~1831)は、啓蒙主義の時代にあって、テュービンゲン時代の草稿に「主観的宗教」について執筆している。大哲学者は、そこに自らの理想に具体的形式を与えたとした。悟性によって、思い込みによる迷信や、感性、ファンタジーによる誤謬を乗り越えられると考えていた。
若き日のヘーゲルの思想を読み解く。
【目次】
目次
まえがき
序論
第一部 主観性の復権――テュービンゲンからベルンへ 一七八八―一七九六――
第一章 頭脳と心胸
一 主観的宗教
二 理性宗教
三 民族宗教
第二章 カント実践哲学の受容と実定性批判
一 理性の優位
二 民族教育の課題とイエスの歴史
三 宗教の実定性
第三章 哲学への接近――シェリングのカント批判と出合い――
一 若きシェリングと若きヘーデルにおける神の概念
(a) 絶対的自我
(b) 「秘教的」哲学
二 シェリングの「自我」の哲学と最高善の問題
(a) 実体としての絶対的自我
(b) カント哲学の「成果」に対するヘーゲルの態度の変化
三 神性あるいは「われわれのうちにおける永遠なるもの」
(a) 「われわれのうちにおける永遠なるもの」の知的直観
(b) 人間における「永遠なるもの」としての道徳性、および道徳性の顛倒
第二部 哲学と宗教――フランクフルト 一七九七―一八〇〇――
第一章 宗教の新たな基礎づけ
一 合一哲学との出合い
二 有
三 「美しき宗教」の構想とカント批判
四 生
第二章 シェリング自然哲学の成立と「生」の概念
一 自然哲学の成立
二 個体性と生
三 世界魂と生
第三章 反省と宗教(一八〇〇年の「体系」断片)
一 反省によって固定化された生
二 無限な生と宗教
第四章 形而上学への道
第三部 反省と思弁――イェーナ 一八〇一――
第一章 シェリング同一哲学の成立
一 同一哲学への道
二 絶対的同一性の思弁的認識
第二章 ヘーデルによる思弁的哲学の構想およびシェリングとの論争
一 哲学の必要
二 反省と直観の綜合としての思弁
三 同一性と非同一性の同一性
終章
文献
索引(人名・事項)

2023.03.31発売
企業・家計複合体の理論
創文社オンデマンド叢書
「自営業家計」を企業・家計複合体と定義する。生産活動に関する意思決定を行うという点では、企業と同様の側面を持ち、一方で、家族労働力を使って所得を獲得し、消費をするといいう点では、家計的な側面もある。また、その特徴として、景気後退局面において、家族従事者を解雇することが非常にまれであることから、窮迫投資(自己防衛的投資)、窮迫雇用、窮迫販売(目先の利益のために生産量を増やし、売ること)という通常の企業がとらない行動をとることがある。経済の重要な一翼を担う自営業家計が、経済に与える影響を研究した画期的な書。
【目次】
目次
はしがき
第1章 企業・家計複合体理論の課題
第2章 企業・家計複合体の原型モデル
1 家族企業モデルの定式化ならびに予備的分析
2 労働・消費者家計モデルの定式化ならびに予備的分析
3 企業・家計複合体モデルの定式化ならびに予備的分析
第3章 市場の発展にともなう行動の変貌
1 自給自足経済における行動
2 生産物市場が競争的である経済における行動
3 資本用役市場が競争的である経済における行動
4 労働市場が競争的である経済における行動
第4章 経済分化
1 労働過剰経済における企業・家計複合体の行動
2 賃労働を雇用する資本制企業的複合体
3 不労資本家
4 労働・消費者家計に転化する半プロレタリア的複合体
第5章 労働供給の構造
1 労働・消費者家計による労働供給
2 企業・家計複合体による労働供給
3 縁辺労働力層による労働供給
第6章 資本用役の需要
1 雇用不足経済における資本用役の需要
2 雇用豊富経済における資本用役の需要
3 準雇用不足経済における資本用役の需要
第7章 企業・家計複合体を含むケインズ型経済の政策分析
1 森嶋氏による二重構造経済の政策分析
2 自営業を含むケインズ型経済のモデル
3 追加的政府投資の効果
数学付録
AI 諸準備
AII εq(R)とσRとの逆数同値性の証明
索引

2023.03.31発売
個体論の崩壊と形成 近世哲学における「個体」の研究
創文社オンデマンド叢書
近代的人間は、主客が分化していない「直接経験」を失ってしまったのではないか。われわれは、生の全体性を了解することができなくなってしまったのではないか。カントによる、合理主義と経験主義のの綜合によって、「個」が崩壊したと主張する著者が、あらためて「個体論」の可能性を追求する。
【目次】
はじめに
前編 カントの個体論ーー伝統的個体論の崩壊
第一章 序論
第一節 なぜ個体なのか
第二節 なぜカントなのか
第二章 物自体と個物
第一節 序説
第二節 物自体と現象
第三節 物自体と自我自体
第三章 〈現象的個体〉の成立
第一節 個別化原理としての直観
第二節 個別化原理としての概念
第三節 知覚判断より経験判断へ
第四章 個体と無限分割ーーカントの第二アンティノミーについて
第一節 仮象の論理としての個体論
第二節 第二アンティノミーの主張
第五章 純粋理性の理想としての個体
第一節 ヴォルフの個体論
第二節 カントにおける汎道的限定の問題
第三節 統制的原理による個体把握
第六章 他人有機体の問題
第一節 第一批判より第三批判へ
第二節 論理的合目的性について
第三節 趣味判断の問題
第四節 有機体について
第五節 歴史的個体への推移
後編 カント以後の個体論の形成
第七章 個体論をめぐってーーカントとヘーゲル
第一節 個体論としてのヘーゲル哲学
第二節 生命の問題
第三節 無限判断
第四節 推理論
第五節 精神と時間
第八章 個体と非存在ーーシェリング
第一節 関係のない財政をめぐって
第二節 個体と非存在
第三節 個体と自由
第九章 現象学的個体ーーフッサール
第一節 個体のスペチエス的単一体
第二節 個体と時間
第三節 個物の構成
第十章 個体と超越ーーハイデッガー
第一節 〈現象的個体〉の存在論的性格
第二節 事実性の問題
第三節 〈物自体〉の見える風景
あとがき
索引

2023.03.31発売
ルター神学とその社会教説の基礎構造 二世界統治説の研究
創文社オンデマンド叢書
ルターの二世界統治説は救済論と救済史観により構築されているという独自の見解を提出し、両者の構造的連関を明らかにした労作。
【目次】
凡例
緒言
第一部 序説――二〇世紀初頭以降の当該問題の研究史
第一章 一九三三年以前
第二章 ナチズムの時代
第三章 第二次世界大戦後
第二部 二世界統治説
序章 研究課題と方法論的反省
第一章 二世界統治説の展開史的考察
一 展開史的考察のための条件
a 発想
b 考察の視点
二 二世界統治説の成立に至るまでのルター的対の展開と二つの統治・国
a 諸聖書注釈を資料にして
b 諸討論を資料にして
c 諸文書を資料にして
d 諸説教を資料にして
第二章 二世界統治説の展開
一 農民戦争期とその前後
二 後期ルター
第三章 ルター神学における二世界統治説の位置
一 教会論との関連
二 公権力と反抗権の理解
第三部 ルターの二世界統治説の歴史的位置
第一章 中世の二権説、特に教皇絶対権への批判
第二章 熱狂主義批判
一 ミュンツァー
二 カールシュタット
後記
人名索引
参考文献

2023.03.31発売
迷走しない!英語論文の書き方 秘密は「構造」作りにあり
◆◆英語論文執筆で迷走中のあなた! その論文に「構造」はあるか?◆◆
あの経済学者、成田悠輔が「『論理やデータを中心に、筋道だった英語を書く必要がある人』であれば誰にとっても役に立つ」と大絶賛した『THE LITTLE BOOK OF RESEARCH WRITING』がついに邦訳!
英語論文執筆の難関は「構造」作りにあった!
なんとなく書き始めたけれど、筆が進まない。
どの段落に何を書いたらよいのかわからない。
なんとか書き上げたものの、よい評価が得られない……。
これって英語力の問題? いえ、「文章設計力」の問題です!
英語で論文を書く際には、文章全体の論理構造を作ることが重要なのです。
【推薦の言葉】
ライティングに必須な文章の構成力をこれほど簡潔に解説する本に出会ったことがない。表現力を磨くだけでは作文は上達しない。文章は構成によって輝く。「推し本」の日本上陸を喜びたい。
――池谷 裕二(東京大学薬学部教授)
【本書の特徴】
ライティングの中で、「個々の文をいかにわかりやすくするか」に注意を払う人は多いでしょう。しかし、個々の文を磨く以前の、「パラグラフ、セクション、および論文全体をどのような形で構成するのか」に注力する人は多くありません。複雑な研究内容を、時間のない読み手にわかりやすく伝えるためには、英語ならではの文章構成をしっかりと組み立てる必要があります。
本書では、わかりやすい論文を書くための原則を、執筆の流れに沿って、実際の英語論文(全文和訳付き)の例を挙げながら丁寧に解説します。忙しい指導教員や同僚に、効率的にアドバイスをもらう方法までわかります。本書のメソッドを実践すれば、論文執筆で「迷走」することはありません。論文の読み手を「迷走」させることもなくなります。
【監訳者あとがき(抜粋)】
アイデアを論文の読者にズバッと伝えるためには、複雑な詳細や無関係な脱線を削ぎ落とし、できるだけ簡潔で明瞭な論旨を切り出す必要がある。そのための必要最小限の最も本質的な装備だけを本書は扱っている(中略)。
英語で論文やレポート・報告書を書くたび、この本を取り出して練習問題をやり直してみてほしい。どこに向かっているのかさっぱりわからない「迷走論文」を書いてしまう危険性が劇的に減るはずだ。
【主な目次】
本書について
手法:論文を組み立てるための3段階
第1段階 主張点を明確にする
第2段階 アウトラインを構築する
第3段階 パラグラフの執筆
RAPの枠組みを見直す
最後に、「いつ」書き始めるべきか

2023.03.31発売
中国詩文論藪(東洋学叢書35)
創文社オンデマンド叢書
古代中国文学を、散文と詩のはじまりから、読み解く。
【目次より】
I 散文論
一 尚書とその周辺
二 正始の文章
三 柳宗元の生活体験とその山水記
四 日本留下来的両種柳宗元集版本
五 柳宗元「河間伝」
六 杜牧と伝奇
七 北宋名人の姻戚関係 晏殊と欧陽脩をめぐる人々
II 詩論
一 楽府「行」の本義
二 「春」「秋」之詞性
三 杜甫「城春草木深」の「春」について
四 「白日」の解釈
五 詩語の構造 杜牧のばあい
六 杜牧今体詩の一つの技法 「江南春絶句」詩を中心に
七 〓鼎孳論
八 陳維〓の詞
九 陳其年集の編集出版
十 徐履忱の伝記と詩
附録
書評
前野直彬『唐代の詩人逹』
中国社会科学院文学研究所編『唐詩選』
吉川幸次郎 桑原武夫『新唐詩選続篇』・倪海曙『唐詩的翻訳』
夏承〓『唐宋詞人年譜』
『浦江清文録』
解題
王弘撰『山志』
『聖宋千家名賢表啓翰墨大全』
『聖宋千家名賢表啓翰墨大全』解題補 北京円書館蔵本について
謝枋得『文章軌範』(官板)
『増修箋註妙選群英草堂詩餘』
『欽定詞譜』
あとがき

2023.03.31発売
環境カオリスタ検定公式テキスト
公益社団法人 日本アロマ環境協会が実施している、環境カオリスタ検定の公式テキスト。2022年版として刊行している。

2023.03.31発売
イスラーム財産法の成立と変容
創文社オンデマンド叢書
本書の主たる目的は、スンナ派イスラーム実定法(fiqh)、とくに財産法の中で、従来の研究によって満足な説明を与えられてこなかったり、研究者の間で議論の的になっている規定を、ヒジュラ暦二世紀・西暦八世紀から三・九世紀初めの学派成立期あるいはそれ以前に溯って説明することである。
【目次】
序論
第一章 シャリーアとフィクフの概念と学派の成立
第二章 所有権の構造
第一節 アインとマンファア 第二節 果実の概念 第三節 使用価値の法的性質 第四節 補足
第一部 契約の効力
第一章 総論
第一節 効力から見た契約の分類 第二節 契約の取消と解除
第二章 不成立の契約
第一節 定義と法律効果 第二節 マーリク派における無効の概念 第三節 当事者の能力 第四節 目的物の適格性 第五節 引渡が完了していない物の転売
第三章 無効な契約
第一節 総説 第二節 リバー 第三項 メディナ学説 食料の交換 第三節 射倖性 第四節 無効な約款マーリク派を中心として 第五節 強迫 第六節 シャーフィイーにおける無効の概念 第七節 公益に反する契約
第四章 効力未定の契約
第五章 有効だが拘束力のない契約
第一節 詐欺 総説 第二節 売買契約における詐欺による取消と瑕疵選択権 第三節 売買以外の契約における詐欺
第四節 詐欺を含む特別な売買
第二部 民事責任
第一章 総論
第一節 ダマーンの意義 第二節 ダマーンの負担の基準の概要
第二章 加害行為
第一節 直接損害と間接損害の理論 総説 第二節 ハナフィー派の理論 第三節 マーリク派の理論
第三章 責任占有
第一節 総説 第二節 侵奪 第三節 特定物売買における危険負担
第四章 預託占有
第一節 総説 第二節 踰越と懈怠 第三節 各法律行為における責任
第五章 害の法理
第三部 法制度各論
第一章 有償解放契約
第一節 有償解放契約とパラモネー契約 第二節 マーリク派 第三節 ハナフィー派 第四節 シャーフィイー派
第五節 有償解放契約の社会的意義
第二章 遺留分制度 「死の病」
第一節 総説 第二節 死の病制度の起源と展開 第三節 死の病制度における主観的要素 第四節 シャーフィイーの理論 第五節 結論
第三章 信頼売買
第一節 制度の趣旨をめぐる従来の学説 第二節 ムラーバハ売買 第三節 タウリヤ売買
第四章 マーリク派における賃約の解約
第一節 履行不能 第二節 使用価値の移転と賃約の解約と対価の支払 第三節 合意解約に対する制限
基本的語彙の説明
人名一覧
文献目録

2023.03.31発売
心の形而上学 ジェイムズ哲学とその可能性
創文社オンデマンド叢書
心とは何か? 機能主義、経験主義、超越性、プラグマティズム、大脳生理学など、「心」をさまざまな角度から、検証する画期的な書。真理、経験、霊魂、超越的経験、実在、意識、宗教、神秘、偶然などなど。われわれの「心」の不思議に迫る。
【目次】
序
第一部 「思考の流れ」の成立から「純粋経験」へ
第一章 意識と物質の存在論
第二章 心粒子と「思考の流れ」
第三章 純粋経験の特徴と問えない領域
第二部 「経験」と心の形而上学的諸問題
第一章 自我の内なる視線と意識流
第二章 機能主義と意識、自我 プラグマティズムの視線
第三章 機能から経験の実在論へ
第四章 内的特性の位置
第五章 「新しさ」の形而上学
第六章 「この私」はなぜ存在するに到ったか
第七章 「私」枠と存在の「神秘」 経験への回帰によるその「解決」
第八章 「この私」の唯一性とその消去
第三部 超越的経験と心の形而上学的諸問題
第一章 超越的経験とその理解
第二章 心の存在と真理概念
第三章 心と霊魂 意識の辺縁から心霊研究へ
第四章 純粋経験と空の経験
第五章 虚無の根拠の無効化 純粋経験への途上にある具体的条件
第六章 純粋経験と空の理解

2023.03.31発売
日本国家思想史研究
創文社オンデマンド叢書
江戸時代の水戸学、国学から説き起こし、第二次大戦後の「日本国憲法」成立後の現代まで、法学の泰斗が日本人の国家観を精査する。
【目次より】
I 法思想における「国体論」
1 法思想における「国体論」
一 「国体論」の生成と終焉
二 水戸学と国学
三 明治維新と「国体論」
四 国体と政体
五 上杉慎吉と筧克彦
六 「国体明徴」
七 「一億玉砕」
2 騎馬民族説と「国体論」
一 英雄・非常時・神話
二 政治神話としての「国体論」
三 「国体論」と記紀神話
四 騎馬民族説と国学
五 騎馬民族説と天皇機関説
3 日本社会と法
一 日本人の訴訟嫌い
二 中国人の訴訟嫌い
三 不足主義と最悪事態観
四 清く明き心
五 「タテ社会」論
六 縁社会
七 結び
II 政治の中の憲法
1 昭和前期の法と政治
一 概観
二 「満蒙の危機」(一)
三 「満蒙の危機」(二)
四 法廷闘争
五 満洲国における王道・覇道・皇道
六 「東亜新秩序」
七 「国防国家」
八 天皇制と天皇
九 現代よりの回顧
2 憲法論争の幕切れ
一 宮沢俊義の改憲消極論
二 美濃部達吉の改憲消極論
三 美濃部の反象徴天皇制論
四 宮沢の「八月革命説」
五 最晩年の美濃部
3 「八月革命説」ノート
一 ポツダム宜言
二 八月―一日連合国回答
三 「権限通達」
四 日本国憲法
五 日本側の対応
六 「八月革命説」
4 ワイマール体制と戦後民主主義
一 昭和二十一年の危惧
二 ヴニルサイユとポツダム
三 小党分立
四 ワイマールの轍?
五 ファシズム 情念の支配
III 国学研究覚書き
1 『国意考』ノート
2 宜長考
3 国学と上代日本
あとがき

2023.03.31発売
マルチン・ブーバー 人と思想
創文社オンデマンド叢書
ブーバー(1878~1965)は、ユダヤ系の宗教哲学者、社会学者である。ユダヤ教の教義に則った、対話によって世界が拓けていくという「対話の哲学」を説いた。本書は、ブーバーの生涯とその思想をまとめたブーバーの格好の入門書である。
【目次より】
第一部 ブーバー 人と思想
はじめに
I 生涯 狭い尾根の道
一 時代的背景
二 少年時代
三 哲学的懐疑
四 大学時代前後
五 フランクフルト時代
六 エルサレム時代
七 使命
II ハシディズム ブーバーの思想的源泉
一 「ハシディズム」への道
二 「ハシディズム」の由来
三 「カッバーラー」との関係
四 「ハシディズム」の特質
五 「ハシディズム」と禅
III われとなんじ 対話の世界
一 対話的思惟の形成
二 根源語
三 人格の問題
四 「われ - なんじ」
五 「われ - それ」
六 「われ - 永遠のなんじ」
IV ユートピアの道 宗教と社会
一 社会的関心
二 政治的原理と社会的原理
三 ユートピア社会主義
四 キブツ
V 神の蝕 宗教と文化
一 文化の問題
二 宗教と現代的思惟
三 悪の様相
四 哲学・倫理
五 教育・精神療法
六 芸術
VI 信仰の二形態 ユダヤ教とキリスト教
一 聖書研究
二 預言者の信仰
三 イエスとパウロ
四 キリスト教との対話
むすび
第二部 ブーバーの精神的背景
I ブーバーとユダヤ精神
II ブーバーとハシディズム
III ブーバーと東洋精神
IV 日本思想とブーバー
付I ユダヤ教におけるメシア理念
付II ボンヘッファー(解説)
略年譜
著書・研究書
あとがき