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2021.03.19発売
エウセビオス「教会史」 (下)
講談社学術文庫
「反ユダヤ主義」の淵源とは?
迫害に次ぐ迫害からコンスタンティヌス帝の勝利まで。「キリスト教とは何か」が根本的に問われた時代を「教会史」の嚆矢に読む。
キリスト教最初期300年の歴史を記し、「反ユダヤ主義」など西洋精神史に多大な影響を与えた教会史の嚆矢を全訳。本巻では、セウェルス帝治下の迫害(203年)からエウセビオスの同時代、ミラノ勅令やリキニウス帝に対するコンスタンティヌス帝の勝利まで、迫害と殉教者、正統をめぐる百家争鳴の論戦が語られる。巻末に詳細な各種索引を付す。
エウセビオスは、ユダヤ人がイエスをキリストとして受け入れないというただそれだけの理由で、彼らにむき出しの憎悪を投げつけた。『教会史』の論客たちは、歴史の中のイエスや、その神性、正典、正統教会の聖書理解などについて挑戦的で重大な発言を繰り返した。これらはいずれも現代のわたしたちが問題にすべきものであろう。(中略)「キリスト教とは何か」を真摯に問う者は、「新しい皮袋に新しい酒」(マタイ、マルコ)を盛ろうとしなければならないのではないか。――<本書より>
※本書の原本は1986~1988年、山本書店から刊行されました。

2021.03.19発売
エウセビオス「教会史」 (上)
講談社学術文庫
キリスト教史の最も重要な1章
イエスの受肉からコンスタンティヌスによる「公認」までを描き、その後の西欧精神史に決定的影響を与えた最初のキリスト教会史!
イエスの出現から「殉教の時代」を経てコンスタンティヌス帝のミラノ勅令による「公認」まで、キリスト教最初期300年の歴史。以後記される教会史の雛形となって著者エウセビオスを「教会史の父」と呼ばしめ、アウグスティヌスの著作とともに現代に至るキリスト教世界の価値観の原点ともなった『教会史』全10巻を全訳、詳細な註と解説を付す。
エウセビオスの『教会史』は、イエスの出現からはじまってキリスト教が帝国の「公認宗教」と認知されるまでの、教会形成と発展の過程における歴史を語ったものである。その歴史とは、キリストについて「証しする」ことがキリストのために「殉教する」ことと同義語であった時代の歴史であり、キリスト教側の弁証家や護教家が、ユダヤ教や諸宗教にたいして、自己が奉ずる宗教の「存在理由」を明確かつ強力に主張するために、それを「定義した」時代の歴史でもある。――<「訳者はしがき」より>
※本書の原本は1986~1988年、山本書店から刊行されました。

2021.03.19発売
石の来歴 浪漫的な行軍の記録
講談社文芸文庫
現実と非現実の交錯を描く芥川賞受賞作。石に異常な執着を示す男の人生。長男の死、妻の狂気、次男の学生運動、夢と現実の交錯のなかで描かれる奥泉光の芥川賞受賞作。他に「浪漫的な行軍の記録」所収ーー太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は、異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する、芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちの、いつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは……。帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。

2021.03.19発売
東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎
講談社文庫
石原都政が残した「爪痕」。12年に及ぶ石原都政を徹底検証。私物化された都政ーー3期12年という長期に及んだ石原都政。表現の自由を脅かす青少年育成条例、巨額赤字を抱え破綻した新銀行東京、莫大な費用をどぶに捨てた五輪招致。さらには、執拗に繰り返される外国人や障がい者に対する差別発言。彼は東京に何を残したのか……。<『空疎な小皇帝「石原慎太郎」という問題』加筆改題作品>

2021.03.19発売
不正会計
講談社文庫
組織人の心にくい込む迫真の経済小説。巨大粉飾決算発覚し「無限責任」の嵐が会社を襲う! ーー分不相応な拡大路線、放漫経営……。大手監査法人が健全だと判断を下した老舗メーカーに、粉飾決算疑惑が浮上した。内部告発が業界を駆け巡り、金融庁も動き始める。監査法人の会計士・青柳は、粉飾幇助の疑いから、組織を、己の正義を、守ることができるのか? 未曾有の企業不正を描く経済小説。

2021.03.19発売
波に座る男たち
講談社文庫
消滅寸前の昔気質のヤクザたちが、ふとしたことから手に入れた漁船で捕鯨を始める。超武闘派の環境団体ほか、障害も多く……。著者、初めての痛快冒険文学長編ーー男たちは海にくりだす。船はその名も任侠丸! 海、鯨、そして仲間たち、そして戦いが始まる! 小料理屋の主人・麓浩司は、借金のため、ヤクザ・大場会の料理人になることに。その大場会の台所も、火の車。任侠道にこだわりすぎの親分が、ある日、決断したのは、「日本の食文化の伝統を守る」稼業に乗り出すことだった。美女、伝説のスナイパーほか、多彩な登場人物が奏でる、ハートウォーミング&ユーモア冒険活劇。

2021.03.19発売
黄昏という名の劇場
講談社文庫
逢魔が時に紡がれる 怪奇と恐怖の物語。覗いた者は戻れない! ーー夕暮れの薄闇が下りてくる黄昏の頃には、災いや魔物がこの世に現れるという。我がもの顔で町を荒らし回る残忍な悪党とその手下が出会った不思議な男(「雄牛の角亭(つのてい)の客」)。有名な探偵が乗った列車で起こる奇怪な密室殺人(「憂い顔の探偵」)。異界の扉を開き、迷い込んだ者たちが遭遇する、8つの妖しの物語。

2021.03.19発売
特別検査 金融アベンジャー
講談社文庫
ノンキャリが挑む! 復讐相手はメガバンク! ーー大蔵官僚過剰接待事件の生け贄となり、清廉なノンキャリ官僚だった先輩が死を選んだ。7年後、自らも検査官のポストに就いた牟田は、省内エリートのMOF担やメガバンクを、「特別検査」で追い込んでいく。叩き上げの官吏が、金融界や国をも相手にして挑んだ、壮絶な復讐を描く、経済ミステリー。

2021.03.19発売
噂の娘
講談社文庫
言葉による映像美の頂点。鮮やかな記憶の破片、重なるあの日の心情ーー遠いどこかの街で父親が入院し、母は私と弟を、懇意の美容院に預けて旅立つ。50年代のどこか、夏から秋にかけての数日間を、女ばかりが暮らすその家で過ごす私は、漠然とした不安に発熱する。おびただしい噂話、錯綜する記憶、懐かしい物が織りなす重層的な映像(イマージュ)。時間と感覚を縦横に描く繊細にして強靭な長編。

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第6巻
講談社文庫
日本企業が輝いていた「あの時代」の記録。日本の「底力」を再確認ーー一眼レフカメラに自動焦点を設置したミノルタの研究者が世界の注目を浴び、三洋電機や竹中工務店の企業戦士たちは、商習慣も生活環境もまったく異なるヨーロッパで数々の障害を克服していった。日本企業が雄々しく成長を遂げた時代を描いた名著には、今日の閉塞状況を打破するヒントが隠されている。<全6巻・完結>

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第5巻
講談社文庫
人の命を救う「技術」はこうして生まれた! 医療と技術の先端現場ーー医療に最新技術を導入し、人の命を救うため、人工補助肝臓を開発した倉敷中央病院とクラレ。人工透析装置に飛躍的前進をもたらした東京女子医大「腎センター」と東レ。松下幸之助の薫陶のもと、数々の新発明を世に送り出した松下電器など、最先端の現場を活写し、技術者たちの熱気を伝えた名ドキュメント。<全6巻>

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第4巻
講談社文庫
巨大プロジェクトに挑む「匠」たちの軌跡。速さと安全性を求め……ーー気が遠くなるほどの困難、試練を乗り越えて、東海道新幹線、青函トンネル、ATCの開発など、巨大プロジェクトを成功に導いた国鉄技術陣。彼らの「成果」は、今なお輝きを放つ。では一体、何が成功のカギを握っていたのか。技術者たちの挑戦をドラマチックに再現し、戦時下からつながる日本の技術力に迫る。<全6巻>

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第3巻
講談社文庫
世界企業の発想法とは? 世界に飛躍するカギは独創性にあり! ーーカナ漢字変換という新しい発想法で、ワープロを生みだした東芝の技術陣。本田技研では、ベルギーで「ノウハウ・ゼロ」から工場づくりに奔走したスタッフや、従来の常識をくつがえす「四輪操舵」に取り組んだ技術者がいた。世界に飛躍する企業には、すぐれた戦略とそれを支える現場の「底力」があった。<全6巻>

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第2巻
講談社文庫
混迷ニッポンの道標に。日本再生の「鍵」がここにある! ーー世界で初めて「自動焦点カメラ」の商品化に成功した小西六。天然の皮と同じ繊維構造をもつ人工皮革で欧米を席巻した東レ。三菱電機では、社内の工場同士の熾烈な開発競争から新製品が生み出されていた……。日本が「技術大国」として世界にその名をとどろかせていた時に輝いていた「匠」たちの足跡を追う。<全6巻>

2021.03.19発売
新版 匠の時代 第1巻
講談社文庫
感動の名ドキュメント、いまここに甦る。日本を支えた技術者魂ーー疎開工場からスタートし、革命的なクオーツ時計を誕生させたセイコー電卓の小型軽量化にしのぎを削ったシャープとカシオなど、世界が瞠目した日本企業の技術革新。それは、開発スタッフの汗と涙の結晶であった。彼らの人間ドラマを鮮やかに描き、大ベストセラーとなった名著から、日本再生の指針を読み取る。<全6巻>

2021.03.19発売
ミステリー主義
講談社文庫
謎とジョークは人生のスパイス! 生き方のヒント満載! ーー短編小説の名手は、生き方の達人でもあった。デビュー当時の思い出や創作の裏話、名作の評論などを集めた第1部「小説家の頭」。旅先での体験、ユーモアを鍛える実践ジョーク作法、新解釈のことわざ考現学などを収めた第2部「気ままノート」。人生を実り豊かに生きるためのヒントを満載した珠玉エッセイ集!

2021.03.19発売
樓岸夢一定 蜂須賀小六
講談社文庫
戦国屈指の脇役武将が見た理想と野望ーー織田信長の能力と残忍性をいち早く見抜き、桶狭間で戦功を上げながらも、臣下として仕えることを拒み続けた蜂須賀小六。やがて、足軽組頭に過ぎぬ秀吉を主人と定め、調略・外交一切を引き受け、ことごとく成功させ、秀吉躍進の最大の功労者となる。嘘偽りなき、まっすぐな生き様を全うした、史上稀なる武将を描く、感動の歴史長編。

2021.03.19発売
ソロ
講談社文庫
殺してしまった。ただ、なんとなく。圧倒的な言葉の力、鮮烈な文体で描きだす「日常に潜む狂気と暴力」ーー女の死体を何度もまたぎながら、俺は部屋の明かりを消して、待つ。きっと、俺と同じようなやつらが、ゴマンといる。日常に潜む狂気、誰もが知らずに抑えこんでいる暴力への衝動。鮮烈な文体、圧倒的な言葉の力で描きだされた、バイオレンスの世界。表題作「ソロ」、「アス・ホール」、「外回り」の3編を収めた傑作集。

2021.03.19発売
智恵子飛ぶ
講談社文庫
『智恵子抄』に描かれない智恵子像ーー天才芸術家である高村光太郎の陰で、その秘められた才能を花咲かすことの出来なかった妻・智恵子。天真爛漫な少女時代、平塚らいてう等と親交を深める青春時代、光太郎との運命の出逢い、そして結婚、発病……。一心に生きた智恵子の愛と悲しみを余すことなく描いた、芸術選奨文部大臣賞受賞の傑作長編。

2021.03.19発売
死の追走
講談社文庫
連鎖する「死」と心の闇を描く傑作。レイプ殺人を皮切りに次々と……ーー一人娘をレイプ殺人で失った老夫婦宅に、事件が時効を迎えたあと、毎月送られる10万円。贈り主は、いったい誰なのか……。次々と連鎖するように起こる人の死と、それにまつわる謎を解き明かしながら、人間の心に宿る悲しみを描いたミステリー連作。鋭い文章が冴えわたる、笹沢文学の新傑作!