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虹への旅券
1977.08.26発売
虹への旅券
著:森村 誠一,解説:武蔵野 次郎,装丁:亀倉 雄策,装画:南 正雄
講談社文庫
匂う肌 佐野洋推理傑作選
1977.08.26発売
匂う肌 佐野洋推理傑作選
著:佐野 洋,装丁:亀倉 雄策,装画:森 秀雄
講談社文庫
友人を羽田空港に見送っての帰りに会った、正体不明の女との一夜の奇妙な体験を、SF的手法で描いた表題作「匂う肌」ほか8編を収録。各編、緻密な構成と破綻を見せぬ鉄壁のプロットから成り、作者の周到な計算は、知的娯楽としての推理小説の味わいを満喫させる。佐野洋の多彩かつ華麗な創作活動を示す好短編群。
電子あり
名探偵なんか怖くない
1977.08.25発売
名探偵なんか怖くない
著:西村 京太郎
講談社文庫
かの3億円強奪事件をそっくり再現させて、それを世界的名探偵に推理させようという酔狂な企画。立案者は財産をもて余す成金。招かれた探偵は、メグレ、ポワロ、クイーン、明智の豪華版。お膳立てが整い、監視されているとも知らぬ犯人は行動を起したが、意外や意外。巧みな構想に支えられたパロディの秀作。
新書東洋史(8)中央アジアの歴史
1977.08.23発売
新書東洋史(8)中央アジアの歴史
著:間野 英二,装丁:杉浦 康平,装丁:鈴木 一誌
講談社現代新書
ユーラシア大陸を二分する北方の“蒼き狼”たちの遊牧草原国家と南方のオアシスを軸につくられた都市国家――その両者の対立・抗争と共存の歴史が、中央アジアを彩った歴史である。あるときはトルコ化し、あるときはイスラム化する草原とオアシスの民は、ティムールによる統一帝国の坩堝の中で、新しいユーラシア文明をつくりあげる。本書は、この歴史のダイナミズムを掘り下げながら、現代に至る諸民族の興亡と独立を明らかにし、中央アジアを把えるに必要な歴史観を提示する。 中央アジアにおける北と南――中央アジア北部の草原地帯と山間牧地の主人公は、群をつくる有蹄類の動物を追って、夏営地と冬営地の間を季節移動する遊牧民であり、南部のオアシス地帯の住民は、農業を主とする定住民であった。しかし、この相異なる生活様式をもった南北二つの住民は、相互に隣接して生活している以上、常に密接な関係に立たざるを得なかった。それは特に征服と被征服、支配と被支配の関係であり、また時には一方の文化の、他方の文化に対する優位と劣位の関係でもあった。また同時に、両者間の相互補完的な共存関係をもつくりあげた。――本書より
改訂新版 書写書道四千字 現代字体字典
1977.08.12発売
改訂新版 書写書道四千字 現代字体字典
編:日本書道教育研究所
仏陀の観たもの
1977.08.08発売
仏陀の観たもの
著:鎌田 茂雄
講談社学術文庫
生きとし生けるものすべてには、必ず生滅がある。生あるものは必ず滅ぶ。ところが仏教では、不生不滅とか生死一如と説く。また、この世を無常な相(すがた)として把え、泡沫の如きものと観る。どうして仏教では、このような観方ができるのだろうか。そもそも仏教とはどんな宗教であり、どういう教えを説いているのだろうか。本書は、仏教の基本的な考え方を平易な言葉で明らかにし、仏教が現在に生きる教えであることを教示する好著である。
更級日記(上)
1977.08.08発売
更級日記(上)
訳:関根 慶子
講談社学術文庫
『更級日記』は、幼いときから文学にあこがれていた平安の一女性が、晩年、一生を省みて綴った幻想的な日記である。上巻は--十歳ごろ地方官の父に伴われ上総に下って、つれづれな明け暮れの中に文学に心を奪われる--父の任が満ち作者一族は長い苦しい旅の末、京に帰り、ようよう得た物語を夢ともうつつとも読みふける--父は再び任官、遠国に発ち、作者は母と京に寂しく残る。やがて父は帰京、老いた今は作者一人を頼りきる(上下二巻)。
宇宙についての基礎知識
1977.08.08発売
宇宙についての基礎知識
著:宮本 正太郎,その他:蟹江 征治,装丁:司 修
講談社学術文庫
晴れた夜、天空を仰いだ人はだれでも、広大で深遠な宇宙の姿に魅了されることだろう。と同時に、我々の生をうけたこの宇宙とは、どのような世界であるのだろうとか、我々の生命とは一体なんなのだろうとか、思いをめぐらさずにはいないだろう。本書は、最新の宇宙科学の発展を踏まえながら宇宙の諸現象を平易に紹介し、恒星宇宙や惑星の世界の本質をさぐるとともに、地球と生命の歴史までをも明らかにする。待望の宇宙科学入門書。
動物にとって社会とはなにか
1977.08.08発売
動物にとって社会とはなにか
著:日高 敏隆,解説:生松 敬三,その他:蟹江 征治,装丁:阿部 肇
講談社学術文庫
動物たちは、行きあたりばったりに喰(くら)い争い、まるでけだもののように生きているのだろうか。そんなことはない。本書で著者は、ゾウリムシやチョウ、トゲウオやオオカミなど興味深い具体例を挙げながら、動物たちが実は、「社会」と呼ぶほかない複雑精妙な関わり合いの中に生きていることを明らかにする。翻ってヒト社会の諸問題をも照射する著者の視点は、本書を、今日の先端的な人間の問題を考える優れた文明批評の書ともしている。
大和路のこころ
1977.07.27発売
大和路のこころ
著:入江 泰吉,その他:宇津木 澄,その他:亀倉 雄策,装丁:松永 真
講談社文庫
近代化の波を憎み、美しい自然に憧れ、いにしえびとの深い思いに焦点を当て続けた、著者30余年の労に、第24回菊池寛賞が贈られた。幸静かに降り、霞たなびき、春を謳う花の群れ、その瞬間瞬間が、古代の幻を見るようにあでやかで哀しい。奈良に生まれ奈良を愛した市井写真家だけが持つ心意気が輝やく、珠玉の作品集。
電子あり
ハンカチの上の花畑
1977.07.27発売
ハンカチの上の花畑
著:安房 直子,装丁:亀倉 雄策,装画:司 修,解説:三木 卓
講談社文庫
幻想のイメージを鮮明に美しく描いて、独自のファンタジーの世界を形成する、安房直子の童話集。正直者の良夫さんは、二つの約束とともに古い壺をあずかります。壺には、ハンカチの上に菊の花をさかせておいしい菊酒を造る小人が住んでいて……という「ハンカチの上の花畑」ほか、「空色のゆりいす」「ライラック通りの帽子屋」の2編も収録。
電子あり
空洞の怨恨 傑作短編集(四)
1977.07.27発売
空洞の怨恨 傑作短編集(四)
著:森村 誠一,解説:小林 久三,装丁:亀倉 雄策,装画:南 正雄
講談社文庫
小笠原は、友人・海野の恋人を奪い、彼を狂気に追いやり、あげくは彼の原稿までも盗み、職業作家の地位を手に入れた。失意の海野は、山小屋に一編の詩を遺し、南アルプス山中に消えた。詩を手がかりに、海野の行方を追う大塚刑事の執念の捜査の前に、事件の全貌が……。小説現代読者賞の表題作「空洞の怨恨」ほか、「二重死肉」「鈴蘭の死臭」「集合凶音」「密閉島」「崩落した不倫」の力作5編を収録。小学校時代は番長だった新進作家と、失踪した作家志望の同級生の過去は……。
電子あり
妖星伝 第一部 鬼道の巻
1977.07.27発売
妖星伝 第一部 鬼道の巻
著:半村 良,その他:亀倉 雄策,その他:横尾 忠則
講談社文庫
異端とそしられ、黒魔術と怖れられながらも、日本史の裏側に陰影のごとく貼りついてきた「鬼道」は、江戸時代に不在の盟主を求め、各派が一斉に跳梁をはじめた。血と淫液にまみれ凄絶な争いがくり返される。そこへ、超能力を具えた宇宙星人の出現!空前のスケールで伝奇小説の頂点をめざす長篇第1部。
病める人間像
1977.07.27発売
病める人間像
著:島崎 敏樹,装丁:亀倉 雄策,その他:K.B.K
講談社文庫
健康な人は、「健康とは」と問われても返答に窮する。だが、一旦健康を失った人は、失われた健康というものが痛切に意識できる。病める人間像を識ることは、これと似た意味をもつという。――長年、統合失調症に接し、それを人格の病として捉えた著者が、創造の病理や自殺に至る病など、多くの例を上げ、さらに人間の変容を迫る現代社会の症候群を引き、「人間とは何か」を独特の風合に織り上げた名著である。 現代の病理的症候を描く精神医学者の文明論現代社会の人間像の変貌を、現代の病める人間像―人格の深みから孤立化していく人間像を描き、もう一度健康で自然な人間を捉え直そうとした一冊。
電子あり
彼の故郷
1977.07.26発売
彼の故郷
著:小川 国夫,解説:川村 二郎,デザイン:亀倉 雄策,その他:門坂 流
講談社文庫
幼年の頃、青年の頃の忘れがたい光景……それは「故郷」という地獄である。「浩」と呼ぶ少年の成長の過程を、夢と現実の巧みな交錯の中に描き、硬質な抒情の世界を創る半自伝的短編連作集。 「いわゆる生い立ちの時期に自然と注意が集まって行った。で、特に意識させられたことは、自分の奇妙な姿勢であった。幼年期から青年期の始めにかけての記憶と現在との間には遠い距離がある。私は、普通に眺めれば広い視界の、ごく限られた一劃に望遠鏡のピントを合わせ、陽炎のかなたを見ようとして呼吸を整えるといった具合だった。」(後記より)
電子あり
二十四歳の憂鬱
1977.07.26発売
二十四歳の憂鬱
著:源氏 鶏太,解説:武蔵野 次郎,デザイン:亀倉 雄策,その他:長尾 みのる
講談社文庫
K商事の支店長で妻子ある青地を恋する滝沢みき子は、悪いこととは知りつつも、彼との逢瀬に溺れてゆく悦楽には勝てずにいる。一方、会社の若い同僚・三森は、みき子に思いを寄せ求婚を公表している。――ときに青地の身辺には、大きな転機が訪れてきた。人生の曲り角に立たされたみき子。同じことがひろ子、由利子にも……。若いOLの愛の苦悩、24歳の危険な年齢を描く傑作長編。 K商事支店長で妻子ある青地を恋する滝沢みき子。彼女に思いを寄せ求婚する会社の同僚三森。人生の岐路に立たされたみき子と同じことが、友人のひろ子、由利子にも‥‥。若いOLの愛の苦悩を描く長編。
電子あり
ヒットラーの遺産
1977.07.20発売
ヒットラーの遺産
著:五木 寛之,解説:平岡 正明
講談社文庫
電子あり
新書東洋史(7)東南アジアの歴史 モンスーンの風土
1977.07.20発売
新書東洋史(7)東南アジアの歴史 モンスーンの風土
著:永積 昭,その他:杉浦 康平,装丁:鈴木 一誌
講談社現代新書
モンスーンの風土にめぐまれた多島海。東南アジアは中国・インド両文明のはざまにありながらも、アンコール・ワット、ボロブドゥールに象徴される特異な文化を育んできた。しかし、香料を契機とする西洋世界の侵入、それにひきつづく植民地化は、あまりに大きな波紋を残した。強制栽培制度による略取、太平洋戦争下の荒廃を負った独立への道はきわめて険しいものであった。本書は、曲折にみちた東南アジア史の本質を統一的視点からあざやかに解明した。 東南アジアの一体性――1970年代も半ばを過ぎた現在、かつての東南アジア植民地はすべて独立を獲得したが、民族革命の達成にくらべて社会的平等の実現はまだこれからの課題と言えよう。またその中には純然たる社会主義国家から露骨な反共独裁国家まで驚くほどの幅が見られるが、それにもかかわらず、もはや東南アジアの一体性について疑いを抱く者はほとんどないと言ってよかろう。インドシナ三国における共産政権の成立以後、王制をとる仏教国タイとの間の緊張が伝えられ、こまかい動きを見れば東南アジア全体の政治的安定は遠い将来のこととも思えるが、ただひとつ明らかなことは、ここではもはやどのような大国の介入も歓迎されないだろうということである。――本書より
星の神話・伝説
1977.07.08発売
星の神話・伝説
著:野尻 抱影
講談社学術文庫
科学の発展によって少しずつ解明されてきたとはいえ、宇宙はいぜんとして謎と神秘のベールに包まれている。本書は、その謎と神秘に満ちた四季の星空を、ロマンあふれるギリシアやローマの神話・伝説をとおしてやさしく説きあかし、星の神秘にせまる。読者は、星や星座を楽しく学びながら、いつのまにか天文学の世界へと導かれよう。星の研究家として知られる著者の、長年の蘊畜を傾けた名著のほまれ高い天体・宇宙の入門書である。
法然と親鸞の信仰(下)
1977.07.08発売
法然と親鸞の信仰(下)
著:倉田 百三
講談社学術文庫
倉田百三は歎異鈔について、「その志向が内界完成にあるので、徹頭徹尾求心的なものである。その方面での典型的なものとして、世界第一の文書である。信仰の本質問題から決して遊離せず、人間の心理の実相を凝視し、痕づけて、寸毫も虚偽を許さず、生死の一大事とまっしぐらに取り組んでひたすら救済の心証へと究め迫っている」と述べている。厳しく日々の生活を見つめることを通して親鸞追求を行った著者が、歎異鈔の全てを語った書。