新刊書籍
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1977.06.28発売
チョコレート戦争
講談社文庫

1977.06.28発売
キューポラのある街(3)―赤いらせん階段―
講談社文庫
17歳の誕生プレゼント「赤いらせん階段」は、津村ノブ子にとって、思想と行動の自由の象徴のはずだった。ところが、長髪禁止の問題、高校生の横のつながりを求める動き、その連帯を断ち切ろうとするもの……が、ノブ子たち高校生を「よういならぬ時間と空間」の、危険な状況の中に捲きこんでいく。話題を呼んだ異色大河小説の第3巻。吉永小百合の主演で映画化にもなった、日本児童文学者協会賞受賞の不朽の名作。<全5巻>

1977.06.28発売
孤独の罠
講談社文庫
推理小説史上、特異な位置を占める、幻想の詩人・日影丈吉の代表的長編。舞台は、榛名山に近い寒村。縁の薄かったわが子の火葬に立ち会った仰木は、そこで奇怪な事件に巻き込まれた。1体のはずの乳児の骨が、2体も出てきたのだ。忌わしい事件を仕組んだ犯人の意図は? 閉鎖的因習や錯綜した人間関係を追いながら、謎を探る。

1977.06.28発売
無常ソング
講談社文庫

1977.06.28発売
現代数学小事典
ブルーバックス
本書の特色――
●高校の数学を勉強した人なら十分アタックできる程度の読物形式で作った新しい数学事典。
●現代数学を「数学基礎論」、「代数学」、「解析学」、「幾何学」、「トポロジー」、「応用数学」の6部門に分け、ほぼ全般を解説。
●各部門は、さらに幾つかの小部門に分けられ、統一した解説が施されている。また有名な数学者は、別にエピソードをまじえて詳しく紹介されている。
●本文中の重要な数学用語、数学者は太字にし、そこで定義や詳しい内容、仕事の紹介がなされている。
●索引は、用語、定理、人名各索引より成り、五十音順に配列されている。またそれぞれに英訳がつけられ使いやすくなっている。

1977.06.24発売
てのひら島はどこにある <佐藤さとるファンタジー童話集5>
講談社文庫
「ぼくのてのひら島はどこにあるのかな」……太郎は、いたずらのお仕置の跡のある手を見ながら、考えます。そのてのひら島で、虫の神さま――太郎そっくりのいたずら虫クルクル、双子の姉にそっくりの泣虫アンアンとシクシク、太郎が偶然会った女の子ヨシボウに似たおこり虫プンなどが活躍……現実と空想の織りなす名品「てのひら島はどこにある」ほか、「タツオの島」「マコト君と不思議な椅子」を収録。

1977.06.24発売
猫の舌に釘をうて
講談社文庫

1977.06.24発売
英語の語源
講談社現代新書
〈王様〉を意味するキング〈KING〉は、血族を示すキン〈KIN-〉から派生し、育ちのよい人間からの連想で〈親切〉を意味するカインド〈KIND〉と語源を同じくしている。その中心にあるのは、〈血縁〉のイメージであり、政治的につくり上げられた連合国家の長、皇帝=エンペラーとは、はっきり分けられる。コルシカ生まれのナポレオンは、皇帝になったが、フランク族のキングになることはできなかったのである。本書は、身近かな単語の語源をさぐりながら、西洋文化の背景を明らかにした出色の文化論。
ワイルドの語源――家畜でない獣は英語でwild animalである。wild(野性の)という単語については、まだ意見が定まっていないが、はっきりした自説を出しているのは、ケンブリッジ大学のW・W・スキートである。彼によればself-willed(わがままな)という意味がwild(古い発音ではウィールド)の根底にあるという。つまり欲する(will)ままに生きている動植物は、すべてwildなものなのである。だからwildは動物にも使うし、植物にも使うし、また人間にも使う。馴らされて(tame)いない状態の動植物を指すのである。また日頃は教養で感情を抑制している人でも、その教養を忘れて暴れることがある。その状態を「荒れた」(wild)という。――本書より

1977.06.24発売
新書東洋史(6)インドの歴史・多様の統一世界
講談社現代新書
インドの存在はそれ自体ひとつの《大いなる謎》である。民俗・言語から、宗教・民族にわたるまできわめて特異な多様性を見せながら、そこに不思議な統一を保ちつづけているのも事実なのである。本書は、この《多様の統一世界》の解明を経糸に、インダス・ガンジス文明の発生から、イギリス植民地下の苦難と抵抗、戦後社会の矛盾までの時代の変容を緯糸に《神秘》と《貧困》に象徴されるインド史5000年の真実を、新たな視点から明らかにする意欲作である。
多様なるものの統一世界――インド女性のあの艶やかな着物サリーの着付け方一つにしても、地方により、あるいは人々によって、まことに大小さまざまな変化があるといわれるインド。地理的条件はいうにおよばず、民族・言語・宗教・慣習・社会組織などいずれの分野においても、おどろくべき多様性をもったインドは、われわれの住んでいるこの日本のような均質性の高い社会から見れば、たしかに一筋繩では理解できない対象であることには多言を要しないであろう。この多様性は、簡単にいえば、太古以来歴史的に形成されてきたインド文化のその形成のされ方の特徴によるものである、ということができる。――本書より

1977.06.23発売
ひめゆりの塔
講談社文庫
太平洋戦争の末期、死闘をくり返す沖縄に於て、女学生ばかりで結成された姫百合部隊200人余の大半が、米須(こめす)の洞窟で玉砕するまでの悲惨な90日を濃密に描く。乙女たちを中心に、死の行進を強いた戦争指導者への深い憎しみと怒り、戦場に散った若い生命への愛惜が全篇を貫く感動の名篇。(講談社文庫)
太平洋戦争の末期、死闘をくり返す沖縄に於て、女学生ばかりで結成された姫百合部隊200人余の大半が、米須(こめす)の洞窟で玉砕するまでの悲惨な90日を濃密に描く。乙女たちを中心に、死の行進を強いた戦争指導者への深い憎しみと怒り、戦場に散った若い生命への愛惜が全篇を貫く感動の名篇。

1977.06.20発売
海の向こうで戦争が始まる
文芸(単行本)
きらめく夏の海の彼方、祭りの喧噪と凄惨な殺戮。悪夢の如き情景をとらえる鮮烈豊饒なイメージの躍動。『限りなく透明に近いブルー』から1年、新たな衝撃を秘める待望の長篇第1作。
読者へのメッセージ
風呂場のタイルに絡み合って貼り付いている女の髪の毛、それが青い地球の末梢神経だ。戦争はすでに始まっている。我々の頭の中にビジョンとしてではなく、宮殿として空に浮いているものでもない。戦争は、海の向こうで、また我々の目の裏側で確実に始まっているのだ。それは近代戦争しか体験のない我々の親達の想像力を越えている。僕は戦争を見た。意味を考えるのは見た後でいい。僕の見た戦争をあなた方に語りたかった。

1977.06.08発売
日本語を考える
講談社学術文庫
日本人の文字生活の指針たるべく、新漢字表試案が発表された。昭和55年の実施を目指し、国民各層から論議されることだろう。しかし、本当の国語問題は、現在の日本語で認識・伝達・思考・創造の4つの働きが十分に行われるかどうか、言葉としての働きを高めるため日本語をどのように発展させるべきかということだと著者は主張する。日本語に関心を持つすべての人々にとって、正しい言葉遣いと文章を知るための絶好の書である。

1977.06.08発売
哲学案内
講談社学術文庫
哲学はなぜ難しいと言われるか。それは、哲学に接する際の姿勢に問題がありはしないか。――著者はまず、「哲学とは」「哲学することとは」を問い直す。次いで、ソクラテス・プラトンから現代の哲学までの歩みをたどりつつ、哲学と宗教・哲学と科学・アトムとイデア・唯物論と唯心論・観念論と実在論・形相と資料・主観と客観など、哲学研究に欠くことのできない基本的諸問題を、ひとつひとつ掘り下げて語り、哲学への道を案内する。

1977.06.08発売
法然と親鸞の信仰(上)
講談社学術文庫
「信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の『拠りどころ』でなくてはならぬ」と考える著者が、法然と親鸞の信仰について、情熱をかたむけて説いた名著。本巻では、法然の生涯について語ったのち、「一枚起請文」の成立ちから奥義までをわかりやすく注釈する。

1977.06.08発売
論文の書き方
講談社学術文庫
論文が書けず、また研究のしかたも知らないという人が多い。本書はそうした人々に、そもそも論文を書くということは、物事を合理的に考えて、それを説得力ある言葉で表現することだ、という観点から、その方法を具体的な例を示しながら、わかりやすく説明している。本書によって読者は、どうすれば論文が書けるのかを学ぶとともに、論理的な物の考え方をも身につけることができよう。研究者や学生は勿論、一般の人々も必読の名著。

1977.06.08発売
資本論入門
講談社学術文庫
日本のマルクス経済学研究の最高峰に位置する著者の業績は、宇野経済学の名の下に、科学とイデオロギーの峻別、原理論・段階論・現状分析の三段階論の方法、『資本論』の独自な解釈、などの特色をもつ体系として結実した。このマルクス経済学の泰斗が、『資本論』の構成と内容を論じた本書は、単なる解説的入門書ではなく、創造的研究に基づいてその解明を試みたものであり、『資本論』を深く学ぼうとする人にとって不可欠の名著である。

1977.06.08発売
語られざる哲学
講談社学術文庫
名著、復刊。
「語られざる哲学」は、大正期に青春時代を送った哲学者三木清の、若き日の内省の記録であるとともに、その半生の回顧録でもある。悩ましい青春の体験を懺悔し、虚栄心、利己心、傲慢心の三者を排し、素直な心をもって、また、「外に拡がりゆく心よりも、内に向かって掘り下げてゆく心」をもって、「正しく、よく、美しく生きること」について静かに思いめぐらし、自己確立を思索した書で、三木清の哲学的人生を画するもの。他に「我が青春」を収録。

1977.06.06発売
風貌
講談社文庫
顔には歴史がある。喜怒哀楽にまみれて自らの道をひた走る、この映像の主役たちの一瞬の表情。「玄関払いを喰わせるような手強い相手ほど却っていい写真が撮れる」と語る、写真界の巨匠。――これは、決定的瞬間に人生を賭けた鬼才の、遮二無ともいえる魂と、魅力溢れる主役たちの魂とが奏する絶唱を聴く、古典的名著。

1977.06.02発売
約束の土地
講談社文庫
5年前に在日朝鮮人の組織を離れ、文筆活動に入った作家・重吉。南北に分断された祖国をもち、二重言語生活者として創作に従事する重吉の苦悩。日本という異国での生活を余儀なくされている困難な状況――。「約束された土地」を求め、祖国統一の日に向かって生きる在日朝鮮人のたぎる想いを描く、入魂の力作長編。

1977.06.02発売
夕雨子
講談社文庫
遠い、北の町の盛り場で、ステージに立ち、酔客相手に裸身をさらす、踊り子ひとり。地方のクラブやキャバレーをまわる、ヌード・ダンサーの夕雨子だ。踊り子だった母が、呉服屋の息子と恋をして、生んだ娘。彼女がどんな哀しみにみちた過去を抱いているのか、客はだれも気にしない。しょせん彼女は流浪の芸人であり、風でしかないのだ。そして月日が残酷に移ろってゆく。けなげな踊り子の人生哀歓を、美しい抒情性とリリシズムあふれる澄明な筆致で綴った、連作小説集。