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1967.05.24発売
ある復讐
講談社文庫
佐伯隆二は、今も7年前のあの日の憤懣と屈辱が忘れられない。一流大学を卒業した彼が、大東映画の採用試験に落ちた日のことだ。合格、と信じていたのに、身上調査でふり落されるとは。 己の才能が信じられなくなり、いつかエリートコースを踏みはずし、妻に養われる怠惰な男になってしまったのも、すべては屈辱の思いに耐えられなかったからだ。その佐伯が新聞広告につられて応募した興信所に勤めた時、初めて知る身上調査の実態――それは巨大な社会組織の翳りのような虚偽の世界ではないか――に佐伯は唸った。俺は嘘のために一生を失った!「ある復讐」他5編を収録。

1967.02.16発売
タテ社会の人間関係
講談社現代新書
日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をとらえロングセラーを続ける。(講談社現代新書)
1967年刊行、日本論の新しい古典!
「ウチの者」と「ヨソ者」、派閥メカニズム、日本型リーダーの条件……
ビジネスパーソン必読、これを読まずに組織は語れない。
なぜ日本人は上下の順番のつながりを気にするのか?
なぜ日本人は資格(職業など)よりも場(会社など)の共有を重視するのか?――
日本の社会構造を鋭く析出したベストセラー!
(著者に聞く・2014年元旦広告より)
長く売れ続けている理由?
そうねえ、そのときの現象じゃなくて理論を書いたことかしら。
最近の銀行の問題、柔道協会の問題、原発ムラの問題など、
数々の不幸な事態にしても、タテ社会の悪い部分が出ていると思う。
もちろん日本にだってヨコの関係もあるし、ほかの国にもタテの関係はある。
でもタテの関係が根強く出るのは、やはり日本の特徴でしょう。
日本って、会社でも役所でも年次をすごく気にするじゃない。
インド人の場合、7年くらいの差がないと、先輩後輩という感覚にならないそうよ。
こういう社会の構造って、時代が変わっても、意外と変わらないものなのね。
最近もイギリス人と話しても、自分たちの社会はずっと変わらないと言っているし。
もちろんタテ社会にもいいところはあって、
たとえば、ちょっと疲れたときは、一休みしやすいとか、
嫌なときにも、それほどエネルギーを使って動く必要がない。
世界中、どの社会でも良さと弱さがあって、
それぞれ問題を抱えながら、なんとかやっているものなのね。
1967.01.30発売
さらばモスクワ愚連隊
文芸(単行本)

1967.01.30発売
女の踏絵
講談社文庫
東洋映画を背負って立つ、一枚看板の大女優・草壁三樹子は日本でも指折りの大富豪、一井男爵を父に、新劇女優・水田三重子を母にして生まれた。彼女は生まれつき淫奔で、志村プロデューサーと関係し、カメラ助手・白石次郎の子を生み、多くの男と浮名を流すのだった。しかし、二枚目スター・林光哉を知るや、三樹子は全身全霊で彼を愛し、同棲するようになった。そんな三樹子を、彼女の幼時からの忠実な下僕――「カシモド」は嫉妬の炎を燃やし、冷たく見つめるのだった。……。強烈な欲望に生きる奔放な女性を描いた問題作「白い炎の女」他3編を収録。

1966.11.30発売
原色・宝石小事典
ブルーバックス
●さまざまな色ときらめきをみせる“大地の星々”……その一つ一つを手にとって……
●それぞれにそなわった個性とねうちに焦点をあわせました。
●石のよしあし・価値・持ち味・個性にあった選び方などの疑問に即座に応じられるよう……
●名品からポピュラーな品までできるだけ巾広く多種類の宝石をカラーで紹介しました。
●宝石を持っている人には再めて自分のものをみなおす本として……
●これから宝石を求めようとする人には、こん切な案内書として……
●博学の著者がうんちくを傾けた小事典です。

1966.08.25発売
相対性理論の世界
ブルーバックス
現代物理のエッセンスをこの1冊で
《信じられない世界》だと 古い常識の持ち主たちはいうであろう
《光が曲がリ スピードや重力が時間をとめる……》それが我々の世界だ
《第三の火》原子力を解放し 科学を革命のルツボに投げこみ……
《現代科学の大黒柱》となりえた相対性理論とは何か?
《やさしく しかも正確に》それを伝える使命感に貫かれた本書は……
《現代人の必須教養》として 万人必読の決定版である

1966.08.16発売
愛に生きる
講談社現代新書
多くの世界的なヴァイオリニストを育てた「スズキメソード」を考案した鈴木鎮一氏による、愛に満ちた教育論を収録した名著。子どもの才能を育む教育論は、音楽関係者のみならず、教育関係者からも読み継がれてきた。「才能は天賦のものではなく、育てられるもの」という強固な信念を持った鈴木氏は、子育てに有益な至言を数多く残しています。人生が変わるかもしれない力を秘めた、名著中の名著といえるでしょう。
多くの世界的なヴァイオリニストを育てた「スズキメソード」を考案した鈴木鎮一氏による愛に満ちた教育論を収録した名著。
子どもの才能を育む教育論は、音楽関係者のみならず、教育関係者からも読み継がれて、91刷43万部のロングセラー。
「才能は天賦のものではなく、育てられるもの」という強固な信念を持った鈴木氏は、子育てに有益な至言を数多く残しています
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「どの子も育つものであり、それは育て方ひとつにかかっている。だれでも自分を育てることができ、それは正しい努力ひとつにかかっている。」
へたな努力をすれば、へたな才能が育つ。すぐれた才能を示したひとびとは、それだけ正しくよい努力を積み重ねたひとびとである。
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やり抜こうーそう決心するひとはたくさんいます。だれでも決心することはできる。しかし、ほんとうにやり抜くひとは実に少ない。決心はしたがやらない。やっても、まもなくやめてしまう。それこそ、多くのひとが経験して、よく知っていることです。どんなことでも、成功する道、ことの成否は、結局、やり抜くかどうかだけにかかっているともいえるでしょう。
やり抜くーつまり、その根気もまた、能力であるがゆえに、育てなければならいないものです。
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本書は、音楽の名演奏家を育てるための英才教育にとどまらない普遍的な真理を追究した本とはいえないでしょうか。単に子どもの教育のみならず、大人の自己啓発書としての読み方も可能です。人生が変わるかもしれない。『愛に生きる』。そんな力を秘めた名著中の名著といえるでしょう。

1966.06.14発売
教養としての世界史
講談社現代新書
現代ほど、あらゆる分野にわたって、世界史的視野というものが必要とされる時はない。ヘーゲル、マルクス、ランケなどによる従来の史観は、第2次大戦後の世界の激変によって、再検討が不可避のものとなっている。本書は、新しい世界史像をもとめて、統一的観点からとらえなおした恰好の入門書である。
世界史は、思うに、成功よりも挫折と失敗の場面を、幸よりも不幸を、はるかに多く呈示します。しかしヘーゲルがいったように、「歴史の幸福なページは空白」かもしれません。変転してやまない世界史を凝視し、しかもそこから未来への前進の手がかりをつかむには、強い精神とたゆまない努力とが必要です。人間は、悠久の昔から今日にいたるまで、一歩一歩、歴史をきりひらいてきました。この力こそは、これからも歴史をきりひらいてゆく力であるはずです。――本書より

1966.05.16発売
大学でいかに学ぶか
講談社現代新書
青春という思索と苦悩の時代をどう生きるか。ここには、歴史家として、教育者として大きな足跡を印す著者の生きた経験が、青春への変らぬ共感とともに語られている。学生生活における自由、学問することの意味。それらに触れながら、著者が強調してやまないのは、自ら考え、行動する人間へと自己形成することの尊さである。(講談社現代新書)
青春という思索と苦悩の時代をどう生きるか。ここには、歴史家として、教育者として大きな足跡を印す著者の生きた経験が、青春への変らぬ共感とともに語られている。学生生活における自由、学問することの意味。それらに触れながら、著者が強調してやまないのは、自ら考え、行動する人間へと自己形成することの尊さである。
〈捨て石となる勇気〉――大きなダムも、蟻の穴でくずれることがあります。いままで金科玉条とされてきたマルクス主義の、あの人類発展の段階説もくずれるかもしれないのです。過去の体系的な学説を、おかすべからざるものと考える必要もないし、ヨーロッパの偉い学者が考えたことは不動の真理だと考える義理もない。自分にはここまでしかわからないが、そこまでについては、動かない証拠をあげ論証ができるというものを見つけていく。それは蟻の穴ほどの小さなことかもしれません。しかし、その小さなことに全力でぶつかって、できる限りのことをやって次の人にバトンをわたすという、いわば、捨て石になる勇気が、大きな仕事につながってゆくのです。――本書より

1966.04.05発売
おすねと狂介
講談社文庫
旅は道づれ……桃ノ井狂介が、大磯の街道でいっしょになった紫矢がすりの腰元、じつは松平家の季姫であった。江戸にもどれば、姫には気にそまぬ縁組が待っている。「死につらなる恋」と知りながら、姫は狂介に心をひかれる。だが、胸に奸計をひめる家老・鷲津兵太夫が、これを見逃すわけはなく、たちまち姫と狂介は、奔流のような運命に巻きこまれる。敵か味方か? 二人にまつわりつくように旅をする、河内屋平蔵と浜田屋お峰。そして奇怪な「ご落胤」の一団……。大磯から江戸へ、2日間の旅にまきおこる、人生の転変を見事にえがいた、山手文学の好篇。

1966.01.16発売
哲学のすすめ
講談社現代新書
人間はなんのために生きているのだろう?どうしたら幸福になれるのだろうか?哲学はいったいどんな役に立つのだろう?哲学と科学はどうちがうのか?哲学はいつの時代も変らないのだろうか?本書は、こんな疑問にやさしく答えながら、「考える」ことの重要さを説き、生きる上の原理としての哲学を深めた、よりよく生きるためのユニークな哲学入門である。――著者のことば
哲学というものは、その本質上、文章では説明しにくいことが多く、そのため用語も必要以上に難解になり、わかりにくくなる傾向があるが、著者は、日本の哲学書にありがちな特殊な専門語をできるだけ使わずに、ごく平明な文章で説明することに努めている。哲学的な「考え方」を説明し、哲学と科学とはどう違うかというような根本問題を説いている。表現はやさしくできているが、扱われている問題は高度に哲学的である。

1965.11.16発売
世界に呼びかける東洋
講談社現代新書

1965.08.20発売
薬よりよく効くからだの事典 からだの手帖
ブルーバックス
なんでもきいてください
●この本にはあなたのからだのひみつが書かれています
●どのページからでもお読みください
●あなたのからだのどこをとっても眼をみはる造化の妙が光っているのです
●玄白らが小塚原の腑分(ふわ)けよりざっと200年……
●いま最新の科学があかす現代版「解体新書」
●スマートな話題がいっぱいのあなたのからだのガイドブックです

1965.08.16発売
英語の新しい学び方 なぜ日本人は上達しないか
講談社現代新書
英語上達のひけつは、なりよりも英語で考えること。日本語に訳すことはひとつの技術にすぎない。訳すまえに、英語で考え、感じること、これがたいせつである。本書は、英語教育の第一人者が、豊富な現場体験をもとに、なぜ日本人は英語が苦手か、その原因をつきとめ、真に力のつく英語学習法を、楽しく手ほどきする必読の入門書である。
英語で考える〈こつ〉電話が鳴ったら、The telephone.と思います。さもなければ、Oh the phone''s ringing.と思います。おなかがすいたら、Food.を想像します。あるいは、Oh I''m starved.といいます。「仕事をしようか、野球を見ようか」と悩むなら、ついでに、Shall I work or shall I watch the ball game?といってみます。英語で考えるチャンスは無限にあります。「考える英語」のおもしろさは、decideすることにあります。すくなくとも1日に1回は、なにかひとつ英語でponderしてdecideする習慣をつけていただきたいのです。――本書より

1965.08.16発売
クラシック音楽のすすめ
講談社現代新書
音楽に感動するとは、どういうことなのか。どの作曲家の、どの作品から始めたらいいのか。どの指揮者・演奏家がすぐれているのか。音楽をより身近なものに、と願う著者が、自身の豊富な音楽体験をとおして、クラシック音楽のもつ醍醐味を語り、鑑賞に必要な基礎知識を教える。
クラシック音楽は難解ではない――ベートーベンばかりがクラシック音楽ではないのです。モーツァルトのように軽快で優雅なもの、またヨハン=シュトラウスのように踊るためのものもあります。さらに『マイ=フェア=レディ』のようなすぐれたミュージカルもクラシック音楽として残るものだと考えます。クラシック音楽に気軽にはいっていくことができるようにわたしは、いくつかの手がかりを示したつもりです。若い人々が、クラシック音楽へ目を開いて、音楽を一生、身近なものにしていただければと思います。――本書より

1965.07.16発売
新書 47・人類の祖先を探る
講談社現代新書

1965.07.14発売
スペイン語のすすめ
講談社現代新書
セニョール、セニョリータ……。闘牛とフラメンコとカソリックの国、スペインのことばは、中南米諸国の公用語でもある。スカッとした男性的なことば、世界でいちばん美しいことばとすっかりスペイン語のとりこになっている著者は、「スペイン語を話してみませんか」とよびかける。ウイットのきいた文章。身近で楽しい話題。スペイン語のABCから片言の会話まで、スペイン語の基礎は、この1冊で楽々マスターできる。読んで楽しく、ためになる入門書である。
〈スペイン語はカステラ語〉スペイン語は一名カステラ語とも呼ばれるといったら、お菓子の名まえですから、おかしいとお思いでしょう。しかしじつは、スペイン語は、スペインからムーア人を15世紀に追放して、国を統一したCastilla(カスティリア)王国を中心とした地方の言語が、スペインの共通語となったのです。そして、それが植民地のアメリカ大陸に移し植えられました。ですから、あの広い地域に広がっている言語はCastillaのことばなので、スペイン語はカスティーリャ語ともいいます。――本書より

1965.05.08発売
若草の歌
講談社文庫
美人でしとやかな千秋と、愛らしくドライな元子は、東京西郊の住宅地で繁昌している、そば屋の二人娘である。中学卒業と同時に、二人とも、「手に職を持つこと」を望んで、理容師になる。そして、実力とPRと親バカを利用して、ささやかな店を持ったが、青春の街道は、照る日ばかりではなかった……。「紀ノ川」「有田川」など、女の歴史を才筆で辿った作者は、この作品で、現代女性の生き方を、軽妙なタッチで、輪切りにした。若い女性の、職業・恋愛・結婚・親子問題などが、精妙に織り込まれた、ユニークな青春小説。

1965.04.18発売
計画の科学
ブルーバックス
PERTは日本でも大きな反響をよんでいるが、本書はこの問題を一般向けするように、実に巧みに扱っている。それは実際適用面で未開の地を切り開いてきた体験と、幅広い教養を持ち合せた筆者の容易ならぬ手腕力量によるもので、そこが単なる理論の紹介からは得られない本書の特色といえる。(ブルーバックス・1905年4月刊)
PERTは日本でも大きな反響をよんでいるが、本書はこの問題を一般向けするように、実に巧みに扱っている。それは実際適用面で未開の地を切り開いてきた体験と、幅広い教養を持ち合せた筆者の容易ならぬ手腕力量によるもので、そこが単なる理論の紹介からは得られない本書の特色といえる。
ピカソが出たり、天下取り3人男(信長・秀吉・家康)が登場するなどウイットのある文章で誰にでもわかりやすく書かれているので、どの分野の読者が手にしても、豊富な話題に魅せられて一気呵成に読んだあと、〈これはおもしろい〉・〈これは使える〉ということになろう。

1965.03.13発売
教養としてのキリスト教
講談社現代新書
西洋の歴史・文化を理解するカギとして、キリスト教精神のもつ重さはあまりにも大きい。本書は、キリスト教を知るための基点の書として、聖書の成り立ちから、人間キリストの愛と苦悩、キリスト教精神の本質とその歴史的軌跡までを解き明かした。知識から共感へ、さらに混迷の中から生の支柱を索める現代人にとって、意義深い〈1冊の書〉である。
人間キリストの苦悩――イエスがエルサレムに行ったとき、学者、パリサイびとが、姦淫の現行犯を押えられた女をつれてきたと、「ヨハネによる福音書」は書いています。「師よ、〈中略〉モーゼは律法に、かかる者を石にて撃つべきことをわれらに命じたるが、汝はいかに言うか」〈ヨハネ・8章〉。イエスは身をかがめて、指で地になにかを書いていた。人びとがさらに問い詰めると、イエスは身を起こし、「汝らのうち、罪なき者まず石を彼女に投げよ」と言い、ふたたび身をかがめて、指で地にものを書いたといいます。この描写は美しい。指で地にものを書くということが、ユダヤ教のなんらかの習慣になり、旧約伝承なりを暗示するのかどうか、じつはいまのところわかってはいません。ここでは、イエスの困惑と苦痛とを、察すれば足りるのです。ここの箇所は福音書のなかでも、生きた人間としてのイエスを、もっともあざやかに感じさせる叙述の1つでしょう。――本書より