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浮気な王の宮廷生活 スペイン・ハプスブルクの落日
2024.06.13発売
浮気な王の宮廷生活 スペイン・ハプスブルクの落日
著:佐竹 謙一
講談社学術文庫
政治には関与せず無気力。日々、絵を描き芝居を観て祝宴に列し、女性とみれば女優に修道女、宮廷の侍女から街の娼婦まで口説かずにはいられない。そんな愛欲に溺れる己に苦しみ、罪悪感から神にすがっては懺悔する…。 華やかなりしスペイン帝国をみるみるうちに凋落の一途へと導いた、国王フェリペ4世(1605-65 在位 1621-65)。 悪名高き意志薄弱な王は、いかに誕生したのか。その放埒な生活と晩年の不如意な人生と死を第1部に。凋落するスペイン帝国の実態を第2部に構成。様々な噂話やエピソードからスペイン・ハプスブルクの影を活写する。 目次 はじめに 第一部 第1章 スペイン国王フェリペ四世、誕生 王子の誕生と教育/王子の理想像/結婚、そして王位継承へ/寵臣オリバーレスと王家の人々 第2章 浮気な王の放埒な宮廷生活 祝宴につぐ祝宴/王宮での日々/芝居を楽しむ/十七世紀式闘牛、マヨール広場にて/《狩猟をするフェリペ四世》/宮廷式求愛/宮廷画家ベラスケスと絵画コレクター/宮廷のおどけ者たち 第3章 フェリペ四世の告白できない告白 スキャンダルの始まり/女優〈ラ・カルデローナ〉との恋の戯れ/女子修道院に忍び込む/賢夫人イサベル王/ライバルは「ドン・フアン」/伯爵暗殺 第4章スペイン帝国の危機と王家の不幸 マントヴァ継承戦争とネーデルランド/カタルーニャとポルトガルの反乱/寵臣オリバーレスの失脚/権力の後継者ルイス・メンデス・デ・アロ/イサベル王妃とバルタサール・カルロスの死/跡継ぎが生まれない!/「大地の息子」フアン・ホセ・アウストリア以後 第5章 世俗を逃れて/恩寵を求めて 神秘家マリア・コロネル/「余に天罰を!」/魂の国からのアドバイス 第6章 国王の晩年と黄昏れゆくスペイン 苦悩の晩年と国王の死/ハプスブルク家からブルボン家へ 第二部 17世紀スペインへの望遠鏡(テレスコープ) ハプルブルク・スペインのかたち/人々の生活とカトリック教会/異端審問と「アウト・デ・フェ」/黄金世紀、百花繚乱 《注》 あとがき 学術文庫版あとがき 主要参考文献 スペイン・ハプスブルク家系図 17世紀マドリード俯瞰図 人名索引 本書は、『浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活』(岩波書店 2003年3月刊)を改題、加筆・一部修正したものです。
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竹林の七賢
2024.06.13発売
竹林の七賢
著:吉川 忠夫
講談社学術文庫
◆◇自由に生きるって、こういうことなんだぜ!◇◆ 儒教の権威が失墜し、政治社会が揺れ動くアナーキーな魏晋時代、自由闊達な思想が炸裂した! 詩を詠み、議論を戦わせ、楽器をかき鳴らし、そして心ゆくまで痛飲し、葛藤を抱えながら己の思想を貫こうとした彼ら。 権力に睨まれ刑死した者あり、敢えて世俗にまみれた者あり、いずれも激烈に生きたその群像を、シャープな筆致で簡明に描ききる! 中国史、中国思想に興味のあるものならば、「竹林の七賢」と彼らがおこなった「清談」というものについて、強い印象がのこっているだろう。 しかしながら、彼らがどのような背景をもつ思想家で、どのような知的交流をしたのか、具体的なことを知っているだろうか? 政治・社会が流動し価値観が変わりゆく時代にあって、それぞれの切実さをもって己の思想を生きた彼らは、いずれも「世俗を離れた、純粋な知的探求者」という一面的な見方ではとうてい捉えきれない思想家たちであった― 彼らの人間くさい生き様と、為した仕事のエッセンスを知る、とてもコンパクトで、楽しい一冊。 【本書「はしがき」より】 七人の人物が「竹林の七賢」という一つのグループにまとめられはしたものの、そのなかにはさまざまのタイプの人間が含まれていて実に個性豊かである。それだけではなく、一人の人間についても、その性向と行動とが一見すると矛盾するかのように思われる場合すらないではない。その点においてもまた、儒教が唯一絶対の価値の源泉であった漢代とは異なって、価値が多様化した魏晋の時代の一つの指標をみとめることができるのだが、「竹林の七賢」の面々は、ある場合には文学作品や哲学論文によって、ある場合にはそのライフ・スタイルによって、それぞれに強烈でしたたかな自己主張を行なったのである。 *本書の原本は、1996年に『風呂で読む 竹林の七賢』として世界思想社より刊行されました。
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TRANSIT 64号 新しい風吹くフランスへ
2024.06.13発売
TRANSIT 64号 新しい風吹くフランスへ
編:ユーフォリアファクトリー
いつの時代も美しく、鮮やかに世界を牽引しつづける国、フランス。花の都パリを一歩出ると、大西洋や地中海といった海、アルプス山脈やピレネー山脈などの山々に囲まれた多様な風景と、それぞれの土地に根付く独自の文化に出合えるのも魅力のひとつ。また近年は、さまざまなルーツをもつ人びとの躍進や、34歳で首相となったアタル氏をはじめとする若い世代の台頭が目立ち、次々に新しい文化や暮らしのかたちが生まれています。美しくておいしいものを愛し、人生を謳歌し、伝統を尊びながらも未知のことに挑戦する。そんな彼の国の人びとに会いに、新しい風吹くフランスを旅しました。 【特集企画】 21世紀フランス、ミックスルーツの才能/パリ 写真=宮本武 文=髙崎順子 コート・ダジュールの光に包まれた日々 写真= CHRISTOPHER BARRAJA 文= JEREMY BENKEMOUN(TRANSIT) シャルル・フレジェが見たフランスの伝統衣装/ブルターニュ、バスク地方、アルザス、プロヴァンス 写真= CHARLES FREGER インタビュー・文=JEREMY BENKEMOUN(TRANSIT) 美食の渓谷に吹く新しい風/リヨン、ボジョレー、ブルゴーニュ、ディジョン 写真=加治枝里子 文=佐藤桂子(TRANSIT) 日常を旅する、フランスのものづくり/リモージュ、ボルドー、バスク地方 写真=延命悠大 文=諸角優英(TRANSIT) 希望という名の街、マルセイユ/マルセイユ、カシス、ヴェルドン渓谷 写真=宮本武 文= JEREMY BENKEMOUN(TRANSIT) はじめてのフレンチアルプスへ/シャモニー 写真=加治枝里子 文=佐藤桂子(TRANSIT) 和田彩花インタビュー フランスって何だ? フランスの新世代 現代バレエ/ファッション/映画/文学/哲学/食/スポーツ フランスから生まれたもの フランス史を彩る偉人ミュージアム フランス人の環境リテラシー考 フランス現代社会を生きること 教育/ジェンダー/労働/政治/外交/移民/経済/宇宙 BOOK in BOOK  キーワードで旅するフランスガイド 自然派ワイン/古城/建築/歴史街道/自然/芸術家/伝統工芸 【付録ポスター】フランスチーズ図鑑56 【連載】World View 今日の世界…オランダ/遠くへ旅するちいさな言葉…ナイジェリア/未来を拓く市民会議…エストニア/80億分の1…カナダ/海の向こうのローカル風土記…フランス 世界を知る旅に出る…東京 写真= LUCA GABINO 文=岡崎拓実 NIPPONの国立公園 瀬戸内国立公園 写真=古谷勝 文=津賀真希(TRANSIT)光を観る旅へ 軽井沢
アーリヤ人の誕生 新インド学入門
2024.06.13発売
アーリヤ人の誕生 新インド学入門
著:長田 俊樹
講談社学術文庫
ヨーロッパのラテン語・ギリシア語とインドのサンスクリット語に共通の祖となる、失われた起源の言語――。そんな仮想の言語の話し手として「アーリヤ人」は生み出された。そして、それは瞬く間にナチス・ドイツの人種論に繋がる強固な実体を手に入れる。近代言語学の双生児「アーリヤ人」は、なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。 言語学誕生の歴史から、「すべての起源」インドに取り憑かれた近代ヨーロッパの姿が克明に浮かび上がる! 「インド学」はインドで発達した学問ではない。18世紀末からサンスクリット語文献を集めてきたヨーロッパを中心に発達してきた。私たち日本人が抱く「インド」イメージもまた、近代ヨーロッパという容易には外しがたい眼鏡を通して形成されている。 植民地インドで「発見」された古典語サンスクリットの存在は、ラテン語やギリシア語との共通性から、ヨーロッパとインドに共通する起源の言語の存在を想像させた。類稀な語学の才に恵まれたイギリス人ウィリアム・ジョーンズ(1746-94年)によるこの「発見」によって、近代言語学は誕生する。同時にオリエンタリズムがヨーロッパを席巻し、『シャクンタラー姫』をはじめとするサンスクリット語文献が次々にヨーロッパで翻訳された。 その奔流のなかで『リグ・ヴェーダ』を英訳したのが、ドイツ出身で英国オックスフォード大学に職を得たフリードリヒ・マックス・ミュラー(1823-1900年)である。彼は比較言語学の成果から、『リグ・ヴェーダ』の成立年を紀元前1200年頃と推定し、「アーリヤ人の侵入」を紀元前1500年頃とした。日本の教科書でもよく知られる記述の源は、ここにある。 19世紀ヨーロッパで言語学とともに誕生した「アーリヤ人」は、20世紀にはナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を生み、さらにはインダス文明が発見されたインドに逆流して、考古学的成果と対峙しながらさらなる波紋を生んでいく――。 近代言語学の双生児「アーリヤ人」は、なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。なぜ言語は常に民族という概念を呼び寄せずにいられないのか。言語学誕生の歴史をひもとくことで「起源」というロマンに取り憑かれ、東洋を夢見た西洋近代の姿を克明に描き出す。インドの実像に目を開く一冊。(原本:『新インド学』角川書店、2002年) 【本書の内容】 第1章 インド学の誕生ー―十八世紀末から十九世紀初頭のインド・カルカッタ 第2章 東洋への憧憬ー―十九世紀前半のヨーロッパ 第3章 アーリヤ人侵入説の登場ーー―十九世紀後半のヨーロッパ 第4章 反「アーリヤ人侵入説」の台頭――二十世紀のインド 第5章 私のインド体験ー――多様性との出会い 補 章 出版二十年後に
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トヨタの子
2024.06.13発売
トヨタの子
著:吉川 英梨
文芸(単行本)
日本企業最大の利益を誇るトヨタ自動車。その創業者&ボンボン御曹司(?)の夢と苦難を綴った「奇想天外」経済小説! 第1号市販車は故障で立ち往生続出。 喜一郎は公職追放で会社解体?  労働争議と苦汁の社長辞任。 “タイムリープ”神社で滝行する章男? 「恥を知れ」と罵られながら臨む、米議会公聴会。 最新鋭水素自動車MIRAI遭難事故? 想像も出来なかった涙の再会…… 豊田家御曹司・章男少年は曾祖父・佐吉の顕彰祭へ家族と来ていた。いたずら坊主の章男は裏山から転び落ちた拍子に車にはねられてしまう。一方は明治時代、佐吉の息子・喜一郎は「自動車」に乗ってきたというアキオと名乗る不思議な子供と、しばしの友情を育む。そして時代が進むたび喜一郎の前に不思議な人が次々と現れる……彼らはいったい何を伝えに来たのか? 「もっといいクルマをつくろうよ」 おじいさん、あなたの言葉だったのですね。この小説を読んで二度泣いた。ー豊田章男 トヨタは一日にして成らず。 喜一郎の情熱があればこそあのトヨタが生まれたのだと、この物語は教えてくれる。ー大沢在昌 クルマに興味のある人なら最後まで「そうなんだ!」の連続。イッキ読みしました!-自動車評論家 国沢光宏 =主人公はこの二人!= トヨタ自動車創業者 豊田喜一郎 自動織機で世界を席巻し、日本の自動車産業を興しながら、失意の最期を遂げた男 トヨタ自動車会長 豊田章男 喜一郎の孫。ボンボン御曹司と揶揄されながら、世界一の車メーカーを改革した男
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死の商人 戦争と兵器の歴史
2024.06.13発売
死の商人 戦争と兵器の歴史
著:岡倉 古志郎,解説:小泉 悠
講談社学術文庫
戦争の陰で暗躍し、鉄砲や大砲、ミサイルや核兵器まで売り捌き、巨万の富を得た武器商人たちの実態を暴くノンフィクション! 武器商人は、戦争の危機を煽り、国防の必要を訴えるとともに、「愛国者」として政治家に取り入り、大量の武器を売り込んできた。資本主義が発展する中で、科学技術とともに軍需産業が拡大すると、彼らは資本家となり、巨万の富を築き上げるだけでなく、国際的な独占資本となった――。国内外の実話をもとに、黒幕たちの系譜と実態を暴き、戦争が起きる仕組みを明らかにする。(解説・小泉悠) 〇本書に登場する人物 ・アメリカの大統領リンカーンを激怒させたJ・P・モルガン ・明治の戦争成金となった、大倉財閥の始祖である大倉喜八郎 ・ダイナマイトを発明した利益で、平和賞を創設したノーベル ・史上最も有名な、謎多き伝説の武器商人である騎士ザハロフ ・大砲の王者として数世代かけて巨大企業をつくったクルップ ・火薬から原水爆まで、アメリカ有数の財閥となったデュポン 【目次】 1 「死の商人」とは何か 2 サー・バシル・ザハロフ――「ヨーロッパの謎の男」 3 クルップ――「大砲の王者」 4 IGファルベン――「死なない章魚」 5 デュポン――火薬から原水爆へ 6 日本の「死の商人」 7 恐竜は死滅させられるか あとがき〔一九六二年改訂版への〕 あとがき 解説 暴力を理解し、しかし飲み込まれないために 小泉悠
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小説 言えない秘密
2024.06.13発売
小説 言えない秘密
著:時海 結以,原作:映画『言えない秘密』
この時間は永遠だと思っていたーー。 旧校舎のレッスン室から聞こえてくる、美しいピアノの音。留学帰りの湊人がそこで出会ったのは、知らない曲を弾いていた雪乃。 ピアノの調べとともに、運命が大きく動き出す。感動の映画「言えない秘密」をノベライズ! 何度も観たくなる作品が、場面写真と共に楽しめます。 著者:時海結以 長野県生まれ。遺跡の発掘や歴史・民俗資料の調査研究職にたずさわった後、作家デビュー。おもな著書に、『紫式部日記 天才作家のひみつ』『ちはやぶる 百人一首恋物語』『小説 ちはやふる 中学生編』(全4巻)『小説 映画 ちはやふる』(全3巻)『小説 はたらく細胞』(全3巻)(すべて講談社)ほか。日本児童文学者協会、日本民話の会所属。
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ちんあなごの しんかいツアー
2024.06.13発売
ちんあなごの しんかいツアー
作:大塚 健太,絵:くさか みなこ
講談社の絵本
「きをつけて いってらっしゃ~い」 深い海のそこには、なにがいるのでしょう。 かわいいちんあなごたちが、チョウチンアンコウ号にのって、どきどきの深海ツアーへ。 めだまの大きなさかなたちや、 かわいいクリオネ、 マッコウクジラとダイオウイカとのたたかいなど、 深海ツアーは、はじめて見るものばかり。 ちんあなごといっしょに、深海の世界を旅しましょう。 潜水艇よりも電車がすき!というあなたは、 ちんあなごたちが、ちんちんでんしゃにのって旅する 『ちんあなごの ちんちんでんしゃ』も読んでみてね! *読んでもらうなら4歳くらいから *ひとりで読むなら6歳くらいから
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日本写真論 近代と格闘した三巨人
2024.06.13発売
日本写真論 近代と格闘した三巨人
著:日高 優
講談社選書メチエ
江戸幕末期に日本に渡来した写真術は、日本が近代化を急激に推し進めた明治時代に社会に導入され、普及し始めた。遡れば、フランスでルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787-1851年)が「ダゲレオタイプ」と呼ばれる最初期の写真を開発したのは1839年。この新しい技術は日本の人々にも衝撃を与え、やがて西洋で流行していた「絵画主義(ピクトリアリズム)」という表現と技術の習得が求められていく。 だが、そうした時代の中で、写真という技法の恐るべき単純さに気づき、ただひたすらにその単純さを極めようとする者たちが現れた。その系譜に位置づけられるのが、本書が取り上げる三人の巨人――木村伊兵衛(1901-74年)、土門拳(1909-90年)、濱谷浩(1915-99年)にほかならない。 写真の単純さとは何か。それは「物が在って、それが写真に写る」という事実である。写真は、物が放つ光の痕跡であり、物が放つ光、渦巻く光の運動である物が写真におしとどめられる。この事実にこそ忠実であろうとした三人が、いかにして写真と出会い、その本質に気づき、それぞれの手法で、それぞれの対象を通して、どこに向かって歩んでいったのか。その軌跡を、本書はただ愚直に、ただ単純に追求していく。 著者は言う。「彼らは機械文明が戦争という頂点をなす戦前の激動期にそれぞれ写真に決定的な仕方で出会っている。彼らは、欧米化=近代化の問いを日本という土壌で強いられつつ、写真を自らが拠って立つ基盤として選び取って、写真に生きた写真家たちであった」。本書は、日本という場所でこそ花開いた写真の可能性を明らかにし、世界と写真という「神秘」は誰もが経験できることを示す、まさに写真原論と呼ぶにふさわしい渾身の1冊である。 [本書の内容] 序 章 写真なるものの出来──近代文明のただなかで 第一章 物への信仰に至る写真──木村伊兵衛という源泉 第二章 凝集する時間、満々たる写真のさざめき──土門拳という極北 第三章 潜在するふるさとに向かって──濱谷浩の継承と返礼 終 章 生まれ出づる写真家たちへ──知覚のレッスンに向かって
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身体と魂の思想史 「大きな理性」の行方
2024.06.13発売
身体と魂の思想史 「大きな理性」の行方
著:田中 彰吾
講談社選書メチエ
ニーチェは、19世紀の終わりに「身体はひとつの大きな理性だ」という印象的な表現を残している。近代的な理性による啓蒙が重視された時代背景と対照させて考えるなら、ニーチェは啓蒙主義的な理性を「小さな理性」、それに対抗して到来すべき身体を「大きな理性」ととらえていたと思われる。小さな理性を重視する合理的主体ではなく、生命のはたらきを内蔵する「大いなる理性」としての身体こそ、来るべき20世紀を生きる主体だと見ていたに違いない。 ニーチェに呼応するかのように、フロイトやライヒの「症状」あるいは「性」への着眼から、メルロ=ポンティが示した「受肉した意識」としての身体、さらに認知科学の展開へと、身体の意味が探求されてゆく。20世紀終盤には身体性認知科学が興隆、身体と環境の「あいだ」に拡がる心を見出し、いっぽう脳神経科学は拡張身体の可能性を探ることになる。 本書では、まず(1)フロイトと精神分析の思想、(2)精神分析から派生したライヒの生命思想、(3)サルトルの実存主義における精神と身体をめぐる議論を紹介する。続く20世紀半ばから現在にかけて展開する身体の思想としては、(4)メルロ=ポンティによる身体論と身体性認知科学を取り上げ、その展開として、(5)現代における身体イメージとその病理をめぐる議論、(6)脳神経科学と技術を通じて見えてくる「拡張身体」の姿を見定め、合わせて心の科学に関連する広範囲の文化現象を通じて、人びとの身体と心がどのような未来に向かいつつあるのかを考察するものである。 [本書の内容] 序 章 大きな理性としての身体 第1章 精神分析における身体――フロイトの洞察 第2章 性と聖を結ぶ身体――フロイトからライヒへ、ライヒから現代へ 第3章 身体の思想としての実存主義――サルトルを超えて 第4章 身体を取り戻した心――メルロ=ポンティと身体性認知 第5章 身体イメージと現代――「付き合いにくい存在」か「大きな理性」か? 第6章 脱身体から拡張身体へ――脳科学から見る身体の近未来
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megbaby 1st写真集 SelfLOVE
2024.06.12発売
megbaby 1st写真集 SelfLOVE
撮影:中村 和孝,著:megbaby
写真集・画集
多方面から絶大な支持を得る美のカリスマ・megbaby、待望の写真集が刊行決定! 40代になってなお輝きの増すカービィなボディラインから、写真集ならではというセクシーなシチュエーションまで、多彩なmegbabyの魅力を128ページの大ボリュームでお届けします。 貴重なロングインタビューも収録。モデルとして、実業家として、そしてシングルマザーとして、飾ることのない思いが語られます。 ファンならずとも必見の一冊、お楽しみに! 【megbabyコメント】 初めての写真集。 まさか自分が写真集の撮影をするとは思っていなかったので、挑戦でもあり、新しい自分を見つけられる機会を頂けた事、本当に感謝しています。 40歳を迎えて年齢を重ねることを好きになれたこと、いまの自分を好きと言えるようになれたことで撮影前は少しドキドキしましたが自分と向き合いながら撮影に挑めました。 今のmegbabyそのままの姿を1冊にまとめていますので、最初で最後かもしれない写真集をぜひ見て頂けたら嬉しいです。
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JC紫式部(2) わたしの住む街、怨霊だらけ!?
2024.06.12発売
JC紫式部(2) わたしの住む街、怨霊だらけ!?
作:石崎 洋司,絵:阿倍野 ちゃこ
青い鳥文庫
「黒魔女さんが通る!!」シリーズで絶大な人気を誇る著者の新シリーズ! 紫式部が、もし現代の中学生だったら!? ちょっぴりホラーな学園ラブコメ! 紫も、道長さんも、みんな平安時代から、街ごとタイムスリップしてきたのだと 知らされた彩羽。 信じられなかったけど、道の途中でなにかにぶつかり、先に進めない。 街ごと、なにかにとじこめられているんだ。 その後も「よそ者を、呪え!」とうたうへんな人たちに囲まれるなど、 ホラーな出来事が続いて、わたしは物の怪を祓ってもらうことになったんだけど……。 一方、紫さんが公仁さんと仲良くしているとカンちがいしたいずみちゃんが 紫さんを呼び出し、険悪な雰囲気に……。 <すべての漢字にふりがなつき。小学校高学年以上向き>
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ミステリーツアー
2024.06.12発売
ミステリーツアー
編:講談社,著:青崎 有吾,著:阿津川 辰海,著:伊吹 亜門,著:似鳥 鶏,著:真下 みこと
文芸(単行本)
ミステリーのことはよくわからない、でも知りたい。そんなあなたに! 5人の小説家が刺激的な「謎」の世界をわかりやすく紹介! ・青崎有吾 ・阿津川辰海 ・伊吹亜門 ・似鳥鶏 ・真下みこと 1回2分で読める全75回のミステリー書評! 会員制読書クラブMRC(メフィストリーダーズクラブ)で好評の書評連載がついに書籍化。
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限定愛蔵版 ぼくのメジャースプーン
2024.06.12発売
限定愛蔵版 ぼくのメジャースプーン
著:辻村 深月
文芸(単行本)
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。
限定愛蔵版 凍りのくじら
2024.06.12発売
限定愛蔵版 凍りのくじら
著:辻村 深月
文芸(単行本)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。
異族
2024.06.12発売
異族
著:中上 健次
講談社文芸文庫
空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。
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スターライト!
2024.06.12発売
スターライト!
作:ゆいっと,絵:魚師
青い鳥文庫
第6回青い鳥小説賞大賞受賞作! 星未央はアイドル事務所「スターライト」の社長を父に持つ中学1年生。 事務所のアイドルはデビュー前に星家で共同生活することが社長の方針。 未央は、さわやかなアヤト、ナルシスト王子のタケル、クールで愛想がないルイの3人と一緒に生活することに。 そんな中、3人にとって大切なコンサートの前にとある事件がーーー!
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地球上の中華料理店をめぐる冒険 5大陸15ヵ国「中国人ディアスポラ」たちの物語
2024.06.12発売
地球上の中華料理店をめぐる冒険 5大陸15ヵ国「中国人ディアスポラ」たちの物語
著:関 卓中,訳:斎藤 栄一郎
ニューヨーク・タイムズ絶賛! 北極圏からアフリカまで、世界のありとあらゆるところに存在する中華料理店。中国系カナダ人の映像作家・関卓中(チョック・クワン)は、地球のそこかしこに根を張った中華料理店オーナーたちの物語を4年にわたって撮影し、ドキュメンタリーシリーズ『チャイニーズ・レストラン』として発表。華僑・華人たちの食と店を通して見えてくる国際化のリアルが話題を呼び、書籍化され、いよいよ日本でも刊行。 「純然たる中華料理」は存在しない。夢を見て、あるいは生活に窮して、政権に追われて、世界中に散らばった中国人たち。彼らが作る料理は、日本の町中華がそうであるように、世界各国の味と文化の影響を受けて変化している。だが、どのような形になろうと、それは「純然たる中華料理」であるーー北米の「チャプスイ」、マダガスカルで愛される国民食「スープ・シノワーズ」、も。著者は言う。「私のメッセージは『とどのつまり、私たちはひとつの世界の住人である』ということです」 「中国系移民が新天地に溶け込むいちばんの近道は中華料理店をひらくこと。他国人が張り合えない固有の商売は、合法にしろ違法にしろ、新参者が食べていく助けとなる」 屋台や町中華からスタートし、彼らは作って、洗って、生きて、育てた。ある者は大成功し、ある者は地道に商売を続け、ある者は「子どもには教育を受けさせたい。店の跡をついでほしくない」とつぶやく。 ●難民としてイスラエルにわたり、牧師になった中国人が教会でふるまう「広東風・牛バラ肉煮込み」の味は? ●なぜマダガスカルで、「ワンタンスープ」が朝食の定番になったのか? ●ノルウェーの中華料理店のシェフが”顔出しNG”の理由とは? ●アルゼンチンの大富豪が「春巻きさえ作れれば、どこででも生きていける」と豪語する理由は? ●口全体が痺れて燃える、ブラジル唐辛子を使ったアマゾン唯一の中華料理店のレシピとは? 食を通して、どこであっても生き抜く「中国人ディアスポラ」のたくましさと喜びと苦悩が活写され、私たちの前に「地球市民としてどう生きるか?」という問いが迫ってくる。世界を移り住んで育った著者は、10代を日本で過ごした。新大久保、池袋、高田馬場など、新たなチャイナタウンが誕生している日本の「最新中華料理事情」についても考察する、日本語版のための書下ろしも収録。 【登場する国々】 カナダ、イスラエル、トリニダード・トバゴ、ケニア、モーリシャス、南アフリカ、マダガスカル、トルコ、ノルウェー、キューバ、ブラジル、インド、アルゼンチン、ペルー、そして日本。
電子あり
君はどう生きるか
2024.06.12発売
君はどう生きるか
著:鴻上 尚史
いままで、「大切な人と深くつながるために」「いじめられている君へ」「親の期待に応えなくていい」など、折にふれ10代に向けて多くのメッセージを発信してきた著者が贈る「今の10代に向けた生きるヒント」。 現代は「君たち」ではなく、一人ひとりがそれぞれ違う「君」の時代。 この楽しくもしんどい多様性の時代に必要なのは、違う人と協働するための技術、そして自分の頭で考えるということ。 そのためのアドバイスが満載。 1 コミュニケーションについて 2 「考えること」について 3 スマホについて 4 自信を持つためには 5 友達について 6 ルッキズムについて 7 いじめについて 8 大人について 9 なんのために生きるか
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月刊 逢沢りな
2024.06.12発売
月刊 逢沢りな
著:ND CHOW
写真集・画集
2008年放送のスーパー戦隊シリーズ『炎神戦隊ゴーオンジャー』で女優デビューを果たし、その後テレビ・映画・グラビア・ファッション誌などで多岐に渡る活動をしてきた逢沢りな。グラビアでは、永遠の「少女感」を漂わせ、いつまでも変わらない透明感のある姿でファンを魅了してきた。 そんな彼女が、30歳を超えたこのタイミングで写真集を出すこととなった。12年ぶりの写真集、やるならとことんやり切って、今までとは全く異なる新しい自分を見てもらいたいと決意。新しい姿を見せるため、写真はND CHOWと初タッグを組んだ。 撮影の舞台はベトナム。ホーチミンの喧騒の中、生活感あふれるアパートや街に佇む素朴な姿は、映画『愛人 ラマン』を連想させるような儚さがあり、かたやラグジュアリーなクラシックホテルでは、大人の女性としての魅力たっぷりなブラックのランジェリーに身を包み、エレガントな雰囲気を醸し出す。また、数分で色彩が移ろいでいく夕景の海では、アンニュイな表情で魅せる。 シチュエーションやイメージを決め込まずに、その時のインスピレーションでどんどんアイデアを出していく写真家に、必死についていったという逢沢りな。大胆なポージングや感情的な表情、初挑戦となる露出感など、今までやったことのない「初めて」だらけの撮影。何が正解かもわからないけれど、ひたすら夢中になって撮られ続け、3泊4日の旅を駆け抜けた。 この写真集の全てに、見たことのない逢沢りなが濃厚に詰め込まれています。見応え抜群、ギャップに夢中になることのできる一冊です。
電子あり

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