新刊書籍
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1978.06.08発売
チベット旅行記(1)
講談社学術文庫
仏教の原典を求めたいという求道者の一心から、厳重な鎖国をしくチベットに、あらゆる困難にうちかって単身入国を果たした河口慧海師の旅行記。抜群の面白さをもっているだけでなく、チベットの風俗・習慣等についての的確な記述は、本書をチベット研究のための第一級の基本的文献としている。この第一巻では、チベット行を決心して海路カルカッタへ着き、万全の準備の後、ヒマラヤに入り、チベット国境を越えるまでが述べられる。
1978.05.29発売
狐狸庵VSマンボウPART
講談社文庫
1978.05.29発売
豊臣秀吉(六) 異本太閤記
講談社文庫

1978.05.12発売
播磨灘物語(4)
講談社文庫
信長の死。官兵衛は恵瓊との講和を急ぐ。いよいよ「中国大返し」。秀吉の成功は益軒によれば官兵衛の作戦を採用した故である。のち、官兵衛は豊臣政権の新官僚石田三成らに失望する。世から隠れたい――と秀吉に言う。更に5年後、入道して、如水。子、長政。秀次に自評して、臣ハソレ中才ノミ、と。〈全四巻〉

1978.04.28発売
ミステリー傑作選(8) 殺しの一品料理(ア・ラ・カルト)
講談社文庫
卓抜な発想、斬新な構成、そして意外なトリック。プロ中のプロが想像力と技巧の限りを駆使した多くの推理短編から、さらに厳選された名作14編。
<収録作家>小松左京・山村正夫・三好徹・海渡英祐・陳舜臣・夏樹静子・戸板康二・都筑道夫・松本清張・鮎川哲也・佐野洋・土屋隆夫・森村誠一・戸川昌子

1978.04.26発売
たのしいムーミン一家
講談社文庫
長い冬眠からさめたムーミントロールと仲よしのスナフキンとスニフが、海ベリの山の頂上で黒いぼうしを発見。ところが、それはものの形をかえてしまう魔法のぼうしだったことから、次々にふしぎな事件がおこる。国際アンデルセン大賞受賞のヤンソンがえがく、白夜のムーミン谷のユーモアとファンタジー。
1978.04.26発売
王者の妻(下)
講談社文庫
1978.04.26発売
王者の妻(上)
講談社文庫
十四歳で木下藤吉郎に嫁いだ織田家の養女おねね。秀吉はついに天下を取ったが、その女遍歴によって、おねねは「新たなる敵」に囲まれたことを知る。秀吉の子を産んだ侍女おこほ、信長の弟信包の娘播磨御前、京極高次の姉竜子、前田利家の娘おまあ、蒲生科賢秀の娘おとら、信長の五女、そして淀君‥‥。秀吉の正妻として戦国の世を生きたおねねの愛の苦悩、愛の葛藤を描く長編歴史小説。〈上下 全二巻〉

1978.04.26発売
氷紋
講談社文庫
札幌のS大学医学部教授の愛弟子は、教授の娘と結婚し、将来を嘱望されていたが、若妻の心の底には、今は小さな町の病院に左遷されている夫の友人の面影が消え去らずにいる。その友人との7年ぶりの邂逅。凍てつく北国の街に展開する許されざる愛とその破局を描いた本格的長編ロマン。

1978.04.26発売
播磨灘物語(3)
講談社文庫
黒田官兵衛生は主家からの難題――荒木村重を翻心させられれば織田信長に従う――を抱き、伊丹を訪ね、囚われる。一方信長は官兵衛生が裏切ったと錯覚、子松寿丸を殺せという。竹中半兵衛の真情は松寿を救うが、官兵衛生が牢を出た時は半兵衛、既に病死。牢を出でからの官兵衛は身も心も変る……。
1978.04.26発売
豊臣秀吉(五) 異本太閤記
講談社文庫
織田家の実権を握った秀吉にとって、残る大敵は柴田勝家だけ。信孝を討つとみせて包囲の網を張った秀吉は、堀秀政から中川清秀の十三番手の圧倒的な陣立てで対峙、勝家を討つが‥‥。〈全六巻〉

1978.04.24発売
生きることと愛すること
講談社現代新書
人間は愛なくしては生きてゆけない、孤独な存在である。だが人は多く、ふれあいを求めながら、心を開くすべを知らない。人はどこまで愛を受け、どこまで愛を与えることができるのだろうか。自己愛、恋愛、親子の愛、神の愛など、さまざまな愛のかたちをとおして、ほんとうの自分をみつけるための道標を探索する本書は、生きることのむずかしさに悩む現代人の心に、真情あふれる示唆を与える。
愛の原則――私たちの多くは、おそらく無意識にではあるが、50対50のフェアプレイを基盤にして生きている。私たちは、相手が私たちを受け入れ、親切にしてくれるかぎり、相手にもそうする。しかし、もし相手が私たちをだましたり、傷つけたりしはじめたら、私たちも態度を変えてしまう。冷淡になり、相手と同じ戦術を使うのである。私たちは50対50の原則ではなく、愛の原則に従って生きなければならない。愛の原則とはひじょうに単純なことである。私たちは愛さなければならない――相手が何をいい何をしようとも、いまもいつも。人を愛するということは、その人にもっと愛する力を与えようとすることなのである。フットボール選手だった父親が、息子もフットボール選手にしたいと願うように、愛する人は、相手をも愛することのできる人に変えてゆくのである。――本文より

1978.04.21発売
日本文学史早わかり
文芸(単行本)
日本文学史の大筋と特質がすっきりと頭にはいる独創的な本です

1978.04.12発売
播磨灘物語(2)
講談社文庫
ぜひ播州に兵を、信長に乞う官兵衛。一方、毛利氏は広島から播州英賀の浦に水軍を上陸させたが、官兵衛は偽装作戦でこれを追い払った。毛利は説客を送って播州勢力へ工作するが‥‥。〈全四巻〉
天正6年、秀吉は再び播州へ。対毛利の軍議を加古川に練る。説いてまわる黒田官兵衛。中国の縦横家に似た遊説家は日本の戦国期彼一人といえる。本巻では、竹中半兵衛が官兵衛とはじめて会う。そして荒木村重の信長への謀叛は、官兵衛を恐怖に陥れる。主家、御着城の小寺氏が村重になびくのではないか、と。〈全四巻〉

1978.04.10発売
菌類図鑑(下)
日本産・培養可能のカビ類約2 000種を中心に、形態・生態・生理・分布・遺伝・生化学等の基礎データ、さらには応用各分野の膨大な情報を総合し、それぞれの近縁種・基礎文献も記載した。200頁におよぶ総論は、これまで知られることの少なかった生態を中心に菌類に関する定本とすることをめざし、巻末の研究法・用語解説等とともに関係各領域の要望に応えた。上巻には変形菌・鞭毛菌・接合菌・子のう菌を、下巻には不完全菌ほかを収める。
1978.03.29発売
父 吉川英治
講談社文庫
偉なる人である父を、良き文章で長男が活写。著者、故英治の長男。慶大卒、NHK入社、のち、書店経営で現在に至る。本書は父13回忌に書下されたもの。他には書きえず、又、著者にも再びは書けぬ名著。
1978.03.29発売
豊臣秀吉(四) 異本太閤記
講談社文庫

1978.03.17発売
ニーチェとの対話 ツァラトゥストラ私評
講談社現代新書
「《われわれは幸福を発明した》末人たちはそう言って、まばたきする」末人すなわち現代人に向けて、毒ある予言を呈したニーチェの警句は、《退廃》を宿命として帯びたわれわれの心を深く揺り動かさずにはおかない。本書はニーチェの評伝でも解説でもない。平板な無思想状況と人間の卑小化を予見していたニーチェと著者との《対話》を通じて、人間の生き方を問う思索と行動への書である。高貴なる精神とは何か? いま問いなおす意味は大きい。
末人の時代――人間は昔より多く理解し、多く寛容になったかもしれないが、それだけに真剣に生きることへの無関心がひろがっている。すべての人がほどほどに生きて、適当に賢く、適当に怠け者である。それならば現代人に、成熟した中庸の徳が身にそなわっているのかというと、決してそうではない。互いに足を引張り合い、互いに他を出し抜こうとしてすきをみせない。「人に躓く者は愚者」であって、「歩き方にも気を配」らなければならないのだ。人間同士はそれほど警戒し合っているというのに、孤独な道をひとりで行くことは許されず、べたべた仲間うちで身をこすり合わせていなければ生きていけない。「温みが必要だからである。」彼らは群をなして存在し、ときに権威ある者を嘲笑し、すべての人が平等で、傑出した者などどこにもいないと宣伝したがっている。――本書より

1978.03.16発売
タテ社会の力学
講談社現代新書
日本社会では法的規制はきわめて弱い。人々の行動を律するのは法ではなく、個人あるいは集団間にはたらく力学的規制なのである。無原則のまま外界の変化に柔軟に対応する日本社会は、《軟体動物的構造》をもっている。本来の意味での権力が存在せず、小集団におけるリーダーの力が弱いのも、この特殊な社会構造によるのである。本書は、タテ社会内部にはたらくダイナミズム・動的法則を、《全人格的参加》《無差別平等主義》《儀礼的序列》《とりまきの構造》など、興味深い事例を引きながらあざやかに分析し、現代人1人1人をとりまくネットワークを明示する。『タテ社会の人間関係』と対をなす必読の名著。
法規制でなく社会的規制――私たちの社会生活に規制が働き、全体の治安が維持されているのは、個々人が小集団的規制に常に従い、全体が力学的にバランスをとろうとする動きをもっているからといえよう。こうした社会に育まれた私たち日本人は、法規制にてらして行動するなどということはなく、まわりの人々にてらして、あるいはあわせて行動することに慣習づけられている。いいかえれば、規制というものを肌で感じながら行動しているといえよう。日本社会においては、社会的規制が法規制の機能まで包含していると解釈できる。こうした世界になれていると、法のきびしさを忘れがちである。否、知らないで過すことも可能である。――本書より

1978.03.15発売
播磨灘物語(1)
講談社文庫
黒田官兵衛、この戦国末期が生んだ商人的思考の持主。それは既に彼の家系に根づく。官兵衛二十二歳、播州御着城にて一番家老。洗礼名シメオン。のち、如水。本巻は入念に官兵衛の人となりをたどり、播州の小天地で、広大な世界に想いをはせていた一紳士が、愈々織田信長の岐阜へ旅立つあたり迄に関って進む。〈全四巻〉