新刊書籍
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1978.03.08発売
蜻蛉日記(中)全訳注
講談社学術文庫
兼家との結婚生活17年目の元日、共に祝う恒例を破り、作者邸前を先払いも高らかに素通りする。4日も同様。開門して跪(ひざまず)いている従者や侍女の手前作者は居たたまれない。目と鼻の間にある伊尹(これまさ)家の大饗(だいきょう)の夜も期待空しく訪れない。作者は決心して鳴滝の山寺へ参籠する。尼に?と驚いた兼家はその夜物忌(ものいみ)を冒して迎えに赴くが下山せず。3週間目、兼家の強行手段により無事長髪の作者は下山し雨蛙の異名を得る。中巻は本日記の中軸をなす。

1978.03.08発売
物理現象を読む 身近な出来事を見直し、考えよう
ブルーバックス
あなたも小さなガリレイ、小さなニュートン
《ピサの斜塔実験》重さの違う球の落下の伝説を再確認してみよう
《基本的な運動の観察》自由落下、衝突、振り子の運動などからなにが読み取れるのか
《身近な力学問題》慣性力、遠心力、鉛直面内の円運動はいつ、どんな場合に見つけられるか
《瞬間の物理》ミルククラウン、風船の破裂、雨の落下中の形などを高速度写真で見ると……
《色を見る》薄膜の色、回折、虹、偏光、干渉など光の世界をさぐる
《電気と生活》永久磁石と磁界、電流がつくる磁界、直流・交流モーターの原理など磁気作用を考える

1978.02.27発売
妖星伝 第二部 外道の巻
講談社文庫
鬼道衆をはじめ、田沼意次までがつけ狙う黄金城。そのありかを解くべき絵馬は妖僧日円のふところに入る。日円は鬼道衆の襲撃をかわすのに、時間を停止させる沈時術を駆使した。だが、この怪僧の動きを正確に監視している何者かが存在するのを日円は知らない。退廃に走る江戸の暗黒世界で鬼道は揺れる!

1978.02.24発売
火炎城
講談社文庫
天文十九年、相続をめぐる大凶変の末、大友家二十一代目の主となった義鎮(宗麟)は野性味あふる九州男児だった。九国平定をめざして毛利と争うかと思えば、キリスト教に入信し、仏教徒の奥方と壮烈な夫婦喧嘩、正に異色の大名であった。この怪物の生きざまと戦国時代とを劇的に描いた会心作。
1978.02.24発売
豊臣秀吉(三) 異本太閤記
講談社文庫
竹中半兵衛との密約が成って、稲葉山城攻略に成功した藤吉郎は、信長の妹お市の方に恋慕したため、一転して伊勢高岡攻めを命ぜられれる。信長はお市の方を北近江の浅井長政に嫁がせて北の守りを固めるが‥‥。〈全六巻〉

1978.02.24発売
忍びの女(下)
講談社文庫
関ヶ原と二度の大阪攻めで豊臣家は根絶、徳川の天下となって、戦場を駆ける武士たちの世は終った。福島正則は幕府の謀略にかかり、老残の身を信濃に逼塞、忽然と現われた小たまの腕の中で、悔恨を胸に淋しく息絶える。豪雄福島正則の奮激の生涯と、彼を愛で、戦国の世を疾駆した天性の女忍者の活躍を描く傑作長編。

1978.02.24発売
忍びの女(上)
講談社文庫
秀吉没後、諸大名の暗闘が募り、天下分け目の決戦は必至。豊臣家の猛将福島正則に接近した徳川方の女忍者小たまの探索が始まった。ところが、武辺一方の無邪気な正則をいつしか愛しく想うようになる……。覇権をめぐる男たちの野望がついに関ヶ原に激突。戦国の世を疾駆する女忍者の活躍を描く傑作長編。

1978.02.21発売
菌類図鑑(上)
日本産・培養可能のカビ類約2 000種を中心に、形態・生態・生理・分布・遺伝・生化学等の基礎データ、さらには応用各分野の膨大な情報を総合し、それぞれの近縁種・基礎文献も記載した。200頁におよぶ総論は、これまで知られることの少なかった生態を中心に菌類に関する定本とすることをめざし、巻末の研究法・用語解説等とともに関係各領域の要望に応えた。上巻には変形菌・鞭毛菌・接合菌・子のう菌を、下巻には不完全菌ほかを収める。

1978.02.16発売
食品化学実験
「食品学」の実験編。食品学の実験を系統的に整理し、その基礎となる化学的操作の基本手技を懇切ていねいに指導すると同時に、栄養士養成の新カリキュラムに準拠してできるだけ新しい手法を入れるよう努めた。

1978.02.15発売
量子力学を学ぶための解析力学入門
量子力学に手をつけるためにどうしても必要な古典力学の知識は、実は驚くほど少なくてすむ。抽象的で難解な解析力学を最少限に整理し、だれにでもわかるようにやさしく、しかも的確に手ほどきした入門者待望の書。

1978.02.08発売
蜻蛉日記(上)全訳注
講談社学術文庫
平安朝最初の女流文学『蜻蛉日記』は、美貌と歌才をうたわれた作者が摂関家の錚々(そうそう)たる貴公子兼家に求婚されたことに筆を起こし、以後21年間の結婚生活を描いた作品である。夫に純粋な愛情を持ちつづけた作者は「三十日三十夜はわが許に」を希求するが、多情な兼家の漁色癖に悩み苦しむ。しみじみ蜻蛉のごとき我が身と観じて、閉ざされた貴夫人のはかない結婚生活をあえて公開し、世の女性の「例(ためし)にもせよ」と述べている。(全3巻)

1978.01.30発売
ラテンダンス入門

1978.01.27発売
ドキュメント 日韓ルート
1978.01.27発売
未完への脱走
講談社文庫
1978.01.25発売
豊臣秀吉(二) 異本太閤記
講談社文庫

1978.01.25発売
無名碑(下)
講談社文庫
娘の死が妻を狂わせた。彼女を伴い、竜起は次の現場タイへ向う。炎暑、盗難、機械確保の不備、働かぬ現地労務者――工事は難渋を極める。昼は難工事に立ち向い、夜は妻を労わる。自然の猛威と妻への愛に苦悩し、なお誠実に生きる男の姿。意欲的な取材と豊富な資料をもとに、三年間の情熱を結晶させた傑作。

1978.01.25発売
イギリス人と日本人
講談社現代新書
イギリス人は、なによりもわが家をたいせつにする。彼ら一人一人が国王であり、女王であるこの城こそ、一羽の小鳥や移りゆく自然への愛を育み、ありふれたものの新しさを教えてくれる、人生の豊かな泉である。物質的繁栄とひきかえに、精神の荒廃を招いたわれわれ日本人が、彼らのコモン・センスから学ぶものは大きい。時流にまどわされず、ひたすら己れの道を歩むイギリス庶民のものの見方・考え方を、ユーモアとペーソスを混じえて語る、軽妙洒脱な英・日比較民族論。
父の手紙――こんにちの世界は、こんにちを代表する詩人T・S・エリオットがいみじくも名づけたように「荒地」の世界である。しかし、それだからこそわれわれは、時代の流れにさからって、残されたわずかばかりの、ますますもって貴重な土地をたいせつにすべきではないだろうか。その意味からして、私がいちばん尊敬する人物は私の父である。父が手紙でいっている気に入りのテーマを紹介しよう。「それが、一しずくの露のなかに宇宙を見いだし、手近なありふれたものの新しさを見なおす術なのだ。それができれば、不思議を求めて長いご苦労な旅をすることなどない。私は、アリといっしょに庭を横断するのでもけっこう楽しい。二羽のクロドリとかくれんぼをするのもいい。あの連中、じつにうまいものだよ……。」――本文より

1978.01.10発売
良寛(下)
講談社学術文庫
春の日に子供らと手まりをついて遊んだ名僧。良寛についてはこのイメージが一般に知られている。だが著者はあえて「童児と手まりをついて興じたということは、童児と手まりをついて楽しまざるを得なかったということである」という。良寛の行動の背後に深い人間的な苦悩のあったことを明らかにする。ここに新しい良寛像が打ち出される。現代人の目で良寛の生涯をみなおし、かれの主要作品を新たな角度から鑑賞する、意欲的な力作。

1978.01.10発売
良寛(上)
講談社学術文庫
新潟県出雲崎の旧家橘屋の長男として良寛は生まれた。父の以南は風流人で、家業に力を注がず、一家は衰えてゆく。その中で良寛は十八歳のころ親の期待にそむいて出家してしまう。そんな境涯の良寛が考えていたことは何だったろう。良寛の作った多くの漢詩や和歌には、人生に対する深い思いがこめられている。名僧とたたえられる良寛にも、実は苦い自己反省が常にあったのではないか。良寛を一個の人間として見直す味わい深い名著。

1978.01.10発売
中世の光と影(下)
講談社学術文庫
さまざまな紆余曲折を経て、「ヨーロッパ」は12世紀に確立する。ここに東ローマとは全く別個の構造と理念を持つ世界が成立した。が、この世界も15世紀には、「中世の秋」という崩壊期をむかえる。本巻では、上巻に続き、中世後期の西欧社会を概観する。本書は、中世1000年にわたる人間の営為の、本質的意義を解明する史論でもあり、また同時に、歴史家堀米庸三がヨーロッパ世界生成の歴史空間にしるしたひとり旅の旅日記でもある。