ブルーバックス作品一覧

放射能と人体
ブルーバックス
「100ミリシーベルト以下の被曝は心配ない」は本当か?瞬時に高線量の放射線を浴びれば即死する。低線量の長期被曝では……?細菌やウイルス、化学物質に対して免疫システムや解毒作用を備える人体は、放射能にどれだけ耐えられるのか。原爆や原発事故、劣化ウラン弾による被曝の調査報告をもとに、放射線の生体への影響を科学的観点から詳細に検証する。
「100ミリシーベルト以下の被曝は心配ない」は本当なのか?
瞬時に高線量の放射線を浴びれば即死する。
では、低線量でも長期にわたって被曝したら……?
被爆から約70年を経た現在も、臓器内部から放射線が出続けているという。
細菌やウイルス、化学物質に対して免疫システムや解毒作用を備える人体だが、放射能にはどれだけ耐えられるのか。
原爆や原発事故、劣化ウラン弾による被曝の調査報告をもとに、放射線の生体への影響を科学的観点から詳細に検証する。

プロに学ぶデジタルカメラ「ネイチャー」写真術
ブルーバックス
何を撮りたかったかをどうダイレクトに伝えるか。自らの体験とワザを惜しげもなく披露!
画面になかに余分なものを入れないこと――。それがよい写真に仕上げる第一歩だ。主役を魅力的にする色彩と光、フォルムと動きが備われば、1枚の写真にストーリーが生まれてくる。第一線で活躍するネイチャー写真家の実践的な写真講座。
写真を魅力的にする条件
1.主役を目立たせる
2.目をひく色、形、光、動きをとらえる
3.ストーリーを感じさせる

宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト
ブルーバックス
宇宙で最大で最強の巨大な星の爆発、“宇宙のモンスター”ガンマ線バーストとはいったい何か? 数千億個の星からなる銀河よりも明るい大爆発は、どこで、どのように発生するのか? 長い論争の果てに下されたその結論に科学者たちが困惑した理由は一体? ブラックホールとの関係、宇宙の歴史、生命大絶滅との関係……。宇宙物理学で今もっとも注目される現象をひもといていく。(ブルーバックス・2014年3月刊)
ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあります。
ガンマ線バーストの発見は、米ソ冷戦下におけるアメリカの核爆発探知衛星による偶然の産物でした。どこかの国が核実験をしたために起きたものだと考えられ、秘密裏に研究が進められました。地球ではなく宇宙で起きたことが分かり、情報が公開されてからも、たった数十秒しか続かない短い現象を詳細に観測することは難しく、長らく謎の現象とされてきました。
研究が進展したのは、発見から30年たってからのこと。ガンマ線バーストが起きてから数日間、X線や光を出すことがわかったのです。その光を観測したところ、その起源は、数十億光年もの遠方だとわかりました。これほど遠くで起きるにも関わらず地球でも観測できるほどの大爆発だったのです。
また、はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われています。数十億光年の距離を光が旅するには数十億光年の時間がかかります。つまり、遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみることでもあります。様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか、謎に包まれた暗黒の時代を照らし出すことができると考えられているのです。
では、この爆発を起こしたのは誰だろうと、犯人捜しが始まりました。観測の進歩によってブラックホールとの関連や、巨大な星が死ぬときに発生することも明らかになりました。しかし、犯人が見つかっても、ガンマ線バーストがどのように起こるのかは分からなかったのです。
たった1個の星の起こす爆発が、どうして数千億の星を集めた銀河よりも明るく輝くのか? そのエネルギーはどこから来るのか? 観測結果が集まっても研究者たちはそれをうまく理解できなかかったのです。その謎をとく鍵は相対性理論にありました。
巨大な爆発はどこでどのように起こるのか? ブラックホールや相対性理論はどのようにかかわってくるのか? 宇宙の起源や生物の大絶滅との関係は? 宇宙物理学で、今もっとも注目される現象を、第一人者が繙いていきます。

量子的世界像 101の新知識
ブルーバックス
素粒子からブラックホールまで、奇妙で驚きに満ちた量子世界をひもとく画期的入門書。この1冊で現代物理学の本質がわかる!
すべては確率に支配され、複数の状態が重ね合わさり、粒子は生成と消滅を繰り返す──古典物理学の世界観を覆す奇妙で驚きに満ちた量子世界。考え抜かれた101の項目でその全体像を見事に描き出し、量子物理学の最前線へと誘います。
”初めての人には「一冊読むならぜひこれを!」と、物理学者には「項目を見たら、きっと読みたくなりますよ」と申し上げたい”(監訳者・青木薫氏による巻末解説より)
著者・ケネス・フォード ジョン・ホイーラーの薫陶を受け、世界最大の物理学組織である全米物理学協会の会長も務めた斯界の重鎮。
監訳・青木薫 1956年生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。サイモン・シン『フェルマーの最終定理』(新潮社)はじめポピュラーサイエンスの翻訳多数。著書に『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』(講談社現代新書)。2007年度日本数学会出版賞受賞。
翻訳・塩原通緒 1966年生まれ。立教大学英米文学科卒業。主な訳書にリサ・ランドール『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』(NHK出版)、フィリップ・ボール『流れ 自然が創り出す美しいパターン』(早川書房)など。

カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(上)
ブルーバックス
ユーロ圏を始めとし
アメリカの大学でも採用される
世界標準のバイオテクノロジーの教科書!

図解・内臓の進化
ブルーバックス
水中から陸上へ進出するとき呼吸器系に迫られた改革、肉食から草食へ移行するため講じられた「奇策」、体内の水を浪費しないための尿のつくり方の工夫、大敵「乾燥」を克服するため生殖器が採ったさまざまな戦略、ホヤに原型をもつ甲状腺ほか内分泌系の不思議な進化、そして昆虫と私たちの内臓の意外な類似性と決定的な違い――前作『図解 感覚器の進化』に続く「器官の進化シリーズ」第2弾、「内臓進化」の一大絵巻です。
「こういうものの見方こそ学校で教えてほしい」。書評ブロガー小飼弾氏絶賛の、かつてなかった内臓の進化史!
水中から陸上へ進出するとき呼吸器系に迫られた改革、 肉食から草食へ移行するため講じられた「奇策」、
体内の水を浪費しないための尿のつくり方の工夫、大敵「乾燥」を克服するため生殖器が採ったさまざまな戦略、
ホヤに原型をもつ甲状腺ほか内分泌系の不思議な進化、そして昆虫と私たちの内臓の意外な類似性と決定的な違い――
ものいわぬ「体の主役」内臓のデザインと機能には、動物たちがくぐり抜けてきた激動の歴史が刻まれています。
その戦略と設計思想を読み解くと、動物の進化の絶妙さに驚くほかはありません。
本書は、これまでに膨大な数の動物を実際に解剖し、観察してきた著者が前作『図解 感覚器の進化』に続いて贈る
「器官の進化シリーズ」第2弾、「内臓進化」の一大絵巻です。
渾身の図版の数々には、ページをめくるだけで圧倒されること間違いありません。

物理のアタマで考えよう!
ブルーバックス
ヨーロッパ各国の物理学会の連合体「ヨーロッパ物理学連合」の会誌に連載された珠玉のコラム集。「人間がエンジンなら何ワット?」という疑問から始まり、日常のさまざまな現象を物理のアタマで考えていきます。
たとえばクルマで前進するには抵抗に打ち勝たないといけませんが、その影響を計算してみると、時速100kmを越えたあたりから燃費が急激に悪くなることがわかります。あるいは、船旅は飛行機旅行よりエコな気がしますが、1席1kmあたりで計算するとクルーズ船の効率は飛行機より悪いこともわかります。高齢になると耳が遠くなりますが、その理由も物理で考えることができます。お風呂で歌を唄ったときに、カーテンを閉めていても声の音はほとんど減衰しません。その理由も説明できます。
そのほか、「サウナの石に水をかけるとなぜ熱くなるのか」「換気で部屋の温度はどれだけ変わるか」「日時計のずれはどれくらいか」「日没はなぜ美しいか」「雨粒は時速何kmで落ちていき、どのくらいの大きさになるのか」など、身の回りの現象を解き明かしていきます。あなたの「思い込み」や「直感」は、本当に正しいでしょうか?

チューリングの計算理論入門
ブルーバックス
本書は、コンピュータの原理としてのチューリング・マシンを解説するとともに、決定問題を解決した有名な「チューリング・マシンの停止問題」も分かりやすく説明します。さらに計算量と、7大難問の一つ「P=NP問題」についても、わかりやすく解説します。(ブルーバックス・2014年2月刊)
イギリスの数学者チューリングは、ヒルベルトの「決定問題」解決のために、万能計算機の数学的モデル「チューリング・マシン」のアイディアに至った。この「チューリング・マシン」こそが、コンピュータの万能性を保証する数学的基礎になった。
チューリングは、「チューリング・マシン」を使って、計算という行為を徹底的に検証した。そして、手順を示すことと、計算ができることが同じであることを示した。その手順はアルゴリズムと呼ばれ、いまではソフトウェアと言われている。
本書は、コンピュータの原理としてのチューリング・マシンを解説するとともに、決定問題を解決した有名な「チューリング・マシンの停止問題」も分かりやすく説明します。さらに計算量と、7大難問の一つ「P=NP問題」についても、わかりやすく解説します。

入門者のJavaScript
ブルーバックス
JavaScriptは、Webページに表示される画像や文字列などを、閲覧する人の操作に応じて自由自在に変えられるプログラミング言語です。本書では、1つ1つ作例を作り、動かしながらJavaScriptの基本を少しずつ学んでいきます。手順通りにやるだけで、HTMLやCSSの未経験者でもJavaScriptの使い方が必ずマスターできます。(ブルーバックス・2014年1月刊)
手順通りに書いて、動かすだけで
自然とJavaScriptが身につく!
JavaScriptは、Webページに表示される
画像や文字列などを、閲覧する人の操作に応じて
自由自在に変えられるプログラミング言語です。
本書では、1つ1つ作例を作り、動かしながら
JavaScriptの基本を少しずつ学んでいきます。
手順通りにやるだけで、HTMLやCSSの未経験者でも
JavaScriptの使い方が必ずマスターできます。

分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史
ブルーバックス
オスが進化の先導者だった!? ネアンデルタール人と現代人はいつ分かれたのか? 生物最古の枝分かれはどうおきたのか? いまだ多くの謎につつまれている生物の進化。化石には残らない進化の情報が、突然変異としてDNAには刻まれている。DNAに秘められた生物の歴史を丹念にたどり、進化のしくみを解き明かす分子進化学。その基礎から最先端の成果までをわかりやすく紹介する。DNAが語る生物35億年の歴史。
オスが進化の先導者だった!? ネアンデルタール人と現代人はいつ分かれたのか? 生物最古の枝分かれはどうおきたのか?
いまだ多くの謎につつまれている生物の進化。化石には残らない進化の情報が、突然変異としてDNAには刻まれている。DNAに秘められた生物の歴史を丹念にたどり、進化のしくみを解き明かす分子進化学。その基礎から最先端の成果までをわかりやすく紹介する。DNAが語る生物35億年の歴史。

今さら聞けない科学の常識3 聞くなら今でしょ!
ブルーバックス
知っているつもりだけれど、正確には説明できない。そんな科学の知識を集めたのが朝日新聞土曜版「be」の人気連載「今さら聞けない+」です。誰に聞いてよいのかわからない疑問を科学記者が懇切丁寧に解説したシリーズ第3弾。今さら聞けないけれど、聞くなら今でしょ!
主な項目 平均気温、温室効果ガス、酸性雨、活断層、コレステロール、ワイン、ブランド牛、DNA鑑定、出生前診断、熱中症、マイコプラズマ、認知症、宝くじの買い方、自動機械翻訳、バーコード、高速道路の渋滞、超伝導、不確定性、コンクリート、合板、レアアース、低燃費タイヤ、垂直離着陸機、蒸気機関車、絶滅危惧種、動物に見える色

論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」
ブルーバックス
グローバル競争の世界で、プレゼンに最も求められるのは「論理的」であること。思考を整理し、正しくロジックを組み立てれば、あなたの主張は驚くほどパワフルになる。これまで誰も教えてくれなかった、聞く人を納得させる効果抜群のノウハウを基本から応用まで詳しく紹介。グローバル社会で通用する本物のプレゼン力が身につく。大好評『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』に続くシリーズ第2弾!
一流のプレゼンは、ロジックで感動させる。
グローバル競争の世界で、プレゼンに最も求められるのは「論理的」であることです。分かりやすいストーリーの組み立て方、データの分類・整理法、問題の本質への斬り込み方、合理的に結論へと導く手法──思考を整理し、正しくロジックを組み立てれば、あなたの主張は驚くほどパワフルになります。これまで誰も教えてくれなかった、聞く人を納得させる効果抜群のノウハウを基本から応用まで詳しく紹介。グローバル社会で通用する本物のプレゼン力=一生モノの「説得技法」が身につきます。大好評『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』に続くシリーズ第2弾!

気候変動はなぜ起こるのか
ブルーバックス
人類の時代といわれる第四紀(200万年前から現在)は寒冷化の時代で、数回にわたり氷期が訪れた。氷期の原因はミランコビッチの歳差運動と考えられているが、それでは説明できない急激な気候変動が発見されていた。ブロッカーはその原因を、グレート・オーシャン・コンベヤーと名付けた海洋大循環の振る舞いに求めた。
そして近い将来、地球温暖化によってコンベヤーは止まってしまうのだろうか?
■著者紹介
ウォーレス・ブロッカー
気候変動研究における現代最高の科学者。今年79歳のブロッカーは、現役のコロンビア大学ラモント・ドーハティー地球科学研究所の教授であり、現在も精力的に研究に励んでいる。2006年、「地球科学分野のノーベル賞」ともいわれるクロフォード賞を受賞。1980年代に発表した、地球規模の海洋循環である熱塩循環(「グレート海洋コンベヤー」)で知られている。人類に起因する二酸化炭素の増大に対して、いち早く警鐘を鳴らした。

古代世界の超技術
ブルーバックス
現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が、自ら体験・実験して読み解く「技術史ミステリー」第2弾! 物理や化学、力学、数学を熟知していたかのような緻密な職人技! 最先端の結晶工学と驚くべき共通点をもっていた「ピラミッドの構造」。ボイル・シャルルの法則を応用していた「古代ギリシャの自動扉」。鉄筋コンクリートをはるかに上回る「ローマン・コンクリート」の強度。(ブルーバックス・2013年12月刊)
大型建機やコンピュータをしのぐ「すごい技術」!
ピラミッド、ローマの水道、マチュ・ピチュ……。
世界遺産の見方が変わる!
最先端の結晶工学と驚くべき共通点をもっていた「ピラミッドの構造」。
ボイル・シャルルの法則を応用していた「古代ギリシャの自動扉」。
鉄筋コンクリートをはるかに上回る「ローマン・コンクリート」の強度。
最新の計測装置と0.0002日の誤差しかない、超精密な「マヤの天文学」。
カミソリの刃さえ通さない、「インカの石組み術」の驚異。
現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が、自ら体験・実験して読み解く「技術史ミステリー」第2弾!

死なないやつら
ブルーバックス
小さなチャンピオンたちが教えてくれること。生命とは何か? この根源的な問いに、私たちはいまだに答えることができない。ならば、極端な「エッジ」を眺めて考えてみよう。超高温、超高圧、高塩分、強放射線、強重力……過酷な環境をものともしない極限生物たちの驚異の能力と、不可解きわまる進化。そこには「不安定な炭素化合物」として40億年も続いた生命という現象の本質がある。
生命とは何か? かつて多くの賢者が考えあぐねてきたこの根源的な問いに、私たちはいまだに答えることができません。
ならば、極端な「エッジ」を眺めてその本質をあぶりだしてみよう、というのが本書の出発点です。
超高温、超高塩分、強度の放射線、強度の重力……
過酷な環境をものともしない「極限生物」たちの驚異的なたくましさは、過剰としかいいようがありません。
ヒトの致死量の1000倍以上の放射線に耐えるやつ、地球上に存在しない強烈な重力に耐えるやつ…思わず「その能力、いらんやろ?」とツッコみたくなります。
わずか1マイクロメートルほどの微生物にすぎない彼ら、小さなチャンピオンたちを見ていると
「いったいなぜこんな進化をとげたのか?」という疑問にとりつかれ、「生命」がますますわからなくなってきます。
そして、人類は本当に地球でもっとも進化した生物なのかどうかも、怪しく思えてきます。地球最強の生物は「ハロモナス」かもしれません!
しかし、実はこの「わけのわからなさ」にこそ生命の本質があります。
酸化も還元もしない「不安定な炭素化合物」であるにもかかわらず、生命が地球上で40億年も続いてきた謎の答えがあるのです。
なぜ宇宙に生命ができたのか? これから私たちはどう進化していくのか?
次々に突きつけられる問いを考えていくうちに、生命についての見方がまったく変わってしまう経験があなたを待っています。
世界中の極限環境を歩いた「科学界のインディ・ジョーンズ」の面目躍如、文句なしに面白くてエキサイティングな生命論です!

記憶のしくみ 下
ブルーバックス
下巻では、いよいよ、人のアイデンティティー(独自性)を決める陳述記憶が、シナプスでどのように保存されるかのメカニズムを中心に解説しています。たとえば、電話番号をおぼえるような短期的記憶から、生涯にわたって忘れることのない記憶まで、そのメカニズムにどんな違いがあるのか。長期記憶を支える分子として、どんな種類のものがはたらいているのか。このような記憶の分子メカニズムが、どのような実験によって明らかにされてきたのかなどが明解に説明されています。
また、運動技能、習慣や連合学習(二つの刺激を組み合わせた記憶、古典的条件づけ)のメカニズムも説明しています。脳が膨大な量の記憶を獲得し保持できるのは、脳内のシナプスが構造的、機能的に可塑性を示す(可変である)ことに依存しているという思想が、本書の基調となっています。最後に、このような記憶の分子生物学および認知神経科学から、現代の高齢化社会における大きな課題である記憶能力の障害、つまりアルツハイマー病のような認知症の克服に向けて、どのような寄与ができるかを展望しています。

記憶のしくみ 上
ブルーバックス
記憶するとはどういうことなのか?
ノーベル賞学者が書いた新しい脳と記憶の教科書。カラー図解
上巻では、記憶は人の存在・個性(その人が誰であるか)を決定する基本的な生理機能であり、記憶には種類があり大きくは二つに分類されることを具体的な証拠をあげて説明していきます。その一つは、陳述記憶であり、これは言葉で説明できる出来事(エピソード)に関するもので、意識できる記憶です。もう一つは、運動技能や反射などの非陳述記憶であり、このグループに属する記憶は、説明することができないばかりではなく、意識することもできません。記憶には種類があることを決定的に裏付けた患者H・Mの症例についての記述は、上巻の中でも最もエキサイティングな部分です。つまり、難治性てんかん治療のため海馬を含む側頭葉の摘出手術を受けたH・Mは、術後にてんかんは軽快したものの、悲惨にも陳述記憶は失われ、非陳述記憶は健常人と同様に保存されていることが、ブレンダ・ミルナーらによって発見され、この事実はその後の記憶研究に大きな影響を与えました。軟体動物のような比較的単純な神経系の動物でも、非陳述記憶ははたらいていて、この種の記憶が神経細胞のつなぎ目(シナプス)でどのように作られるかの説明は、上巻のもう一つのクライマックスです。

難関入試 算数速攻術 発想と思考力の勝負!
ブルーバックス
中学の入試問題はつるかめ算や植木算、面積図など、特別なテクニックが必須だと思っていませんか? 実は、シンプルな思考法を積み重ね、ちょっとした工夫を加えるだけで驚くほどすっきり解ける良問の宝庫。良い問題を速く正確に解くことを追求していけば、自然と理解は深まり、さらに様々な解法を学ぶことで、これまで気づかなかった算数の面白さも見えてきます。大人から子供まで楽しめる中学入試の傑作選の登場です。
中学の入試問題はつるかめ算や植木算、面積図など、特別なテクニックが必須だと思っていませんか?
実は、シンプルな思考法を積み重ね、ちょっとした工夫を加えるだけで驚くほどすっきり解ける良問の宝庫。良い問題を速く正確に解くことを追求していけば、自然と理解は深まり、さらに様々な解法を学ぶことで、これまで気づかなかった算数の面白さも見えてきます。大人から子供まで楽しめる中学入試の傑作選の登場です。

図解・首都高速の科学
ブルーバックス
日本の道路技術のショーウィンドウ。1962年、東京オリンピックに先立って開通した首都高速道路。制約の多い都市部に建設するため、首都高速には常に最先端の道路技術が導入されてきた。そこから日本や世界に広まった技術も少なくない。2020年に再び開かれるオリンピックに向けて、新たな段階に入った首都高速の建設・運営・保守の舞台裏を余すところなく解説する。(ブルーバックス・2013年11月刊)
1964年の東京オリンピックに先立って開通した首都高速道路。制約の多い都市部に建設するため、首都高速には常に最先端の道路技術が投入されてきた。そこから日本や世界に広まった技術も少なくない。つまり、首都高速道路は日本の道路技術のショーウィンドウであり、首都高速を知ることは日本の道路技術を知ることにつながるのである。
本書では、2020年に再び開かれる東京オリンピックに向けて、新たな段階に立った首都高速について、建設・運営・保守の舞台裏を余すところなく解説する。とくに2015年春に全線開業予定の中央環状線については、首都高速道路会社の全面協力を得て山手トンネルの未開通部分も含めて取材。詳細に解説した。
川や海の上にどう建設したのか、渋滞はどう測定しているのか、保守・点検はどう行われているのか、といった基本的なポイントから、箱崎JCTはなぜ複雑になったのか、山手トンネルはなぜ上り下りが多いのか、といった建設の経緯をたどる「裏話」まで、これまで知られていなかった情報も満載している。
都心環状線から、羽田線、横羽線、湾岸線、深川線を経て中央環状線へ。建設史の流れに沿って、実走スタイルで首都高速の技術をガイド。読んで楽しい科学のドライブへ、さあ出発!

血液型で分かる なりやすい病気・なりにくい病気
ブルーバックス
胃がんのリスクが高いA型、ピロリ菌に弱いO型──血液型で病気のリスクが変わる!
がん、消化器潰瘍から、エコノミー症候群、脳梗塞、心筋梗塞、ノロウイルスなど感染症まで、遺伝子レベルで分かってきた驚きの関係を探ります!
血液型を決める遺伝子のはたらきが解明されたのはわずか20年前。以降、分子生物学的な研究と大規模な疫学調査によって、血液型と病気の関係が次々と明らかになってきたました。日本では「血液型性格診断」のせいで研究分野としては片隅に追いやられている血液型ですが、医学がゲノムレベルになったことで海外ではたいへん注目されており、アメリカの国立がんセンターなど権威ある機関による研究やスウェーデンの全国民調査などが行われ注目を集めています。世界の最新の研究成果を紹介し、合わせて遺伝子・細胞レベルでの血液型の謎をひもといていきます。
膵臓がん O型に比べB型は1.72倍のリスク。
胃がん O型に比べA型は1.20倍のリスク。
胃・十二指腸潰瘍 非O型に比べO型は1.35倍のリスク。
エコノミー症候群(肺塞栓症) O型に比べ非O型は1.86倍のリスク。
脳梗塞 B型、AB型はO型と比べて1.59倍のリスク。
心筋梗塞 ある種のA型はO型と比べて1.23倍のリスク。
ピロリ菌 細胞レベルでO型物質に結合しやすい
5人に1人はウイルス感染に強い「非分泌型」
etc.