講談社学術文庫作品一覧
尼僧の手紙
講談社学術文庫
竹山道雄の人と思想を知るために必読の書.反時代的考察を提起しつづけた著者は,同時に旅行と美術を愛するヒューマンな心の持主で,勝れた紀行文・随筆を数多く残した.本書はその珠玉の名篇を多数収録.

平家物語(七)
講談社学術文庫
横田河原の合戦で平家方城四郎長茂の軍をやぶった木曽義仲勢は北陸に進出、平家は10万の大軍を派遣してこれを追討することになる。越前国火打が城にこもった義仲の先陣は平家に内通するものがあって敗れるが、砥浪山の合戦では義仲の作戦によって平家の大群は倶梨迦羅谷に追い落され、大敗を喫して逃走する。進撃する木曽勢の前に、ついに平家は、20余年栄華の座を築いてきた平安京を後に、一門ともども都落ちすることとなった。
地球生態学
講談社学術文庫
宇宙船地球号には,人間が何人乗れるのか?地球環境を構成するエネルギ-,イオウ,窒素,炭素,水などの循環について全地球及び日本のモデルを作成し,今後の人間活動のあり方を示した日本型環境科学論.

外国語の習い方
講談社学術文庫
今国際人教育のために必要なことは、外国語学習の新戦略「傍観的思い出語学」から「参加的運用語術」への戦略転換です。本書の標題『外国語の習い方』の習い方でいおうとしているのはまさにそのことなのです。語学を学ぶのではなく、外国語術を習うことなのです。ことばの生きた運用力を身につけることは、ことばを学ぶこととは違います。今必要なのは外国語を理論的に学ぶことではなく体験的に習うことなのです。(著者まえがきより)
坐の文化論
講談社学術文庫
日本人はなぜ坐りつづけてきたのだろうか?西欧の彫刻などにみる立像と,東洋の土偶,埴輪,仏像,神像などの坐像を比較・検証して,文化としての坐の意義と,その歴史的背景を考察した異色の日本文化論.

桃太郎の母
講談社学術文庫
一見とるに足らぬような民間の俗信の断片にも人類文化史の主要な一節をたどる糸口の秘められていることを学問的に確信する著者は、わが国の桃太郎や一寸法師の昔ばなしの中に見られる〈水辺の小サ子〉の背後にひそむ母性像の源流を原始大母神と子神にまで遡及させる。その他併録の「月と不死」「隠された太陽」「桑原考」「天馬の道」「穀母と穀神」等いずれも、日本民俗学と比較民俗学とを結合させて画期的考察を加えた畢生の名著。
静思余録
講談社学術文庫
人生の玄奥を貫き,真理と実人生を語る名著理想に生活せんと希う者は哲学者のみではない.すべての人の胸中に哲学あり,詩あり,宗教がある.熱血漢にして思想家たる蘇峰の熱腸より湧き来る静思の凝集録.
主役としての近代
講談社学術文庫
故竹山氏の単行本未収録の珠玉の名篇で構成時流に阿らず,常に人間とは何か,真実とは何かを探り続けてきた著者の,青年期から晩年に至るまでのヒュ-マンな心情と求道に貫かれた評論,エッセ-を多数収録

魔の系譜
講談社学術文庫
魔とは何か? 日本の王権を支えてきた影の部分を、著者は日本人の情念の歴史として捉え、死者の魔が生者を支配するという奇怪至極な歴史の裏側の流れを認めないものは、真の歴史を理解することはできないと主張する。呪術師や巫女の発生、呪詛や魔除けなどを通して、日本人特有の怨念を描く著者の眼光は鋭く、柳田国男や折口信夫がいまだ形をなし得なかった論点を直截に表現した本書が、谷川民俗学の原点といわれるゆえんであろう。
日本人形史
講談社学術文庫
人形研究の権威による日本人形史の決定版.古代から現代までの人形の移りかわりや由来を,豊富な文献・写真資料を駆使して,初めて学問的に体系づけて集大成した比類なき貴重な名著.人形の全分野を網羅.
新版国語辞典
講談社学術文庫
常用漢字表に準拠した最新の文庫版国語辞典学習と社会生活に必須の七万五千語を網羅し,故事・成語等も豊富に収録.現代用語集・略語集も収め,適切な用例と解説を付し,漢字辞典も兼ねた用字用語辞典.

大阪ことば事典
講談社学術文庫
大阪船場に生まれ育った生粋のなにわっ子、稀代の大町人学者とよばれる牧村史陽が、40年の歳月をかけて編纂したライフワーク。西鶴・近松の時代から現代まで、市井の老若男女のことば6400をあげ、最も大阪らしい表現はもとより、歴史的地名・歌謡・俚諺・遊戯・風俗・習慣・年中行事を微に入り細をうがって解説する。町の雰囲気、人々の生活、人情まで生き生きと映し出す編者ならではの無類の事典。全項目にアクセント付き。

儒教思想
講談社学術文庫
日本の思想及び文学と儒教とのかかわりは古く、記紀の時代からであり、かつその影響力たるや深く、儒教を理会せずに日本を語れないと言われているが、その中国で2000余年の間になした変化発展は複雑である。偏見を棄て、虚心担懐に儒教の本道(ほんとう)を識ることは、現在の日本人にとって必要なことであろう。本書は儒教の根本思想を「儒教の成立と発展」「経書及び経学」「哲学思想」「倫理思想」「政治思想」の5段階の区分し、整理した好著である。
アフリカ紀行
講談社学術文庫
ハクスレ-賞受賞者による名アフリカ自然誌霊長類学,人類学を渉猟し,人類の過去・現在・未来が混在している雄大なアフリカの自然誌的研究を背景としつつ,人類史の復元にかける熱情が吐露される名随筆集
「無思想人」宣言
講談社学術文庫
マスコミの巨人大宅壮一を知る為に必読の書世間に通用している主義主張をもたずに,厳正中立,不偏不党,徹底した是々非々主義で押し通すことをモット-に,言論人として生きた大宅壮一の原点といえる書.

好色五人女
講談社学術文庫
「八百屋お七」「お夏清十郎」「樽屋おせん」など実際に起こった5つの恋愛事件を小説化した『好色五人女』は、デビュー作『好色一代男』とともに西鶴の代表作である。封建制度のきびしい身分制社会にあって、個人の愛を貫くことの難しい中で彼女たちの悲劇を暗くのみには描かず、死をも恐れぬ大胆ひたむきな恋愛に殉ずる女性の姿を、ヒューマニズムの色濃く、見事に描出した傑作。芭蕉の俳諧、近松の浄瑠璃とともに元禄文学の粋である。
日本音楽講話
講談社学術文庫
日本音楽学を唱導した著者の明解な音楽論.日本伝統音楽の発生から完成を日本人の生活社会と感情との係わりに重点をおいて論じた本書は,単に音楽研究家のみならず,各学問分野においても必読の書である.
英国を視る
講談社学術文庫
幻の名著と唱われて待望久しい英国見聞録.西洋文化が生んだ理想国家英国の姿を,第二次世界大戦前夜の中流階級層を中心にいきいきと描く.確かな日本人の目が捉えた本書は現代史の貴重な史料ともいえよう
漱石の師マードック先生
講談社学術文庫
文豪夏目漱石の師とはだれであったのか? 教師マ-ドックと漱石のふれあいを中心に据えて,文明開化に伴う諸問題を漱石を始めとする当時の知識人達が,どのように悩み,解決せんとしたかを明らかにする.
新装版 ゴリラ探検記
講談社学術文庫
日本の霊長類研究史上に輝く,必読の名著.ゴリラの生態調査のためアフリカのジャングルに挑んだ著者が,身を挺してゴリラと接触し,次々に彼等の生態や社会の構造を明らかにしていく興味つきない探検記.