講談社学術文庫作品一覧

沢木興道聞き書き
沢木興道聞き書き
著:酒井 得元
講談社学術文庫
沢木興道老師の言葉には寸毫の虚飾もごまかしもない。ここには老師の清らかに、真実に、徹底して生きぬいた一人の禅者の珠玉の言葉がちりばめられてある。仏教学や禅学を知らなくても、人生をいかに生きようかということを考えたことのある人に対して、本書は必ず何かを与えてくれる。簡単な一つの言葉が無限の重みをもって読者の心に迫るであろう。そこにこそ本書の大いなる価値があると、私は固く信ずるものである。(解説より)
西洋の事情と思想
西洋の事情と思想
著:新渡戸 稲造,解説:平川 祐弘,装丁:蟹江 征治,レイアウト:志賀 紀子
講談社学術文庫
”太平洋の架け橋”新渡戸が基本思想を語る世界の中で日本人はどう生きるべきなのか.世界人としての日本人の覚悟を情熱をこめて説く著者の姿には,真の国際人を育てる多くの示唆がこもっている.
今鏡(中)
今鏡(中)
その他:竹鼻 績
講談社学術文庫
新・学問のすすめ アウトサイダーの世界
新・学問のすすめ アウトサイダーの世界
著:外山 滋比古,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
辛辣な留学懐疑論にはじまり、著者の面目躍如たる英語教育論、師弟関係をめぐる問題など身近な話題を糸口に、独創的な英文学者である著者ならではの豊かな教養世界が浮かび上がる。一見エキセントリックな異端の装いをこらしつつも、その主張は正鵠を射た均衡感覚に支えられている。風通しのよいユーモアに満ちた極上の知的随筆!(解説・佐伯彰一)
俳句
俳句
著:阿部 ショウ人
講談社学術文庫
カンナはいつも「燃え」、「一つ」だけ枝に残った柿はきまって「夕陽」に照らされ、妻は「若く」、母は「小さい」――だれでも初めて俳句に手を出すとまず口をついて出てくるのが、こうしたきまり文句。初心者はこの紋切型表現と手を切らなければ、「四合目」から上に登ることはできないと阿部しょう人は説く。初心俳句の最も根深い欠陥をこれほど具体的に解明した本は他に例を見ず入門書としてこれは独創というに値する。(解説より)
近世日本国民史 桜田事変
近世日本国民史 桜田事変
著:徳富 蘇峰,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
春雪舞う、芝愛宕山上に会合したる水薩脱藩浪士、三々五五時刻を見計らい下山、大老の襲撃の機を窺う。時に万延元年三月三日。この日上巳を賀すべく井伊直弼に登らんとして桜田門外に来るや、彼の義盟十八士、降りしきる雪を衝いて行列を襲う。満目白皚々の積雪原を血に染めたる一瞬の激闘は終り、大獄の元凶斃れ、佐幕の諸侯驚愕し、その方嚮に迷い、天下の志士その志を得、ここに明治維新遂行の序幕は上がったのであった。 春雪舞う、芝愛宕山上に会合したる水薩脱藩浪士、三々五五時刻を見計らい下山、大老の襲撃の機を窺う。時に万延元年三月三日午前九時。この日上巳を賀すべく井伊直弼に登らんとして桜田門外に来るや、彼の義盟十八士、降りしきる雪を衝いて行列を襲う。満目白皚々の積雪原を血に染めたる一瞬の激闘は終り、大獄の元凶斃れ、佐幕の諸侯驚愕し、その方嚮に迷い、天下の志士その志を得、ここに明治維新遂行の序幕は上がったのであった。
電子あり
今鏡(上)
今鏡(上)
その他:竹鼻 績
講談社学術文庫
共同研究 パル判決書(下)
共同研究 パル判決書(下)
編:東京裁判研究会
講談社学術文庫
東京裁判とは何だったのか。豊かな学識と平和を祈念する人類愛に基づいた『パル判決書』は、東京裁判の多数派判決を正面から論駁した記念碑的名著である。本書はさらに多角的解説を付した刮目の書である。
共同研究 パル判決書(上)
共同研究 パル判決書(上)
編:東京裁判研究会
講談社学術文庫
東京裁判とは何だったのか。豊かな学識と平和を祈念する人類愛に基づいた『パル判決書』は、東京裁判の多数派判決を正面から論駁した記念碑的名著である。本書はさらに多角的解説を付した刮目の書である。
今昔物語集(九)
今昔物語集(九)
その他:国東 文麿
講談社学術文庫
『今昔物語集』(9)──巻十──は震旦(中国)の世俗説話を収める。秦の始皇帝に始まり、漢の高祖、唐の玄宗など有名な歴史的人物がめまぐるしく登場。はるか異国に嫁がされる美妃王昭君の悲劇、絶世の愛妃楊貴妃の最期、偉大なる思想家孔子・荘子、養由・李広など勝れた武人の著名逸話が前半に並ぶ。以下巻末までは、無名の男・女、天狗、名医、学者、管絃の名手、盗人、老婆、酒飲み等々の話が多種多彩に展開し、豊かな人間像を描く。
天台思想入門
天台思想入門
著:鎌田 茂雄
講談社学術文庫
近世日本国民史 安政の大獄 後篇
近世日本国民史 安政の大獄 後篇
著:徳富 蘇峰
講談社学術文庫
島津齊彬逝きて以来、天下の大名、起って敢然井伊と抗衡せんとする者一人だになく、安政六年井伊の位置は天下無敵を驕り、その探偵政治による志士狩りは燎原の火となりて広がるも、諸藩みな拱手して形態を観望、自藩より犠牲者を出すに至る。即ち、藩では西郷を遠島に、長では吉田松陰を江戸に護送、越は藩の長城たる橋本左内を幕史の犠牲に供す。かくて草莽崛起を説く松陰の処刑をもって惨刑酷法を極めたるは粛清は終焉を告ぐ。 島津齊彬逝きて以来、天下の大名、起って敢然井伊と抗衡せんとする者一人だになく、安政六年井伊の位置は天下無敵を驕り、その探偵政治による志士狩りは燎原の火となりて広がるも、諸藩みな拱手して形態を観望、自藩より犠牲者を出すに至る。即ち、藩では西郷隆盛を遠島に、長では吉田松陰を江戸に護送、越は藩の長城たる橋本左内を幕史の犠牲に供す。かくて草莽崛起を説く松陰の処刑をもって惨刑酷法を極めたるは粛清は終焉を告ぐ。
電子あり
今昔物語集(八)
今昔物語集(八)
その他:国東 文麿
講談社学術文庫
『今昔物語集』(8)──巻九──は震旦(中国)の孝子談と、人が現世でなした行為が冥々の死後の世界でかならず報いを受ける因果応報談とを収める。老母の好物の筍を雪の中から堀り求める孟宗の話、母の杖に打たれながら老いて力弱くなった母の衰えに涙を流す伯瑜(はくゆ)の話などのほか、古来広く知られる説話が続く。平安期から中世にかけての一般的仏教倫理である「孝」また「因果応報」を人々の日常行為の中で平易に教訓づけようとしている。
近世日本国民史 安政の大獄 中篇
近世日本国民史 安政の大獄 中篇
著:徳富 蘇峰
講談社学術文庫
安政五年九月、老中間部詮勝入洛参内に及び、攘夷鎖国の方針に対し、「只今争端を開き候ては容易ならざるの御一大事」との諸大名の建議を逆手に執り、条約調印の止むを得ざる事情を「御氷解」し、「鎖国の良法」引戻しを俟つとの事実上の勅許を得るや、俄然、井伊直弼武断強行策を命ず。間部らは飢狼の群羊に闖入するが如く、正義派に対し讒講誣曲の言説を逞しうし公卿衆を威嚇、辞官、落飾を迫り、維新史空前の大獄へ突入した。 安政五年九月中頃、老中間部詮勝入洛参内に及び、攘夷鎖国の方針に対し、「只今争端を開き候ては容易ならざるの御一大事」との諸大名の建議を逆手に執り、条約調印の止むを得ざる事情を「御氷解」し、「鎖国の良法」引戻しを俟つとの事実上の勅許を得るや、俄然、井伊直弼武断強行策を命ず。間部らは飢狼の群羊に闖入するが如く、正義派に対し讒講誣曲の言説を逞しうし公卿衆を威嚇、辞官、落飾を迫り、維新史空前の大獄へ突入した。
電子あり
今昔物語集(七)
今昔物語集(七)
その他:国東 文麿
講談社学術文庫
『今昔物語集』(7)は、(6)に続いて仏教教典の霊験談が数多く記される。「法華経」を読む僧の声を聞いていた鳩の雛が死後、人間に生れ代ることができた話、羅刹女(女の食人鬼)にたぶらかされ食われそうになった僧が経を誦して難をのがれた話、地獄に落ちて灰のように焼けただれた罪人が「法華経」書写によって救われる話など興味深い説話が続出する。1話ごとに明確な分析と、深い解明を付して、読解にゆき届いた手引きを与えている。
新訂 官職要解
新訂 官職要解
著:和田 英松,著:所 功
講談社学術文庫
平安時代を中心に上代から中近世に至る我が国全官職の官名・職掌を漢籍や有職書によって説明するだけでなく、当時の日記・古文書・物語・和歌を縦横に駆使してその実態を具体的に例証した不朽の名著。
クラシック音楽鑑賞事典
クラシック音楽鑑賞事典
著:神保 ケイ一郎
講談社学術文庫
曲名や作曲者を知らなくても、誰にとっても忘れられないメロディーがあるはずだ。本書は、人々の心に生きつづける名曲の数々をさらに印象深いものとする魅力的な鑑賞事典である。「カルメン」や「アルルの女」の1場、「月光」の曲ができるまでのエピソード、楽聖たちの恋愛が音楽へ昇華する様など、古典から現代音楽まで、作曲者と作品を網羅したハンディな1冊は、クラシック音楽愛好家必携の書といえよう。世界の名曲100選等を付す。
近世日本国民史 安政の大獄 前篇
近世日本国民史 安政の大獄 前篇
著:徳富 蘇峰
講談社学術文庫
井伊大老の水・尾・越藩主に対する措置は、専断調印に劣らぬ刺戟を至尊に与え、遂に「賜勅水戸」の緊迫事態を招く。直弼その出処は齊昭にありと猜定、京都の気勢を挫く第一着手として水戸を圧迫。次いで京都不逞の徒を退治せんとする刹那九條関白の辞職の報に接し驚愕、直ちに酒井所司代の赴任を急がせ、奸賊の手先召捕りを間部老中に訓令、上洛を促す。かくして梅田雲濱捕縛を皮切りに暗雲惨憺たる一大悲劇は開始された。 井伊大老の水・尾・越藩主に対する措置は、専断調印に劣らぬ刺戟を至尊に与え、遂に「賜勅水戸」の緊迫事態を招く。直弼その出処は齊昭にありと猜定、京都の気勢を挫く第一着手として水戸を圧迫。次いで京都不逞の徒を退治せんとする刹那九條関白の辞職の報に接し驚愕、直ちに酒井所司代の赴任を急がせ、奸賊の手先召捕りを間部老中に訓令、上洛を促す。かくして九月七日の梅田雲濱捕縛を皮切りに暗雲惨憺たる一大悲劇は開始された。
電子あり
百人一首
百人一首
訳:有吉 保
講談社学術文庫
我が国の古典中、古来最も広く親しまれた作品百首に明快な訳注と深い鑑賞の手引を施す。一首一首の背景にある出典、詠歌の場や状況、作者の心情にふれ、さらに現存最古の諸古注を示した特色ある力作。
今昔物語集(六)
今昔物語集(六)
その他:国東 文麿
講談社学術文庫
『今昔物語集』(6)は震旦(中国)の説話を収める。震旦仏教の起源を語る説語、諸仏像(釈迦像・弥陀像など)および諸経典(華厳経・阿含経など)の霊験説話である。これらは仏法王法相依思想(仏教と国家権力とがたがいに助けあって、ともに栄えるという思想)のもとに人々の教養と生き方の指針を与えるために作りあげられた。達磨(だるま)の中国布教の話、『西遊記』に名高い玄奘三蔵の天竺(インド)求法の旅の話など興味深く盛り込まれる。