講談社現代新書作品一覧

ヒンドゥー教
ヒンドゥー教
著:クシティ.モ-ハン・セ-ン,訳:中川 正生
講談社現代新書
ジュニャーナ カル バクティ インド思想のすべて 知識、行為、信愛──これらが神にいたる3つの道。その道程において、生と死、魂の救済、環境との調和など根源的な問いかけを発し続けてきたヒンドゥー教の成果と実践の姿を解説。 ●理想的な一生──人間の理想的な一生は4つの段階(四住期)からなっているとされる。第1は学生期、すなわち訓練と教育の期間、第2は家住期、すなわち一家の主人となり社会で積極的に活動する期間、第3は林住期、すなわち俗世との縁を断って森に退く期間、第4は遊行期、すなわち隠者となる期間、の4つである。……ヒンドゥー教では出家が重視されているにもかかわらず、家住期はその後の2つの段階より軽視されているというわけではない。家住期は社会構造の全体に統一と結束をもたらし、他の3つの段階はすべてのこの期間に依存していることからも、ある意味では人生の4時期の中心でもあるとみなされる。……この段階において、ヒンドゥー教とは結婚し活動的な生活をおくることになっている。──本書より
国語のできる子どもを育てる
国語のできる子どもを育てる
著:工藤 順一
講談社現代新書
読むこと・書くことをどう教えたらいいか。本の面白さを知らない、作文が書けない――子どもたちの「失語」的状況は単に能力低下だけが問題なのではない。本当の国語力を引き出すための実践的教育法を提示。(講談社現代新書) 読むこと・書くことをどう教えたらいいか。本の面白さを知らない、作文が書けない――子どもたちの「失語」的状況は単に能力低下だけが問題なのではない。本当の国語力を引き出すための実践的教育法を提示。
電子あり
投球論
投球論
著:川口 和久
講談社現代新書
タテの投手とヨコの投手!本線のボールと枝葉のボール? 投手とは打者とは、野球とは何だろう 巨人、広島で18年投げ続けた左腕による渾身の野球論。投手と打者の間には何があるのか。 ●はじめに──あなたは野球選手、特にピッチャーという人間を知っていますか。誤解をかえりみず思いっきりひとことでいえば「変わり者」です。みんな個性が強くて、1匹オオカミっぽくて「オレはオレで行くよ」みたいなところがあって……。さびしいからみんな一緒に生きていこうよ、一緒に飲もうよ、うんこしようよ、というのではなくて、自分の生き方を常にはっきり他者に提示しながら生きる。そういう存在です。一方で寂しい人間でもあるんです。寂しいというか、孤独の世界にいる。マウンドの上っていうのは離れ島にいるようなものです。そりゃ後ろで守っている野手の愛情がほしくもある。いつ打たれるか、という不安は決してぬぐえないのですから。それでも不安を表に出すことはできない。それが相手に伝わって「アイツは動揺している」と思われたら、その時点で打者との勝負は負けですから。──本書より
いきいきと手紙を書く
いきいきと手紙を書く
著:轡田 隆史
講談社現代新書
元気が出る、心が伝わる手紙の書き方 eメール派もファクス派も必読の“手紙の心”――意を伝え相手を口説く文章の決め手とは?多彩な実例をもとに達人が明かす元気の出る手紙論。
ゲーデルの哲学
ゲーデルの哲学
著:高橋 昌一郎
講談社現代新書
不完性定理を証明した天才の全体像とは。人間の理性に限界があることを示したゲーデルは、後年、神の存在を論理的に証明してみせた。孤高の人が到達した哲学的境地とはどのようなものか、初めて明かす。(講談社現代新書) 不完性定理を証明した天才の全体像とは。人間の理性に限界があることを示したゲーデルは、後年、神の存在を論理的に証明してみせた。孤高の人が到達した哲学的境地とはどのようなものか、初めて明かす。
電子あり
トランスパーソナル心理学入門
トランスパーソナル心理学入門
著:諸富 祥彦
講談社現代新書
ほんとうの自分とは、ほんとうの生き方とは。個を越えたつながりを志向しながら、目覚めと自己変革をうながす、心の旅のガイドブック。
最新・世界地図の読み方
最新・世界地図の読み方
著:高野 孟
講談社現代新書
国際社会をよく理解するために 国境、紛争、金融、通信 新しい地球が見えてくる 地図的想像力を身につければ新しい世界が見えてくる――21世紀の国際社会がわかる画期的入門書誕生!
スポ-ツとは何か
スポ-ツとは何か
著:玉木 正之
講談社現代新書
人生を楽しみ、感性をみがく。スポーツ後進国・日本への直言! Jリーグ合併騒動、IOC金銭疑惑、プロ野球ドラフト問題……矛盾を噴き出しつつ「繁栄」するスポーツを、根源から問い直す文化論
いますぐ使える実践ビジネス英語
いますぐ使える実践ビジネス英語
著:浅見 ベートーベン
講談社現代新書
Eメールの書式から成功する文書作成術、電話の対応まで、国際ビジネス社会を勝ちぬく必須知識を満載! ビジネスレターのコツ――数十年前までは、ビジネスレターでは、主語にIやYouなどの人称代名詞はできるだけ使わず、The reportやThe meetingなどのように普通名詞を使うのが一般的でした。またそのほうが、受け手に対して配慮深く、ぶしつけでないので好ましいとも考えられていました。しかし最近では、ビジネスレターを書いているのは、The reportやThe meetingではなく、IやYouのような血の流れた人間なので、それを前面にだしたほうが良いという考え方に変わってきました。その結果、The report was prepared by me.「そのレポートは私によって作成されました」のように受動態で書くのではなく、I prepared the report.「私がそのレポートを作成しました」のように能動態で書くことが、一般的に認められるようになりました。――本書より
ねむり姫の謎
ねむり姫の謎
著:浜本 隆志
講談社現代新書
ベローが消した性的場面!?グリムが焼いた糸巻き車!? 童話に隠された愛の風俗 糸つむぎ部屋の集い――若者たちは特別の日だけでなく、ふつうの糸つむぎをする日でもやってきた。かれらはお気に入りの女の子のそばに座り、最初のうちは糸つむぎの際に、彼女の膝に落ちる糸屑を払ってやるという作業をおこなった。娘たちは気に入った若者の前へ、糸つむぎの道具をわざと落として拾ってもらったり、合図を送って意思表示をした。そしてこの糸つむぎの共同作業が、別の男女の共同作業へと発展していくのである。(中略)このような行動は、偶然、部屋の明かりが消えたりすると、ますます大胆になってエスカレートした。それを期待して、意図的に明かりを消す者もでる始末。やがて暗闇で男女の望むことが始まる……。――本書より
日本海海戦の真実
日本海海戦の真実
著:野村 實
講談社現代新書
海戦史上空前の勝利の通説をくつがえす誰も書けなかった「丁字戦法」の真相! 東郷平八郎は奇跡的勝利の真の立役者だったか。海軍極秘資料に基づき、その意外な真相に迫る。 日本海海戦の勝因――世界中が驚いた連合艦隊の完勝には、ふたつの重要なポイントがあった。つまり、杳として行方がつかめないバルチック艦隊の通過コースを的確に予測し迎撃できたこと、そして「誰もが予期しなかった」緒戦における敵前大回頭である。日本海海戦の勝因については、ほかにもさまざまな要素がからんでいるのだが、このふたつのポイントで成功したことが「アドミラル・トウゴウ」の名を世界に知らしめ、「日本海軍が生んだ天才」秋山真之の知謀を称揚することになったと言ってよいだろう。しかし、日本海海戦の舞台裏については、……まったく別の真実が存在する。――本書より
日本語の復権
日本語の復権
著:加賀野井 秀一
講談社現代新書
欧米語に比べて日本語は本当にあいまいか。「ムカつく」「キレる」に潜む若者言葉の落とし穴とは。画期的視点で語る日本語論。 甘やかされた日本語――表現能力を察知能力の方が凌駕し、表現よりも表現のポーズの方が珍重されることになれば、やがては、「第二芸術」のように表現者の怠惰をまねき、示唆能力以外の本来の表現力は低下することになるだろう。私たちはこれまで「メシ、フロ、ネル」を甘やかされた日本語という観点から論じてきた。しかし、これがまた甘えから故意にそういう表現をしているというのなら、文化の差だとかなんとか言ってお茶をにごしていればよかったが、表現者の怠惰が幾代も重なり、実際にこうした表現しかできない世代が誕生してきているとしたらどうだろう。さらにまた、そうした怠惰の許される以心伝心の前提が失われ、表現能力の低下を察知能力が補わなくなってきているとしたらどうだろう。――本書より
シュタイナー入門
シュタイナー入門
著:西平 直
講談社現代新書
学校を問う!神秘を問う!思想を問う! 巨人、待望の入門書 「いのちの神秘の法則性」を説いた思想家シュタイナー。その本質を平明に語り思想史の中で捉えなおす。 シュタイナーの思想に出会う──それは、この思想と出会って間もないころ、1度だけ研究室を訪ねたことのある新田義之先生が語っておられたことでもある。信奉者にならなくてもよいから、その思想に導かれることによってものの見方を広げ、その思想をもって異なる立場と対話を続けてゆくこと。今大切なのは、そうして地道な営みを保障する環境づくりではないか。その後、どの研究会に属するわけでもなく、まったく1人で細々と関心を持ち続けてきたにすぎない私が言うのもおこがましいが、それでも、この小さな本が、そうした環境づくりのために、なにがしかお役に立てはしないか。そうしたことを考えながら、しかし、この本のつとめは、その何歩も手前のところでささやかな地ならし作業をすることである。例えば、「シュタイナー学校」の名前だけは聞くものの、さてシュタイナーとはいったいどういう人物か、そう思っておられる方に、その思想と人物の概略を、情報として提供すること。(中略)できるかぎり手前のところに踏みとどまって、疑問や違和感を共有しながら、その人と思想について語ることにも意味があるのではないか。そう考えたのである。──本書より
室町お坊さん物語
室町お坊さん物語
著:田中 貴子
講談社現代新書
帝への授戒、女人禁制、政争、天災 天台僧かく語りき 新資料「鎮増私聞書」で読む戦乱の中世 南北朝合一、明徳・嘉吉の乱……戦乱の中世を生きた1人の天台僧の記録「鎮増私聞書」。そこから浮かびあがる仏教界と庶民の姿とは。 南北朝合一──これからしばらくお話しいたしますのは、わたくしの存命中に起きましたさまざまな世の動きについてでございます。……わたくしが「私聞書」でこのような世間の動きや乱れを語ったことには理由があるので、単に物見高い者が書き付けておいたというのとはわけが違うのです。わたくしは、この短い間に次々と起こった世の動きをすべて一連のものと考えております。仏教では、物が起こるには必ずその理由がある、と言います。つまり「因」と「果」でございますね。わたくしは俗世のことに疎い者ではありますけれど、一在地民として赤松氏と幕府の関係を見てみると、ある事は起こるべくして起こったのだ、という感を強くいたします。……わたくしの意図は、赤松氏滅亡に至るそのなりゆきを追うことにあったのです。それによって、わたくしたちの生きている世の中が「如夢幻泡影」(夢幻のように、泡の影のようにはかない)であることを示したい気持ちもあったかもしれません。──本書より
<じぶん>を愛するということ
<じぶん>を愛するということ
著:香山 リカ
講談社現代新書
本当の〈じぶん〉探しとは何かを率直に説く。多重人格などへの関心、癒しブ-ムなど、90年代的こころの問題の流れの中で見た〈じぶん〉探しとは。自己愛幻想からの解放と〈じぶん〉とのつきあい方を語る。(講談社現代新書) 本当の〈じぶん〉探しとは何かを率直に説く多重人格などへの関心、癒しブ-ムなど、90年代的こころの問題の流れの中で見た〈じぶん〉探しとは。自己愛幻想からの解放と〈じぶん〉とのつきあい方を語る。
電子あり
ミトコンドリアの謎
ミトコンドリアの謎
著:河野 重行
講談社現代新書
パラサイト、呼吸、性的ふるまい、共生、エネルギー生産、老化、おまえは一体何者なのか? 細胞の中にあって、呼吸を行い、エネルギーを生産する。さらには、DNAを持ち、老化に関し、性的ふるまいをするこの小器官は、一体何者なのか? プロローグ──レトリックに凝りすぎだと謗(そし)られるかも知れないが、ここで、私は「ミトコンドリアとは何者か?」と問うべきだと考えている。「ミトコンドリアとは何か?」といった素直な問いかけに対して、これは擬人的で、その出自をより重んじた問いに思える。しかし、顕微鏡下で蠢く真正粘菌のミトコンドリアを見ていて、ミトコンドリアの本質が単に呼吸してATPを合成するだけとはとうてい思えないのだ。執筆当時、東北大学の大学院生だった瀬名秀明のホラー小説『パラサイト・イヴ』も、「ミトコンドリア、お前は誰だ」といった問いから始まっているように思われる。現実のミトコンドリアが意志を持つことはない。しかし、最近明らかにされつつあるミトコンドリア像には、確かにそう問いかけたくなるようなところがある──本書より
図書館であそぼう
図書館であそぼう
著:辻 由美
講談社現代新書
花の名を求めて東京からパリへ!?調べだしたら図書館めぐりは止まらない。情報検索のヒント、レファレンス利用のコツ満載のわくわくエッセイ。 ひとりでに足が向くコーナー――図書館のたのしみのひとつは、書架のあいだをぶらつき、面白そうな本を物色すること、それは、調べものの息抜きにもなる。そんなとき自然に足が向かうところのひとつが、旅のコーナーだ。こんどはどこに行こうかな、と考えつつ、いろんな旅の本を手にする。……旅の本の棚をながめるたびに、旅にもずいぶんいろいろあるもんだと感心させられる。鉄道の旅、バスの旅、ドライブ、船旅、飛行機の旅、ウォーキング、サイクリング。登山や温泉めぐりもあれば、花の名所や名水をたずねる旅もある。海外旅行のほうも、若者の気ままなひとり旅もあれば、シルバー世代がカップルでゆく、ゆったり旅もある。旅になくてはならない「時刻表」も、たいていの図書館においてある。図書館に「時刻表」があると言うと、時々びっくりした顔をされる。図書館に電話帳があることはだいたい知られているが、「時刻表」のほうはあんがい知らない人が多い。――本書より
イギリス名宰相物語
イギリス名宰相物語
著:小林 章夫
講談社現代新書
賢人、名将、文人、艶福家――世界初の宰相ウォルポールからチャーチルまで、大英帝国を率いたリーダーたちの人間像とは。多彩な逸話、名言でつづる快著。 「名宰相」の条件――一国の首相といっても人間であることには変わりはない。ときには失敗もするだろうし、不覚にも人前で涙を流してひ弱な性格とけなされることもあるかもしれない。……だが、このような「人間くささ」もまた、在任中はともかくとして、のちにはほほえましいエピソードとして語り継がれ、人気を集めていくかもしれないのである。仕事一辺倒のサッチャーさんよりも、ウィットに富んだ雄弁や毒舌、そしていささかユーモラスなその体型、そしてもちろん未曾有の危機に臨んでイギリスを導いたチャーチルが、今もなおイギリスの名宰相として名をとどめている理由の幾分かは、そのような人間的魅力によるのかもしれない。――本書より
21世紀の経済学
21世紀の経済学
著:根井 雅弘
講談社現代新書
20世紀の経済学は何を解明したのか。どこへ行こうとするのか。新古典派から現代制度派・複雑系へ、最先端経済学への招待。 現代制度派経済学の「混成性原理」――現代制度派経済学の主張のなかでとくに私たちの関心を引くのは、彼らが「混成性原理」(impurity principle)と呼ぶものである。「混成性原理」とは、簡単にいえば、「各システム(あるいは、サブシステム)には、システム全体を支配はしないとしても、そのシステムが機能するためには不可欠な「非純粋性」が含まれている」(「現代制度派経済学宣言」)という考え方のことを指している。(中略)もちろん、現代制度派経済学も、現代では「非契約的要素」より「契約的要素」の方が優位を占めていることは否定しない(これは「優越の原理」と呼ばれる)。しかし、「契約的要素が支配的ではあるが、非契約的要素も存在し、それは総体としての契約にとって不可欠な特性である」と考えるのである。――本書より
敬語はこわくない
敬語はこわくない
著:井上 史雄
講談社現代新書
「お求めやすい」「お気をつけて」「させていただきます」。誤用・慣用の変化を豊富な用例で説く新・敬語入門。 「~せていただく」の拡大――昔「本日休診」という映画があった。病院の玄関に下げる札はこれでいい。しかし商店の貼り札などで「本日休業」ではそっけない、というので、「本日休業します」と書くこともある。これをさらに、「休業させていただきます」のように書くことが関西から東京に広がったのは1950年代らしい。最初は抵抗があったようだが、「勝手に休みやがって」ととらえがちな人には、つつましやかに許可を求める風の表現は、徐々に受け入れられた。この用法を広げると、「午後1時から営業させていただきます」が登場することになる。休むのと違って営業することについては、別に利用者が困るわけではないし、許可するわけでもないので、やや抵抗があった。しかしもう広がってしまって、今とやかく言う人はいないだろう。――本書より