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椋鳥日記
2014.03.28発売
椋鳥日記
著:小沼 丹,解説:清水 良典
講談社文芸文庫
ライラックの蕾は膨らんでいても外套を着ている人が多い4月末のロンドンに着いた主人公は、赤い2階バスも通る道に面した家に落ち着く。朝早くの馬の蹄の音、酒屋の夫婦、なぜか懐かしい不思議な人物たち。娘や秋山君との外出。さりげない日常の一齣を取りあげ、巧まざるユーモアとペーソスで人生の陰翳を捉え直す、純乎たる感性と知性。ロンドンの街中の“小沼文学の世界”。平林たい子賞受賞。
電子あり
日の果てから
2014.03.28発売
日の果てから
著:大城 立裕
講談社文芸文庫
1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
電子あり
あめりか物語
2014.03.28発売
あめりか物語
著:永井 荷風
講談社文芸文庫
明治36年荷風24歳から明治40年28歳まで4年間のアメリカ見聞記を24篇の小説に収める。渡航中の情景を描いた「船房夜話」、癲狂院に収容された日本人出稼ぎ労働者の無惨な話「牧場の道」など。異国の風物に対峙した荷風の孤独感、鋭い感性と批評精神溢れる新鮮な感慨は、閉塞した時代に憧憬と衝撃を与えた。『ふらんす物語』と併称される初期代表作。
電子あり
哀しき父 椎の若葉
2014.03.28発売
哀しき父 椎の若葉
著:葛西 善蔵,解説:水上 勉
講談社文芸文庫
「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
電子あり
光と風と夢・わが西遊記
2014.03.28発売
光と風と夢・わが西遊記
著:中島 敦
講談社文芸文庫
喀血に襲われ、世紀末の頽廃を逃れ、サモアに移り住んだ『宝島』の作者スティーヴンスン。彼の晩年の生と死を書簡をもとに日記体で再生させた「光と風と夢」。『西遊記』に取材し、思索する悟浄に自己の不安を重ね〈わが西遊記〉と題した「悟浄出世」「悟浄歎異」。──昭和17年、宿痾の喘息に苦しみながら、惜しまれつつ逝った作家中島敦の珠玉の名篇3篇を収録。
電子あり
わが切抜帖より・昔の東京
2014.03.28発売
わが切抜帖より・昔の東京
著:永井 龍男
講談社文芸文庫
新聞・雑誌などの記事や文章の切抜き、それらへの感想、ささやかな集積が、やがて永井龍男の美学と結びつき、精妙な確かなある空間と人生を静かに形成して行く。読売文学賞受賞の「わが切抜帖より」と、著者がかぎりなく愛する“昔の”東京にかかわる随筆群を併せて収録する、“昔の”東京の“背骨”と呼ぶべき1巻。
電子あり
アトラス 海洋機構トリックアート(4)
2014.03.20発売
アトラス 海洋機構トリックアート(4)
著:久楽 健太
太平洋上の実験都市「アトラス」で発生した「起きてはならない犯罪」。事件現場に臨場した警察官、瀬川は友人の刑事の死に遭遇する。事件の謎を追う瀬川のもとに不思議な少女が現れ、行方不明の友だち探しを依頼した。同時に起きたこれらの事件の背後には、アトラスそのものが抱える闇が存在するらしい。すべての謎は、かつて存在したという「アトラス十三番目の区画」に隠されているのか? デジタルオリジナル連載、第四話。 千葉沖の太平洋上に造られた実験都市「アトラス」。完全監視システムを持つこの都市で、「起きてはならない犯罪」が発生する。被害者は、かつて存在したという「アトラス十三番目の区画」の住人なのか? アトラス警察に勤務する警察官、瀬川はこの殺人事件を契機として都市そのものの謎に引き込まれる。「嘘で塗り固められた街」が内包する秘密と、隠された目的。瀬川が最後に直面する、衝撃の真実とは!?
電子のみ
愛夜一夜 捧げられたウェディング
2014.03.20発売
愛夜一夜 捧げられたウェディング
著:麻生 ミカリ,絵:天野 ちぎり
講談社X文庫ホワイトハート
王国の危機を救うため、王子・アーデルは神に捧げる生贄の乙女として、踊り子のライラをかりそめの花嫁に迎える。魅惑的な彼に触れるたび心は震えるが・・・。 砂漠の王子と生け贄の舞姫 もう何も怖くない。あなたに愛されたから。 甘さ究極乙女系ノベル 運命のアラビアン・ロマンス! 砂漠の国サフィールに、突然現れた災いの予兆。国を守るには、王族から一人の乙女を神に捧げるしかない。託宣により生け贄に選ばれた踊り子ライラは、「金(ダハブ)の王子」と噂されるアーデルの、名ばかりの婚約者として王宮に入る。かりそめの花嫁と知りながらも、清らかなライラに心を奪われたアーデルは、その柔肌を激しく求めてしまう。濃密な愛撫に喘がされ蕩かされてゆくライラに、儀式の日が迫り……。
電子あり
虚空に響く鎮魂歌 Homicide Collection
2014.03.20発売
虚空に響く鎮魂歌 Homicide Collection
著:篠原 美季,絵:加藤 知子
講談社X文庫ホワイトハート
東京都にある孤島で、不審死体が発見された。現地へ派遣された瑞希は、心霊特番のため島を訪れていたテレビクルーから事情聴取する。死体となったのは番組を企画した男性で、島の出身者だった。この島は霊能力者が「霊が多すぎる」というほどの心霊スポットだという。奥多摩で発見された人間の足と孤島の事件の関連は? 瑞祥コンビに力を貸す桃里馨とは何者なのか? 最高の相棒(バディ)・瑞希と千祥、孤島の事件に挑む シリーズ・ラストミッション! 奥多摩で発見された人骨の一部。絶海の孤島で起こったテレビクルーの死。ふたつの事件を結ぶのは、島に伝わる死者を蘇らせるという祭事なのか……? 警視庁捜査一課強行犯捜査係第十一班、通称「グループ・イレブン」に所属し、高い検挙率を誇る熱血刑事・神原瑞希(このはらみずき)と東大法学部を首席で卒業した美貌のノンキャリア・御堂千祥(みどうせんしょう)。最良の相棒同士である二人が辿りつく真相とは?
電子あり
賭けはロシアで 龍の宿敵、華の嵐
2014.03.20発売
賭けはロシアで 龍の宿敵、華の嵐
著:樹生 かなめ,絵:奈良 千春
講談社X文庫ホワイトハート
「藤堂は俺の愛人だ」宿敵・橘高清和との戦いに敗れた藤堂和真は、眞鍋組の追っ手から逃れるため、ヨーロッパへ旅立った。そして、音楽の都ウィーンでかつて身体を重ねたこともあるロシアン・マフィアの次期ボスと言われるウラジーミルと運命の再会を果たす。 冷徹さから冬将軍を背負っているとも言われるウラジーミルはなぜか藤堂に激しく執着していてーー!? ライバルである眞鍋組組長清和との闘いに敗れた藤堂組組長の藤堂和真は、組の看板を下ろして国外に逃亡する。けれど眞鍋組の執拗な追及が……
電子あり
スイート・スプラッシュ
2014.03.20発売
スイート・スプラッシュ
著:高月 まつり,絵:サマミヤ アカザ
講談社X文庫ホワイトハート
もしも結婚を誓った初恋の少女が、実は少年で、そして人間ではなかったら・・・! 久しぶりに帰郷した楡崎優矢は、幼い頃に青い髪の美少女と出会い結婚の約束をした思い出の入江を訪れる。ところが彼を迎えたのは、同じ髪色をした美青年だった! しかもその正体は海から上がってきた人魚で、優矢を一途に思うあまり、いきなりエッチと結婚を迫ってきて・・・!? とびきりスイートな大人のロマンティックメルヘン。 超天然系マーメイドが巻き起こす恋の大騒動! 俺を置いて、どこにも行かないよな。 もしも結婚を誓った初恋の少女が実は少年で、そして人間ではなかったら……? 久しぶりに帰郷した楡崎優矢(にれざきゆうや)は、幼い頃に青い髪の美少女と出会い将来の約束をした、思い出の入り江を訪れる。ところが彼を迎えたのは、同じ髪色をした美青年だった! しかもその正体は海から上がってきた人魚で、優矢を一途に思うあまり、いきなり結婚を迫ってきて……!? とびきり甘い大人のロマンティック・メルヘン。
電子あり
古城駅の奥の奥
2014.03.20発売
古城駅の奥の奥
著:山口 雅也
講談社文庫
陽太は、吸血鬼に憧れているという以外はごくふつうの、小学校六年生の男の子。夏休みの自由研究に、東京駅の大改築について、ちょっと風変わりな夜之介(やのすけ)叔父さんと調べることになった。駅に出向いた二人は、なんと構内の霊安室で死体を発見してしまう。「ミステリーランド」発の大人のための少年探偵小説。(講談社文庫) 陽太は、吸血鬼に憧れているという以外はごくふつうの、小学校六年生の男の子。夏休みの自由研究に、東京駅の大改築について、ちょっと風変わりな夜之介(やのすけ)叔父さんと調べることになった。駅に出向いた二人は、なんと構内の霊安室で死体を発見してしまう。「ミステリーランド」発の大人のための少年探偵小説。 物語を愛し、物語を紡ぐ側に立った作者が、多くの大人に向けて「思い出そう、ここがどんなに楽しい場所だったかを」と手招きしている。そんな思いが本書には満ちあふれていて、本を愛する者のひとりとして、泣きたいくらい嬉しくなった。――大矢博子(解説より)
電子あり
大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦
2014.03.20発売
大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦
著:杉本 章子
講談社文庫
坂東流名取の照代が一夜限りの舞台に召し出され、歌吉が相方をつとめることに。陰謀渦巻く大奥から照代を守るという使命の裏とは?
電子あり
蝶々さん(下)
2014.03.20発売
蝶々さん(下)
著:市川 森一
講談社文庫
水月楼の女将が不審死すると、いきなり下女同然の扱いを受け、活水(かつすい)女学校に通わせる約束も反故にされる。が、彼女を案ずる絹たちの計らいで水月楼を出て芸妓見習いとなった蝶は、アメリカ領事主催の宴会に呼ばれ、故障で寄港していた戦艦の士官フランクリン少尉と出会い、恋に落ちる……。感動の力作長編。(講談社文庫) 世界中に衝撃を与えた結末! アメリカ軍艦の士官と恋に落ちた蝶。切ない恋のゆくえは? 水月楼の女将が不審死すると、いきなり下女同然の扱いを受け、活水(かつすい)女学校に通わせる約束も反故にされる。が、彼女を案ずる絹たちの計らいで水月楼を出て芸妓見習いとなった蝶は、アメリカ領事主催の宴会に呼ばれ、故障で寄港していた戦艦の士官フランクリン少尉と出会い、恋に落ちる……。感動の力作長編。 今、(「蝶々夫人」という)ステージ上では極めて著名だが靄に隠されていた女性の生きかたの全貌が掘り起こされた。いや、それにとどまらず、明治という時代が、他のどことも違う長崎という街の様相が、そこで生きた、またそこへやってきたさまざまな人の姿が、掘り起こされた。 いや、いちばん大切なことを言っておかなければ――とにかく、何しろ、ものすごく、この「蝶々さん」は、面白いのである! ――作曲家 池辺晋一郎「解説」より
電子あり
蝶々さん(上)
2014.03.20発売
蝶々さん(上)
著:市川 森一
講談社文庫
明治初頭、長崎港外の深堀に士族の娘として生まれた蝶は、父の形見の『学問のすゝめ』を読んで育つ。かくれキリシタンの少女ユリとも仲良しになり、文明開化の夢がふくらむものの、コレラの流行で母と祖母を失って運命は一変。小学校を卒業すると同時に丸山遊郭「水月楼」の女将の養女となって長崎へ向かう。(講談社文庫) 「蝶々夫人」は実在した! 士族の娘として生まれ文明開化の夢を信じた聡明な少女。 明治初頭、長崎港外の深堀に士族の娘として生まれた蝶は、父の形見の『学問のすゝめ』を読んで育つ。かくれキリシタンの少女ユリとも仲良しになり、文明開化の夢がふくらむものの、コレラの流行で母と祖母を失って運命は一変。小学校を卒業すると同時に丸山遊郭「水月楼」の女将の養女となって長崎へ――。 やえは茜色に染まっていく西空に独り言のように語りかけた。 「……この景色ばよう憶えておきんしゃい。いつかきっと、おまえはこの坂ば上がってきて、この景色の中に入らんばでけん。こいからは、女でん将来ば持たんばでけんて田代先生に言われたね。そうたい、この景色がおうちの将来たい。どがんことがあってでん、もう一回この坂ば上がってきて、今日の異人さんたちとの約束ば果たさんばね」 ――母はだれに語りかけているのだろう? お蝶は不安に駆られて涙がでてきた。 そして、大きな西日に向かって肯いた。――<本文より>
電子あり
モンスターズ
2014.03.20発売
モンスターズ
著:山口 雅也
講談社文庫
この世で一番恐ろしいものは――もう一人の自分。ドッペルゲンガーに出会った男は、身の毛もよだつあることに手を染める(「もう一人の私がもう一人」)。ヒトラーが人体実験を繰り返していた、ナチス・ドイツのオカルト研究施設。ある日、謎の包帯男が潜入するが……(表題作)。ゴージャスな6つの中・短編集。(講談社文庫) 人は誰しも、心に「モンスター」を飼っている。 洒脱で背筋の凍る傑作短編集 この世で一番恐ろしいものは――もう一人の自分。ドッペルゲンガーに出会った男は、身の毛もよだつあることに手を染める(「もう一人の私がもう一人」)。ヒトラーが人体実験を繰り返していた、ナチス・ドイツのオカルト研究施設。ある日、謎の包帯男が潜入するが……(表題作)。ゴージャスな6つの中・短編集。 ●もう一人の私がもう一人 ●半熟卵(ソフトボイルド・エッグ)にしてくれと探偵(ディック)は言った ●死人の車(デス・カー)――ある都市伝説 ●Jazzy ●箱の中の中 ●モンスターズ――怪物團殺害事件
電子あり
カナスピカ
2014.03.20発売
カナスピカ
著:秋田 禎信
講談社文庫
少女は“地上に落ちてきた星”に恋をした――。そのとき中学生の加奈は空を見上げていた。はるか上空から落下した球体は目の前でみるみる少年に姿を変えた。異星人の地球観測衛星、それって!? 少年をかくまった加奈は、当然のごとくあやしい連中に追われる身に! ライトノベル界の雄が描くピュアな青春小説! (講談社文庫) キミニ、アイニキタ。 「魔術士オーフェン」などライトノベル界の雄が贈る、とびきりの冒険譚&青春小説! 少女は“地上に落ちてきた星”に恋をした――。そのとき中学生の加奈は空を見上げていた。はるか上空から落下した球体は目の前でみるみる少年に姿を変えた。異星人の地球観測衛星、それって!? 少年をかくまった加奈は、当然のごとくあやしい連中に追われる身に! ライトノベル界の雄が描くピュアな青春小説!
電子あり
バンギャル ア ゴーゴー(3)
2014.03.20発売
バンギャル ア ゴーゴー(3)
著:雨宮 処凛
講談社文庫
親の反対を押し切って高校を中退したえりは、東京で一人暮らしを始める。ノリコもユキも上京するが、「ヴィジュアル系バンドが好き」なだけの少女たちに東京はあまりにも厳しい。そんなとき、彼女たちの心を揺さぶる衝撃の出来事が・・・。少女たちの成長を描いた「ガールズ・ノヴェル」、渾身の大作、遂に完結! (講談社文庫) あの頃、同じ「夢」を見ていた少女たちへ。 なにかに、夢中になっている女の人のことを「女の子」というのかもしれない。――(リリー・フランキー) 「私さ、中学ん時とか、イジメられてたんだ。そんで、ちょうどその頃、ZEXがデビューしたくらいでさ、それでZEXの曲聴いて、(中略)ものすごくハマって、学校とか家とかクソみたいに面白くなくてくだらないけど、ZEXがいるってだけで、このくだらない世界も少しは生きる価値あるかなって、(中略)ホント、ZEXのおかげで死なずにいられたんだ・・・」。ユキが頬杖をついたまま、ビールの缶を弄びながら言った。ユキのその告白に、心臓がドキドキした。私もだよ。私もまったく同じだよ。喉元まで出かかった言葉が、口にしてしまうと涙が出そうで吐き出してしまうことができない。――(本文より) 親の反対を押し切って高校を中退したえりは、東京で一人暮らしを始める。ノリコもユキも上京するが、「ヴィジュアル系バンドが好き」なだけの少女たちに東京はあまりにも厳しい。そんなとき、彼女たちの心を揺さぶる衝撃の出来事が・・・。少女たちの成長を描いた「ガールズ・ノヴェル」、渾身の大作、遂に完結! ※この作品は、2006年10月に小社より刊行された『バンギャル ア ゴーゴー』(上・下)を3分冊としたものです。
電子あり
バンギャル ア ゴーゴー(2)
2014.03.20発売
バンギャル ア ゴーゴー(2)
著:雨宮 処凛
講談社文庫
大好きなバンドのメンバーを巡って、友達との関係を壊してしまったえり。だけど、ある出来事から3人は仲直りする。うんざりする日々への憤り、セックスへの興味と不安、そして「大人」たちへの反発。3人は家出同然で東京に向かう。まだ本当の「恋」さえ知らない少女たちの、ヒリヒリするような青春小説。(講談社文庫) ライヴハウスの暗闇は、すべてのことを教えてくれた。 アッ!! つ、ついに書いてしまったか! 多くのロックミュージシャンが、できればなかったことにして、葬り去ろうとしているあの時代の、ロックの裏側を、秘密を、かつてのおっかけ少女が全て書いちまった。しかも、痛い、切ない、熱い青春物語りとして。やばいよこれ。――(大槻ケンヂ) 力の限り、走りたい。走って走って、もう息ができなくなるまで、自分が誰でここがどこで何を追いかけてるのかわからなくなるまで、私はみんなと走っていたい。速く。速く。身体はいつも前のめり。心はさらに前のめり。つんのめって転びそうな身体をなんとか支えて私は走る。どこまでも、どこまでも。自分から逃げるため。自分をつかまえるため。どっちなのか、わからない。だけど、止まっていちゃ、きっと何も始まらない。止まっていちゃ、私は私でいられない。(中略)だから私は追っかけをする。走ってる時だけが、自分のサイズがぴったり合っている気がするから。――(本文より) 大好きなバンドのメンバーを巡って、友達との関係を壊してしまったえり。だけど、ある出来事から3人は仲直りする。うんざりする日々への憤り、セックスへの興味と不安、そして「大人」たちへの反発。3人は家出同然で東京に向かう。まだ本当の「恋」さえ知らない少女たちの、ヒリヒリするような青春小説。 ※この作品は、2006年10月に小社より刊行された『バンギャル ア ゴーゴー』(上・下)を3分冊としたものです。
電子あり
バンギャル ア ゴーゴー(1)
2014.03.20発売
バンギャル ア ゴーゴー(1)
著:雨宮 処凛
講談社文庫
家にも学校にも居場所がない中学生のえりの心の拠り所は、大好きなヴィジュアル系バンド。札幌のライヴハウスに通い、ノリコとユキの3人でメンバーを「追っかけ」る時だけが「生きてる」気がする。くだらない日常から逃げるように、ライヴハウスの暗闇と轟音(ごうおん)にまぎれる少女たち。女の子青春文学の金字塔! (講談社文庫 ) 世界で信じられるのは、ミュージシャンだけ 勇気100倍もらいました! 女の子パワー炸裂の超青春文学です。若さはバカさだ、バカさはチカラだ。追っかけろ娘たち、大人になっても遊び続けろ。――(田口ランディ) ライヴハウスには、いつも私と同じ目をした女の子たちがいた。何かに飢えて、何かに渇いていて、そして何かに焦ってる目。いったいどれほどの少女たちが追っかけに自分の青春を捧げただろう。いったいどれほどの少女たちが、ライヴハウスで涙を流したことだろう。ライヴが始まる前、SEの音がゆっくり絞られて客電が消える あの瞬間が好きだった。(中略)そんな瞬間を忘れたくなくて、この小説を書いた。――(「あとがき」より) 家にも学校にも居場所がない中学生のえりの心の拠り所は、大好きなヴィジュアル系バンド。札幌のライヴハウスに通い、ノリコとユキの3人でメンバーを「追っかけ」る時だけが「生きてる」気がする。くだらない日常から逃げるように、ライヴハウスの暗闇と轟音(ごうおん)にまぎれる少女たち。女の子青春文学の金字塔! ※この作品は、2006年10月に小社より刊行された『バンギャル ア ゴーゴー』(上・下)を3分冊としたものです。
電子あり