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2014.03.28発売
王朝百首
講談社文芸文庫
百人一首に秀歌はない――かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。
鬼才・塚本邦雄が召喚した日本の詞華集百! 前衛短歌の雄・塚本は徹底した反リアリズム芸術の理想を業平、定家、良経ら王朝歌人に見い出した。稀代のアンソロジストがその美学の粋を凝らす塚本版百人一首。

2014.03.28発売
村のエトランジェ
講談社文芸文庫
小さな村に疎開してきた美しい姉妹。ひとりの男をめぐり彼女らの間に起こった恋の波紋と水難事件を、端正な都会的感覚の文章で綴った表題作ほか、空襲下、かつての恋人の姿をキャンバスに写すことで、命をすりへらしていく画家との交流をたどる「白い機影」など、初期作品8篇を収録。静かな明るさの中に悲哀がただよい、日常の陰影をさりげないユーモアで包む、詩情豊かな独自の世界。「小沼文学」への導きの1冊。
都会的感覚で描かれた戦時下の心象風景
小さな村に疎開してきた美しい姉妹。ひとりの男をめぐり彼女らの間に起こった恋の波紋と水難事件を、端正な都会的感覚の文章で綴った表題作ほか、空襲下、かつての恋人の姿をキャンバスに写すことで、命をすりへらしていく画家との交流をたどる「白い機影」など、初期作品8篇を収録。静かな明るさの中に悲哀がただよい、日常の陰影をさりげないユーモアで包む、詩情豊かな独自の世界。「小沼文学」への導きの1冊。
長谷川郁夫
パリサイ人・ニコデモは、いわば善意の傍観者として描かれていた。と記せば、新約聖書ヨハネ伝中のこの人物に小沼さんが興味を惹かれた理由は明らかだろう。父親とも、キリスト教とも、戦争とも等間隔の距離を置く傍観者としての立場を病める文学志向者は選択した、いや選択せざるを得なかったのだ。(中略)傍観者であることの苦痛は、憂鬱と倦怠、ニヒリズムの暗い気分となって、「村のエトランジェ」1冊に一刷毛の翳りを残している。――<「解説」より>

2014.03.28発売
百句燦燦 現代俳諧頌
講談社文芸文庫
ありうべき最高の美学は虚無――生涯徹底した反リアリズム芸術至上の立場を貫いた塚本邦雄。藤原定家等中世の歌人を理想とする塚本にとり俳諧は、近世という暗黒時代に咲く「異次元の巨花」であった。その輝かしい裔である現代俳人、石田波郷、西東三鬼、下村槐太、寺山修司、飯田蛇笏等、69人の秀句100を選び、斬新かつ創造的評釈を展開。稀代のアンソロジストによって招喚された現代俳諧頌!
短歌の鬼才が最愛の敵に捧げた俳諧頌、百! 近世は和歌の暗黒時代と見る前衛歌人が異次元の巨花と愛でる俳諧。その輝かしい裔・現代俳人を奔放に論じる。西東三鬼、寺山修司、飯田龍太等の魅惑の百句精選。

2014.03.28発売
酩酊船 森敦初期作品集
講談社文芸文庫
昭和9年、横光利一の推輓で新聞連載された、森敦22歳の文壇デビュー作「酩酊船」。小説を書きはじめようとする青年の思考を日記やノートで辿ることそれ自体が、その小説の実現を意味するという冒険的試みで、のちに独自の創作理論を打ち立てることとなる著者の資質がいかんなく発揮される。そのほか19歳の作「酉の日」から36歳の作「夏の朝」まで、貴重な初期作品5篇を精選。
青春の思考を実験的に描く幻のデビュー作。 横光利一の推薦で新聞連載された、著者22歳の時のデビュー作。当時の文学青年の思考をリリカルに描き、文壇の注目を集める。小島信夫の小論を付す。

2014.03.28発売
思い出す顔 戸板康二メモワール選
講談社文芸文庫
昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
「ちょっといい話」で綴る回想の昭和!
昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
犬丸治
こうして戸板は、貪婪に仕入れた知友の挿話を、行きつけの四谷の「F」など酒席の場で繰り返し披露することによって、自分の「耳袋」に蓄積・熟成していった。それは決して「潤色」では無い。新珠の挿話にせよ、際どい様でいてあと味が決して不快ではないのは、それが「戸板康二」というフィルターを経た、人物批評のまろやかな掌編に仕上がっているからだ。戸板の筆にかかると、久保田万太郎も、安藤鶴夫も、筈見恒夫も、眼前に生き生きと躍動しだす。「出逢い」への至福と人間への飽くなき興味が、行間から立ち上る。――<「解説」より>

2014.03.28発売
影について
講談社文芸文庫
空襲、焼け跡のバラック生活など、敗戦前後の厳しい状況、さらに複雑な家庭環境のなか、少年らしい健気さ、腕白さをもって過ごした前橋での日々。この少年期の<原風景>を基点に、映画館の看板書きの助手時代、画家への修業と上京、そして現在へと至る自伝的連作短篇。色、光、形、影など、画家としての本領を発揮した構成で、記憶のなかの小さな風景がドラマとして動き出し、飄逸な味わいを生む傑作集。
少年期の<原風景>から織りなされる珠玉の連作短篇。
空襲、焼け跡のバラック生活など、敗戦前後の厳しい状況、さらに複雑な家庭環境のなか、少年らしい健気さ、腕白さをもって過ごした前橋での日々。この少年期の<原風景>を基点に、映画館の看板書きの助手時代、画家への修業と上京、そして現在へと至る自伝的連作短篇。色、光、形、影など、画家としての本領を発揮した構成で、記憶のなかの小さな風景がドラマとして動き出し、飄逸な味わいを生む傑作集。
角田光代
たしかに私たちは、かなしんでいるときにその感情にかなしみという名をつけない。屈辱を感じているときに、踏みつけられたような胸の痛みを屈辱と名づけない。すべての言葉はあとづけなのだ。(中略)この一連の小説には、光を放つような「いのち」があり、思いを内含した「情景」があり、視点を軸にした膨大な時間の流れがある。――<「解説」より>

2014.03.28発売
銀行問題の核心
講談社現代新書
日本金融システムの中心メンバーであるメガバンクが好業績を続ける一方で、中小企業への融資がなかなか進まないのはなぜか? 銀行と金融庁との関係とは? 銀行と反社会勢力との関係とは? 資金繰りで苦労するまじめな中小企業を潰す検察の失敗とは? 日本の銀行のいまについて、現場の支店長を経験した作家と、日本の企業社会に精通する弁護士のふたりが議論する。(講談社現代新書)
銀行員を主人公としたドラマ『半沢直樹』が大ヒット。銀行の仕事に改めて世間の注目が集まる中で起きた、みずほの反社融資問題。
日本金融システムの中心メンバーであるメガバンクが好業績を続ける一方で、中小企業への融資がなかなか進まないのはなぜか?
銀行と金融庁との関係とは?
銀行と反社会勢力との関係とは?
資金繰りで苦労するまじめな中小企業を潰す検察の失敗とは?
現場の支店長を経験した人気作家と、企業の危機管理問題の第一人者である弁護士のふたりによる大議論。
日本の銀行のいまに迫る!

2014.03.28発売
「若作りうつ」社会
講談社現代新書
年の取り方がわからない! ――どこもかしこも若さ志向、加齢の手本となるべき年長者も見つからない社会で、我々はどのように年を重ねていくべきか。いま出版界で熱い注目を集めるオタク出身の精神科医が、「成熟消失」の時代を読み解く。(講談社現代新書)
年の取り方がわからない!――どこもかしこも若さ志向、加齢の手本となるべき年長者も見つからない社会で、我々はどのように年を重ねていくべきか。いま出版界で熱い注目を集めるオタク出身の精神科医が、「成熟消失」の時代を読み解く。
<目次>
序章 年の取り方がわからない
どこもかしこも若さ志向/終わりなき思春期 ほか
第一章 「若作りうつ」に陥った人々の肖像
若さにしがみつかせる強迫観念/自己中心的な結婚願望、その袋小路
不惑になっても自分探し/孤独死に恐れおののく現代人 ほか
第二章 誰も何も言わなくなった
昭和のお年寄り/「日本的成熟」のリセット
メディアは教えてくれない/“成熟の無重力空間” ほか
第三章 サブカルチャーと年の取り方
少年向けコミックの移り変わり/「父親なきアニメ」へ
「かわいい」の世代間伝達/「中二病」は僕らの宗教 ほか
第四章 現代居住環境と年の取り方
「誰にでも好かれる子ども」/パーソナリティの格差社会
社会的加齢のための刺激/自由な居住環境の副作用 ほか
第五章 二十一世紀のライフサイクル
乳児期「基本的信頼 vs. 不信」~ 老年期「統合性 vs. 絶望」
老いや死を前提とした人生の再設計 ほか
終章 どのように年を取るべきか
年の取り方のニューモデル/私達一人一人にできること ほか

2014.03.28発売
城を攻める 城を守る
講談社現代新書
「この時代小説がすごい!」作家別ランキング1位の著者が、戦国時代から幕末にかけて城郭攻防戦が展開された26の「戦う城」を徹底分析。国内最後の城郭攻防戦を耐え抜いた名城中の名城「熊本城」、栄光と没落の分岐点となった東海一の堅城「高天神城」、外交的駆け引きに敗れ去った難攻不落の巨城「大坂城」、謙信が手塩にかけて造り上げた戦国最強の山城「春日山城」、関東平野を睥睨する巨大山城「八王子城」ほか。
本書を手に取った方々は、一過性の趣味として城めぐりをしているわけではないはずだ。おそらく城好きが高じて、その歴史的背景までも知りたいと思っているのではないだろうか。本書は、そうした方々を対象としている。「日本百名城」ブームを一過性のものとして終わらせないためにも、その城で過去にあった攻防戦に目を向けてもらい、その城の経てきた歴史に興味を持っていただく必要がある。本書は、そうしたことを念頭に置いて書いた「戦う城本」である。
【白河城】 東北戊辰戦争の行方を左右した城郭攻防戦
【会津若松城】 幕末最大の悲劇の舞台となった白亜の名城
【五稜郭】 箱館戦争の舞台となった欧州式稜堡型城郭
【新井城】 武士の時代の終わりを告げた海城
【河越城】 新旧交代の舞台となった武蔵国の要衝
【箕輪城】 孤高の奇才・長野業政の築いた城郭網
【鉢形城】 戦国時代の黎明から終焉まで、激戦の舞台となり続けた要害
【八王子城】 関東平野を睥睨する巨大山城
【水戸城】 血で血を洗う同士討ちの舞台となった名城
【川中島合戦と海津城】 信玄の高速道路を支えた一大兵站拠点
【一乗谷朝倉館】 現代によみがえる中世城郭都市
【七尾城】 北陸有数の巨大山城を攻略した謙信の軍略
【春日山城】 謙信が手塩にかけて造り上げた戦国最強の山城
【桶狭間合戦をめぐる城郭群】 伊勢湾経済圏支配をめぐる織田・今川両家の熾烈な攻防戦
【懸河城】 今川家の駿遠防衛構想の切り札となった要害
【二俣城攻防と三方ヶ原合戦】 巨匠武田信玄が最後の筆を揮った会心の一戦
【長篠城】 戦国時代の流れを変えた山間の城
【高天神城】 栄光と没落の分岐点となった東海一の堅城
【山中城】 緒戦の大切さを教えてくれた戦国山城の最終型
【韮山城】 四万四千の豊臣軍を翻弄した北条家創業の城
【小谷城】 戦国時代を代表する難攻不落の大要害
【有岡城】 戦国有数の悲劇の舞台となった怨念の城
【賤ヶ岳合戦と陣城群】 天下の帰趨を決めた陣城戦
【大坂城】 外交的駆け引きに敗れ去った難攻不落の巨城
【原城】 泰平の世を震撼させた宗教戦争
【熊本城】 国内最後の城郭攻防戦を耐え抜いた名城中の名城

2014.03.28発売
幸せのメカニズム 実践・幸福学入門
講談社現代新書
幸せはコントロールできる! 脳・ロボット学者が解き明かす、そのしくみ。個人の幸福追求、幸せにつながるビジネスのために。人類にとって役に立つ、学問としての体系的幸福学。幸せの四つの因子●「やってみよう!」因子●「ありがとう!」因子●「なんとかなる!」因子●「あなたらしく!」因子 (講談社現代新書)
幸せはコントロールできる!
脳・ロボット学者が解き明かす、そのしくみ
個人の幸福追求、幸せにつながるビジネスのために。
人類にとって役に立つ、学問としての体系的幸福学
幸せの四つの因子
●「やってみよう!」因子
●「ありがとう!」因子
●「なんとかなる!」因子
●「あなたらしく!」因子

2014.03.28発売
夜明け前にぶっとばせ! 摩天楼に吠えろ!
講談社X文庫ホワイトハート
アイドルグループ『アスタリスク』で活躍する貧乏高校生の久遠利也は、恋人の神谷と気まずい関係になってしまい、寂しい毎日を送っていた。そんな折、映画撮影のために訪れた京都で、5人はまたもトラブルに巻き込まれる。しかもそこには、メンバーの1人・霧島の秘密も関わっていて──。ロマンス咲き乱れる芸能界シリーズ、いよいよクライマックス!恋のバトルは終わらない!?
アイドルグループ『アスタリスク』で活躍するビンボー高校生の久遠利也(くどうとしや)は、恋人の神谷と気まずい関係になってしまい、寂しい毎日を送っていた。 そんな折、映画撮影のために訪れた京都(きょうと)で、五人はまたもトラブルに巻き込まれる。しかもそこには、メンバーの一人・霧島の秘密も関わっていて──。 ロマンス咲き乱れる芸能界シリーズ、いよいよクライマックス! 恋のバトルは終わらない!?

2014.03.28発売
現人奇談
講談社X文庫ホワイトハート
精霊の血を継ぐ少年・琴平敏生と、売れっ子作家にして追儺師の天本森は、霊障を祓うために各地に赴きながらも、平穏な日々を送っていた。ある日、「君への贈り物だ」と天本が敏生に差し出したのは、先日亡くなった敏生の絵の師匠・高津園子のスケッチブック。そこには、園子が生前果たせなかった、ある願いが託されていた。ふたりは九州の天草を目指し、少女と出会うのだが……。
百鬼妖魔を打ち破る、大人気シリーズ!
天草の地で、生きとし生ける物の想いが交錯する――
いよいよ九州上陸!
精霊の血を継ぐ少年・琴平敏生と、売れっ子作家にして追儺師の天本森は、霊障を祓うために各地に赴きながらも、平穏な日々を送っていた。ある日、「君への贈り物だ」と天本が敏生に差し出したのは、先日亡くなった敏生の絵の師匠・高津園子のスケッチブック。そこには、園子が生前果たせなかった、ある願いが託されていた。ふたりは九州の天草を目指し、少女と出会うのだが……。

2014.03.28発売
砂漠の薔薇にくちづけを 摩天楼に吠えろ!
講談社X文庫ホワイトハート
貧乏大家族の高校生・久遠利也が、アイドルグループの一員として活動をはじめて、はやひと月。個性的なメンバーの1人、神谷智之とついに恋人宣言して、恋も仕事も絶好調だった。ところが撮影中に現れた人気美形俳優・白鳥駿一郎になぜか目の敵にされてしまう利也は、戸惑いを隠せない。しかもスタジオに持ち込まれた、呪われし「砂漠の薔薇」が利也たちにさらなるトラブルを呼び込む!
手付け金はキスまでですか?
恋の花咲く芸能界に、呪われた薔薇が現れて!
貧乏大家族の高校生・久遠利也が、アイドルグループの一員として活動をはじめて、はやひと月。個性的なメンバーの1人、神谷智之とついに恋人宣言して、恋も仕事も絶好調だった。ところが撮影中に現れた人気美形俳優・白鳥駿一郎になぜか目の敵にされてしまう利也は、戸惑いを隠せない。しかもスタジオに持ち込まれた、呪われし「砂漠の薔薇」が利也たちにさらなるトラブルを呼び込む!

2014.03.28発売
ようこそ、ロバの目の世界へ。
文芸(単行本)
“ロバの目”を持つ少年・スバルが遭遇する、最高にハードな夏休み! 僕がよくボーッとするのは、断じてエロい妄想をしているからではない。この目に映る“奴ら”へのリアクションを、必死でこらえているだけなのだ――。第6回流水大賞優秀賞受賞作!
ハイパーシュール&ハートフルな幽霊奇譚! 幽霊と呼ぶにはあまりに奇天烈な“何か”が見える僕が、夏休みに巻き込まれたとんでもない事件とは? ちょっとシュールで最高に心が温まる友情全開ファンタジー。

2014.03.28発売
主題歌
講談社文庫
職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。
登場人物たちは、自分の立っているこの場所が、永住の地なんかではないけれど、かけがえのない場所だということを知っている。――福永信
今ここの輝きをみずみずしく描いた作品集
職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。
彼女が作ったほんの短い歌は、とてもいい歌だって、わたしにはわかるし、ここにいる人はみんなそう思っていると思う。テレビやラジオで流れたりすることはなくて、誰かにお金を出して買われることもないだろうけど、彼女の歌が素晴らしくて、ここにいる小田ちゃんの友人たちがこの歌を心からいいと思ったから、それでいいと思った。この歌がここで歌われたことは消えてしまわない、と実加は、自分でも不思議なくらいはっきりと強く思った。――<「主題歌」より>

2014.03.28発売
クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学
講談社選書メチエ
本書は、さまざまな演奏者・指揮者によるCD(レコード)を徹底的に聴き比べます。対象となるのは厳選された四曲。聴き比べの目的は、名盤を選び出すことでも、演奏者・指揮者の優劣をつけることでもない。あえて、印象批評を前面に押し出し、同じ曲を徹底的に聴き続けることで、その曲のもっている「本質」をあぶり出すことを目指しています。異色のクラシック音楽論であり、音楽とは何かを問い直す。
著者は、複製技術時代ならではの禁断の遊びに足を踏み入れます。禁断の遊びとは、ある曲のさまざまな演奏者・指揮者によるCD(レコード)を徹底的に聴き比べて、それに対して批評を加えるということです。
取り上げられる四曲はいずれも有名なものばかり。ヴィヴァルディ『四季』《春》、スメタナ『我が祖国』《モルダウ》、ベルリオーズ『幻想交響曲』、ムソルグスキー『展覧会の絵』がその対象となります。しかし、聴き比べとは言っても、名盤を選び出すわけではありません。演奏者・指揮者の優劣をつけることも目指しません。
あえて、印象批評を前面に押し出し、同じ曲を徹底的に聴き続けることで、その曲のもっている「本質」をあぶり出すことを目標にしています。
異色のクラシック音楽論です。
【目次】
プロローグ
第一曲 ヴィヴァルディ『四季』《春》
演奏家のエゴの痕跡
『四季』とは何か
大指揮者は大きな城を建てたがる
女性演奏家は自分の部屋に閉じ込もる
「バロックの専門家」登場
古楽で切り開く
古楽で遊ぶ
大家の悠々
鬼才の突進
第二曲 ベドルジフ・スメタナ『わが祖国』《モルダウ》
内容を再現したがらない指揮者たちの反抗
《モルダウ》とは何か
「本場」指揮者たちの演奏史
脱チェコの《モルダウ》
旧東側の《モルダウ》
世界各地の《モルダウ》
第三曲 ベルリオーズ『幻想交響曲』
自我の中で展開する私小説

2014.03.28発売
正義の味方は眠らない 摩天楼に吠えろ!
講談社X文庫ホワイトハート
高校3年生の久遠利也は、貧乏大家族の家計を助けるため、大学進学を諦め大手芸能プロダクションでアイドルグループの一員として活動していた。同じグループのメンバーで変わり者の神谷や御堂に口説かれ、微妙な関係が続く利也たちだったが、ついに初のレギュラー番組の撮影がスタートすることに! しかし、撮影所や合宿所で不審なアクシデントが起きはじめて・・・
俺の物だってマーキングしておきたい。
悪戦苦闘の芸能生活、ケーゾク中!?
高校3年生の久遠利也は、貧乏大家族の家計を助けるため、大学進学を諦め大手芸能プロダクションでアイドルグループの一員として活動していた。同じグループのメンバーで変わり者の神谷や御堂に口説かれ、微妙な関係が続く利也たちだったが、ついに初のレギュラー番組の撮影がスタートすることに! しかし、撮影所や合宿所で不審なアクシデントが起きはじめて・・・

2014.03.28発売
月下の楽園
講談社X文庫ホワイトハート
『山の神』『犬神』。そう呼ばれる一族がいた。人として生まれながら、自在に獣の姿へと転化する異形の者。代々暗殺を生業とする闇の種族。山神北斗もその一人であった。命令のままに人を殺める生き方に疑問を感じながら『仕事』を続ける北斗だったが、囚われの少年・薫との出会いは彼の心に微妙な変化をもたらす。しかし、過酷な運命が2人に迫っていて……。

2014.03.28発売
摩天楼に吠えろ!
講談社X文庫ホワイトハート
貧乏大家族の長男・久遠利也は、大学進学を断念し、就職先を探すが、なかなか見つけられずにいた。途方に暮れる利也が意を決して受けた芸能プロダクションのオーディション――そこには想像を超える人物が集っていた。インテリで変わり者の神谷、強気な御曹司の御堂、気さくだが性癖に裏のある霧島、寺の息子で特異体質の望月。彼らと共に合格してしまった利也には、思わぬ試練が待っていて!?
待望の芸能界シリーズ、スタート!!
こいつらと一緒に生活するなんて、無理だろ!?
貧乏大家族の長男・久遠利也は、大学進学を断念し、就職先を探すが、なかなか見つけられずにいた。途方に暮れる利也が意を決して受けた芸能プロダクションのオーディション――そこには想像を超える人物が集っていた。インテリで変わり者の神谷、強気な御曹司の御堂、気さくだが性癖に裏のある霧島、寺の息子で特異体質の望月。彼らと共に合格してしまった利也には、思わぬ試練が待っていて!?

2014.03.28発売
イノセンス・ブラッド 血の刻
講談社X文庫ホワイトハート
上総の前世での恋人・曜子が敵の手の者に攫われた。彼女を救出すべく動き出した出雲たちだったが、探索の果てに彼らがたどり着いたのは意外な真相だった! 遠い昔、王とそのガードマスターたちに何が起こったのか? 上総の脳裏を時折よぎる奇妙な記憶の断片は、何を意味するのか? そしてついにすべてが明らかになった時、上総が選んだ道は……!? 遥かな時を超える転生ロマン、ここに完結!
これが俺の真実の記憶なのか……?
上総の前世での恋人・曜子が敵の手の者に攫われた。彼女を救出すべく動き出した出雲たちだったが、探索の果てに彼らがたどり着いたのは意外な真相だった! 遠い昔、王とそのガードマスターたちに何が起こったのか? 上総の脳裏を時折よぎる奇妙な記憶の断片は、何を意味するのか? そしてついにすべてが明らかになった時、上総が選んだ道は……!? 遥かな時を超える転生ロマン、ここに完結!