新刊書籍
レーベルで絞り込む :

2014.03.28発売
イノセンス・ブラッド 血の刻
講談社X文庫ホワイトハート
上総の前世での恋人・曜子が敵の手の者に攫われた。彼女を救出すべく動き出した出雲たちだったが、探索の果てに彼らがたどり着いたのは意外な真相だった! 遠い昔、王とそのガードマスターたちに何が起こったのか? 上総の脳裏を時折よぎる奇妙な記憶の断片は、何を意味するのか? そしてついにすべてが明らかになった時、上総が選んだ道は……!? 遥かな時を超える転生ロマン、ここに完結!
これが俺の真実の記憶なのか……?
上総の前世での恋人・曜子が敵の手の者に攫われた。彼女を救出すべく動き出した出雲たちだったが、探索の果てに彼らがたどり着いたのは意外な真相だった! 遠い昔、王とそのガードマスターたちに何が起こったのか? 上総の脳裏を時折よぎる奇妙な記憶の断片は、何を意味するのか? そしてついにすべてが明らかになった時、上総が選んだ道は……!? 遥かな時を超える転生ロマン、ここに完結!

2014.03.28発売
ミッシング・リンク 血の刻
講談社X文庫ホワイトハート
上総(かずさ)が≪王≫として覚醒する24歳の誕生日が、あと1ヵ月後に近づいていた。ますます激しくなる戦いから身を守るため、覚醒の日まで五条学院長らが用意した隠れ家に住むことになった上総だが、そこで彼を待っていたのは、謎多き美青年シオンとの再会だった・・・。驚愕の事実が次々と明らかになる中、ついに出雲とシオンが対峙する時が!
上総に『王』としての力が現れた!
『王』としての覚醒を目前にする上総。そして驚愕の事実が次々と明らかになる!
上総(かずさ)が≪王≫として覚醒する24歳の誕生日が、あと1ヵ月後に近づいていた。ますます激しくなる戦いから身を守るため、覚醒の日まで五条学院長らが用意した隠れ家に住むことになった上総だが、そこで彼を待っていたのは、謎多き美青年シオンとの再会だった・・・。驚愕の事実が次々と明らかになる中、ついに出雲とシオンが対峙する時が!

2014.03.28発売
堕天使奇談
講談社X文庫ホワイトハート
天本家近隣の会員制スポーツクラブ。本を読みながらマシンを使っていた女性が突然倒れて死亡した。居合わせた天本は、彼女の本に奇妙な図案の栞が挟んであるのを発見する。4つの羽と顔を持つ、どこか禍々(まがまが)しい、人に似た生き物の図案。前後して、河合の知人が死に、天本に調査の依頼が。彼女の居室を調べた天本は愕然とする。そこには、あの図案の栞があった・・・。
堕ちた天使が、成り果てた姿とは――
百鬼妖魔を打ち破る! ネオ・オカルト・ノヴェル!
天本家近隣の会員制スポーツクラブ。本を読みながらマシンを使っていた女性が突然倒れて死亡した。居合わせた天本は、彼女の本に奇妙な図案の栞が挟んであるのを発見する。4つの羽と顔を持つ、どこか禍々(まがまが)しい、人に似た生き物の図案。前後して、河合の知人が死に、天本に調査の依頼が。彼女の居室を調べた天本は愕然とする。そこには、あの図案の栞があった・・・。

2014.03.28発売
エターナル・レッド 血の刻
講談社X文庫ホワイトハート
上総の周りで蠢く者たちの正体が明らかに! ついに上総の命を狙う者たちが本格的に動き始めた。出雲は身を挺して彼を守り続けるが、自分の前世を明らかにされた上総は、戸惑い、混乱していくのだった。
上総の周りで蠢く者の正体が明らかに!?
ついに上総(かずさ)の命を狙う者たちが動き始めた。自分の正体を知り、混乱していく上総は……。
魔族の《王》の生まれ変わりであることが判明した上総。そして、かつて《王》に叛旗を翻した者たちもまた、現世に転生して上総の命を狙っていた。そんな中、上総はシオンと名乗る美青年に突然キスをされてしまう。彼は敵対する一族の仲間であった。敵であるシオンに、なぜか惹かれてゆく上総。そんな上総を騎士(ナイト)のように護りながら、シオンに敵意を燃やす出雲。時を超えた想いの行方は……。

2014.03.28発売
鳴釜奇談
講談社X文庫ホワイトハート
「これは……」天本の喉から、掠(かす)れた声が漏れる。手渡された紙片に淡い水墨で描かれていたもの――それは「十牛図(じゅうぎゅうず)」の第ニ図だった。真の理(ことわり)を求める人の姿を寓した、10枚の絵のうちの、第ニ。しかし天本にとっては、その図は違った。見れば厭でも、忌まわしい記憶が甦る。思い起こされてくる男の顔がある……。大人気ネオ・オカルト・ノベルス、新展開!
これが私の望み――せめてもの償い。
死んだ老人は、奇妙に静かな表情を浮かべていた。謎を解きに赴く天本を待ちうける、狡猾な罠とは?
「これは……」天本の喉から、掠(かす)れた声が漏れる。手渡された紙片に淡い水墨で描かれていたもの――それは「十牛図(じゅうぎゅうず)」の第ニ図だった。真の理(ことわり)を求める人の姿を寓した、10枚の絵のうちの、第ニ。しかし天本にとっては、その図は違った。見れば厭でも、忌まわしい記憶が甦る。思い起こされてくる男の顔がある……。大人気ネオ・オカルト・ノベルス、新展開!

2014.03.28発売
血の刻
講談社X文庫ホワイトハート
平凡な高校教師・大友上総は、夜の公園で暴漢に襲われたところを、見知らぬ青年に助けられる。その青年の名は、剣出雲(つるぎいずも)。なぜか上総を『わが親愛なる王』と呼び、まるで昔から知っていたかのような態度を見せる出雲に、警戒心を覚えながらも心を惹かれていく上総だったが……。上総は古代の王の生まれ変わりなのか? 時空を超える運命の歯車が今、回り始める!

2014.03.28発売
怠惰な情熱
講談社X文庫ホワイトハート
芸能界期待の若手俳優、鮎川和弥と兵頭瑛。恵まれた家庭に育ち、天真爛漫で屈託のない瑛とは反対に、周囲に明らかにできない過去の秘密を持つ和弥。そんな瑛に惹かれ、片思いを続けていた和弥のもとへ、過去にかかわりのある男が突然現れる。カメラマンとしてしばらく海外で活動していた男が帰国した理由は、和弥を自分のものにするためだった。男との関係を瑛に知られたくない和弥だが……。

2014.03.28発売
傀儡奇談
講談社X文庫ホワイトハート
「あれ? もしかして――琴平(ことひら)さん?」人気テーマパークに小一郎(こいちろう)たちと遊びにきていた敏生(としき)は、人込みのなかで誰かに呼ばれ、振りかえって、目を丸くした。かつての事件で会った懐かしい顔――当時は女子高生だった2人の女性の姿が、そこにあったからだ。その2人から持ちかけられた、ある相談事。「あるひとから預かってくれって頼まれたものがあるんです。でも、それが……」
姿を消した女性が託したものは――
闇を切り裂くネオ・オカルト・ノベルス!
「あれ? もしかして――琴平(ことひら)さん?」人気テーマパークに小一郎(こいちろう)たちと遊びにきていた敏生(としき)は、人込みのなかで誰かに呼ばれ、振りかえって、目を丸くした。かつての事件で会った懐かしい顔――当時は女子高生だった2人の女性の姿が、そこにあったからだ。その2人から持ちかけられた、ある相談事。「あるひとから預かってくれって頼まれたものがあるんです。でも、それが……」思わぬ事態が手繰り寄せられようとしていた。

2014.03.28発売
尋牛奇談
講談社X文庫ホワイトハート
初夏の一日、自宅の広い物置で、天本森は悪戦苦闘していた。尤も、闘っていた相手は、妖魔ではない。「読者クイズにするんです、お願いします~」と編集者に泣かれ、高校時代の写真を捜していたのだ。捜せば、龍村が強引に撮った遠足かなにかの写真があるはずだった。だが、「これは・・・」ぎょっとして、手を止めた。見つかったのは、あまりにも思いがけない品物だった・・・。
過去へ――真の自分へ
闇を切り裂くネオ・オカルト・ノヴェル!
初夏のある日、天本が見つけたひとつの品物。苦難と巡礼の旅がいま、始まろうとしていた・・・。
初夏の一日、自宅の広い物置で、天本森は悪戦苦闘していた。尤も、闘っていた相手は、妖魔ではない。「読者クイズにするんです、お願いします~」と編集者に泣かれ、高校時代の写真を捜していたのだ。捜せば、龍村が強引に撮った遠足かなにかの写真があるはずだった。だが、「これは・・・」ぎょっとして、手を止めた。見つかったのは、あまりにも思いがけない品物だった・・・。

2014.03.28発売
抜頭奇談
講談社X文庫ホワイトハート
龍笛に宿る深い怨念。果たして正体は!? 天本と敏生は下呂温泉へと旅立った。そこで旧い龍笛を買い取ろうとしている司野と出会う。ところが強烈な怨念が宿っていた。解き放たれた時、そこには何が――?

2014.03.28発売
IT起業家10人の10年
藤田晋、浅田一憲、大川弘一、南場智子、堀江貴文、孫泰蔵、尾崎憲一、本間毅、江端浩人、川邊健太郎。IT絶頂期に活躍した起業家たちの「あのころ」と「その後」を完全取材! 2000年までに取材した、ITの若き成功者たち。日本経済の行方が混沌としていくなか、再び同じ人物に「その後」の肉声を取材! 世界にも類を見ない貴重な記録!
藤田晋、浅田一憲、大川弘一、南場智子、堀江貴文、
孫泰蔵、尾崎憲一、本間毅、江端浩人、川邊健太郎。
1998年から2000年まで、飛ぶ鳥を落とす勢いだった若きIT起業家たち。
ITバブル崩壊、IPOブーム、ライブドアショックにリーマンショック。
荒波のような経済環境の激変を経て、彼らカリスマたちはどうなったのか。
大成功した人、被告人になった人、組織の一員として頭角を現した人……。
それぞれに直接取材し、ロングインタビューを敢行。
10年前、一度実現していた「あのころ」の取材時の発言も参照しながら、
IT起業家たちの10年間の軌跡と喜怒哀楽を追うと同時に、
彼らの成功の要因・失敗の要因を探る。
今、いちばん肉声を聞きたい経営者たちが勢揃い、
世界に類を見ない貴重な起業家記録!

2014.03.28発売
1日1分「うしろ肩」を回すだけで誰でもやせられる! よくわかるDVD付き
余分な脂肪を燃やしてリバウンドなし!夏木マリさん、土屋アンナさんの美ボディを創り続けるパーソナルトレーナーが、極秘【うしろ肩】エクササイズを初公開!肩を正しい位置に戻すだけで「脂肪が燃えやすい体」に変えることができる、とっておきのエクササイズをご紹介。「立つだけ」「寝るだけ」「歩くだけ」「1種目だけ」でOK!今日から初めて、理想の美ボディを手に入れましょう!【53分間のよくわかるDVD付き】
余分な脂肪を燃やしてリバウンドなし!
夏木マリさん、土屋アンナさんの美ボディを創り続けるパーソナルトレーナーが、極秘【うしろ肩】エクササイズを初公開!!
立ち方を変えるだけで、ダイエット効果があるのをご存知でしょうか。家事やパソコン作業、デスクワークなど、うつむいた姿勢や、前かがみになることが多い現代のライフスタイルは、首まわりに大きな負担がかかります。「まえ肩」という猫背の姿勢になりやすく、自然と「脂肪がつきやすい体」をつくってしまっているのです。
本書では、肩を本来の正しい位置に戻すだけで、「機能的で、脂肪が燃えやすい体」に変えることができる、とっておきのエクササイズをご紹介しています。
エクササイズといっても、肩をくるりと回して「うしろ肩」に戻したら、「立つだけ」、「寝るだけ」、「歩くだけ」、「1種目だけ」でOK! どれも即効性があり、体型のリバウンドが起きにくいのが大きな特徴です。どの「うしろ肩エクササイズ」も美ボディをつくる5つのキーワード【褐色脂肪細胞、骨盤底筋群、スクープ、S字湾曲、胸郭出口】がすべて使われるような動きをメニューに取り入れています。
さらに、「今すぐ小顔になりたい!」といった瞬間ストレッチまで、実用性の高い“秘密のワザ”もふんだんに盛り込みました。今日から初めて、理想の美ボディを手に入れましょう!
【よくわかるDVD付き】
53分間のDVDではエクササイズの細部まで丁寧に紹介

2014.03.28発売
密話
文芸(単行本)
児童文学の新鋭が描く、戦慄の名作。とても悲しいお話だけど、この小説を読んだことは、絶対に忘れない。ひとりぼっちのメアリーに、はじめて友だちができた。友だちの名は、マミヤくん。とってもきれいな小学六年生の男の子。マミヤくんはメアリーに名前をくれて、話しかけてくれて、たまに秘密の“お願い”をしてきた。
メアリーに初めてできた友だちは、小学六年生の男の子、マミヤくん。マミヤくんはとても見た目のいい男の子で、メアリーにいつも“お願い”をする。先生が、生徒が、少しずつ教室から姿を消す中、クラスメイトのカセくんは、マミヤくんと止めようとする。メアリーは“お願い”を叶え続けるのか、それともーー。

2014.03.28発売
塔の中の女
文芸(単行本)
早稲田文学新人賞作家、怒濤の450枚。「公爵を破壊せよ」。エレクトラの命令はオレステスを震撼させた。気鋭の想像力が架空都市を燃焼させる。圧倒的筆力で描くノンストップ純文学
荒れ地の図書館でエレクトラと再会したオレステスは、城の中心部へ、塔の頂へと近づいていく。
僕は永久に少年のまま年を重ねてゆくはずだった――。
「僕は、自分の姉さんの名前を知りたい」と、恐れながら、やっと言った。「エレクトラ」姉は突っ伏したまま、顔も上げずに返答した。《エレクトラ》……《エレクトラ》……僕は何度も呟きながら、だんだんと嬉しさがこみ上げてくるのを感じた。ずっと昔から知っている名前であるような気がした。その名前と、僕に顔を見せない姉が一体となって、僕の心に浸透してゆくような、よろこびだった。「素敵な名前だ。羨ましい」「ばか!」と姉は言いすてて、あきれたように書庫の中へ戻っていった。――<本文より>
新鋭が紡ぎ出す、圧倒的な物語

2014.03.28発売
消えた警官 ドキュメント 菅生事件
「だれか市木を捜してくれ!」大分県で起こった駐在所爆破事件・菅生事件。国家権力が、ここまで謀略の限りを尽くすのか! 若きジャーナリストたちの執念が、ついに「消えた警官」を追い詰める。驚くべき「権力の犯罪」と、それに挑んだ「調査報道」の原点を追ったサスペンス・ノンフィクション。
国家によるでっち上げ事件の全貌を明かす! 1952年、大分県菅生村で起きた駐在所爆破事件。共産党員の仕業として、5人が逮捕されて有罪判決が出たが、新聞記者たちの調査報道が思わぬ結果をもたらす。

2014.03.28発売
萩原朔太郎
講談社文芸文庫
昭和2年、萩原朔太郎の知遇を得て以来、昭和17年の死まで、常にその周辺にあり、さらには歿後、三度におよぶ全集の編集に携わるなど、三好達治にとって、朔太郎は生涯にわたる師であった。格調高い名文によって、朔太郎との交遊を振り返り、その面影をしのびつつ、同時に、作品の形成過程を緻密に辿る。朔太郎の詩の核心が、批評の美によって浮き上がるまさにライフワークとしての、師へのオマージュ。

2014.03.28発売
焼跡のイエス・善財
講談社文芸文庫
敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
戦前から戦後へ。
精神の運動の輝かしい軌跡を描く秀作6篇。
敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
立石伯
石川淳の現実や時代と切り結び、闘いつづけた精神の軌跡は、一言でいえば、仮定から仮定へと飛翔するダイナミックな言葉の響きあう波動と延々とつづくその努力の線上にくっきりと刻印されている。原稿用紙にひとたび書きはじめられた言葉の力は精神の磁場を形成し、そこに生みだされた質量をバネにしながら、現実の闇のなかをペンが発明に向けて運動していくものにほかならない。――<「解説」より>

2014.03.28発売
新編 疾走するモーツァルト
講談社文芸文庫
モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
天才の「深淵」と「謎」に迫る白熱の論考。
モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
清水徹
小林秀雄の世代におけるモーツァルト受容をつらぬく、「≪ファゴット・コンチェルト≫から≪ハ長調ミサ≫をへて≪フィガロ≫の<愛の神様>にいたる線もまた、モーツァルトそのものの形をしており、彼の≪やさしさ≫の位相を純粋に辿りうる秘められた小径になっているのではないか」――こんなふうに音型相似性(アンテルテクスチュアリテ)を聴きわけることができるのは、小林秀雄の世代の作品に親しみ、そしてモーツァルトを詳しく聴きこんでいる高橋英夫を擱いて他にないだろう。――<「解説」より>

2014.03.28発売
もぐら随筆
講談社文芸文庫
小田原の生家の物置小屋で、陋巷の隠者としてもぐらのように暮らしながらも大切に守り通した文学への情念の炎。抹香町の私娼窟へ通い、彼女達に馴染み、哀歓を共にし、白昼の光りには見えない底辺に生きる人間の真実を綴った。60歳にして得た若い妻との生活への純真な喜びが溢れる紀行随筆。宇野浩二、中山義秀、水上勉ら師友をめぐる思い出の記。川崎文学晩年の達成を予感させる好随筆集。

2014.03.28発売
ソロモンの歌・一本の木
講談社文芸文庫
戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
青春期の中原中也や小林秀雄との邂逅。
クレーの絵の謎解き。音楽へのめざめ。
多彩な芸術随想12篇。
戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
大久保喬樹
戦前の東京下町ですごした子供の頃まだ明けやらぬ床の中で聞いた櫓太鼓の音から始まって、戦後欧米各地で接した前衛音楽まで、さまざまな音、また、さまざまな色や形、言葉や暮らしを吉田さんは経験し、それら経験の意味を考え、そうした作業を積み重ねてひとつの精神の秩序を築きあげていった。それが吉田さんにとっての批評ということだった。――<「解説」より>