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1991.11.05発売
有明の別れ
講談社文庫
源氏物語のあとを承ける、男装の姫君の数奇な一生を描く王朝物語ーー右大将・尚教は、秀れた資質の美貌の貴公子であったが、女たちの憧れを振り切って、一人身で通していた。それは、父・左大臣の奇怪な謀のせいで……。王朝貴族たちの自由奔放な恋愛と、そこに清清しく生きた、数奇な運命の人の物語。源氏物語以後の物語は殆ど散逸したが、有明の別れは劇的に800年ぶりに写本が発見され、一大旋風をまき起した。その800年ぶりに発見された奇蹟の愛の古典を、見事に蘇生させた、傑作長編小説。奇想天外な愛の物語の見事な再現!
1991.11.05発売
千葉周作(下)
講談社文庫
幕末三剣士とうたわれた男の武の道の生涯.一刀流浅利又七郎の門を出た周作は,自分の信じる剣を生きるべく,遂に一派を開いた.神田お玉が池の道場に門弟三千人,江戸随一の華やかな足跡を語る時代長編.
1991.11.05発売
千葉周作(上)
講談社文庫
北辰一刀流を創始した男を鮮烈に描く大作.北辰夢想流の允可を受けた剣術家,千葉幸右衛門の二男として陸前国に生れた周作は,天性の資質で頭角をあらわし,才能を惜しむ家族の力で江戸へ遊学に出て来た.

1991.11.05発売
中国発掘物語
講談社文庫
北京原人化石、殷墟発見など地中の夢を探るーー北京原人、50万年前のヒト。第二次大戦時、その「遺骨」はどこへ消えたのか? ついに実在が証明された殷王朝、ではその前の夏王朝は? 20世紀に入り、中国では次々と新しい遺跡が発見され、発掘された。奴隷王朝の実態、青銅時代の流転、さまざまな墓陵の謎……。地中からの歴史の響きを詳細にさぐる。

1991.11.05発売
鈴姫異変
講談社文庫
澄みきった秋空のお鷹野、将軍・家光にピタリと照準があてられた……。父の無念をはらさんとする、美しい鈴姫の危機一髪をみたび救う、眉目秀麗、着流しの浪人者。はたして、鈴姫の冒険の結末はいかに? という表題作のほかに、「初冬物語」「抜打ち侍」「金四郎日和」「鼠小僧次郎吉」を収録。とりわけ心躍る、傑作痛快時代小説集。

1991.11.05発売
特攻
講談社文庫
最後の証言と機密資料を掘り起こし、特攻の真相を追う。戦闘員の死を予め前提にした戦術は、いかなる経緯で立案されたのか。神風特攻、回天、桜花、震洋という人間兵器の誕生から結末までと、そこにかかわった人間たちの悲痛なドラマを、丹念な取材でたどる。ついに突きとめえた“真実”のドキュメント。

1991.11.05発売
春秋戦国志(上)
講談社文庫
中国故事名言の9割以上を産んだとされる春秋戦国時代は、また、国家形態の原型が造られ、諸子百家などすぐれた思想家を輩出させた、世界的に稀有な時代でもあった。その550年を軽妙につづる、出色の歴史物語。本巻は東周王朝成立から、管仲、鮑叔が大活躍する斉桓公の「覇王時代」までを描く。(全3冊)

1991.11.05発売
浮世絵ミステリ-ゾ-ン
講談社文庫
江戸人の旺盛な好奇心と明けっぴろげな欲求に最も敏感だった情報メディア・浮世絵。その絵をじっくり“読む”ことから、遊び心と知恵に溢れた暮らしの豊かさ、楽しさがはっきり見えてくる。浮世絵の不思議な魅力を語りつつ、江戸の社会を考察し、人々の日常の実相を解き明かす軽妙で含畜に富むエッセイ。

1991.11.05発売
近世日本国民史 遣米使節と露英対決篇
講談社学術文庫
万延元(1860)年一月、咸臨丸浦賀を出港、我が遣米使節一行も米艦に乗り品川を出帆。ワシントンに着し閏三月二十八日米大統領に謁見、条約書の交換を了す。翌文久元年、東洋における列強勢力角逐のとき、露人対馬の一角を占拠、対馬は露・英の争地となる。秋に英艦隊司令官、対馬に至り露艦隊の不法を詰問、露艦撤去。されど「前門虎を拒み、後門狼を進む」の危惧は拭えず、開国初期の緊泊は続く。

1991.11.05発売
反文学論
講談社学術文庫
柄谷行人の唯一の文芸時評集『反文学論』は、氏の70年代後半の独創的かつ先駆的仕事である。この『反文学論』の真の固有性、掛け替えのない特異な性格とは、いったい何なのだろうか。ほどなく〈探究〉の批評家として、文字どおり余人の追随を許さぬ領野を切り拓くことになる希有な人物が、言わばその前夜の姿態を垣間見せてくれる〈感想〉の数々こそそれだ、と思われてならない。(「解説」より)

1991.11.05発売
観音経講話
講談社学術文庫
東アジアの仏教圏には数多くの観音霊場があるように、観音信仰は昔から庶民の心の中に力強く根づいており、『観音経』は『般若心経』とならんで最も広く読誦(どくじゅ)されてきたお経である。このお経を一心に唱えれば、観音菩薩は聖観音、千手観音、馬頭観音など、三十三身に姿を変えて現われ、人々の苦しみや悩みに応じて教えを説いてくれるという。宇宙の根本原理を見事に血肉化した観音教典のこころを読む。

1991.11.05発売
ヨ-ロッパ中世の宇宙観
講談社学術文庫
市民の違約に憤る不気味な〈鼠捕り男〉は、笛を吹いて町中の子供を誘い出し山の彼方へ攫(さら)って消える。〈ハーメルン伝説〉の不吉な謎を解読しつつ、著者の炯眼は中世民衆の思考世界を凝視する。さらに、僅かな史料を手掛りに歴史空間に今も谺(こだま)する民衆の叫びに耳をすませば、時代の変動を生きぬく人々の苦しい生存の呻きが伝わってくる。西洋中世民衆の生活と意識を活写して感銘深い阿部史学の原点と現在。

1991.11.05発売
世界の共同主観的存在構造
講談社学術文庫
廣松渉は、思想としての近代とはなにか、近代を超克するとはどのようなことがらであるのか、を哲学的に問いつめる。その若き日の主要論文をおさめたこの書は、「大きな物語」の終焉がささやかれる現在においてなお、新鮮なかがやきと衝撃力をうしなっていない。否、思想的指針の一切を喪失したかに見える今日にあってこそ、それらの論考の課題意識が十分にふまえられてなければならないとおもわれる。

1991.11.05発売
民衆史―その100年
講談社学術文庫
名著、復刊。
「歴史に埋もれた人間たちを掘り起こし、その死者たちのかたい口を開けしめよう。すぐれた民衆群像の資質と高い倫理性への誇りをとり戻すためにも、私たちは幾度も歴史の最下流に降りねばならぬ……」明治の自由民権運動の検証から、水俣に象徴される現代の住民運動と共同体の問題まで、近代日本の百年を歴史形成の主体である民衆レベルに視座をすえて捉え直す。著者が提唱した「民衆史」の到達点。

1991.11.05発売
魔術から数学へ
講談社学術文庫
〈小数〉はどのように生まれたか。〈対数〉は、そして〈微積分〉は? 宗教戦争が猖獗(しょうけつ)を極める17世紀ヨーロッパ、魔女が空行き占星術と錬金術がまだ人の心を揺ぶっていた混沌たる文化パラダイムの中から異形の数学者たちが頭角を現わす。ガリレイ=デカルト=ニュートン=ライプニッツ。著者ならではの余裕と気品の名文が、近代数学成立の数奇な劇を紡ぎ出す。全編に、博学と哲学がしみわたった傑作。
1991.11.05発売
夏目漱石―非西洋の苦闘
講談社学術文庫
漱石に託して語る,近代日本の精神と文化.圧倒的な西洋の衝撃のもとで,後進国からの留学生夏目漱石は使命感と重圧感を背負って苦闘した.非西洋人漱石を通して,世界史的視点から明治日本を考察した力作

1991.11.05発売
日本藝能史六講
講談社学術文庫
人の住む近くにはものやたま(スピリットやデーモン)がひそむ。家や土地につくそれら悪いものを鎮めるために主は客神(まれびと)の力を借りる。客神至れば宴が設えられ、主が謡えば神が舞う。藝能の始まり。著者は、時を遡って日本藝能発生の直の場面に立ち合おうとするかのようだ。表題作「六講」に加えて名編「翁の発生」を収録。著者の提示する「発生学風」の方法こそ近代学問の限界を突破する豊穰なエクリチュール。
1991.11.05発売
カオスモスの運動
講談社学術文庫
独創的な丸山言語哲学の新しい希望の一歩.実体論=反映論の虚妄を暴き近代主義パラダイムを完膚なく解体した衝撃の丸山理論.言葉を操る動物ホモ・ロクエンスとしての人間の栄光と悲惨を止揚する新視座.

1991.11.01発売
またふたたびの道・砧をうつ女
講談社文芸文庫
日本の敗戦による、サハリンからの辛うじての帰国。劇変する状況、分断された祖国、一家離散の家族の悲劇。群像新人賞受賞の出世作「またふたたびの道」および、母を描く感動の名作で芥川賞受賞作「砧をうつ女」、父を描く「人面の大岩」。インターナショナルな視座から時代に正面し、たじろがぬ、常に真摯に力走する、在日作家・李恢成の初期秀作群。

1991.11.01発売
三文紳士
講談社文芸文庫
肌身を通して日本とヨーロッパを識り、文学と人生に豊かでみずみずしい鑑識眼を持つ吉田健一。濃やかな交友を通じて、その文学と人間性に温かに迫る優れた人物評論「仲間」「或る時代の横光利一」「中村光夫」等。戦後世相の現実と陰影を精妙なウィットとユーモアに包む「乞食時代」「貧乏物語」「家を建てる話」他。著者40歳代のエッセイを中心に、自ら“定本”として編成した自伝風世界。