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1991.11.05発売
ヨ-ロッパ中世の宇宙観
講談社学術文庫
市民の違約に憤る不気味な〈鼠捕り男〉は、笛を吹いて町中の子供を誘い出し山の彼方へ攫(さら)って消える。〈ハーメルン伝説〉の不吉な謎を解読しつつ、著者の炯眼は中世民衆の思考世界を凝視する。さらに、僅かな史料を手掛りに歴史空間に今も谺(こだま)する民衆の叫びに耳をすませば、時代の変動を生きぬく人々の苦しい生存の呻きが伝わってくる。西洋中世民衆の生活と意識を活写して感銘深い阿部史学の原点と現在。

1991.11.05発売
世界の共同主観的存在構造
講談社学術文庫
廣松渉は、思想としての近代とはなにか、近代を超克するとはどのようなことがらであるのか、を哲学的に問いつめる。その若き日の主要論文をおさめたこの書は、「大きな物語」の終焉がささやかれる現在においてなお、新鮮なかがやきと衝撃力をうしなっていない。否、思想的指針の一切を喪失したかに見える今日にあってこそ、それらの論考の課題意識が十分にふまえられてなければならないとおもわれる。

1991.11.05発売
民衆史―その100年
講談社学術文庫
名著、復刊。
「歴史に埋もれた人間たちを掘り起こし、その死者たちのかたい口を開けしめよう。すぐれた民衆群像の資質と高い倫理性への誇りをとり戻すためにも、私たちは幾度も歴史の最下流に降りねばならぬ……」明治の自由民権運動の検証から、水俣に象徴される現代の住民運動と共同体の問題まで、近代日本の百年を歴史形成の主体である民衆レベルに視座をすえて捉え直す。著者が提唱した「民衆史」の到達点。

1991.11.05発売
魔術から数学へ
講談社学術文庫
〈小数〉はどのように生まれたか。〈対数〉は、そして〈微積分〉は? 宗教戦争が猖獗(しょうけつ)を極める17世紀ヨーロッパ、魔女が空行き占星術と錬金術がまだ人の心を揺ぶっていた混沌たる文化パラダイムの中から異形の数学者たちが頭角を現わす。ガリレイ=デカルト=ニュートン=ライプニッツ。著者ならではの余裕と気品の名文が、近代数学成立の数奇な劇を紡ぎ出す。全編に、博学と哲学がしみわたった傑作。
1991.11.05発売
夏目漱石―非西洋の苦闘
講談社学術文庫
漱石に託して語る,近代日本の精神と文化.圧倒的な西洋の衝撃のもとで,後進国からの留学生夏目漱石は使命感と重圧感を背負って苦闘した.非西洋人漱石を通して,世界史的視点から明治日本を考察した力作

1991.11.05発売
日本藝能史六講
講談社学術文庫
人の住む近くにはものやたま(スピリットやデーモン)がひそむ。家や土地につくそれら悪いものを鎮めるために主は客神(まれびと)の力を借りる。客神至れば宴が設えられ、主が謡えば神が舞う。藝能の始まり。著者は、時を遡って日本藝能発生の直の場面に立ち合おうとするかのようだ。表題作「六講」に加えて名編「翁の発生」を収録。著者の提示する「発生学風」の方法こそ近代学問の限界を突破する豊穰なエクリチュール。
1991.11.05発売
カオスモスの運動
講談社学術文庫
独創的な丸山言語哲学の新しい希望の一歩.実体論=反映論の虚妄を暴き近代主義パラダイムを完膚なく解体した衝撃の丸山理論.言葉を操る動物ホモ・ロクエンスとしての人間の栄光と悲惨を止揚する新視座.

1991.11.01発売
またふたたびの道・砧をうつ女
講談社文芸文庫
日本の敗戦による、サハリンからの辛うじての帰国。劇変する状況、分断された祖国、一家離散の家族の悲劇。群像新人賞受賞の出世作「またふたたびの道」および、母を描く感動の名作で芥川賞受賞作「砧をうつ女」、父を描く「人面の大岩」。インターナショナルな視座から時代に正面し、たじろがぬ、常に真摯に力走する、在日作家・李恢成の初期秀作群。

1991.11.01発売
三文紳士
講談社文芸文庫
肌身を通して日本とヨーロッパを識り、文学と人生に豊かでみずみずしい鑑識眼を持つ吉田健一。濃やかな交友を通じて、その文学と人間性に温かに迫る優れた人物評論「仲間」「或る時代の横光利一」「中村光夫」等。戦後世相の現実と陰影を精妙なウィットとユーモアに包む「乞食時代」「貧乏物語」「家を建てる話」他。著者40歳代のエッセイを中心に、自ら“定本”として編成した自伝風世界。

1991.11.01発売
父の帽子
講談社文芸文庫
東京・駒込千駄木観潮楼。森鴎外の長女として生まれた著者は、父鴎外の愛を一身に受けて成長する。日常の中の小さな出来事を題材にして鴎外に纏わる様々なこと、母のことなど、半生の想い出を繊細鋭利な筆致で見事に記す回想記。「父の帽子」「『半日』」「明舟町の家」「父と私」「晩年の母」「夢」ほか16篇収録。日本エッセイストクラブ賞受賞。

1991.11.01発売
阿久正の話
講談社文芸文庫
シベリヤ捕虜体験を経て、戦後の日本に帰還した作家は、戦場での生と死を見詰めると等質の同じ澄んだ眼線から街の隅に息づく庶民の1人ひとりの生きる姿を凝視する。平凡極まる無名の生活者、阿久正(あくただし)の中に、結晶の如く光る生の真実を淡々と語っていく「阿久正の話」、ある復員者の戦地回想「林の中の空地」他5篇を収録。『鶴』『シベリヤ物語』につぐ、長谷川四郎第3小説集。
1991.11.01発売
追越禁止
講談社ノベルス
夜明日出夫が老女誘拐事件に敢然と挑戦! 元警視庁の敏腕刑事だった夜明日出夫.タクシ-のハンドルを握りながら事件に出合う.老女誘拐,そして死.犯人の高笑いに夜明,怒る! サスペンス巨篇!
1991.11.01発売
首を売る死体
講談社ノベルス
猟奇的殺人事件に挑む九十九刑事の名推理!切りとられた首をささげ持ち,「首一つ一億円也」と書かれた死体に秘められた驚愕の事実とは九十九刑事が直面する,悪夢のごとき連続殺人の謎!

1991.11.01発売
講談社国語辞典 第2版
項目数76 000語+漢字音訓総覧7 400字
漢字辞典・用字用語辞典の機能も備えた国語辞典の最新決定版
特色
●8種のかっこ・記号と2種の書体を使い分けて、基準表記や慣用表記、教育漢字、送り仮名の許容などを明示。
●2 700をこえる漢字項目をたて、常用漢字は特に大きく掲げて詳しく解説。
●基本語の全面的な改訂に加え、6 000余語の新項目を増補。流行語・時事用語・外来語など、時代に即した言葉を豊富に採録。
●総頁は1 424、巻末付録には言葉と文字についての基礎知識、品詞の分類・活用表、書き表し方の基準、漢字音訓総覧、人名漢字一覧、また旧国名地図などを107頁にわたって収載。

1991.10.31発売
歌う舟人―父隆慶一郎のこと
文芸(単行本)
故・隆慶一郎の娘が描く、人間・隆慶一郎の思い出。ーー歴史・時代小説の分野に一瞬の光芒をはなって逝った隆慶一郎氏の、激しくもエレガントな人間像を、娘の眼から描く。隆さんの写真も収録し、三周忌を期に刊行された、父&作家の実像。

1991.10.31発売
ここに地終わり海始まる(下)
文芸(単行本)
初めて訪れた、青春。
「純粋培養」された志穂子は、ひとを愛する喜びと苦しみを知り、ひとりの女性として歩み始める……。生命(いのち)の歓びを謳(うた)う、長篇ロマン!
「ここに地終わり 海始まる」の若い主人公を幼児から18年間も結核という病気で封じ込めたのちに、大都会の汚濁の渦に放り出したのは、私が、この小説の主人公を豊かな人格をもつ幸福な女性にしたかったからなのですが、はたして、彼女が幸福になったのかどうかは分明ではありません。なぜなら、私は彼女を「過程」、もしくは「途上」で置き去りにして筆を擱(お)いたからです。幸福を願いつつ、小説の幕をおろしました。──「あとがき」よ

1991.10.31発売
ここに地終わり海始まる(上)
文芸(単行本)
志穂子、24歳。
6歳のときから療養生活をつづける。志穂子の元に舞い込んだ、たった1枚の絵葉書(ラブレター)が、彼女に奇蹟をもたらした……。爽やかな感動を呼ぶ、恋愛長篇!
6歳から18年間、北軽井沢の結核療養所で過ごした志穂子は、あす、24歳を迎えるという日、生まれて初めてひとりで電車に乗った。それは、志穂子の病状に奇蹟をもたらすきっかけとなった、絵葉書の差出人である梶井克哉に会うためだった。
しかし、志穂子は、その人物に、まったく心当たりがないのだった。──そんなひとが、なぜ私に絵葉書などくれたのだろう?……
1991.10.30発売
特救指令ソルブレイン(9) ソルブレインだいけっせん!
講談社の絵本
1991.10.30発売
太陽の勇者ファイバード(8) ファイバードさいごのたたかい
講談社の絵本
1991.10.30発売
後宮秘抄-生母と寵妃
文芸(単行本)
後醍醐天皇をめぐる2人の女性を描く長編!わが子・尊治(のちの後醍醐帝)を皇位継承者に仕立てようと執念を燃やす生母・忠子。帝の寵妃として南北朝を生きた阿野廉子。果しない野望と奔放な恋のドラマ。