新刊書籍
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1976.01.26発売
針の誘い
講談社文庫
P国公使館の角を曲った千草検事の前に、いきなり飛びだしてきた若い女性は、幼児が誘拐された、とつげる。500万円の身代金を要求する脅迫状も、発見される。身代金は、刑事の監視の中で手渡されるが、持参した母親が、殺害されてしまった。家族をも巻き込む熾烈な企業競争を背景に、綿密に仕組まれた犯罪を追求する、本格ミステリー。

1976.01.09発売
英和科学用語辞典
ブルーバックス
本書の特色――
●各科学分野の基本的な用語に、新聞、雑誌等の科学記事に頻出する用語あわせて約16000語を収録。
●英語による項目をアルファベット順に並べ、日本語訳と簡略な説明をつけ、ハンディーな科学用語辞典とした。
●巻末に和文索引を設け、和英両方から引けるように工夫。
●複雑な凡例をなくし、簡略で見やすいように配慮。なお普通の辞書で引けるごく一般的な用語は除いた。

1976.01.08発売
人斬り新兵衛
講談社文庫
田中新兵衛は、鹿児島城下の船頭だった。彼を薩摩勤王党に推挙したのも、商人から武士になった森山新蔵である。尊王討幕の気運がみなぎる京にあって、新兵衛は、孤独な末輩でしかなかった。やがて、彼が心から頼った森山新蔵は、寺田屋の変に連座し、あえなく切腹して果てる。佗しく郷愁に身を焦がしていた新兵衛にも、ここで転機が訪れた。酔って中座同心を斬ったのをきっかけに、九条家の諸太夫・島田左近を斬殺、首を三条河原に梟した。旋風のように、人斬り新兵衛の名は、京洛に鳴り響いてゆくのだった。そして、姉小路卿の暗殺……。幕末転変の人生を描いた佳篇「人斬り新兵衛」はじめ、全12篇。

1976.01.08発売
小次郎と武蔵の間
講談社文庫
佐々木小次郎が宮本武蔵に敗死した後、豊前細川家では長い間、兵法者を召し抱えていない。藩主・忠利が、小次郎の死を哀惜したからに外ならぬ。10数年後に、その忠利が見出したのは、二階堂流の松山主水であった。知行800石で召し抱えられた主水は、軽捷無類、魔法としか思えぬ剣の妙手であった。忠利は、小次郎と流祖を同じくする主水を寵愛した。肥後に国替えになった細川家で、やがて忠利と父・忠興の間に、新旧の相剋が起こる。忠興の家来が主水に辱しめられた事件は、火に油をそそぐ結果となり、「主水、討つべし」と忠興は激昂するのである。武芸者の意気地を描く「小次郎と武蔵の間」ほか8篇。

1975.12.19発売
影の告発
講談社文庫
デパートの満員のエレベーターの中で、殺人事件が発生。被害者は、私立高の校長・城崎達也と判明。白昼、しかも衆人環視の中での大胆不敵な犯行の手がかりは、名刺と母娘の古い写真しかない。偶然、事件現場に居合わせた千草検事が、捜査の指揮をとることになった……。本格派の第一人者の代表作。日本推理作家協会賞受賞作品。

1975.12.19発売
背徳のメス
講談社文庫
大阪の施療院で、殺害未遂事件が起こった。被害者は、憑かれたように女をあさる、背徳産婦人科医だった。彼を憎み、うらむ者は多い。犯人追及の過程で浮び上がる、彼や容疑者たちの暗い過去……。戦争で青春を失い、宿命ともいえる業を背負って、吹き溜りにうごめく、人間の生きざまを描いた、社会派ミステリー。直木賞受賞作。

1975.12.19発売
回転木馬
講談社文庫
昭和十年代の初頭、正義と愛に基く「人類の未来の会」で語りあった純粋な青年たちに、20年後は、堕落と世俗化という変貌が待っていた。彼らは、大学助教授、流行作家、一流カメラマン、会社の責任者、公務員、町会議員、新聞記者になっている。この変貌を通じて現在の日本人の姿を活写し、日本人の親子関係を描き、人生の真意を問うた野心作。
昭和十年年代の初頭、正義と愛に基く“人類の未来の会”で語り合った純粋な青年たちの二十年後の姿。大学助教授、作家、公務員等々、その変貌を通じて日本人の親子関係を描いた表題作のほか、「偕老同穴」など五編を収録。

1975.12.16発売
環境調査のための微生物学
環境汚染とその回復度を見る最も手近で手ごろな指標は微生物である。環境科学関係の学生、技術者はもちろん、中・高校クラブ活動にもすぐ役立つよう書かれたハンディな入門書。豊富な図版を含め、野外でも使いやすい。

1975.12.12発売
肥後の石工
講談社文庫
熊本県砥用町に今も健在する「霊台橋」この美しい石橋は、岩永三五郎の指導の下に、石工・大工・庄屋・百姓が協力して築いたものである。悲しく辛い過去とたたかいながら、肥後の石工の技術を弟子達に伝えた石工頭三五郎の物語。NHK児童文学奨励賞・日本児童文学者協会賞・国際アンデルセン賞国内賞受賞。

1975.12.11発売
でかでか人とちびちび人
講談社文庫
9月のある夜、聞きなれないもの音で目覚めたゆりは、おじさんの船長が小指の先ほどのかわいらしい生きものと話しているのを見て、目を丸くした。すぐに、ゆりも、ちびちび人と仲よしになり、やがて、でかでか人を知る。――豊かな想像力と磨かれた感性とで織りなす、香り高い名品。講談社児童文学新人賞受賞作品。

1975.12.10発売
戦国兄弟
講談社文庫
敵の内部を分断する反間苦肉の策。秀吉一流の調略に見事はまった織田信雄は、亡父・信長以来の家老・岡田重孝の誅殺を策した。豪邁の士・重孝は「さらば死に狂いの働きを見せよう」と主の面前に進む。暗愚な信雄に、戦国武士の死にざまを示そうというのだ。深傷を負いながらも、なお屈しない凄絶の暗殺劇だった。そして、兄への諫言も空しく残された重孝の弟・義同は憤激した。織田・徳川連合軍相手に奮戦し、小牧長久手の戦いに発展してゆく。義同はやがて前田・加藤両家を転々するが、その雄偉なる骨格、性根は、戦国の世にも異彩を放ってやまない。剛毅に己が信念を貫いた「戦国兄弟」の生涯を描く。

1975.12.03発売
バーバパパのはこぶね
講談社の絵本
バーバ一家と動物たちがロケットで地球脱出
地球の空気や水がよごれて、動物たちが苦しんでいます。バーバパパたちは、動物たちを助けるため、ロケットの箱船をつくって宇宙へ飛び出しました。

1975.12.03発売
女の美食
講談社文庫
岡村は、由紀の体や顔を眺めながら、おこなうのが好きだ。由紀は、歩く時にも、ちょっとした仕種も、ゆっくりとしている。岡村は、由紀には官能の素質があると、前からにらんでいた。それはやわらかそうな体の線や、着やせする小造りの骨細な線、白いきめ細かな肌などから、そう思っていた。愉悦を覚えている由紀の顔の中で、いちばんエロチックなのは、開いた口だ。前歯が覗き、めくれた上唇のまだらな口紅の跡とか、前歯の裏側に当てられている舌の先とかの眺めが、岡村を興奮させる……。性の美食家の目にうつる女の微妙な成長を丹念につづる「美食」をはじめ、「笑いながら」など、傑作6篇を収録。

1975.12.03発売
忍ぶ糸
講談社文庫
伊賀・上野は、鈴鹿山脈の麓にある城下町で、組紐の町でもある。千賀は、ここの忍町で生れた、人もうらやむ美しい娘だった。紅い椿の咲く頃、千賀は、組紐屋のしにせ「増住」に織子として雇われたが、そこで増住の一人息子・洋三を知った。これがヒロイン・千賀の愛の始まりであった。やがて、千賀と洋三は、将来をひそかに約束しあうが、家柄が違うことを理由に、洋三の父・大二郎は、下請けの「藤浪」の息子・良作との縁談をすすめた。愛する人との仲を裂かれて、千賀が良作の許に嫁いだ日、花嫁姿の彼女を見た近所の人々は、花が咲いたようだとささやき合った。千賀の悲しい一生の始まりだった。

1975.11.27発売
砂の階段
講談社文庫
広告部長の見せた写真に、交通事故で死んだはずの同僚・高瀬の顔があった。事故は偽装だったのか? すると、未亡人が確認した死体は? 東西新聞特企部の江川は、高瀬の周辺を洗う。某省の汚職を追っていたという情報もあるし、プロ野球の八百長事件に巻き込まれたという噂もある。高瀬未亡人への愛に惹かれて、江川は謎を追うが……。

1975.11.27発売
幸福という名の不幸(下)
講談社文庫
黎子は、青春の只中に、恋人・慎之介を事故で失う。誰をも愛する余地なく、既に彼女の心にたった一人、余語だけが住んでいることを自覚する。だが、余語の「幸福とも不幸ともつかぬ日常的現実の中で支えてくれるものは謙虚さであり慎しみである」という処世の美学に殉じ、幸福という不幸の中で生き行くしかないことを覚るのだった。結婚適齢期の女心の襞と翳りを描き、愛とは、結婚とは、その真実を問う力作長編。<上下巻>

1975.11.26発売
快男児・怪男児(下)
講談社文庫
木下藤吉郎をめざす留吉は順風満帆、キャバレーの経営者となるが、美貌の女優に裏切られて恋を失う。一方、結核で倒れた久保に、献身的助力を惜しまなかったエイ子も、久保の「友田賞」受賞を契機に見棄てられる。他人を信じ、そしてその果てに裏切られていきつつも、常に上を向いて歩む人間を描いた感動的作品。<上下巻>

1975.11.26発売
快男児・怪男児(上)
講談社文庫
青雲の志を抱き秋田から上京した中村留吉は、生き馬の眼を抜く東京に足を踏み入れたとたんに、盗難にあい無一文になる……。一方、女優志願で、やはり秋田から上京したエイ子は、額縁ショウの女優になるが、脚本家志望のアルバイト学生・久保直樹に恋心を覚え、結核に倒れた久保に献身的助力を惜しまなかった……。純情多感な留吉とエイ子の夢と現実を軽妙な構成で描く感動的長編小説。<上下巻>

1975.11.26発売
幸福という名の不幸(上)
講談社文庫
父母の慈愛を春の曙のように受けて生まれた娘・榎並黎子は、17の時に父を失う。不幸がその姿を現わし、黎子は、ある外国系紅茶会社の東京支社長・余語の秘書として、社会に出る。幸福な結婚を夢みる彼女の心に、さまざまな波紋を投げかけ現われ消えてゆく、さまざまな男たち。その遍歴の中で男たちへの、社会への目は、深く、陰影を含んでゆくのだった。<上下巻>

1975.11.19発売
かぞえてみよう
講談社の絵本
楽しみながら数の知識が身につく絵本。 美しい田園風景を描きながら、はじめて数に出会う子どものために、数字を楽しく見せてくれる絵本。講談社出版文化賞絵本賞など、数々の賞に輝く傑作です。
ボストングローブ・ホーンブック賞
ニューヨーク科学アカデミー児童科学図書優良賞
講談社出版文化賞(絵本部門)