新刊書籍
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1977.03.28発売
粘土の犬
講談社文庫
会社の金の使い込みが発覚しそうになった井ノ口は,愛人である未亡人・安枝の殺害を謀る。練りに練った計画はうまくいき、事件は迷宮入りかと思われた。だが、目の不自由な安枝の遺児・利彦の奇妙な粘土細工の犬が、犯人を告発していたとは……。みごとなどんでん返しが意表をつく表題作「粘土の犬」ほか4編収録の傑作ミステリー集。

1977.03.28発売
史談と史論(上)
講談社文庫
1977.03.28発売
築地川・葛飾の女
講談社文庫

1977.03.25発売
新書東洋史(3)中国の歴史3 征服王朝の時代 宋・元
講談社現代新書
唐帝国滅亡後の中国は五代十国に象徴される征服王朝が相次いで成立し、漢民族と遊牧民族との抗争の時代に入る。このめまぐるしい社会変動の中から、統一を勝ちとった宋は、生産力の増大、商人の勃興、王安石の新法と一大変革期を、つくりあげた。しかし、その間の党派争いや華北と江南の発展のひずみは、金の台頭、北宋の滅亡を招き、ふたたび中国は遊牧民族モンゴル帝国・元の支配下におかれる。本書は、この征服王朝600年の時代精神を解明する。
異民族に支配された中国――中国人はむかしから自らを夏とか中華と称して高度の文明をほこり、周辺諸民族を夷狄蛮戎(いてきばんじゅう)とよんで、軽蔑した。そして夷狄は中国に服従して文明の恩恵にあずかり、教化されるべきものとみられてきた。それが今や、中国人が「夷狄」に支配され、野蛮な異民族と見下していたものの命令に従わねばならなくなったのである。そうした境遇に身をおかねばならなくなったとき、中国の人々はどのように行動したのであろうか。さらに征服王朝の統治策が、それぞれ従来の中国諸王朝とは異なったものであるとすれば、それが中国の社会をどのように変え、後の時代にどのような影響を、及ぼしたのであろうか。われわれは600年にわたる宋・元の時代を、漢民族と異民族の対立抗争を軸にしてながめてゆきたい。――本文より

1977.03.18発売
医療技術者のための物理学
メディカルエレクトロニクスの基礎としての側面を重視して、医療の実際との関連を扱うことにより学生に関心を持たせるよう配慮した。

1977.03.14発売
好きで上手で(下)
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、色香溢れる評判の、あたし小説ーーあたし、五十男の小商人の旦那のお妾ぐらし。十日もアレをしないと、あたしダメなんです。それで旦那、あたしの浮気封じに和合寺にいってこいって言うんです。お寺であたし裸にされて、アソコを紅筆でなぞられて鋳型の弁天様にいれられたんです。そこで何十人もの男にアレをされるんです……。高貴な女性、花蝶院様と山芋掘りにいって二人とも穴の中にお尻を出したまま落ちてしまったんです。男の人が次々にあたしたち二人を……。あたし、からだが燃えてどうにもならないんで、男買いに陰間茶屋にいったんです。そこで紅毛陰間にあって……。<上下巻>

1977.03.14発売
好きで上手で(上)
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、色香溢れると評判のあたし小説ーーあたし、深川で芸者をしていたんですが、今の旦那に見染められてお妾ぐらし。でも五十男の小商人の旦那、商売に頭を使いすぎるせいか、あっちの方が強くないんです。それで、あたしはいつも、女ざかりのからだをもてあましているんです……。旦那がくるので、入れ混み湯にいったんです。そこで幼な友達の源さんに会ったんです。源さんのものすごくりっぱなんで、あたし……。湯上りに旦那と二人でウナギを食べにいったんです。そこへ花蝶院さまという高貴な女性がいらっしゃって、ウナギが花蝶院さまのあの部分にもぐりこんで大騒ぎ……。<上下巻>

1977.03.08発売
年中行事覚書
講談社学術文庫
日本人の労働を節づけ生活にリズムを与え、共同体内に連帯感を作り出す季節の行事。本書は、各地に散在するそれらなつかしき年中行事の数々を拾い蒐め、柳田民俗学の叡知で照らした論集である。著者の比類なき学識と直観は、固くむすぼおれた古俗・伝承の糸口を鮮やかに解きほぐし、その成り立ちや隠された意味、また相互の連関を明らかにしていく。芳醇な筆致にのせて読者を日本農民の労働と信仰生活の核心に導きゆく名著である。

1977.03.08発売
話し言葉の技術
講談社学術文庫
言語の基本は話し言葉であって、書き言葉はその写しないしは延長にすぎない。しかし、戦前の国語教育は、読み書き習字を中心としており、話し言葉の教育は顧みられることもなかった。この話し言葉に初めてアカデミズムの光を当てた本書は、一方では難解とされるソシュールやイェスペルゼンの言語理論に導かれつつ、他方ではトンチ教室や漫才、落語といった学問の周縁部分(マージナリア)の援用によって目のさめるような新しい日本語学を展開する。

1977.03.01発売
モンゴルの残光
講談社文庫
あの強大をほこったモンゴル帝国。もし、日本や西欧への進出が成功裡に終わっていたなら……。物語は、元が世界を支配する、ジンギスカン紀元811年に始まる。虐げられた白人の怒りは、激しい抵抗運動となり、主人公・シグルトは、白人支配の世界を創るべく、タイムマシンで時を駆ける。彼の眼前を滔々と流れる巨大な歴史の姿を、若々しい筆致で描く、著者の処女長篇。
1977.02.25発売
画文集 挑む
講談社文庫

1977.02.25発売
キューポラのある街(2)未成年
講談社文庫
吉永小百合の主演映画で、そして演劇でも話題を呼んだ、大河小説の第2巻。定時制の女子高に進学したジュンは、働きかつ学ぶ悩みに直面する。工場の労働組合の集会に出席すると授業に遅れるし、集会は賃金のベース・アップのためのものだ。勉学も生活もジュンにとっては両方とも大切なのだ。悩みながら明日への希望を抱いて生きていく17歳。日本児童文学者協会賞に輝く不朽の名作。<全5巻>

1977.02.25発売
ビアス怪談集
講談社文庫
無気味な超自然の世界を描く世界代表怪談集。「ポーの再来」「短編の巧者」といわれるビアスの名作。人間の心に潜む超自然に対する恐怖心を鋭く捉え、簡潔直截な手法で描く! ーー悪魔の辞典で知られるビアスは、短編小説を組み立てさせれば、彼ほど鋭い技巧家は少ない。評価がポーの再来というのは、確かにこの点でも当っている。そのうえ、彼が好んで描くのは、やはりポーと同じように、無気味な超自然の世界である……と芥川龍之介をして言わしめた。ビアスの短編中、怪奇と幻想に満ちた妖異談を選び、名だたる難文を見事な新訳にしておくる。

1977.02.25発売
いとしのブリジット・ボルドー
講談社文庫
歴史的絶品である1834年産の最高級ワイン「ブリジット・ボルドー」の発見にからむ顛末を描いた表題作。「ます女バンド」なる生理用具を考案・発売して大当りしたアイディア婦人・ます女の、痛快な生き方を描いた「烈婦! ます女自叙伝」。ほかに、「電波大泥棒」「王様の白切手」など、ユーモアとペーソスあふれる4編を収める。
一滴は人間の血液三滴に匹敵し、ひとしずくは真珠一粒に相当するといわれる世にも珍なるワインをめぐる大騒動を描く表題作ほか、「烈婦! ます女自叙伝」「電波泥棒」「王様の白切手」など四編収録。

1977.02.24発売
キューポラのある街 1 ジュン
講談社文庫
鈴木ジュンは、キューポラのある街、埼玉県川口市の中学3年生。一家は貧乏な鋳物職人の父・辰五郎、いつも生活費の工面でイライラしている母・トミと、ひねくれ者の弟・タカユキ。そんな生活の中で自我に目ざめ、進学か就職かに悩むジュンの姿を、心とからだの両面から鮮烈に描いた、異色大河小説の第1巻。吉永小百合の主演で映画化もされた、日本児童文学者協会賞受賞、不朽の名作。<全5巻>

1977.02.24発売
夜になっても遊びつづけろ
講談社文庫
繊細で率直な感性、きらめきあふれた知性、イメージの豊かなことば……。それらをかろやかに駆使して、現代の青春、映像文化、風俗などを勇敢に語った、第一エッセイ集。本書は、注目をあつめる気鋭作家・金井美恵子の、たぐいまれな資質と、エッセイならではのぞけない素顔とを虚飾なく示した、好個の一巻である。

1977.02.23発売
第三ユーモア小説集
講談社文庫
留学生活を終えて帰国し、女子学生と結婚した頼りない亭主の、涙と笑いの貧乏譚「うちの女房、うちの息子」、死の臭気漂う青春を過した、2人のくたびれた中年男の哀歓を描いた「入営の日」など、ユーモアの香辛料で味つけされた10編を収録。優しい眼で静かに見守るぬくもりが、行間からほのぼのと漂い出る名編を収録。

1977.02.23発売
新書東洋史(2)中国の歴史2 世界帝国の形成 後漢・随・唐
講談社現代新書
秦・漢帝国の崩壊は、中国古代世界の解体を告げる。三国時代・五胡十六国・南北朝の動乱のなかからは新しい時代への息吹きがあらわれ、文化の型もめざましい変容をみせる。貴族階級が時代のにない手として登場し、隋・唐帝国による再統一がなされると、その潮流は大きなうねりとなって、朝鮮・日本へと波及していった。本書は、貴族階級の擡頭と世界帝国の形成を二本の柱に、中国中世社会の構造を解明し、東アジア世界を結ぶ歴史の糸を、あざやかに描き出した。
東アジア世界の成立――隋唐帝国と古代日本との“出会い”は、決して偶然の産物ではない。隋唐帝国形成の第一歩は紀元3世紀にふみ出されるが、それはまた、わが古代国家の原初形態を示す邪馬台国の時代でもあった。高句麗の出現はそれよりやや早いが、しかしそれも第1のピークである秦漢時代の終末を告げる事件であった。そして、7世紀後半、唐、奈良朝日本、統一新羅と並び立ったとき、真に東アジア世界とよぶべき歴史世界が成立したのであった。それはいわゆる隋唐世界帝国の重要な一環をなすものであるが、この国家群を1つに結びつけた歴史の糸とは、はたしてどのようなものであったであろうか。秦漢帝国の解体によって四分五裂の運命に立ち至った中国社会が、再び結合統一されて隋唐帝国を形成するその過程は、どのような原理によってみちびかれたのであろうか。――本書より

1977.02.08発売
芭蕉入門
講談社学術文庫
この道や 行く人なしに 秋の暮
松尾芭蕉はひたすらに俳諧の道を追求した人だった。芭蕉の芸術の完成までにはいくつかの曲折があった。はなやかな機知で世間の人気を集めた時期もあり、世俗への反抗心から固苦しい作品を作った時期もある。本書は芭蕉の人生行路をひとつひとつの句を追って描いている。芭蕉の俳句への入門書であると同時に、ひとりの男の生き方をも描く、芭蕉研究の第一人者による書きおろし。

1977.02.08発売
家族を中心とした人間関係
講談社学術文庫
われわれが社会生活を営むばあい、幾多の種類の「つきあい」があるが、そこには人類史上のさまざまな文化的伝統がある。それらが錯綜する現代社会の人間関係、集団構造を理解するには、基本的に「家族」をどうとらえるかが重要であろう。本書はさきにタテ社会論を提唱した著者が、広い視野から日本をはじめ諸社会の家族を社会人類学的に位置づけ、問題の所在を明らかにした書であり、日本的家族の人間関係論としても刮目の書である。