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海の向こうで戦争が始まる
1977.06.20発売
海の向こうで戦争が始まる
著:村上 龍
文芸(単行本)
きらめく夏の海の彼方、祭りの喧噪と凄惨な殺戮。悪夢の如き情景をとらえる鮮烈豊饒なイメージの躍動。『限りなく透明に近いブルー』から1年、新たな衝撃を秘める待望の長篇第1作。 読者へのメッセージ 風呂場のタイルに絡み合って貼り付いている女の髪の毛、それが青い地球の末梢神経だ。戦争はすでに始まっている。我々の頭の中にビジョンとしてではなく、宮殿として空に浮いているものでもない。戦争は、海の向こうで、また我々の目の裏側で確実に始まっているのだ。それは近代戦争しか体験のない我々の親達の想像力を越えている。僕は戦争を見た。意味を考えるのは見た後でいい。僕の見た戦争をあなた方に語りたかった。
日本語を考える
1977.06.08発売
日本語を考える
著:岩淵 悦太郎,解説:大石 初太郎,その他:蟹江 征治,装丁:米谷 誠一
講談社学術文庫
日本人の文字生活の指針たるべく、新漢字表試案が発表された。昭和55年の実施を目指し、国民各層から論議されることだろう。しかし、本当の国語問題は、現在の日本語で認識・伝達・思考・創造の4つの働きが十分に行われるかどうか、言葉としての働きを高めるため日本語をどのように発展させるべきかということだと著者は主張する。日本語に関心を持つすべての人々にとって、正しい言葉遣いと文章を知るための絶好の書である。
哲学案内
1977.06.08発売
哲学案内
著:谷川 徹三,その他:蟹江 征治,装丁:山本 輝之
講談社学術文庫
哲学はなぜ難しいと言われるか。それは、哲学に接する際の姿勢に問題がありはしないか。――著者はまず、「哲学とは」「哲学することとは」を問い直す。次いで、ソクラテス・プラトンから現代の哲学までの歩みをたどりつつ、哲学と宗教・哲学と科学・アトムとイデア・唯物論と唯心論・観念論と実在論・形相と資料・主観と客観など、哲学研究に欠くことのできない基本的諸問題を、ひとつひとつ掘り下げて語り、哲学への道を案内する。
法然と親鸞の信仰(上)
1977.06.08発売
法然と親鸞の信仰(上)
著:倉田 百三
講談社学術文庫
「信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の『拠りどころ』でなくてはならぬ」と考える著者が、法然と親鸞の信仰について、情熱をかたむけて説いた名著。本巻では、法然の生涯について語ったのち、「一枚起請文」の成立ちから奥義までをわかりやすく注釈する。
論文の書き方
1977.06.08発売
論文の書き方
著:澤田 昭夫
講談社学術文庫
論文が書けず、また研究のしかたも知らないという人が多い。本書はそうした人々に、そもそも論文を書くということは、物事を合理的に考えて、それを説得力ある言葉で表現することだ、という観点から、その方法を具体的な例を示しながら、わかりやすく説明している。本書によって読者は、どうすれば論文が書けるのかを学ぶとともに、論理的な物の考え方をも身につけることができよう。研究者や学生は勿論、一般の人々も必読の名著。
資本論入門
1977.06.08発売
資本論入門
著:宇野 弘蔵,解説:桜井 毅,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
日本のマルクス経済学研究の最高峰に位置する著者の業績は、宇野経済学の名の下に、科学とイデオロギーの峻別、原理論・段階論・現状分析の三段階論の方法、『資本論』の独自な解釈、などの特色をもつ体系として結実した。このマルクス経済学の泰斗が、『資本論』の構成と内容を論じた本書は、単なる解説的入門書ではなく、創造的研究に基づいてその解明を試みたものであり、『資本論』を深く学ぼうとする人にとって不可欠の名著である。
語られざる哲学
1977.06.08発売
語られざる哲学
著:三木 清
講談社学術文庫
名著、復刊。 「語られざる哲学」は、大正期に青春時代を送った哲学者三木清の、若き日の内省の記録であるとともに、その半生の回顧録でもある。悩ましい青春の体験を懺悔し、虚栄心、利己心、傲慢心の三者を排し、素直な心をもって、また、「外に拡がりゆく心よりも、内に向かって掘り下げてゆく心」をもって、「正しく、よく、美しく生きること」について静かに思いめぐらし、自己確立を思索した書で、三木清の哲学的人生を画するもの。他に「我が青春」を収録。
歌の絵本(1) 日本の唱歌より
1977.05.27発売
歌の絵本(1) 日本の唱歌より
編:芥川 也寸志,絵:安野 光雅
講談社の絵本
叙情ゆたかな絵でよみがえる日本の唱歌。 「ふるさと」「夏は来ぬ」「汽車」「雨ふりお月さん」など、32のなつかしい日本の唱歌に、詩情あふれる絵をそえた絵本。日本人の心のふるさとがここにあります
非ユークリッド幾何の世界
1977.05.27発売
非ユークリッド幾何の世界
著:寺阪 英孝
ブルーバックス
考える喜びをあなたに!! 平行線とは同じ平面上にあって互いに交わらない二直線のことである。ではこの平行線はどう見えるだろう?たとえば東西に真っすぐ延びた線路――この平行な二直線は地平線の一点に集まっているように見える。東を見ても西を見ても……。それでは平行線とは2つの無限遠点で交わっている直線なのだろうか?本書とともにこんな素朴な疑問を追っているうちに、いつの間にか、あなたは、幾何学とはどんな学問かを悟り、非ユークリッド幾何の世界に踏み込んでいる自分に気づくことだろう。
新書東洋史(5)中国の歴史5 人民中国への道
1977.05.27発売
新書東洋史(5)中国の歴史5 人民中国への道
著:小野 信爾,その他:杉浦 康平,装丁:鈴木 一誌
講談社現代新書
ゆらぎ始めた清朝の支配体制は、その体制が不備であった分だけ、逆に柔構造の強さを見せながら崩壊の道をゆるやかにたどっていく。列強の利害が改革派の官僚、軍閥の動きと絡まり、中国の革命運動は困難な状況のなかに置かれていた。本書は、太平天国、アヘン戦争から第二次世界大戦後の革命の成立まで、近代中国100年の曲折を描き出す。西洋近代のインパクトから生まれたさまざまな改革運動のなかで、共産主義が支持され、その革命が成就する過程を明快に分析。 五四運動の影響――五四運動を境に新文化運動は文化革命に発展した。その例証としては、大衆向け宣伝の必要と実践から口語文がこの過程で大衆的に根を下ろし、文章語としての正統の地位を確保したこと、男女同権、婦人解放の要求が高まるなかで、1920年から北京大学はじめ国立の有名大学が、女子学生に門を開いたことをあげておこう。日本の国立大学が女性に開放されたのは1946年、しかも占領軍の指示によってであったことを想起すれば、ことがらの重みが知れよう。――本書より
わが母の記
1977.05.26発売
わが母の記
著:井上 靖,解説:中村 光夫,装丁:亀倉 雄策,装画:上村 松篁
講談社文庫
老いた母を、息子の立場から暖かく描いた「花の下」、母の老耄を見据えた「月の光」、老母を棺にそっと横たえてやるようなやさしさを以て描いた「雪の面」。――独自の感覚世界に生きる老いた母の姿を、鎮魂の想いをこめつつ、澄明な筆で追求した3部作。ほかに珠玉の短編「墓地とえび芋」を収録。
宿題ひきうけ株式会社
1977.05.25発売
宿題ひきうけ株式会社
著:古田 足日,解説:阿部 信子,デザイン:亀倉 雄策,その他:久米 宏一
講談社文庫
「人間らしさ」の構造
1977.05.09発売
「人間らしさ」の構造
著:渡部 昇一,その他:蟹江 征治,装丁:石尾 利郎
講談社学術文庫
外なる道徳規範に基づいた戦前の価値体系が崩壊した現代の日本人にとって、「生きがい」というわれわれ一人一人の内なる価値体系をどうしたら建設しうるか。本書は人間の心の奥のうずきを善きものと見る性善説の立場から、人間における「機能快」の構造を科学的に考察し、現代文明の中での「人間らしさ」のあり方を新たに追求する。外国生活の経験から得た幅広い視野に立って、著者は実際的でかつ滋味豊かな人生論を独創的に展開する。
解剖学的女性論
1977.05.06発売
解剖学的女性論
著:渡辺 淳一
講談社文庫
作家でもあり医師でもある著者が、ヒステリーの女性、ウーマン・リブの女性、永遠の愛を信ずる女性、浮気な女性、レズビアンの女性、不感症な女性、嘘つきの女性など、さまざまのタイプの女性の恋愛心理を、豊富な医学・心理学的知識をもとに分析し、謎を秘めた女性の<愛の真実>に迫った異色のエッセイ。
新書東洋史(4)中国の歴史4 伝統中国の完成 明・清
1977.05.02発売
新書東洋史(4)中国の歴史4 伝統中国の完成 明・清
著:岩見 宏,著:谷口 規矩雄,その他:杉浦 康平,装丁:鈴木 一誌
講談社現代新書
モンゴル帝国・元のあとに生まれた漢民族国家・明は、永楽帝のもとに巨大版図を築きあげる。農村工業の発展は庶民文化を花開かせた。しかし、北虜南倭、宦官の跋扈は次第に帝国を蝕み、女真族による中国最後の王朝・清が中国を征服する。辯髪で強く記憶されるこの国家は、アヘン戦争で敗れるまで長く世界に君臨した。本書は、従来の政治史のみならず、社会経済の新しい動向にも配慮し、中国史が誇る成熟した500年を、ダイナミックに考察し、中国的なるものを見事に解き明かした。 モンゴル親征――永楽帝時代を特徴づけ、またそれが中国史上の1つの輝かしい時代と称される理由は、帝によってくりひろげられた大々的な対外事業にあることは多言を要しないであろう。なかでも最大の事業は、「五出三犂(さんれい)」――五たび砂漠に出で、三たび虜庭を犂す(北虜の本拠を襲う)――といって当時の人々が自讃した永楽帝によるモンゴル族討伐の戦争であった。10世紀以来、北方民族に圧倒されつづけてきた中国人にとって、帝の遠征事業は漢民族の栄光をとりもどす壮挙と感じられたのであろう。しかし遠征の内容はそれほど讃えられるべきものではなかったのである。明帝国にとって北辺防衛は、成立当初から最大の課題であった。太祖は帝国成立と同時に、モンゴル族討伐の軍をおこしたが、全面的に勝利をえたわけではなかった。――本書より
NMR入門プログラム学習
1977.04.20発売
NMR入門プログラム学習
著:J・E・ホーズ,訳:竹内 敬人
NMRはすでに学部学生用カリキュラムの重要な一環となっている。本書は初心者が順次高度な解析に馴れていけるように、周到な配慮による練習問題と解説を積み重ね、段階的・系統的に自習できるテキストである。
妖怪談義
1977.04.07発売
妖怪談義
著:柳田 國男
講談社学術文庫
われわれの畏怖というものの、最も原始的な形はどんなものだったろうか。何がいかなる経路を通って、複雑なる人間の誤りや戯れと結合することになったでしょうか。幸か不幸か隣の大国から、久しきにわたってさまざまの文化を借りておりましたけれども、それだけではまだ日本の天狗や川童、又は幽霊などというものの本質を、解説することはできぬように思います。国が自ら識る能力を具える日を気永く待っているより他はない……(自序より)
築地川・葛飾の女
1977.03.28発売
築地川・葛飾の女
芝木 好子
講談社文庫
新書東洋史(3)中国の歴史3 征服王朝の時代 宋・元
1977.03.25発売
新書東洋史(3)中国の歴史3 征服王朝の時代 宋・元
著:竺沙 雅章,その他:杉浦 康平,装丁:鈴木 一誌
講談社現代新書
唐帝国滅亡後の中国は五代十国に象徴される征服王朝が相次いで成立し、漢民族と遊牧民族との抗争の時代に入る。このめまぐるしい社会変動の中から、統一を勝ちとった宋は、生産力の増大、商人の勃興、王安石の新法と一大変革期を、つくりあげた。しかし、その間の党派争いや華北と江南の発展のひずみは、金の台頭、北宋の滅亡を招き、ふたたび中国は遊牧民族モンゴル帝国・元の支配下におかれる。本書は、この征服王朝600年の時代精神を解明する。 異民族に支配された中国――中国人はむかしから自らを夏とか中華と称して高度の文明をほこり、周辺諸民族を夷狄蛮戎(いてきばんじゅう)とよんで、軽蔑した。そして夷狄は中国に服従して文明の恩恵にあずかり、教化されるべきものとみられてきた。それが今や、中国人が「夷狄」に支配され、野蛮な異民族と見下していたものの命令に従わねばならなくなったのである。そうした境遇に身をおかねばならなくなったとき、中国の人々はどのように行動したのであろうか。さらに征服王朝の統治策が、それぞれ従来の中国諸王朝とは異なったものであるとすれば、それが中国の社会をどのように変え、後の時代にどのような影響を、及ぼしたのであろうか。われわれは600年にわたる宋・元の時代を、漢民族と異民族の対立抗争を軸にしてながめてゆきたい。――本文より
医療技術者のための物理学
1977.03.18発売
医療技術者のための物理学
著:三上 智久,著:山本 克之
メディカルエレクトロニクスの基礎としての側面を重視して、医療の実際との関連を扱うことにより学生に関心を持たせるよう配慮した。