新刊書籍
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1982.08.18発売
日本の神々
講談社現代新書
4万5000年前もの昔、ネアンデルタールは、死者の霊魂に花をささげたという。この宗教に通ずる心のはたらきは、古代日本人にも読みとることができる。ばらばらにこわされては埋められる土偶、酵母壺につけらえる蛇体把手、稲作の祭器・銅鐸、太陽を呼ぶ巫女の鏡、死者をまつる巨大な墳墓・古墳――。そこには、再生と豊饒への折りが、稲の精霊と大地と水への信仰が、太陽神・日の御子への崇拝が見てとれる。彼らは、どのように神をつくり、まつり、怖れたか。遺物や遺跡にひそむ意味を読みとることによって、その時代の人間精神を明らかにする精神史の方法から、神観念形成の跡を辿り、日本の神々をはぐくんだ古代の宗教意識を究明した意欲作。
神観念の核――古代日本人はもともと神という観念によって、火山の噴火や台風などあらゆる自然現象ならびに人間や動物や植物や巌石にあらわれる神秘な現象と対応したのである。異常な力や現象のなかに神を認める考えは、あらゆる自然現象に鋭敏な注意をむけさせるが、同時に、神を異常な力や現象のなかにひきとどめるのであった。人格神の成長ははばまれ、自然神の人格神化も不完全にとどまるほかはない。日本の神々はいずれも自然から完全に離脱できないのである。それはまた、日本の神についての理解の不安定をもたらすことになった。神について和魂と荒魂という2つの面を考えたところに、神に対応する古代日本人の不安定な理解のしかたが認められる。それは神に対して畏怖するとともに、親和しようとするところに生まれた、神の理解のしかたである。――本文より
1982.08.18発売
哲学とは何か
講談社現代新書

1982.08.09発売
ちひろへの手紙
講談社文庫
いわさきちひろ絵本美術館に備え付けのノート「ひとこと・ふたこと・みこと」94冊に書きこまれた20000人の感想文より選んだ手記150編と、「ちひろと童話」「もの想う瞳」「子どもたちへ」「平和を願って」「若き日のちひろ」「想い出のちひろ」の6つのテーマで展開する“いわさきちひろ誌上ミニ展覧会”!
1982.08.09発売
重婚
講談社文庫
1982.08.09発売
ジェフィ・ライダー物語
講談社文庫
ビートニクの詩人たちの交友を描く青春小説。1950年代のアメリカのビートニク世代を代表する著者自らの放浪体験をもとに、若き詩人たちとの出会い・友情、山小屋での共同生活等を感受性豊かに描く。

1982.08.06発売
おとぎ草子
講談社学術文庫

1982.08.06発売
自警録
講談社学術文庫
日本を代表する教育者であり国際人であった新渡戸稲造が、若い読者に人生の要諦を語りかける。人生の妙味はどこにあるか、広く世を渡る心がけは何か、全力主義は正しいのかなど、処世の指針を与える。

1982.07.14発売
大きな森の小さな家
青い鳥文庫
アメリカ西部、「大きな森」の中の小さな家に、メアリー・ローサ・キャリーの3人姉妹のいる一家がくらしていました。ときおりあらわれる、おおかみやくま、それに、きびしい大自然をあいてにたたかう生活を、きめこまやかに、いきいきとえがいた、『小さな家』シリーズ第1作。

1982.07.13発売
一絃の琴
講談社文庫
五歳で漂白の旅絵師の弾く一絃琴に魅入られた土佐の上士の娘苗は、その後の人生を琴に傾け尽す。師有伯への淡い恋心、不幸な結婚、土佐一絃琴の盛名を響かせた市橋塾、女弟子蘭子との確執。愛も憎しみも想いのすべてを一筋の糸に凝らした苗の生き方に、明治の女の矜恃と情念をみごと描出した長編小説。直木賞受賞

1982.07.12発売
風の歌を聴け
講談社文庫
1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。

1982.07.07発売
啓発録
講談社学術文庫
明治維新史を彩る橋本佐内が、若くして著した『啓発録』は、自己規範・自己鞭撻の書であり、彼の思想や行動の根幹を成す。書簡・意見書は、世界の中の日本を自覚した気宇壮大な思想表白の雄篇である。

1982.07.07発売
平家物語(五)
講談社学術文庫
治承4年6月、清盛は、福原への遷都を断行、8月、伊豆に頼朝が挙兵したとの報が、早馬によって福原へ伝えられる。頼朝の挙兵は、超人的な天性不敵の怪僧文覚(もんがく)のすすめによるものとして、頼朝と文覚の出会いにいたる挿話が語られる。頼朝追討の平家の大軍が、富士川で戦わずして敗走し、以仁王に加担した南都が、清盛の命によって攻められ、東大寺・興福寺が焼失するなど、大事件が連続するなかで、治承四年が劇的に暮れていった。

1982.07.01発売
続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い
文芸(単行本)
探しものは何ですか。ビッグ・オーに出会いましたか。
『ぼくを探しに』に続く、大人の童話Part2。
おとなを演じるのが上手な人、下手な人……。
誰もが「童心」を道連れに旅をする。
「だって角(かど)が尖ってるよ」とかけらは言う。
「角はとれて丸くなるものさ」とビッグ・オーは言う。

1982.06.25発売
源義経
牛若丸は、鞍馬山でてんぐに剣術をならい、大男の弁慶をこらしめてけらいにしました。やがて義経と名のって、平家をほろぼしましたが、さいごには、兄頼朝におわれるというかなしい運命がまっていました。

1982.06.25発売
ガリレオ
望遠鏡で天体を観測して「地動説」の正しさを証明し、「天文対話」をあらわしたガリレオは、法王庁とキリスト教こそむく者とし、宗教さいばんにかけられます……。「近代科学の父」ガリレオの感動深い伝記。

1982.06.18発売
「法華経」を読む
講談社現代新書
人間の悩み、恨み、欲望はつきるところをしらない。この世のすべてのものを肯定して、さわやかに明るく生きることはできないものか。「法華経」はいう。自分は救えなくとも、人を救えと。私利私欲をすてて生きると、見るもの聞くものみな美しくなり、さとりは、突然にやってくると。太陽や月の光が、暗いところを照らし出すように衆生の闇を滅し人々をゆったりとした絶対肯定・無限抱擁の世界へ導いてくれる「法華経」の真髄を、数々の生きざまを通して語る。宇宙的な超越世界に読者を誘う心の書。
すざまじき男――今の日本人は、憎しみには憎しみを返すという型の人間が多いが、常不軽菩薩は憎しみに対して、愛を、尊敬を、信ずることを返した。それは、「すさまじい楽天主義」だと思う。楽天主義というと人はすぐ、いいかげんとか、気楽さとか、人のよさとか、うすのろとか連想するらしいが、楽天主義とは、すさまじきものである。殺されたって、人を信じ通すという人生観を変えないのだ。人間はすばらしい。自然はすばらしい。生まれてくるってことはすばらしい。死ぬってこともすばらしい。病気になるってのもすばらしい、という風に、徹底的に信じ通すのだ。肯定、肯定、絶対肯定してゆくのだ。常不菩薩は、すさまじき楽天主義者である。私はこの頃、男というものはどこかですさまじい生き方がなくてはならぬと思いはじめている。人間はすばらしいと信じ通すすさまじさである。――本書より

1982.06.18発売
写真を撮る
講談社現代新書
子供の記念写真なら、表情の愛らしさが再現できればよい。記録写真なら、撮影者の意図を第三者に正しく伝え、作品としての組写真なら、ストーリーを語らせなければならない。写真の上手下手は、意図がどれだけ反映されているかで決まる。シャッターを切る前に、「何故撮るのか」「何を表現したいのか」をもう一度考えよう。〈書く〉〈話す〉〈撮る〉……ともに貴重な自己表現の手段である。本書は、シャッターチャンス、フレーミングの基本から記念写真、記録写真、接写、組写真のまとめ方の実践まで、コミニュケーションの手段としての写真の考え方・撮り方を写真体験四十年の著者が蘊蓄を傾けて語る。
1回の“シャッター料”は……――10万円のカメラを購入して10年間使い、そのカメラが2万円で売れたとしよう。いくらたくさんのフィルムを写そうが、ろくに使わないで戸棚のなかに眠らせておこうが、10年間で8万円を償却したわけだ。1年間にすれば8000円ということで、年にフィルム10本を写したばあいは、1本当たり800円だが、二本しか写さなければ4000円にもついてしまう。36枚撮りのカラーフィルムを写し、同時プリントでサービス判のプリントを頼んでも2000円でお釣りがくるのに、償却費を入れれば1本6000円近くについてしまう。――本書より

1982.06.18発売
遺伝子についての50の基礎知識
ブルーバックス
生命の究極をのぞきみる
ここ数年間に進歩した遺伝子科学は、私たちの思想に重要な問いかけをはじめているし、遺伝子操作技術も、人間の生活を少なからず変更させる可能性を秘めている。このような時期にあって、私たちは遺伝子科学の功罪を冷静に判断し、その進路を考えていかなければならなくなった。感覚的ないしは感情的な評価をさけるためには、どうしても分子遺伝学の原理そのものを理解しておく必要がある。そのための基礎情報を提供するのが本書である。(はじめにより)

1982.06.11発売
眠る盃
講談社文庫
「荒城の月」の「めぐる盃かげさして」の一節を「眠る盃」と覚えてしまった少女時代の回想に、戦前のサラリーマン家庭の暮しの手触りをいきいきと甦らせる表題作をはじめ、片々とした日常から鮮やかな人生を截りとる珠玉の随筆集。知的なユーモアと鋭い感性を内に包んだ温かな人柄が偲ばれるファン待望の書。

1982.06.08発売
徒然草(四)
講談社学術文庫
兼好は自在に、さまざまの話題にふれ、『徒然草』という独自の世界をくりひろげてきたが、この中で、みずからの行為をあまり語らなかった。しかし、彼は第238段で珍しく自賛のことどもを七つも並べ、第243段では、幼時の体験父とのやりとりを回想してさりげなく筆を置く。余韻の残る閉じ方である。本巻は、第183段から終章までをたどり、作者・作品についての解説、兼好の年譜、参考文献一覧を付す。(全4巻完結)