新刊書籍
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1977.03.08発売
年中行事覚書
講談社学術文庫
日本人の労働を節づけ生活にリズムを与え、共同体内に連帯感を作り出す季節の行事。本書は、各地に散在するそれらなつかしき年中行事の数々を拾い蒐め、柳田民俗学の叡知で照らした論集である。著者の比類なき学識と直観は、固くむすぼおれた古俗・伝承の糸口を鮮やかに解きほぐし、その成り立ちや隠された意味、また相互の連関を明らかにしていく。芳醇な筆致にのせて読者を日本農民の労働と信仰生活の核心に導きゆく名著である。

1977.03.08発売
話し言葉の技術
講談社学術文庫
言語の基本は話し言葉であって、書き言葉はその写しないしは延長にすぎない。しかし、戦前の国語教育は、読み書き習字を中心としており、話し言葉の教育は顧みられることもなかった。この話し言葉に初めてアカデミズムの光を当てた本書は、一方では難解とされるソシュールやイェスペルゼンの言語理論に導かれつつ、他方ではトンチ教室や漫才、落語といった学問の周縁部分(マージナリア)の援用によって目のさめるような新しい日本語学を展開する。
1977.02.25発売
画文集 挑む
講談社文庫

1977.02.23発売
新書東洋史(2)中国の歴史2 世界帝国の形成 後漢・随・唐
講談社現代新書
秦・漢帝国の崩壊は、中国古代世界の解体を告げる。三国時代・五胡十六国・南北朝の動乱のなかからは新しい時代への息吹きがあらわれ、文化の型もめざましい変容をみせる。貴族階級が時代のにない手として登場し、隋・唐帝国による再統一がなされると、その潮流は大きなうねりとなって、朝鮮・日本へと波及していった。本書は、貴族階級の擡頭と世界帝国の形成を二本の柱に、中国中世社会の構造を解明し、東アジア世界を結ぶ歴史の糸を、あざやかに描き出した。
東アジア世界の成立――隋唐帝国と古代日本との“出会い”は、決して偶然の産物ではない。隋唐帝国形成の第一歩は紀元3世紀にふみ出されるが、それはまた、わが古代国家の原初形態を示す邪馬台国の時代でもあった。高句麗の出現はそれよりやや早いが、しかしそれも第1のピークである秦漢時代の終末を告げる事件であった。そして、7世紀後半、唐、奈良朝日本、統一新羅と並び立ったとき、真に東アジア世界とよぶべき歴史世界が成立したのであった。それはいわゆる隋唐世界帝国の重要な一環をなすものであるが、この国家群を1つに結びつけた歴史の糸とは、はたしてどのようなものであったであろうか。秦漢帝国の解体によって四分五裂の運命に立ち至った中国社会が、再び結合統一されて隋唐帝国を形成するその過程は、どのような原理によってみちびかれたのであろうか。――本書より

1977.02.08発売
芭蕉入門
講談社学術文庫
この道や 行く人なしに 秋の暮
松尾芭蕉はひたすらに俳諧の道を追求した人だった。芭蕉の芸術の完成までにはいくつかの曲折があった。はなやかな機知で世間の人気を集めた時期もあり、世俗への反抗心から固苦しい作品を作った時期もある。本書は芭蕉の人生行路をひとつひとつの句を追って描いている。芭蕉の俳句への入門書であると同時に、ひとりの男の生き方をも描く、芭蕉研究の第一人者による書きおろし。

1977.02.08発売
家族を中心とした人間関係
講談社学術文庫
われわれが社会生活を営むばあい、幾多の種類の「つきあい」があるが、そこには人類史上のさまざまな文化的伝統がある。それらが錯綜する現代社会の人間関係、集団構造を理解するには、基本的に「家族」をどうとらえるかが重要であろう。本書はさきにタテ社会論を提唱した著者が、広い視野から日本をはじめ諸社会の家族を社会人類学的に位置づけ、問題の所在を明らかにした書であり、日本的家族の人間関係論としても刮目の書である。
1977.01.26発売
ぼくは王さま 1
講談社文庫

1977.01.26発売
ミステリー傑作選(7) 意外や意外
講談社文庫
ミステリーのプロ中のプロが、秀抜なアイデアと想像力を駆使して創り出した珠玉の短編推理14編。意外極まる謎解きに、あなたは成功するか?
<収録作家>山村正夫・陳舜臣・斎藤栄・戸川昌子・松本清張・小松左京・佐野洋・河野典生・三好徹・結城昌治・仁木悦子・笹沢左保・森村誠一・星新一
1977.01.25発売
<歴史ロマン傑作選> 剣鬼らは何処へ
講談社文庫

1977.01.25発売
パズル数学入門 楽しみながら学ぶために
ブルーバックス
数学の考え方が知らず身につく
●基本的パズル――やさしいが解答の考え方が大切なもの。
●算数のパズル――不用意に答えると、とんでもない落し穴が待っている。
●図形のパズル――ひらめき即解答、これこそパズルのだいご味。
●組み合わせのパズル――ケースに分類し、秩序正しく数えあげるには……。
●確率のパズル――偶然やギャンブルの勝負を数学的に明確にする。
●論理のパズル――数式を用いず論理的推論のみを用いて解けるパズル。
●諸種のパズル――既成の分野に入らない最もパズルらしいパズル。

1977.01.25発売
新書東洋史(1)中国の歴史1 中国社会の成立
講談社現代新書
藍田・北京原人以来、中国文明は世界に偉容を誇る。黄河流域の歴史上はじめての国家〈殷〉〈周〉。〈春秋〉〈戦国〉の動乱のなかから広大な大陸を統一した〈秦〉〈前漢〉。最近次々発掘される考古学の驚異的データをもとに、著者のとぎすまされた史眼はめまぐるしく変わる時代の意味と構造をシャープに解剖し、古代中国を現代にあざやかに甦らせた。中国史に偏することなくアジア全体の歴史を見とおす新書東洋史は本巻よりスタートする。
祭祀と甲骨文――殷文化の発見の緒口(いとぐち)をひらいた甲骨文とはいったいどういうものであろうか。新石器の竜山文化以来中国では広く大型哺乳動物である羊・鹿・牛・豚などの肩甲骨を使って卜占を行なう風習が見られる。肩甲骨の裏側に燃える細い木をおしつけ、一部分を急激に膨張させると、表面に亀裂ができる。その亀裂の具合で吉凶を判断した。ところが、殷の中期後半になると、哺乳動物の肩甲骨のほかに、亀の腹甲も使用するようになり、後期になると安陽や鄭州など――ただし鄭州ではまだ二、三例しか発見されていないが――では、肩甲骨や亀甲に何を卜(うらな)ったかをするどいナイフで刻って記録するようになる。それが甲骨文字であり、またほとんどの内容が卜占の内容であるので、卜辞ともよぶ。――本書より
1977.01.13発売
柳田国男―その人間と思想
講談社学術文庫

1977.01.13発売
資本主義の文化的矛盾(下)
講談社学術文庫
公共家族(パブリック・ハウスホールド)という言葉が、本書で初めて日本に紹介される。それは、今までの経済学や社会学が、個人と企業を中心に考えてきて、真剣にとりくむことのなかった第三の部門である。それはまさに脱工業化社会の中心領域である。日本でも、企業エゴ、住民エゴ、地域エゴ等と呼ばれる状況が生じてきた。争い合う権利要求のため、政治は立ち往生している。この現代的な問題を解決するのが、公共家族の理念なのである。
1976.12.21発売
見知らぬわが子
講談社文庫

1976.12.20発売
物理質問箱
ブルーバックス
読者の質問に答える本
日常、当然だと見過ごしているような事柄に対して疑問をもち、探究してゆくことから科学がはじまる。
「地球はなぜ丸いのか」
「宇宙に果てはあるのだろうか」
「ガラスはなぜ光を通すのか」
「鏡にうつる像はなぜ左右だけ反対になるのか」
「虹はどうして半円形になるのか」
素朴なだけに本質的でやっかいなこのような質問に、それぞれの専門家が回答する。

1976.12.20発売
聖書の起源
講談社現代新書
聖書は、神話と伝承につつまれた、人間歴史の壮大なドラマである。旧約聖書や新約聖書にみられる奇跡と驚異の物語は、古代オリエント地域に生きた“神々と人間”ののぞみの結晶である。聖書の起源には、土地を求めてさまようイスラエルの民がおり、神ヤハウェとの契約を成立させる土地の祭りがある。また救い主キリストの背後には、カナン地域の死と復活の神々、病気なおしの神々の系譜がある。本書は、聖書を教典としてみるのでなく、古代オリエント地域にある多くの伝承断片が、なぜ聖書へと結実していったのか、その過程と謎を解明する。
伝承文学としての聖書――聖書には旧約聖書があり、新約聖書がある。どちらも、その内容については、別個の独立した文学の集成としかいいようがない、膨大な文書の集成なのである。旧約聖書39巻、新約聖書27巻、ページ数にして1700ページをこす。もちろん一言の説明も、あとがきもない。製作年代もマチマチ、作者も多くは不明である。というより本来が作者不詳の口承文学、あるいは伝承のたぐいに属するものが多い。こうした謎につつまれた聖書を前にして、それにもかかわらず、聖書に起源があるという事実は、何という大きな魅力であろうか。この魅力のすべては、その内容から発している。――本文より

1976.12.08発売
日本の美を求めて
講談社学術文庫
日本画壇の第一人者であり、あくなき美の探求者である東山画伯が、日本の風景への憧憬と讃歌をこめて綴る随想と講演併せて五篇を収録する。少年の日から唐招提寺障壁画の揮毫に至る今日まで、遙かな旅の祈り祈りに心に映じた風景を語りつつ、自らの魂の遍歴とその芸術の秘密を明かす。祈りにも似た著者の語り口が髣髴とさせる山雲のたたずまい、濤声の響き。その清澄な余韻のうちに、日本美の根源へと読者をさそう詩的随想である。

1976.12.08発売
なぞとことわざ
講談社学術文庫
民俗学でやっている採集の綱目をあげてみると、あなたの生活ともつながりのある綱目がいくつも見出されるでしょう。ことに、いなかで育って、お年寄や親類などに取りまかれて生活をした人には、身辺に民俗学のたねが、ごろごろしているような気がするかもしれません(中略)あなたが協力できる学問があるということ──それを知ってもらいたいこともまた、この本を編集するときの1つの希望でもあったのです。──(高藤武馬氏の解説より。)

1976.12.08発売
日本語の変遷
講談社学術文庫
アイヌ語学者として、又、教科書・辞書の編者として、広く世に知られた金田一京介の日本語論。日本語の歴史を平明に説いた「日本語の変遷」、新しい国語法を提唱した「規範文法から歴史文法へ」、日本語改革に情熱を傾けた著者の仮名遣論「新国語の生みの悩み」、音韻・文法の両面から日本語を論じた「日本語の特質」の4篇から成る。その該博な学識に裏付けされた日本語論は、国語問題が国民的規模で論じられている今日、必読の好著である。

1976.12.08発売
資本主義の文化的矛盾(中)
講談社学術文庫
本書こそは、まさに現代人のための現代の社会学である。騒乱と混惑に終始した1960年代を、これほど鮮やかに分析した本はない。『イデオロギーの終焉』で登場し、『脱工業社会の到来』にいたるまで、現代社会の本質を鋭く衝いてきたダニエル・ベルが、今その思想の全貌を明らかにする。政治、経済、文化がバラバラに分解した現代への処方箋は何か。宗教こそ新たな統一の基盤であるとする本書の提案を、真剣に受けとめねばならない。