講談社学術文庫作品一覧

古代天皇制を考える 日本の歴史08
講談社学術文庫
多様な角度から照らし出す古代天皇制の実像 古代天皇制の特色とは何か。権力と権威は何によって支えられたか。七人の筆者が、朝廷儀式、天皇祭祀、文献史料の解読等、各々の専門領域からその実態に迫る。

武士の成長と院政 日本の歴史07
講談社学術文庫
武士はいかに誕生し政権掌握へと至ったのか 地方で勃発する武装蜂起の鎮圧にあたる戦士身分として登場した武士。将門・純友の乱の実態とは? 源氏と平氏の台頭と院政の横行。中世日本への過渡期を読み直す

イン イギリスの宿屋のはなし
講談社学術文庫
酒飲みと旅人にまつわる滑稽で愉快な文化史 ペテン師が横行する酒場、つけをため込む文士、追剥とつるむ宿屋の亭主等、近代英国のイン、タヴァン、エールハウスをめぐるエピソードの数々を軽妙な文章で綴る

中世・ルネサンスの音楽
講談社学術文庫
音楽の源泉、バロック以前の音楽の好解説書 心洗われる素朴な響きのグレゴリオ聖歌、吟遊詩人のうたい上げる愛のメロディ……美しい旋律で人の心の奥底を揺り動かす中世・ルネサンス音楽の世界へようこそ。

大川周明 ある復古革新主義者の思想
講談社学術文庫
「始末に困る」至誠の人の思想形成と生涯。 荘内中学から五高時代、社会主義による変革を目指した青年はやがて日本精神に目覚めアジア主義の理論家となる。指導的宣伝家として戦犯となった大川周明の評伝。

世界大恐慌 1929年に何がおこったか
講談社学術文庫
我々は、あの〈暗黒の木曜日〉に何を学ぶか。
1929年10月24日、ニューヨーク株式市場は突如、大暴落をはじめた。「暗黒の木曜日」世界大恐慌の勃発である。
株価は7分の1に下落、銀行倒産は6000件、失業者1000万人……世界経済が直面した未曾有の危機はいかにして発生したか。
当時の新聞記事やなまなましい労働者の証言などから、庶民の目に映った経済破綻と、打ち出された数々の経済政策を丹念に描き、混沌の坩堝にあった大恐慌期の米国を再現。
さらに大恐慌が日本に波及した「昭和恐慌」の実態と、井上準之助・高橋是清の経済政策についても検証を行う。
長年にわたり大恐慌期の米国経済史を研究してきた経済学者が、難解な専門用語や数式を用いずに明快に解説。
史実から何を学ぶべきかを読者に問い続ける1冊です。
*本書の原本は、1999年に講談社選書メチエより刊行されました。
●主な内容
プロローグ 大恐慌はくりかえされるか
第一章 暗黒の木曜日
第二章 市民たちの大恐慌
第三章 市場崩壊のメカニズム
第四章 ニューディールの景気刺激策
第五章 ケインズ理論への道
エピローグ 1929年のアメリカと平成不況下の日本

道長と宮廷社会 日本の歴史 06
講談社学術文庫
日本的古典文化の誕生と藤原氏の栄華の時代 日記や古文書の精緻な解読により政治・財政・文化等、古代の国家システムを解明。中国文明との交流も射程に収め探究する、美と権勢を極めた貴族政治の合理性とは

殿様と鼠小僧 松浦静山『甲子夜話』の世界
講談社学術文庫
幕政での栄達という青雲の夢破れ、47歳で平戸藩主を隠退した松浦静山は、以後82歳で没するまで、学芸に親しみ、怪談奇談に耳をそばだて、隠居仲間やお抱え相撲取り・弓職人など多彩な人々との交流を楽しんだ。老いのため息を洩らしつつ、本所下屋敷での隠居暮らしを生き生きと綴った江戸後期屈指の随筆『甲子夜話』を中心に、「老侯の時代」を活写する一級の江戸社会史。(講談社学術文庫)
江戸期屈指の随筆に綴られた切なくも愉快な隠居暮らし
幕政での栄達という青雲の夢破れ、47歳で平戸藩主を隠退した松浦静山は、以後82歳で没するまで、学芸に親しみ、怪談奇談に耳をそばだて、隠居仲間やお抱え相撲取り・弓職人など多彩な人々との交流を楽しんだ。老いのため息を洩らしつつ、本所下屋敷での隠居暮らしを生き生きと綴った江戸後期屈指の随筆『甲子夜話』を中心に、「老侯の時代」を活写する一級の江戸社会史。
※本書の原本は1991年、中央公論社より刊行されました。また、2002年に『悠悠自適』と改題のうえ平凡社より刊行されています。

ビゴーが見た明治職業事情
講談社学術文庫
激動の明治期、人々はどのような仕事をしていたのか。仏人画家ビゴーは、洋服屋、牛肉屋、鹿鳴館職員といった西洋化により登場した職業など、働く人々の姿を諷刺も交え克明に記録した。国会議員らエリート層の豪奢で珍奇な暮らしぶりとは対照的に、人口の9割を占める下流階級の人々が懸命に働く姿は、明治の格差社会を痛切に感じさせる。100点超の作品を紹介し、背景を解説する。(講談社学術文庫)
牛肉屋、人力車夫、洋服屋、国会議員……その日暮らしの庶民から超富裕層まで
諷刺画家が活写した近代化日本の働く人々
激動の明治期、人々はどのような仕事をしていたのか。仏人画家ビゴーは、洋服屋、牛肉屋、鹿鳴館職員といった西洋化により登場した職業など、働く人々の姿を諷刺も交え克明に記録した。国会議員らエリート層の豪奢で珍奇な暮らしぶりとは対照的に、人口の9割を占める下流階級の人々が懸命に働く姿は、明治の格差社会を痛切に感じさせる。100点超の作品を紹介し、背景を解説する。
ビゴーの諷刺画にも様々な職業が描かれている。たとえば雑誌『トバエ』には、諷刺の対象たる政治家や警官や富裕層だけでなく、近代社会に登場してきた新しい職業の担い手たちを多少皮肉をまじえて描いている。すなわち、キリスト教の宣教師、写真師、洋服屋、さらには乗合馬車の御者・車掌などあまり写真や絵画に記録されていない働く人々の姿がそこに見られる。(中略)ビゴーの描いた職業を分類・分析することによって明治という時代、とくに彼が滞在した明治中期という時代の様相・雰囲気を紹介してみたいと思う。――<本書「はしがき」より>

東北学/忘れられた東北
講談社学術文庫
南/北の種族=文化が相交わる境としての東北。いまだ自らの歴史や文化の核たるものが語られていない東北。稲作中心史観に養われた南からのまなざしを斥けたとき、そこには縄文的なものと弥生的なものが重層的に織りなされ北方へとつながる深い相貌が見えてくる。柳田民俗学の限界を乗り越えて「いくつもの日本」を発見するための方法的出発の書。(講談社学術文庫)
「東北学」構築への第一歩となった記念の書。南/北の種族=文化が相交わる境としての東北。自らの歴史や文化の核が未だ語られていない東北。そこに「常民」の幻像を覆し、日本を相対化する手掛かりを探る。

律令国家の転換と「日本」 日本の歴史05
講談社学術文庫
摂関制と受領が誕生した古代国家の転機とは 桓武天皇による相次ぐ遷都。中央では天皇の権威が確立し藤原氏の摂関制が成立する一方、地方では伝統的郡司層が没落。日本史の重要な転換点を複眼的に描き出す。

平城京と木簡の世紀 日本の歴史04
講談社学術文庫
日本型律令制成立への試行錯誤の百年を描く 日本が国家として成る奈良時代。大宝律令の制定、和同開珎の鋳造、遣唐使、平城宮遷都、東大寺大仏の建立……。木簡、発掘成果、文献史料で天平時代を読み直す。

日米開戦への道 避戦への九つの選択肢 (下)
講談社学術文庫
南部仏印進駐から全面禁輸以後の日米交渉。 日中戦争の泥沼から抜け出せない中アメリカとの緊張が高まる。日米諒解案、独ソ戦勃発、仏印中立化提案など、局面を変えるチャンスはなぜ生かされなかったのか。

共産党宣言・共産主義の諸原理
講談社学術文庫
世の不均衡・不平等に抗するための不朽の書 人類全体の解放をめざした共産主義思想のエッセンス。二月革命に端を発したプロレタリアートの闘争を支え続けたマニフェストを、斯界の泰斗による全訳注で読む。

比較制度分析序説 経済システムの進化と多元性
講談社学術文庫
アングロ・アメリカン型の経済システムは本当に普遍的なのか? 多様なシステムの共存が経済利益を生むような「進化」とは? そして日本はどう変革すべきか? 企業組織から国際関係まで、ゲーム理論、情報理論等を駆使して「多様性の経済利益」を追究する新しい経済学=「比較制度分析」の考え方を第一人者がわかりやすく解説する、最適の入門書。(講談社学術文庫)
アメリカ型モデルは超えられるか?企業組織をどう変えるか?
「多様性の時代」の経済学入門
アングロ・アメリカン型の経済システムは本当に普遍的なのか?多様なシステムの共存が経済利益を生むような「進化」とは?そして日本はどう変革すべきか?企業組織から国際関係まで、ゲーム理論、情報理論等を駆使して「多様性の経済利益」を追究する新しい経済学=「比較制度分析」の考え方を第一人者がわかりやすく解説する、最適の入門書。

大王から天皇へ 日本の歴史03
講談社学術文庫
王から神への飛躍はいかにしてなされたのか なぜ天下を治める「大王」たちは朝鮮半島・大陸との貪欲な関係を持ったのか。仏教伝来、大化改新、壬申の乱……。試練が支配体制を強化し、「日本」が形成される

王権誕生 日本の歴史02
講談社学術文庫
弥生・古墳時代の実態と王権誕生の謎に迫る 稲作伝来、そして、ムラからクニ、国へ。巨大墳丘墓、銅鐸のマツリ、その役割と意味は何か。王権誕生へのダイナミックな歴史のうねり、列島最大のドラマを描く。

日米開戦への道 避戦への九つの選択肢 上
講談社学術文庫
勝算乏しき戦争になぜ突入していったのか? 拡大し泥沼化する日中戦争の中、汪兆銘政権の擁立を図り、三国同盟締結、南部仏印進駐へと政策展開する日本。アメリカとの対決回避の選択肢が次々と消されてゆく。

ちんちん千鳥のなく声は
講談社学術文庫
日本人は鳥の声をどのように聴いてきたか? 「父父」とスズメが呼べば「子かあ子かあ」とカラスが応え、ホトトギスは「時過ぎにけり」と鳴いていた――万葉集から童謡まで、日本語の豊かさを鳥声でたどる。

世界史再入門 歴史のながれと日本の位置を見直す
講談社学術文庫
西欧や中国など特定の地域に偏った歴史では、人類史の筋は見えてこない。日本の歴史も世界の動きに取り込み、普遍的な視点でとらえようと試みることで、教科書や全集ではつかむことのできなかった世界史の全体像が浮かび上がる。生産力発展の過程と生存・自由・平等を求める人々の努力で形作られた人類史を辿り、現代世界の課題を見つめ直す好著。(講談社学術文庫)
壮大な世界の歴史の流れを1冊でつかむ
西欧や中国など特定の地域に偏った歴史では、人類史の筋は見えてこない。日本の歴史も世界の動きに取り込み、普遍的な視点でとらえようと試みることで、教科書や全集ではつかむことのできなかった世界史の全体像が浮かび上がる。生産力発展の過程と生存・自由・平等を求める人々の努力で形作られた人類史を辿り、現代世界の課題を見つめ直す好著。
新しい世界史を構成するためには、西ヨーロッパとかアジアとか特定の地域を中心に世界史をみるのではなく、地域や時代をこえた普遍的な価値理念を視点とする必要がある。そういう視点がなければおよそ体系的な歴史把握は不可能なのであり、そして体系的な歴史把握なしには、いま私たちが世界史のどのような時点にたち、これからどのような方向へすすもうとしているのかを知ることもできないであろう。――<本書より>
※本書の原本は、1991年地歴社より刊行されました。なお、文庫化にあたり、第8章を加筆しました。