講談社学術文庫作品一覧

藤原道長 「御堂関白記」 (下) 全現代語訳
講談社学術文庫
この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば―
三女威子を後一条天皇の中宮に立て、ついに「一家三后」を実現した道長。
宮廷での栄華が極まる一方で、その明るさに胸病、眼病が暗い影を落としはじめる。
政治から身を引き、極楽往生を願う晩年の日々。
いまに残る日記の最終条は念仏「十七万遍」であった。
平安時代最強の政治権力者の日記、ここに完結!

室町人の精神 日本の歴史12
講談社学術文庫
“混沌と酔狂の時代に、中世的秩序は崩れゆく” 三代将軍義満の治世から応仁・文明の乱まで、財政・相続・贈与・儀礼のしくみを精緻に解明し幕府の権力構造に迫る。中世から近世への転換点を生きる人々の姿とは

魔法昔話の研究 口承文芸学とは何か
講談社学術文庫
昔話、英雄叙事詩など口承文芸の本質とは? 昔話の構造、そして魔法昔話の起源を解明した口承文芸学の泰斗が、レヴィ=ストロースの批判に応え、「異常誕生」「笑わない王女」等を題材に方法論を解説する。

酒場の文化史
講談社学術文庫
石器時代の洞窟にはじまる「ドリンカーの楽園」はどう変化してきたのか? 宿屋(タヴァン)、イン、パブ、キャバレー、カフェ、ギャンゲット、ジャズ・クラブ……。19世紀から20世紀にかけて起こった酒場の革命とは? ギリシア神話、チョーサー、シェイクスピア、ディケンズ、バルザック、シムノン……。同時代の小説をも資料として読み込み、人間臭い特殊空間の変遷を活写する。(講談社学術文庫)
ドリンカーの楽園はどう進化してきたのか? きわめて人間臭い特殊空間=酒場の起源を石器時代の洞窟に求め、その変遷を描く。チョーサーの酒場、バルザックの酒場……。時代精神の鏡としての酒場を読む。

帰化人 古代の政治・経済・文化を語る
講談社学術文庫
「彼らの仕事は、日本人がしたことである」 古代日本社会を形成し新たな精神世界の展開を可能にした高度な技術・知識を伝えた集団とは何者か。5~9世紀初頭の帰化人の姿を鮮やかに描く、古代史学の金字塔

藤原道長 「御堂関白記」 (中) 全現代語訳
講談社学術文庫
平安時代最大の権力者・藤原道長が、絶頂期に記した日記を読む!
『御堂関白記』は、平安時代中期いわゆる摂関政治の最盛期を築いた藤原道長の日記である。
一条朝から三条朝へと移る中、娘彰子に続いて妍子も中宮となり、道長の宮廷での権勢はさらに増大する。
本巻では、寛弘6(1009)年以降、彰子の親王出産、天皇崩御などの出来事から、
長和2(1013)年までのさまざまな朝議・公事、神事・仏事や饗宴の様子が詳細に綴られる。
宮廷政治の世界を、平易な現代語訳で読む!

太平記の時代 日本の歴史11
講談社学術文庫
14世紀、動乱と変革の時代の諸相を描く。 建武政権の成立、皇統の分裂、足利氏の擡頭。武家の権能の拡大と日本社会の構造的変化。14世紀、動乱と変革の世に生きた人々の姿を追い、その時代相を解析する

西洋中世奇譚集成 東方の驚異
講談社学術文庫
謎のキリスト教王国を支配する「インド」の王中の王ヨハネ=プレスター・ジョンから西方の皇帝宛の書簡と、東方大遠征の途次にアレクサンドロス大王がアリストテレスに送った手紙。そこに描かれる乳と蜜の流れる東方の楽園には、黄金と象牙と宝石が溢れる壮麗な王宮が煌めく。一方で鰐皮の蟹、犬頭人など奇怪な動植物や人種が跋扈する。東方幻想に中世人の想像界の深奥を読み解く。(講談社学術文庫)
乳と蜜の流れる東方の楽園に表れた異国趣味。「インド」の王中の王ヨハネの手紙とは何か? 豊富な宝物、奇怪な動植物や人種たち。暗黒の時代=中世の人々の想像界と心性に分け入る。本邦初訳出。

日本的なもの、ヨーロッパ的なもの
講談社学術文庫
日本人は“あるべき近代”をどう模索したか 漱石、西周、西田、九鬼、和辻らの思索を通して浮かび上がるヨーロッパ近代の射程とそれを受容した近代日本の歴史的特質。日本の思想的伝統をめぐる鮮やかな考察

チベット滞在記
講談社学術文庫
大正時代のチベット、僧院生活の貴重な証言 一九一三年ラサに入り、修行すること十年余。最高学位を許された日本人が、その困難な旅路、ダライ・ラマ十三世との交流、チベットの習俗・宗教について語る。

藤原道長 「御堂関白記」 (上) 全現代語訳
講談社学術文庫
平安時代最大の権力者・藤原道長が、絶頂期に記した日記を読む!
『御堂関白記』は、平安時代中期いわゆる摂関政治の最盛期を築いた藤原道長の日記である。
長徳元(995)年、30歳で関白に准じる職・内覧に任じられたときから始まり、豪放磊落な筆致と独自の文体で描かれる宮廷政治と日常生活の様子が記されている。
平安貴族が活動した世界とはどのようなものだったのか。
自筆本・古写本・新写本などからの初めての現代語訳。

蒙古襲来と徳政令 日本の歴史10
講談社学術文庫
鎌倉幕府はなぜ「最盛期」に崩壊したのか? 衰退期をもたなかった鎌倉幕府。二度のモンゴル来襲と、朝廷との権力闘争をいかに乗り越えたか。後醍醐帝の倒幕の確信とは? 鎌倉時代史を一新する画期的論考。

不確実性の時代
講談社学術文庫
資本主義の未来を「経済学の巨人」が読む! 大恐慌、戦争、超巨大企業の支配、貧困問題……拡大する不確実性を予見した恐るべき炯眼。資本主義経済システムはどこへ行くのか? 未来のための経済思想史。

花祭
講談社学術文庫
修験者たちによって天龍川水系に伝えられ、中世に始まるとされる民俗芸能「花祭」。湯を沸かし神々に献じ、すべてを祓い清める冬の神事に、人々は夜を徹して舞い続け、神と人と鬼とが一体となる。信仰・芸能・生活・自然に根ざした祈りを今に伝える奥三河地方の神事を昭和初頭、精緻に調査し、柳田や折口にも影響を与えた、日本民俗学の古典的名著。(講談社学術文庫)
すべてを祓い清める冬の神事に人々は夜を徹して舞いつづける
信仰・芸能・生活・自然が結晶した祈りのかたち
修験者たちによって天龍川水系に伝えられ、中世に始まるとされる民俗芸能「花祭」。湯を沸かし神々に献じ、すべてを祓い清める冬の神事に、人々は夜を徹して舞い続け、神と人と鬼とが一体となる。信仰・芸能・生活・自然に根ざした祈りを今に伝える奥三河地方の神事を昭和初頭、精緻に調査し、柳田や折口にも影響を与えた、日本民俗学の古典的名著。
花祭とは、奥三河地方と称される愛知県の東栄町・豊根村・設楽町に伝わる民俗芸能である。11月から正月にかけて地区ごとに夜を徹しておこなわれ、大きな釜で湯を沸かし、その周囲でさまざまな舞が奉納される。 それゆえ、 見る者にとって 「寒い眠い煙い」 祭りとしてよく知られている。そんな一地方の小さな祭りにすぎない花祭が、なぜ注目されるのであろうか。それは、この祭りのなかに日本の信仰史や芸能史に関わる重要な問題が秘められているからなのである。……そうした大きな問題をはらむ花祭の存在を、最初に世に知らしめたのが本書の著者である早川孝太郎なのである。――<「解説」より>
※本書の原本は、1968年、岩崎美術社より刊行されました。

ことばとは何か 言語学という冒険
講談社学術文庫
時の流れや社会規範によって姿を変える「ことば」。地球上にある何千種類もの言語、変化を続けるとらえどころのない対象の本質に、言語学はどこまで迫れたのか。ソシュールをはじめとした近現代の言語学の成果を検証、理論では説明しきれない言語の特別な性質をさらけ出し、グローバリゼーションの中で現代世界が直面する言語問題にも鋭く切り込む。(講談社学術文庫)
言語学は「ことば」をどこまで理解したのか。人間と切り離せない「ことば」。その本質に言語学はどこまで迫れているのか。日本を代表する言語学者が、その成果と現代世界が直面する言語問題に鋭く切り込む。

本居宣長「うひ山ぶみ」
講談社学術文庫
師と仰ぐ賀茂真淵との生涯一度きりの対面=「松坂の夜」以来、刻苦勉励を重ねること35年。寛政10年(1798)、畢生の大作『古事記伝』を仕上げた宣長は、古学の入門書『うひ山ぶみ』を一気に書き上げた。古学の扱う範囲、学ぶ者の心構え、学問のあるべき姿、契沖に始まる近世古学の歴史的意味、古学の目的とその研究方法など、国学の大人(うし)が初学者に授けた学びの要諦とは?(講談社学術文庫)
国学の大偉人が弟子に教えた学問の要諦とは。「からごころ」を排して「やまとたましい」を堅持することで、真実の「いにしえの道」へと至ることが学問の道である。契沖に始まる国学の目的と方法を説く入門書。

頼朝の天下草創 日本の歴史09
講談社学術文庫
貴族政治から武士政治への大転換点の時代像 鎌倉幕府を成立させた源頼朝、彼はなぜ政権を掌握できたのか。古代から中世へ、京都から東国へ、天皇・公家から武士へ、日本歴史上の転換点を描き出す。

「音漬け社会」と日本文化
講談社学術文庫
機械音・放送音に溢れた社会の感受性とは? 電車・バスの車内放送、防災行政無線の呼びかけ、商店街の案内や呼び込みのアナウンスなどの「騒音」に苦痛を感じる著者。抗議は日本社会に受け入れられるのか。

いろはうた 日本語史へのいざない
講談社学術文庫
日本語表記はどのように洗練されてきたのか 千年以上の長きに亘り日本の言語文化史の中核であった「いろはうた」。そこに秘められた日本語の歴史を明らかにし、現代語表記の問題点に迫る、刺戟的な日本語論

漢詩鑑賞事典
講談社学術文庫
教養の基礎、詩情の源泉を味わう必携の事典 古来日本文化の根本であり続けた漢詩。古代の『詩経』、漢の高祖から現代の魯迅まで、さらに日本の名詩も鑑賞できる「読む事典」。「漢詩入門」など付録も充実。