講談社学術文庫作品一覧

織豊政権と江戸幕府 日本の歴史15
織豊政権と江戸幕府 日本の歴史15
著:池上 裕子
講談社学術文庫
信長、秀吉、家康……群雄が覇を競い、戦乱に明け暮れた半世紀 信長の黄金の安土築城、商業・貿易促進。秀吉の検地と刀狩と朝鮮出兵。家康の身分固定支配。三代にわたる天下統一・覇権確立の過程とは? その結果、社会構造はどう変化したのか? 戦国時代より続いた乱世の中で、民衆はどのように生き抜いたのか? 一五六八年の信長の上洛から、一六一五年の大坂夏の陣での豊臣氏滅亡までの半世紀を描きだす。
古典植物辞典
古典植物辞典
著:松田 修
講談社学術文庫
日本の主要な古典に現れる上代植物のすべて 無類の花好き、日本人は、古より花に心を寄せながら暮らしを共にしてきた。『古事記』『風土記』『万葉集』などにどんな植物が登場するかを精査し、検証を加える
ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815
ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815
著:鹿島 茂
講談社学術文庫
1789年の大革命から1815年のワーテルローの戦いまで、ナポレオンの熱狂情念が巻き起こした相次ぐ戦争による混乱と怒濤の30年。この偉大なる皇帝の傍らに、警察大臣フーシェ=陰謀情念と外務大臣タレーラン=移り気情念なかりせば、ヨーロッパは異なる姿になったにちがいない。情念史観の立場から、交錯する三つ巴の心理戦と歴史事実の関連を丹念に読解し、活写する。(講談社学術文庫) 情念史観で読み直す革命とナポレオンの時代。熱狂=ナポレオン、陰謀=フーシェ、移り気=タレーラン。3人の男の情念が、絡み合い、ぶつかり合い、革命からワーテルローの戦いまでの激動期を生み出した。
電子あり
周縁から見た中世日本  日本の歴史14
周縁から見た中世日本  日本の歴史14
著:大石 直正,著:高良 倉吉,著:高橋 公明
講談社学術文庫
列島「周縁」に湧き上がる活力、繁栄、交流 12~15世紀、奥州十三湊、琉球王国、南西の海域世界では、交易を基盤とした自立的な権力が生まれていた。京都中心の国家の枠組を越えた、もう一つの中世史。
一揆と戦国大名  日本の歴史13
一揆と戦国大名  日本の歴史13
著:久留島 典子
講談社学術文庫
日本史の中で最も激しく社会が動いた時代。 室町幕府の権威の失墜、荘園公領制の変質と、中世社会の中央集権的な性格が崩れ始める。民衆が自立性を強め守護や国人が戦国大名へと成長する時代の動きを分析。
イブン・ジュバイルの旅行記
イブン・ジュバイルの旅行記
著:イブン・ジュバイル,その他:藤本 勝次,その他:池田 修
講談社学術文庫
 本書は通称「イブン・ジュバイルの旅行記」、原題「旅路での出来事に関する情報覚え書き」の全訳です。才智あふれるジュバイルが美文で綴ったこの「旅行記」は、12~13世紀にあっては優れたメッカ巡礼案内として広く読まれ、また後にはイブン・バットゥータ(14世紀)などの旅行記のお手本とされ、多くの旅行記編者が都市の記述を「借用」してきました。そして現在、中世イスラム社会の事情を知る上では欠かせない、貴重な文献となっています。  敬虔なイスラム教徒で、ムワッヒド朝のグラナダ太守に書記として仕えていたジュバイルは、太守が戯れに「酒盃七杯飲むべし」と下した厳命に抗えず、禁を犯してしまいます。それを悔いた太守が盃七杯に金貨を満たして与えると、ジュバイルは罪を償うためにその金貨を元手にメッカ巡礼に旅立ちました。キリスト教徒の巡礼者と同船してアレクサンドリアへ。メッカでは大モスクやカアバ神殿の威容に触れ、メディナからバグダッドへ。そして「東方の真珠」ダマスクスでウマイヤ大モスクに圧倒され、十字軍支配下にあったエルサレムでは、かのサラーフ・アッディーン(サラディン)の勝利の目撃談に触れる……。ベドウィンの襲撃、船の難破に遭うなど、艱難辛苦の旅を詳述した「旅行記」ですが、十字軍時代の地中海東方事情を知るための基本図書でもあります。 〈原本:『旅行記』関西大学出版部、1992年〉 【目次より】 まえがき(監訳者による) 1 グラナダ~エジプト 2 メッカ巡礼 3 聖都メッカ 4 メディナ~バグダード 5 マウシル~アレッポ 6 ダマスクス 7 アッカ 8 シチリア~アンダルス
電子あり
ケガレ
ケガレ
著:波平 恵美子
講談社学術文庫
民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。(講談社学術文庫) 本人の民間信仰に深く浸透していた「不浄」の観念とは? 民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。 文化人類学では、人間の文化は自分たちを取り巻く世界を構造化するものであるとする。その構造は、その文化を担う人々によって明示されている。それとは気づかぬまま、人々はその構造に従って認識し行動する。優劣を付けたり、差異化さらには差別したり、グループ分けしたり、強い関係、弱い関係を結んだり、関係を結ぶことを拒否したりする。少くとも、1980年代までの日本文化では、世界を構造化する大黒柱にケガレという指標を用いていたといえる。ケガレは差異化のもっともわかりやすい、そして、時には感情に訴え、身体反応までも引き起す強い指標であった。――<「学術文庫版まえがき」より> ※本書の原本は、1985年、東京堂出版より刊行されました。
電子あり
タテ社会の力学
タテ社会の力学
著:中根 千枝
講談社学術文庫
日本では法よりも社会的規制によって人々の行動は律される。『タテ社会の人間関係』で著者が提示した〈タテ社会〉というモデルを動かすメカニズムを、全人格的参加、無差別平等主義、儀礼的序列、とりまきの構造など、興味深い事例で解明、日本社会のネットワークを鮮やかに描き出す。外的変化に柔軟に対応する軟体動物的構造の再認識に国際化の扉は開く。(講談社学術文庫) 全人格的参加・無差別平等主義・儀礼的序列・とりまきの構造―― 日本の社会構造にはたらくダイナミズムとは何か 日本では法よりも社会的規制によって人々の行動は律される。『タテ社会の人間関係』で著者が提示した〈タテ社会〉というモデルを動かすメカニズムを、全人格的参加、無差別平等主義、儀礼的序列、とりまきの構造など、興味深い事例で解明、日本社会のネットワークを鮮やかに描き出す。外的変化に柔軟に対応する軟体動物的構造の再認識に国際化の扉は開く。 私たちの社会生活に規制が働き、全体の治安が維持されているのは、個々人が小集団的規制に常に従い、全体が力学的にバランスをとろうとする動きをもっているからといえよう。こうした社会に育まれた私たち日本人は、規制というものを肌で感じながら行動しているといえよう。日本社会においては、社会的規制が法規制の機能まで包含していると解釈できる。こうした世界になれていると、法のきびしさを忘れがちである。否、知らないで過すことも可能である。――<本書より>
電子あり
藤原道長 「御堂関白記」 (下) 全現代語訳
藤原道長 「御堂関白記」 (下) 全現代語訳
訳:倉本 一宏
講談社学術文庫
この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば― 三女威子を後一条天皇の中宮に立て、ついに「一家三后」を実現した道長。 宮廷での栄華が極まる一方で、その明るさに胸病、眼病が暗い影を落としはじめる。 政治から身を引き、極楽往生を願う晩年の日々。 いまに残る日記の最終条は念仏「十七万遍」であった。 平安時代最強の政治権力者の日記、ここに完結!
電子あり
室町人の精神 日本の歴史12
室町人の精神 日本の歴史12
著:桜井 英治
講談社学術文庫
“混沌と酔狂の時代に、中世的秩序は崩れゆく” 三代将軍義満の治世から応仁・文明の乱まで、財政・相続・贈与・儀礼のしくみを精緻に解明し幕府の権力構造に迫る。中世から近世への転換点を生きる人々の姿とは
魔法昔話の研究  口承文芸学とは何か
魔法昔話の研究  口承文芸学とは何か
著:ウラジーミル・プロップ,訳:齋藤 君子
講談社学術文庫
昔話、英雄叙事詩など口承文芸の本質とは? 昔話の構造、そして魔法昔話の起源を解明した口承文芸学の泰斗が、レヴィ=ストロースの批判に応え、「異常誕生」「笑わない王女」等を題材に方法論を解説する。
酒場の文化史
酒場の文化史
著:海野 弘
講談社学術文庫
石器時代の洞窟にはじまる「ドリンカーの楽園」はどう変化してきたのか? 宿屋(タヴァン)、イン、パブ、キャバレー、カフェ、ギャンゲット、ジャズ・クラブ……。19世紀から20世紀にかけて起こった酒場の革命とは? ギリシア神話、チョーサー、シェイクスピア、ディケンズ、バルザック、シムノン……。同時代の小説をも資料として読み込み、人間臭い特殊空間の変遷を活写する。(講談社学術文庫) ドリンカーの楽園はどう進化してきたのか? きわめて人間臭い特殊空間=酒場の起源を石器時代の洞窟に求め、その変遷を描く。チョーサーの酒場、バルザックの酒場……。時代精神の鏡としての酒場を読む。
電子あり
帰化人 古代の政治・経済・文化を語る
帰化人 古代の政治・経済・文化を語る
著:関 晃
講談社学術文庫
「彼らの仕事は、日本人がしたことである」 古代日本社会を形成し新たな精神世界の展開を可能にした高度な技術・知識を伝えた集団とは何者か。5~9世紀初頭の帰化人の姿を鮮やかに描く、古代史学の金字塔
藤原道長 「御堂関白記」 (中) 全現代語訳
藤原道長 「御堂関白記」 (中) 全現代語訳
訳:倉本 一宏
講談社学術文庫
平安時代最大の権力者・藤原道長が、絶頂期に記した日記を読む! 『御堂関白記』は、平安時代中期いわゆる摂関政治の最盛期を築いた藤原道長の日記である。 一条朝から三条朝へと移る中、娘彰子に続いて妍子も中宮となり、道長の宮廷での権勢はさらに増大する。 本巻では、寛弘6(1009)年以降、彰子の親王出産、天皇崩御などの出来事から、 長和2(1013)年までのさまざまな朝議・公事、神事・仏事や饗宴の様子が詳細に綴られる。 宮廷政治の世界を、平易な現代語訳で読む!
電子あり
太平記の時代  日本の歴史11
太平記の時代  日本の歴史11
著:新田 一郎
講談社学術文庫
14世紀、動乱と変革の時代の諸相を描く。 建武政権の成立、皇統の分裂、足利氏の擡頭。武家の権能の拡大と日本社会の構造的変化。14世紀、動乱と変革の世に生きた人々の姿を追い、その時代相を解析する
西洋中世奇譚集成 東方の驚異
西洋中世奇譚集成 東方の驚異
著:逸名作家,訳・解説:池上 俊一
講談社学術文庫
謎のキリスト教王国を支配する「インド」の王中の王ヨハネ=プレスター・ジョンから西方の皇帝宛の書簡と、東方大遠征の途次にアレクサンドロス大王がアリストテレスに送った手紙。そこに描かれる乳と蜜の流れる東方の楽園には、黄金と象牙と宝石が溢れる壮麗な王宮が煌めく。一方で鰐皮の蟹、犬頭人など奇怪な動植物や人種が跋扈する。東方幻想に中世人の想像界の深奥を読み解く。(講談社学術文庫) 乳と蜜の流れる東方の楽園に表れた異国趣味。「インド」の王中の王ヨハネの手紙とは何か? 豊富な宝物、奇怪な動植物や人種たち。暗黒の時代=中世の人々の想像界と心性に分け入る。本邦初訳出。
電子あり
日本的なもの、ヨーロッパ的なもの
日本的なもの、ヨーロッパ的なもの
著:大橋 良介
講談社学術文庫
日本人は“あるべき近代”をどう模索したか 漱石、西周、西田、九鬼、和辻らの思索を通して浮かび上がるヨーロッパ近代の射程とそれを受容した近代日本の歴史的特質。日本の思想的伝統をめぐる鮮やかな考察
チベット滞在記
チベット滞在記
著:多田 等観,編:牧野 文子
講談社学術文庫
大正時代のチベット、僧院生活の貴重な証言 一九一三年ラサに入り、修行すること十年余。最高学位を許された日本人が、その困難な旅路、ダライ・ラマ十三世との交流、チベットの習俗・宗教について語る。
藤原道長 「御堂関白記」 (上) 全現代語訳
藤原道長 「御堂関白記」 (上) 全現代語訳
訳:倉本 一宏
講談社学術文庫
平安時代最大の権力者・藤原道長が、絶頂期に記した日記を読む! 『御堂関白記』は、平安時代中期いわゆる摂関政治の最盛期を築いた藤原道長の日記である。 長徳元(995)年、30歳で関白に准じる職・内覧に任じられたときから始まり、豪放磊落な筆致と独自の文体で描かれる宮廷政治と日常生活の様子が記されている。 平安貴族が活動した世界とはどのようなものだったのか。 自筆本・古写本・新写本などからの初めての現代語訳。
電子あり
蒙古襲来と徳政令 日本の歴史10
蒙古襲来と徳政令 日本の歴史10
著:筧 雅博
講談社学術文庫
鎌倉幕府はなぜ「最盛期」に崩壊したのか? 衰退期をもたなかった鎌倉幕府。二度のモンゴル来襲と、朝廷との権力闘争をいかに乗り越えたか。後醍醐帝の倒幕の確信とは? 鎌倉時代史を一新する画期的論考。