講談社学術文庫作品一覧

縄文の生活誌 日本の歴史01
講談社学術文庫
発掘で見えてきた列島の豊かさと知恵の結晶 後期旧石器時代人の遊動生活から縄文人の定住生活へ。自然の恵みとともに生きた古代人の生活、そして生と死を、最新の研究成果に基づき豊富な図版で平易に解説。

「日本」とは何か 日本の歴史00
講談社学術文庫
講談社版日本の歴史シリーズ待望の文庫化。 2000年月より刊行されたシリーズ26巻を学術文庫に収録。初巻は網野善彦氏が取り組んだ課題の集大成。この国のカタチを描ききり読書会に反響を呼んだ力作。

モーツァルト=翼を得た時間
講談社学術文庫
軽やかに飛翔する音楽の秘密、名演の聴き方 「休みなく、天衣無縫の遊動を続ける」音楽。そこに刻みこまれる「永遠」。なぜかくも素晴らしいのか。どう「再現」されるべきか。多彩で贅沢なモーツァルト論。

戦国の作法 村の紛争解決
講談社学術文庫
中世の村はひたすら明るかったのか。あるいは村の隅々にまで戦国大名の支配が浸透していたのか――実態は「自力」のさまざまな発動が織りなされる熟した社会であった。村同士の争い事の際の言葉戦いという挑戦の作法、暴力の回帰や反復を避けるための人質・わびごとの作法、また犯罪解決のための自検断の作法などを検証し、中世の村の実相に迫る。(講談社学術文庫)
村内部、村同士の紛争や事件解決の方法。 山争い、盗み、放火、殺人などの処理に用いられる自検断の作法。若衆を中心とした武装の態勢、おとなの判断による発動など、14~17世紀の村の実相に迫る。

十八史略
講談社学術文庫
神話伝説の時代から南宋滅亡までの中国の歴史を1冊に集約した『十八史略』。「臥薪嘗胆」「鶏鳴狗盗」「三顧の礼」など、そこには人生を生きる知恵が煌めいている。太公望、韓信、孫ピン、諸葛孔明、関羽をはじめ躍動する多彩な人物、飛び交う権謀術数、織りなされるさまざまな悲喜劇――。簡潔な記述で面白さ抜群、中国の歴史・文化理解のための必読書。(講談社学術文庫)
神話伝説の時代から南宋滅亡まで
歴史と叡智が凝縮した中国理解のための必読書
神話伝説の時代から南宋滅亡までの中国の歴史を1冊に集約した『十八史略』。「臥薪嘗胆」「鶏鳴狗盗」「三顧の礼」など、そこには人生を生きる知恵が煌めいている。太公望、韓信、孫ピン、諸葛孔明、関羽をはじめ躍動する多彩な人物、飛び交う権謀術数、織りなされるさまざまな悲喜劇――。簡潔な記述で面白さ抜群、中国の歴史・文化理解のための必読書。

本願寺
講談社学術文庫
日本史に大きな足跡を残す真宗本願寺の歴史 中世から時代を超え発展してきた教団。親鸞の跡目争い、大教団完成、信長との抗争、東西分裂等、社会・政治状況と絡まって展開してきた歴史を客観的に考察する。

「朱子語類」抄
講談社学術文庫
儒教・仏教・道教を統合した「新儒教」=朱子学。創始者朱熹(1130~1200)の発言を弟子が書き留めた『朱子語類』。巻1「理気」から巻140「詩」にいたる膨大な書は、万物の原理を求め、縦横無尽に哲学を展開する。理とは? 気とは? 「性即理」とは? 宇宙の一部である人間は、いかにして善をなしうるのか? 近世以降の東アジアを支配した思想を改めて読み直す。(講談社学術文庫)
中世より日本思想の背骨になった朱子学とは。儒教・仏教・道教を統合した「新儒教」=朱子学。宇宙から人間まで万物の原理を対象とする哲学とは? 理とは? 気とは? 礼とは? 善なる人間への道を示す。

隋唐世界帝国の形成
講談社学術文庫
中国中世社会はいかに「古代」を超克したか 後漢解体以後、三国時代、五胡十六国・南北朝を経て隋唐帝国の再統一に至るまで、五百年に及ぶ動乱の歴史のうねりを国家理念・文化と一体的に論じた画期的名著。

殉死の構造
講談社学術文庫
主君を追って死を選んだ武士の心情とは? 殉死は献身の道徳、忠誠心ゆえの行為だったのか。『阿部一族』の事件を契機に、近世武家社会の殉死者たちの行動を丹念に考証し、意外な殉死の本質を抉り出す。

芭蕉二つの顔 俗人と俳聖と
講談社学術文庫
芭蕉前半生の空白に切り込む画期的な論考。 俗世を捨て数珠を携えて奥の細道を旅する晩年の姿。対照的に、算勘の心得を武器に処世に長け、伊達を好んだ若き日の姿。青壮年時代、桃印・寿貞との関係に迫る。

トロイア戦争全史
講談社学術文庫
トロイア戦争の全貌を伝える144話の物語。壮大なギリシャ神話の一大要素、トロイア戦争を主題とするギリシャ、ラテンの古典作品は数多い。しかし、いずれもが戦争の一部を記すのみで、その全容を語るものはない。本書は、これら古典群の記述をジグソーパズルを組み上げるように綴り合わせ、発端から終焉に至るまで、戦争の推移と折々のエピソードを網羅して、その全貌を描いた物語である。(講談社学術文庫)
ギリシャ古典を基に綴るトロイア戦争の全貌。トロイア戦争を主題とする古典をあまた渉猟し、それらが断片的に記した要素を集合。エピソードを豊富にちりばめ、戦争の発端から終焉までを描く書き下ろし力作。

東アジア世界の歴史
講談社学術文庫
「東アジア」と呼ばれる世界・文化圏とは? 漢字文化、儒教、律令制、仏教、中国との冊封関係を指標として捉えられる諸地域。中国・朝鮮・日本・ベトナム・北方・西域が交錯する歴史のダイナミズムを概説。

時とはなにか 暦の起源から相対論的“時”まで
講談社学術文庫
人々の生活の基本にあり、日常を区切り律する「時」。その成り立ちや仕組みはあまり知られていない。幾多の不備があっても習慣として使い続けられる暦がある一方、高い精度が求められ原子単位となっていく「時」もある。一体「時」はどのように決められているのか。先人たちが苦労を重ね定めてきた歴史とともに、現代的な観点も含めて、「時」の専門家が壮大なテーマを易しく解説する。(講談社学術文庫)
時はどのように定められ、使われてきたか。人は時を測り、定め、保ち、利用してきた。日々の生活に密着した「時」は、どのような歴史を経て決められたのか。その道程や概念を時の専門家が易しく解説する。

ヨーロッパ人の見た幕末使節団
講談社学術文庫
使節団38名は訪問国でいかに迎えられたか 文久2年(1862)、天正年間以来250年ぶりの欧州への使節団派遣。「初めての日本人」を現地の目はどう捉えたのか。英・独・露の報道からその反響を探る。

山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰
講談社学術文庫
蛇と猪。なぜ山の神はふたつの異なる神格を持つのか? 日本古来の社の祭神の起源は、祖霊としての蛇神であった。6~7世紀、中国から将来された易・五行による新たな神々が、原始蛇信仰の神々と混淆し、山の神は複雑な相貌をもつようになる。神島の「ゲーターサイ」、熊野・八木山の「笑い祭り」、御田神社の「烏喰神事」などの祭りや習俗を渉猟し、山の神にこめられた意味を読み解く。(講談社学術文庫)
蛇と猪。なぜ山の神は二つの神格を持つのか。蛇はたんに「水の神」ではない。山=蛇は死と再生を司り、荒神、宇賀神ともなる。易・五行において山の神は、陰の極として亥となり、あらゆる生命の初発を担う。

病が語る日本史
講談社学術文庫
平安時代の人々は病気に罹ると怨霊・物の怪の所為とそれにおびえ、加持祈祷を大々的に行った。また仏教の伝来、遣唐使の派遣は海外の伝染病をもたらした。そして疾病の蔓延は人々を苦しめ、政治を動かし、大きく変えもした。
寄生虫に冒され、結核やポリオも病んだ縄文・弥生の人々、贅沢病ともいえる糖尿病で苦しんだ藤原家一族、江戸時代猛威をふるったインフルエンザやコレラ。
その他、天然痘、麻疹、梅毒、眼病、脚気など、各病気と当時の人びとがいかに闘ってきたかを、歴史上の事件、有名な人物の逸話を交え、〈病〉という視点を軸に展開していきます。
日本武尊の死因・脚気の原因はいつ明らかにされたか?
もし武田信玄がガンで急死しなかったら?
具体的な謎解きをまじえ、読者の興味を引き付けながら、それらの病が日本の歴史に及ぼした影響をさぐってゆきます。
医学史研究の第一人者が語る病気の文化史であり病気の社会史です。
原本 『病が語る日本史』講談社、2002年刊
●主な内容
第一部 病の記録
骨や遺物が語る病/古代人の病/疫病と天皇/光明皇后と施療/糖尿病と藤原一族/怨霊と物の怪/マラリアの蔓延/寄生虫との長いつきあい
第二部 時代を映す病
ガンと天下統一/江戸時代に多い眼病/万病のもと風邪/不当に差別されたらい・ハンセン病/脚気論争/コレラの恐怖/天然痘と種痘/梅毒の経路は?/最初の職業病/長い歴史をもつ赤痢/かつては「命定め」の麻疹
第三部 変わる病気像
明治時代のガン患者/死病として恐れられた結核/ネズミ買い上げ--ペスト流行/事件簿エピソード/消えた病気/新しく現れた病気/平均寿命と死生観
関連文献
あとがき

ペリリュー・沖縄戦記
講談社学術文庫
大ヒットのドラマ・シリーズ『ザ・パシフィック』の原作!「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。硫黄島に匹敵する損害率を記録した一九四四年秋のペリリュー島攻略戦、そして四五年春の沖縄上陸戦。二つの最激戦地でアメリカ海兵隊の一歩兵が体験した「栄光ある戦争」の現実とは?おびただしい生命を奪い、人間性を破壊する戦争の悲惨を克明に綴る、最前線からの証言。
大ヒットのドラマ・シリーズ『ザ・パシフィック』の原作!
「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。
硫黄島に匹敵する損害率を記録した一九四四年秋のペリリュー島攻略戦、そして四五年春の沖縄上陸戦。
二つの最激戦地でアメリカ海兵隊の一歩兵が体験した「栄光ある戦争」の現実とは?
敵味方を問わずおびただしい生命を奪い、人間性を破壊する戦争の悲惨を克明かつ赤裸々に綴る、最前線からの証言。
私はアメリカ第一海兵師団第五連隊第三大隊K中隊の一員として、中部太平洋にあるパラオ諸島のペリリュー島と、沖縄の攻略戦に参加した。
本書はその訓練期間と戦場における体験を記したものである。
(中略)
一人として無傷で帰還することはできなかった。多くは生命を、そして健康を捧げ、正気を犠牲に捧げた者もいる。
生きて帰ってきた者たちは、記憶から消し去ってしまいたい恐怖の体験を忘れることはできないだろう。(本書「はしがき」より)

西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇
講談社学術文庫
西洋史の泰斗ジャック・ルゴフが「先駆的民俗学者」と呼んだティルベリのゲルウァシウスによる奇譚集。南フランス、イタリアを中心にイングランドやアラゴンなどの不思議話を129篇収録。幽霊、狼男、人魚、煉獄、妖精、魔術師……。奇蹟と魔術の間に立つ《驚異》は「人間と世界の在り方の反省へと、謙虚に誘う」神聖な現象だった。中世人の精神を知るために必読の第1級史料。(講談社学術文庫)
奇蹟と魔術の間に立つ《驚異》は教訓となる。幽霊、狼男、人魚、煉獄、妖精、魔術師……。ここに収録されたのは「科学的驚異」である。自然でありながら、理解を超えた真実が、中世人の精神を陶冶したのだ。

江戸城 将軍家の生活
講談社学術文庫
豪族・江戸氏の館から皇居へ
比類なき最大の巨城の800年
12世紀半ば、草深い原野に館を設けた豪族江戸氏。以来、太田氏、上杉氏、北条氏、徳川氏、そして皇室へと、主を替え姿を変え、保たれてきた江戸城。江戸時代に全国の技術・労力を結集して築かれた城の壮大さと、歴史に占める重みとは他に類を見ない。その築城術や、政庁として、将軍の居城としての役割、城内の生活なども含め、現在は姿なき巨城を様々な視点から概観した好著。
※本書の原本は、1964年に中央公論社から刊行されました。

文化の型
講談社学術文庫
アポロ型文化とディオニソス型文化
『菊と刀』に先立つベネディクトの文化論
『菊と刀』で知られる著者の代表作。北アメリカ、メラネシアの3つの未開社会の文化を分析し、それらの性質が秩序や慎みをもつアポロ型と、陶酔や興奮を伴うディオニソス型であることを明らかにする。併せて、人類学の相対主義的立場、文化の多様性、社会の性格、個人と文化の関係等にも論及。「文化とパーソナリティ」の問題の先駆をなした書である。