講談社学術文庫作品一覧

ゴンチャローフ日本渡航記
ゴンチャローフ日本渡航記
著:イワン.アレクサンドロヴィチ・ゴンチャローフ,訳:高野 明,訳:島田 陽
講談社学術文庫
ロシア文豪の眼に映る幕末日本の庶民の姿 会談ともてなしの風景 1853年8月、通商を求めるプチャーチン提督の秘書官として長崎に来航したゴンチャローフ。通詞を介しての奉行とのやりとり、さらに幕府全権・筒井政憲、川路聖謨らとの交渉が進められてゆく。傑作『オブローモフ』作者の目に、日本の風景、文化、庶民や役人の姿はどう映ったのか。鋭い観察眼と洞察力にユーモアを交え、芸術的に描かれる幕末模様。 日本人の間には2、3人の老人たちもいた。彼らは股引をはいていた。つまり、彼らの両足は上の方まで青い布地で包まれ、みんな同じ脚絆をつけ草鞋をはいていた。短い合羽もまた青色であった。「これは一体どういう連中ですか」とたずねると、「兵卒たちです」という。兵卒だと!わが国でいう兵卒とは、まるで正反対の思いもよらない代物である。――<本書より> ※本書は1969年刊『ゴンチャローフ日本渡航記』雄松堂出版を底本としました。
漢字道楽
漢字道楽
著:阿辻 哲次
講談社学術文庫
甲骨文字からIT時代の漢字まで 「漢字の宇宙」に遊ぶ 「巨」の部首は?「卍」は何画?「布什」とはどこの大統領?――3000年以上昔の甲骨文字の時代から、漢字はどのように造られ、生活をうるおし、文化圏を広げてきたか。そしてIT時代の情報伝達をいかに担っていくか。漢字に囲まれて育った著者がその魅力と歴史と未来への可能性を語り尽くす、ユニークな漢字文化論。 教師という職業柄もあって、漢字が嫌いだという人を何人も近くで眺めてきた。そして漢字嫌いの人にあうたびごとに、漢字をめぐるおもしろさについて語ってきたつもりである。その試みは成功したこともあれば、そうでなかったこともある。しかしここではお堅い話は抜きにして、おおらかに漢字の世界を楽しんでいただきたい。そう念じつつ、私はこの本を書いた。「漢字道楽」と名づけたゆえんである。――<本書「プロローグ 漢字ブーム」より>
事典の語る日本の歴史
事典の語る日本の歴史
著:大隅 和雄
講談社学術文庫
「知」はいかに集成・分類され伝えられたか 道真が心血を注いだ『類聚国史』、初の日本語辞書『倭名類聚抄』、武士の教科書『太平記』、近世和学の集大成『古事類苑』……日本人の精神の系譜を類書に辿る。
榎本武揚 シベリア日記
榎本武揚 シベリア日記
著:榎本 武揚,編:講談社
講談社学術文庫
明治11年、2ヵ月かけての13000キロのシベリア横断の旅。幕臣・明治高官として活躍した榎本武揚の綴った日記は貴重な資料である。実地の踏査、綿密な観察、古馬車に揺られながらの克明な記述、19世紀末のシベリアの実情がつぶさに紹介される。本日記に関連する書簡3通と、幕府留学生としてオランダへ向かう船中で綴った「渡蘭日記」も付す。(講談社学術文庫) 実地の踏査、綿密な観察 明治11年のシベリアの実情を綴る明治高官の隠れた日記 明治11年、2ヵ月かけての13000キロのシベリア横断の旅。幕臣・明治高官として活躍した榎本武揚の綴った日記は貴重な資料である。実地の踏査、綿密な観察、古馬車に揺られながらの克明な記述、19世紀末のシベリアの実情がつぶさに紹介される。本日記に関連する書簡3通と、幕府留学生としてオランダへ向かう船中で綴った「渡蘭日記」も付す。 (榎本武揚の)生涯は、終始波瀾に富み、また一方ならぬ辛酸を嘗めたことは、彼がいかに国家に尽くすところが大であり、かつその活躍がいかに常人の追従を許さぬものであったかを物語っている。ここに収録せる「西比利亜日記」と「渡蘭日記」の2篇は、日本海軍の黎明期であると共に、夜明け前の日本の姿を記録せるまことに貴重な文献である。しかも忠実な記録の行間に溢るる先駆者の熱情は、涙ぐましいものがあり、武揚榎本の真骨頂を窺うに足る好個の資料でもある。――<本書「両日記の解説」より>
日蓮「立正安国論」
日蓮「立正安国論」
その他:佐藤 弘夫
講談社学術文庫
あいつぐ異常気象・疫病・飢饉・大地震、そして承久の乱。荒廃する国土をもたらしたのは、正法が廃れ、邪法=専修念仏がはびこる仏教界の混迷である。日蓮は、社会の安穏実現をめざし、具体的な改善策を「勘文」として鎌倉幕府に提出したのが『立正安国論』である。国家主義と結びついてきた問題の書を虚心坦懐に読み、「先ず国家を祈って須らく仏法を立つべし」の真意を探る。(講談社学術文庫) 国家主義から解放し、虚心坦懐に真意に迫る 地震・疫病・飢饉そして承久の乱。専修念仏の流行による仏教の大衆化。国家存亡の危機にあたり、日蓮が鎌倉幕府に対して提出した社会安穏の意見書を徹底的に精査
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パラダイムとは何か  クーンの科学史革命
パラダイムとは何か  クーンの科学史革命
著:野家 啓一
講談社学術文庫
トーマス・クーンという名前を知らない人でも、また科学史や科学哲学などの分野に縁のない人でも、「パラダイム」という言葉なら聞いたことがあるに違いありません。 いまや日常語として「物の見方」「考え方の枠組み」の意味で使われているこの言葉は、もともと1962年刊『科学革命の構造』というクーンの著書の中で語られたもので、「一定の期間、研究者の共同体にモデルとなる問題や解法を提供する一般的に認められた科学的業績」を意味していました。 この概念は、それまでの「科学革命は17世紀に起きた1回きりの大事件」という科学史の常識を覆す衝撃的なもので、「<科学>を殺した」といわれたほど、大きな影響を及ぼしました。 パラダイム・シフトは歴史上何回も起こり、それは社会・文化の歴史と密接な関係があるとするクーンの見方は、フーコーが人文科学的知の布置の変化を考古学的方法によって解き明かしたと同じスタンスで、「知」の連続的進歩という通念を痛撃しています。 本書は二十世紀終盤の最大のキーワードとも言うべき「パラダイム」の考え方を面白く、わかりやすく説くものです。 ●主な内容 第1章 <科学>殺人事件 第2章 科学のアイデンティティ 第3章 偶像破壊者クーンの登場 第4章 『科学革命の構造』の構造 第5章 パラダイム論争 第6章 パラダイム論争の行方 【原本】 『現代思想の冒険者たち クーン パラダイム』1998年 講談社
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イザベラ・バードの日本紀行 (下)
イザベラ・バードの日本紀行 (下)
著:イザベラ・バード,訳:時岡 敬子
講談社学術文庫
北海道へ到達したバードは、函館を起点に道内を巡行、当地の自然を楽しみ、アイヌの人々と親しく接してその文化をつぶさに観察した。帰京後、バードは一転、西へと向かい、京都、伊勢神宮、大津等を巡って、日本の伝統文化とも触れ合う。発展途上の北海道と歴史に彩られた関西……そこで目にした諸諸に、時に賛嘆、時には批判、縦横に綴った名紀行。(講談社学術文庫) 大旅行家の冷徹な目が捉えた維新直後の日本 北海道内を巡行しアイヌ文化にも触れたバードは、東京に戻ったのち再び海路関西へと向かい、神戸に上陸。京都、伊勢、大津等を巡り、各地で鋭い観察の目を向ける
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女帝と道鏡  天平末葉の政治と文化
女帝と道鏡  天平末葉の政治と文化
著:北山 茂夫
講談社学術文庫
称徳天皇と道鏡、緊密すぎた関係の顛末とは 相次ぐ政変、病、孤独……悩み多き女帝に手をさしのべたのは、無名の学僧・道鏡だった。二人の蜜月から転落までを丹念に追い、八世紀末の仏教政治の実態を暴く。
生態と民俗  人と動植物の相渉譜
生態と民俗  人と動植物の相渉譜
著:野本 寛一
講談社学術文庫
日本人は自然から何を享受し何を守ったか。 食料となり燃料となり霊性をも帯びる木。肉として薬としてまた神使として供される動物。人々は周囲の生態系をどう活かしてきたのか。民俗事例から共生関係を探る。
宗教哲学入門
宗教哲学入門
著:量 義治
講談社学術文庫
宗教とは何か。その役割はどこにあるのだろうか。人は生あるかぎり「苦」を背負って歩む。物質的豊かさにもかかわらず、「退屈」と「不安」に苛まれる。手応えのない「空虚」な生に悩む。この現代的「苦」からの救済の道を、キリスト教、仏教、イスラム教という三大宗教はどのように指し示すのか。「信なき時代」における宗教の存在意義と課題を問い直す。(講談社学術文庫) キリスト教・仏教・イスラム教 宗教は何のためにあるのか 宗教とは何か。その役割はどこにあるのだろうか。人は生あるかぎり「苦」を背負って歩む。物質的豊かさにもかかわらず、「退屈」と「不安」に苛まれる。手応えのない「空虚」な生に悩む。この現代的「苦」からの救済の道を、キリスト教、仏教、イスラム教という三大宗教はどのように指し示すのか。「信なき時代」における宗教の存在意義と課題を問い直す。 諸宗教はすべて、われこそは真理なり、と主張している。いったい本当には、どの宗教が真理なのであろうか。言い換えれば、どの宗教が絶対者へいたる道であり、命を約束してくれるのであろうか。諸宗教が入り乱れるグローバルな現代においては切実な問題である。そのことは多発する民族紛争の根底に宗教間の対立のあることを思えば、ただちに首肯できるであろう。――<「第1章 課題と方法」より> ※本書は、2000年、財団法人放送大学教育振興会刊行の改訂版『宗教の哲学』を底本としました。
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中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパの農村の生活
著:ジョゼフ・ギース,著:フランシス・ギース,訳:青島 淑子
講談社学術文庫
中世英国の農村、村人たちの日常生活とは? 14世紀前後のイギリス東部の農村、エルトン。村人たちはどんな生活をしていたのか。領主と農民、教会の役割、農作業の実際など中世農村の姿を立体的に描き出す。
江戸東京地名辞典  芸能・落語編
江戸東京地名辞典  芸能・落語編
著:北村 一夫
講談社学術文庫
古典落語を中心に講談、浄瑠璃、歌謡などに現れる江戸の地名を採録。秋葉の原、池の端、永代橋、お歯黒溝、神楽坂、角海老、兼康、思案橋、痔の神様、とげ抜き地蔵。落語・講談・浄瑠璃・狂歌など大衆芸能にはその時代々々の地名が人々の日常を伴って生き生きと登場する。江戸・明治期のこれらの地名はその後どこへ消え、どう変わったのか。町名、橋・坂名、寺社、大名家、妓楼など1500余を収録し、解説する。 古典落語、講談、浄瑠璃などに現れる地名。江戸・明治期の地名、橋名、坂名、寺社、大名・旗本家、妓楼、料亭など、今や消え去ってしまった地名集成。大衆芸能にまとめ上げられた当時の暮らしぶりが甦る。
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中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界
中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界
著:笹本 正治
講談社学術文庫
音に託された意味の変化から中近世の日本社会を読む。中世において誓いの場や裁判の場で撞かれていた神聖な鐘は、次第に日常的な音になり、危険や時刻を知らせる役割を果たすようになった。神の世界と人間をつなぐ音から、人間同士をつなぐ音へ。その変遷を、史料に加え民俗学の成果も多分に用いて考察する。記録には残りにくい当時の人びとの感性や感覚を追うことで、中近世の社会・文化を描き出す。 響きわたる鐘の音は人びとに何を告げたのか。古くは神の世界と人間とを繋ぐ音であった鐘の音は、次第に危急や時を告げる人間同士の合図となった。その意識の変化に着目し当時の社会・文化に迫る独自の論考。
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イザベラ・バードの日本紀行 (上)
イザベラ・バードの日本紀行 (上)
著:イザベラ・バード,訳:時岡 敬子
講談社学術文庫
1878年、横浜に上陸した英国人女性イザベラ・バードは、日本での旅行の皮切りに、欧米人に未踏の内陸ルートによる東京―函館間の旅を敢行する。苦難に満ちた旅の折々に、彼女は自らの見聞や日本の印象を故国の妹に書き送った。世界を廻った大旅行家の冷徹な眼を通じ、維新後間もない東北・北海道の文化・習俗・自然等を活写した日本北方紀行。(講談社学術文庫) 大旅行家の冷徹な目が捉えた維新直後の日本明治11年に行われた欧米人初の東京-北海道間内陸踏破の記録で、随所に日本の文化・自然等への鋭い観察眼が光る。新訳により原典初版本を完訳。挿画も全点掲載
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英語の冒険
英語の冒険
著:メルヴィン・ブラッグ,訳:三川 基好
講談社学術文庫
英語はいつ、どこで生まれたのか。いかに成長していったのか 英語はどこから来てどのような経過で世界一五億人の言語となるに到ったのか――。1500年前にフリースランドからブリテン島に入り込んだゲルマン人の言葉。わずか15万人の話者しか持たなかった英語の祖先は、衰退と絶滅の危機を乗り越え、やがてイングランドの公用語から世界の「共通語」へと大発展してゆく。周辺言語との格闘と成長の歴史。 ※本書の原本は2004年5月、(株)アーティストハウスパブリッシャーズより刊行されました。
バガヴァッド・ギーター
バガヴァッド・ギーター
訳:鎧 淳
講談社学術文庫
古代より愛誦されつづける「神の歌」 珠玉の聖典 「神の歌」を意味する『バガヴァッド・ギーター』は、叙事詩の傑作〈マハーバーラタ〉中の最も感動的挿話であり、インドの人びとが古来愛誦してきた珠玉の聖典である。「私利私欲を離れ、執着なく、なすべき行為を遂(は)たせ」と神への献身的愛を語り、今日なお、多くの人の心に深い感銘を与える。本書は懇切な訳注と詳細な事項索引を付す原典訳である。 ここに提出するのは、今日なお、多くの人びとの心に深い感銘を与え、高い精神的意義を持ち続けているインドの古典『バガヴァッド・ギーター』の全訳である。大学在学当時、初めてこの詩章の美しい内容に触れ、「私利私欲を離れ、執着なく、なすべき行為を遂たす」という教えにいたく感動した。これが全篇の翻訳を思い立った次第である。――<本書「まえがき」より> ※本書の原本は、1998年4月、中央公論社から刊行されました。
生き残った帝国ビザンティン
生き残った帝国ビザンティン
著:井上 浩一
講談社学術文庫
ローマ皇帝の改宗からコンスタンティノープル陥落まで 「奇跡の1000年」興亡史 栄華の都コンスタンティノープル、イコンに彩られた聖ソフィア教会……。興亡を繰り返すヨーロッパとアジアの境界、「文明の十字路」にあって、帝国はなぜ1000年以上も存続しえたのか。キリスト教と「偉大なローマ」の理念を守る一方、皇帝・貴族・知識人は変化にどう対応したか。ローマ皇帝の改宗から帝都陥落まで、「奇跡の1000年」を活写する。
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物部氏の伝承
物部氏の伝承
著:畑井 弘
講談社学術文庫
大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。(講談社学術文庫) 「物部氏」とは何者だったのか? 大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。 はじめに、この本の主人公である物部氏について、私の考えた結論を、かんたんに述べておこう。一言で言って、「物部氏」という氏族は存在しなかった。(略)「物部氏」というのは、この物部連のことであり、かつ、物部八十氏をひっくるめてすべて同族と見なし、「物部氏」と呼び慣らわしてきているのである。だが、それはとんでもない誤りである。――<「はしがき」より> ※本書の底本は1977年、吉川弘文館より刊行されました。
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アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか
アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか
著:佐々木 正人
講談社学術文庫
アフォーダンスとは環境が動物に提供するもの。身の周りに潜む「意味」であり行為の「資源」となるものである。地面は立つことをアフォードし、水は泳ぐことをアフォードする。世界に内属する人間は外界からどんな意味を探り出すのか。そして知性とは何なのか。20世紀後半に生態心理学者ギブソンが提唱し衝撃を与えた革命的理論を易しく紹介する。(講談社学術文庫) 知覚・認知に関する近代的常識を覆す理論。20世紀後半生態心理学者ギブソンが提唱した概念は広い領域に衝撃を与えた。外界は人間に対してどんな意味を持つのか、知性とは何なのか、新理論の核心を解説。
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ベーダ英国民教会史
ベーダ英国民教会史
訳:高橋 博
講談社学術文庫
古代ローマ時代から8世紀初めまで、アングル人、サクソン人、ジュート人、そしてさまざまな侵略者たちは、いかにしてイングランド人として統合されていったか。初代カンタベリ大司教アウグスティヌスを始めとする伝道者たちの行跡、殉教者の苦難、さらに世俗権力の興亡を活写し、「イギリス史の源泉」と称される尊者ベーダ畢生の歴史書。アルフレッド大王版で読む待望の新訳。(講談社学術文庫) アルフレッド大王版で読む「イギリス史の父」畢生の名著 古代ローマ時代から8世紀初めまで、アングル人、サクソン人、ジュート人、そしてさまざまな侵略者たちは、いかにしてイングランド人として統合されていったか。初代カンタベリ大司教アウグスティヌスを始めとする伝道者たちの行跡、殉教者の苦難、さらに世俗権力の興亡を活写し、「イギリス史の源泉」と称される尊者ベーダ畢生の歴史書。アルフレッド大王版で読む待望の新訳。 「キリストの下僕であり、司祭でありますベーダはもっとも敬愛すべきケオウルフ王へご挨拶申し上げます。そして最近わたしがサクソン人およびアングル人について記しました『歴史』をご都合のよろしい折にお読みいただきましたうえで、ご批判を賜り、さらに複写して、あまねくほかの皆様にもご紹介いただきたく思い、贈呈申し上げます」――<本書「序文」より>
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