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二葉亭四迷伝
2021.05.14発売
二葉亭四迷伝
著:中村 光夫
講談社文芸文庫
明治の黎明期に、近代小説の先駆的な作品『浮雲』を書き、「言文一致体」を創出した文豪・二葉亭四迷の、46年の悲劇的な生涯を、全17章から成る緻密な文体で追う。最終章は、ロシアからの帰途の船上で客死する記述に終り、著者「あとがき」に、「これは彼の生活と時代を再現することを必ずしも目的としたのでなく、伝記の形をとった文学批評だ」とある。評伝文学の古典的名著。読売文学賞受賞作品。
電子あり
詩礼伝家
2021.05.14発売
詩礼伝家
著:清岡 卓行
講談社文芸文庫
哀惜の想いで描いた恩師・阿藤伯海への鎮魂歌ーー川端康成とは東大同級で、上田敏令嬢への恋に破れたためか、生涯独身の漢詩人・阿藤伯海。法政教授時代は斎藤磯雄に、太平洋戦争下の昭和16年から19年まで旧制一高教授時代は、著者・清岡を初め、若き三重野日銀総裁、高木中央大学学長らに、多大な影響を与えた、高雅な人格と美意識を生きた文学者。痛切な哀惜の想いで描かれた、清岡卓行の恩師への「鎮魂歌」。
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私の『マクベス』
2021.05.14発売
私の『マクベス』
訳・解説:木下 順二
講談社文芸文庫
画期的と世評の高い翻訳と原作の真髄を説く評論ーー生の深奥に潜む根源の暗黒を描くシェイクスピアの名作を、改訳に改訳を重ね、画期と評される木下順二訳で収める。原文の台詞がもつ旺盛なエネルギーとイメージの喚起力を、いかに日本語に定着させるか。原作と翻訳の間に必然的に介在する「訳し得ぬもの」を、自からの翻訳体験を通して詳密に語り、『マクベス』理解の最良のアプローチとなった長篇評論「なぜシェイクスピアが訳せないか」を併録。
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紺野機業場
2021.05.14発売
紺野機業場
著:庄野 潤三
講談社文芸文庫
芸術選奨受賞の聞き書長篇。淡々と綴る浄福の世界ーー北陸の海端の、さびしい河口の町。快活で研究心に富み、情に厚く飾り気のない人柄の、小さな織物工場を営む老主人・紺野友次。家族の消息やありふれた日常の中に、年中行事、信仰、習俗などにささえられた、100年にも及ぶ一族の歴史が描かれ、懐かしい日本の原風景が刻される。地方に生活する人々の真情を淡々と綴る浄福の世界。芸術選奨受賞作品。
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恥部の思想
2021.05.14発売
恥部の思想
著:花田 清輝
講談社文芸文庫
低俗視されていた映画などB級文化の優性の発見ーー単行本刊行時「恥部を軽蔑するな! 恥部こそ生産的だ!」という挑発的な名コピーで、活字文化信仰を震撼させた快著。映画、演劇、ミュージカル、演歌、浪曲などを低俗と見なす風潮に敢えて抵抗し、溌剌とした批評精神と快適極まる説得力で、「B級文化」を「合法化」した先駆的なエッセイ群。常に既成価値を転倒し、未来性を追求する著者の強靱な力業。
電子あり
俳優修業
2021.05.14発売
俳優修業
著:花田 清輝
講談社文芸文庫
「虚実皮膜」の間を飛翔する花田清輝の精神の冒険ーー東洲斎写楽の役者絵についての精妙な分析にはじまり、「芸」という虚と実の「皮膜」の「遊び」から、「役者」という虚にして虚ならず実にして実ならざる追求者に話を展開し、沢村淀五郎の芸談だとする『四徳斎雑記』を補助線として、独自な精神を奔放に飛行させる、花田清輝の世界。転形期をしたたかに生きる、不撓不屈の諧謔の精神。常に精神の前衛でありつづけた著者の代表的作品。
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本郷
2021.05.14発売
本郷
著:木下 順二
講談社文芸文庫
本郷に生れ今も住む著者の半世。わが内なる本郷ーー鴎外、漱石をはじめ、本郷に住んだ文人たちや伯父・佐々醒雪、父母のこと、個人的な体験など、本郷を中軸に据え、そこにかかわる様々を語りながら、時代を生き生きと甦らせ、半生を映し出して行く。私が本郷を所有するのか、本郷が私を組み込むのか。本郷に染着する文化を見事に描ききる、『夕鶴』の作者の限りなき本郷愛着の記。
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中国詩人伝
2021.05.14発売
中国詩人伝
著:陳 舜臣
講談社文庫
日本人にも親しまれている中国詩の巨星たち。最初の詩人・屈原から、中国革命の星・魯迅まで、明快に面白く描く詩人伝の決定版。熱気と自省、真情溢れる詩魂を語るーー中国最初の詩人・屈原(くつげん)から、中国革命の星・魯迅(ろじん)まで、日本でも親しまれている中国詩の巨星たちの、詩と人生を語る名著。深い考察を、平明に面白く伝える著者の筆から、鮮やかに立ち現れる詩人たちの姿と心。激動の中国史に燦然と輝く詩魂が、現代の日本人の胸にひびく、詩人伝の決定版。李庚(りこう)が描く肖像画入り。
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続・中国発掘物語
2021.05.14発売
続・中国発掘物語
著:陳 舜臣,装丁:陳 立人
講談社文庫
埋もれた歴史の謎を追い、中国での発掘調査の成果を報告。地下の世界の物語。地中に眠る真実! 最新中国史事情! ーー埋もれた歴史の謎。……地下は人間の営みをのみこんだ宝庫である。最近の中国の考古学の発展は、めざましい。馬王堆の生けるがごとき夫人の遺体の発見、「孫子はふたりいた!」と明らかになった新事実、仏教伝来前後の事情などなど、次々と行われる発掘調査によって解明される、最新中国史事情。地下の世界の物語!
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中国発掘物語
2021.05.14発売
中国発掘物語
著:陳 舜臣,装丁:菊地 信義
講談社文庫
北京原人化石、殷墟発見など地中の夢を探るーー北京原人、50万年前のヒト。第二次大戦時、その「遺骨」はどこへ消えたのか? ついに実在が証明された殷王朝、ではその前の夏王朝は? 20世紀に入り、中国では次々と新しい遺跡が発見され、発掘された。奴隷王朝の実態、青銅時代の流転、さまざまな墓陵の謎……。地中からの歴史の響きを詳細にさぐる。
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景徳鎮の旅<中国やきもの紀行>
2021.05.14発売
景徳鎮の旅<中国やきもの紀行>
著・写真:陳 舜臣,装丁:菊地 信義
講談社文庫
「やきもの」のもつふしぎな魅力。その魅力の謎をとく、陶磁の街そぞろ歩き。陶磁のふるさとに歴史の水脈を探るーー中国の「やきもの」の歴史は古い。なかでも景徳鎮は、1000年も前から現在に至るまで、連綿と陶磁の製作生産をつづけている。芸術品から生活品まで、盛衰を経ながらも脈打ちつづけるその伝統と技術の跡を追って、歴史の水脈をさぐり、人々の美意識を、生活の変様を探索する。「やきもの」の街=景徳鎮そぞろ歩き。
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小説 国際プラント・ビジネス戦争
2021.05.14発売
小説 国際プラント・ビジネス戦争
著:杉田 望,装画:野中 昇
講談社文庫
複雑な世界エネルギー情勢のなか、熾烈をきわめるプラント争奪戦を描く経済情報小説。波乱万丈、手に汗を握る争奪の内幕! ーー「メキシコ沿岸でソ連原潜が事故」というベタ記事を追った商社マン・今田総吉は、メキシコ政府が秘かに進める天然ガス開発計画を察知。プラント受注に動きだしたとたん、米国メジャーの不可解な介入が強まり、イスラム過激派はサウジ油田を爆破する。複雑な世界エネルギー情勢のなか、熾烈をきわめるプラント争奪戦の内幕を描いた、経済情報小説。
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紅水仙
2021.05.14発売
紅水仙
著:司 修,装画:司 修
講談社文庫
何も語らずに逝った母の人生を辿る長篇小説。母が残したわずかな写真と叔母の話をたよりに、雪深い新潟山平村から秩父、浅草、安倍川、天川原、市谷富久町そして葛飾白鳥へ、足を運ぶ。わずかに探りあてた手懸かりには、悲しいことばかりが映しだされていた。薄倖な越後の女の生に捧げる感動のレクイエム。
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ミステリー映画館
2021.05.14発売
ミステリー映画館
著:石沢 英太郎,装丁:玉井 ヒロテル
講談社文庫
従来軽視されてきたミステリー映画を秀作の鉱脈に変えた、映画人たちの成果を熱く語る。思い出深い内外のミステリー映画ーー文芸作品に比べて、とかく低く見られがちなミステリー映画だが、ヒッチコックや黒澤明などの努力もあって、いまや秀作の大鉱脈になっている。本書は、推理作家と映画批評家を兼ねる著者が、裏窓・サイコ・黒い画集など、内外の思い出深い名作50本を選んで語ったエッセイを中心にして、映画にちなむ密室短編1作を収めた。
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寺町三丁目十一番地
2021.05.14発売
寺町三丁目十一番地
著:渡辺 茂男,解説:瀬田 貞二,デザイン:亀倉 雄策,装画:太田 大八
講談社文庫
仁少年をはじめ、一家16人もの大家族の心意気と、たえまないさざめきの日々、そして、大火被災の受難。昭和10年代に、地方都市で写真館をいとなむ福っつぁん一家をめぐる、日常と波乱の生活記録。児童文学のジャンルに、清新な一石を投じた話題作で、厚生大臣賞およびサンケイ児童出版文化賞の受賞作品。
電子あり
牟田刑事官事件簿
2021.05.14発売
牟田刑事官事件簿
著:石沢 英太郎,解説:新保 博久,装丁:亀倉 雄策,装丁:菊地 信義,装画:寺田 健一郎
講談社文庫
自由に捜査活動のできる特権をもつ熟年警察官・牟田を通して描かれた、出色の警察小説集。人生の光芒をとらえた警察小説の決定版ーー殺人現場に立っていた少年は、現行犯として逮捕された。彼は自白を始めたものの、肝心の部分にくると黙秘である。取調官は焦りはじめた。アドバイザーの立場から現場写真をみた牟田は、ふと疑念を抱く。犯罪捜査のエキスパートとして自由に活動できる熟年警察官を主人公にした、異色のポリス・ストーリィ。ドラマ化もされた名作。
電子あり
視線
2021.05.14発売
視線
著:石沢 英太郎,解説:中島 河太郎,装丁:亀倉 雄策,その他:寺田 健一郎
講談社文庫
強盗にピストルを突きつけられたとき、その銀行員は、隣席の同僚に視線を走らせたという。そのために、同僚は、非常ベルに手をかけつつ射殺された。なぜ、彼は視線を走らせたのか。刑事が抱いた疑惑の到達点には何があったか。人間の微妙な心理、悪の衝動を、練達の手腕で描いた日本推理作家協会賞受賞作の表題作と、そのほか6編。
電子あり
世間知らず
2021.05.14発売
世間知らず
著:田辺 聖子,装丁:亀倉 雄策,装画:小沢 良吉
講談社文庫
ハイミスほど女を深く知る年代はない、いわば女の分別ざかりだ。熟年の女心を描く秀作ーーこの年代でひとり旅をすると、宿でうさんくさく扱われる。自殺志願か、いや道ならぬ恋の片割れかもしれへんでェ……。若さがいつしかあせた女が独りで生きるとき、彼女は人生をいやというほど知らされる。そして、女の人生の深みを増してゆく。ハイミスは、女の分別ざかり。彼女たちの変幻自在な姿を巧みに描いた秀作集。
電子あり
マイ・ソング 亜美それから
2021.05.13発売
マイ・ソング 亜美それから
著:倉田 悠子,イラスト・絵:渡辺 明夫
星海社FICTIONS
それは……お兄ちゃんの知らない亜美 伝説の"美少女小説”作家倉田悠子=紫綬褒章作家・稲葉真弓がおくる 『くりいむレモン』復刊第四弾は 亜美の後日譚(エピローグ)! 「妹萌え」の、眩くも哀しい有終の美ーー。 解説:速水螺旋人(漫画家)
電子あり
武士論 古代中世史から見直す
2021.05.12発売
武士論 古代中世史から見直す
著:五味 文彦
講談社選書メチエ
 武士とはいかなる存在であり、いかに成長して武家政権を築きあげたのか。著者ならではの、多彩な史料を駆使して描き出される500年の歴史!  鎌倉幕府の成立から江戸幕府の終焉までを考えても、武家政権が存続した期間は実に700年近くにも及ぶ。少なくとも「日本」という国号が使われるようになってからのこの国の歴史の半分は、武士が支配的であったことになる。彼らは一体なにもので、どのように成長し、そしていかなる政権を築きあげたのか。  8世紀に武をもって朝廷に仕える下級官人と規定された「武士」は、「兵(つわもの)」や「武者」として史料上に登場すると、戦乱を繰り返し、やがては朝廷にまでその力を及ばせ、公武にわたる政権を樹立するに至る。『今昔物語集』に見える平将門らの「兵」にはじまり、承平天慶の乱、前九年、後三年の合戦、保元・平治の乱、源平合戦、南北朝の動乱と、戦乱を重ねるごとに成長し、武家政権の到達点である足利義満の栄華にいたるまで、およそ500年の道のりを描き出す。  同時に、古文書や日記のみならず、説話集や軍記物、絵巻、遺跡の発掘成果などを駆使して、主従契約や一揆契約のありさま、親や主君の敵討ち、切腹、集団自決、殉死などの武士の作法、さらには武士の構えた宅や館など、様々な武士の存在形態を明らかにする。  芸能や文化を含む独自の幅広い視野で研究を重ねてきた著者による、決定版武士の歴史! 【本書の内容】 はじめに 第1章 武士の源流  一 兵たちの世界  二 京の武者と諸国の兵  三 兵・武者から武士へ 第2章 武士の成長  一 武士の家  二 武家と武士団 第3章 武家政権と武士  一 二つの武家  二 鎌倉幕府の成立と武士 第4章 北条政権下の武士  一 泰時の政治と鎌倉  二 鎌倉後期の武士の環境  三 絵巻に見る武士像 第5章 京の足利政権と武士  一 幕府の滅亡と室町幕府  二 南北朝の対立  三 室町幕府の体制  四 武士と武家政権の到達点 まとめと展望 コラム 伝説の武者像 コラム 為朝伝説の行方 コラム 能に描かれた武士
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