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1996.11.08発売
恋する画廊
白鳥と交わる美女。挑発しつつ拒む少女。官能の器官と化した裸身。名画のなかの官能的よろこび――。エロティックな名画に隠された「企みと欲望」を読み解く。
●目次より
情事の不寝番◇塔のなかの処女◇髪を結う魔女◇縛られた美女◇のぞかれた女神◇森のなかの好色漢◇蜜と月の美酒◇技巧的な指先◇女神たちのコンテスト◇スキャンダラスな白鳥◇優美な折られた首◇エロースの復讐◇月下のスフィンクス◇おそろしい鏡

1996.11.08発売
文学人生案内
講談社文芸文庫
「暗夜行路」「雪国」など日本の名作7篇、および「赤と黒」「罪と罰」「チャタレイ夫人の恋人」などヨーロッパの名作9篇を取りあげて、文学の本質である「詩と真実」は、俗世間の道徳や知恵を超越しながらも、同時にそれらの源泉ともなっている消息を、独特の語り口で明らかにする。

1996.11.08発売
世阿弥
講談社文芸文庫
役者・作者・演出家・批評家をも兼ね、利休、芭蕉に比すべき、天才世阿弥が残した16部集の“言葉の真実の価値”と“秘伝”の意味を、「花伝書」「花の発見」「初心について」「幽玄について」「仮面の芸術」「序破急」等々で心新たに語る。著者の古典文学の素養と幼少から親しんだ能の舞台体験が、世阿弥が語りかける無言の表現・豊潤の世界を、幾世紀の刻を超えて、現代人に鮮やかに説き明かす。

1996.11.08発売
角帯兵児帯・わが半生記
講談社文芸文庫
長い文学的不遇をさか手にとり、さりげない日常の世界に、暖かく優しい眼をふりそそぎ続けた、木山捷平の飄飄人生。けちくさい世間の眼や、つまらぬ栄誉から離れた自由世界。小動物や生き物、草花や木、身辺な物から見出す美事な詩。天衣無縫で無防備で、いつも傍にいてくれる“日本の親爺”、木山捷平の、主として晩年に書かれた秀逸なエッセイ集。

1996.11.08発売
オレゴン夢十夜
講談社文芸文庫
小説家の日記には素顔の魅力が覗くと言う。『オレゴン夢十夜』は、一見、日本文学を講ずる為にオレゴン州に滞在した“私”の日記という形を装う。滞在中の瑣事を書き、あらゆる感懐を述べながら、これまでの外国体験が物語られて時に夢とうつつが交錯し、そして幼時、両親、先祖への懐古へと遡ってゆく。小説家、詩人大庭みな子の底深い精神の原風景の幻。

1996.11.08発売
近世日本国民史 維新への胎動(下)勅使東下
講談社学術文庫
文久2年10月、正使三條實美、副使姉小路公知の両勅使東下。将軍家茂と相見し、攘夷実行、親兵選貢を旨とする勅書を授くるに、家茂勅諚奉戴の答書をたてまつる。巷間、志士による私刑横行し乱世の兆し顕著にして、幕威ますます墜つ。一方、幕府を通ぜず諸大名に直接命令を下されるがごとく朝権一層伸張し、天皇親政の実を半ば現呈せんとする形勢。今や「尊皇攘夷」は理想でなく現実となり来った。

1996.11.08発売
実存から実存者へ
講談社学術文庫
リトアニアに生まれ、ストラスブール大学に学んだ後フランスに帰化したユダヤ人哲学者レヴィナス。第二次大戦に志願するがドイツの捕虜収容所に囚われて四年を過ごし、帰還後ユダヤ人を襲った災厄を知る。かつての師ハイデガーのいう〈支配する主体〉の対極に、レヴィナスは〈現存者〉を措定、戦争で露呈した現代人の〈実存〉の運命を考察する。時代を深く予見したフランス現代思想の巨匠の代表作。

1996.11.08発売
日本憲法思想史
講談社学術文庫
本書は、法思想における国体論をはじめ穂積八束・上杉慎吉・美濃部達吉など代表的な憲法学者の法理論を追究し、さらに敗戦史の法哲学から国民主権と天皇制、マッカーサーと戦後民主主義、日本国憲法の正統性問題までを論じた。旧憲法学史研究には、ケルゼン的なイデオロギー批判的手法をとり入れ、新憲法については、戦後民主主義の忠実な擁護のつもりという著者が説く、日本国憲法の思想と歴史。

1996.11.08発売
小泉八雲新考
講談社学術文庫
多くの日本の読者を魅了し続けている小泉八雲。八雲についての研究は今なお盛んである。昭和11年に発表された本書は、松江時代に比べて看過されていた熊本時代の八雲の人と作品を、実地踏査や発掘した手紙・資料によって鮮かに浮き彫りにしている。とくに八雲を文学者としてだけでなく民俗学者として捉えた点は、八雲を理解する上で画期的な書といわれる。八雲研究の歴史的論考、待望の復刊なる。

1996.11.08発売
現代のキリスト教
講談社学術文庫
近代の人間本位の神学は神の絶対性を見失わせて、20世紀のニヒリズムを生んだ。このためカール・バルトは再び神の側からの発想を取り戻した現代神学を構築した。本書はこの現代神学の古典時代から「神の死の神学」、西田哲学との共通点も指摘される「プロセス神学」、さらに中南米を中心とした「解放の神学」や米国起源の「フェミニスト神学」まで現代のキリスト教を興味深く説く書下ろし力作である。

1996.11.07発売
刑事長 四の告発
講談社文庫
大川で背広姿の水死体が浮かんだ。男は市内の外科医で借金苦による自殺と断定された。事件にきな臭さを感じたベテラン刑事・岩切鍛治は、独自の捜査を開始する。見え隠れするパチンコ業界の利権争い、そして思いもよらぬ同僚刑事の死。岩切の行く手に暗雲が立ちこめる。好評<刑事長(デカチョウ)シリーズ>興奮の第2弾! (講談社文庫)
大川で背広姿の水死体が浮かんだ。男は市内の外科医で借金苦による自殺と断定された。事件にきな臭さを感じたベテラン刑事・岩切鍛治は、独自の捜査を開始する。見え隠れするパチンコ業界の利権争い、そして思いもよらぬ同僚刑事の死。岩切の行く手に暗雲が立ちこめる。好評<刑事長(デカチョウ)シリーズ>興奮の第2弾!

1996.11.07発売
柳田国男と近代文学
文芸(単行本)
「常民」の月並みな日常を、〈近代リアリズム〉を超える柳田の視線がどう捉えたか。柳田民俗学の最深部を照らし出し、その本質を問い直した傑作長篇評論。ゆるぎない分厚い伝統として、また、当たり前な自然さとして、われわれ日本人が受けとめている日本語の表象空間とは、いったいどのようなものなのか。それを内側から照らし出してみる必要を感じた著者は、その対象に柳田国男を選んだ――。
「常民」の月並みな日常を、〈近代リアリズム〉を超える柳田の視線がどう捉えたか。柳田民俗学の最深部を照らし出し、その本質を問い直した傑作長篇評論。
ゆるぎない分厚い伝統として、また、当たり前な自然さとして、われわれ日本人が受けとめている日本語の表象空間とは、いったいどのようなものなのか。それは内側から照らし出してみる必要を感じた著者は、その対象に柳田国男を選んだ――。

1996.11.07発売
硫黄谷心中
文芸(単行本)
究極の愛のかたち“心中”が現代に甦る
艶やかで哀しくいとおしい生死の境をさすらう男女たち
死ねる、死ねる。
ああ、あの眼のくらむ遠い谷底の彼方まで、あたしだち2人の道なき空中の、死出の花道。恐ろしいけど恐くはない。身は震えるが心は澄んでいる。あそこへ体を投げ出せば、風があたしらを抱きとめる。身と心が2つに割れて、そこから身はあの谷底へ砕け散るが、心は何千丈の空を飛び彼岸へ行く。──本文より

1996.11.07発売
無常を生きる
文芸(単行本)
無常のこの世を、いかに明るく生きるか。寂聴尼があなたにおくる、切なる愛と祈りのメッセージ。
寂庵には、この節また急に悩みを訴えに来る人が多くなった。……私はただ全身を耳にして、心を傾けて、それぞれの悲しみを聴きとるばかりだった。自然に涙があふれてもくる。言葉は虚しいと思う。悲しみや苦しみを少しでも分かちあうことで、胸が悲しみで塞っている人の心に少しでもすき間が生れ、風が通ってほしいと思うばかりだった。――(本文より)

1996.11.06発売
鬼籠めの鉢
講談社X文庫ホワイトハート
神仙(しんせん)界に封じた『鬼籠(おにご)めの鉢(はち)』に、異変が!泰山(たいざん)の天空宮(てんくうきゅう)で警護役に向かった新米方士玄硝(ほうしげんしょう)は、閃光(せんこう)と同時に邪気の大波に襲われ、逃(のが)してはならぬ鬼たちの気を逃走させてしまう。──神仙界を震撼(しんかん)させた「鉢」の異変を鎮(しず)めるため人間の住む地上界、日本のとある街に、玄硝が、稜伽(りょうか)が、そして東岳(とうがく)大帝の愛娘碧霞元君(へきかげんくん)が舞い降りたのだが、すでに鬼は……。選考委員をうならせた、アジア・ファンタジーの新鋭登場!!第2回大賞佳作受賞作!!

1996.11.06発売
銀河鉄道通信
講談社X文庫ホワイトハート
泣いてもいいのだろうか、彼の前では弱い自分をさらけだしてもかまわないのだろうか。「俺の前では強がるな」裕也(ひろや)はそう言うと、正人(まさと)の小さな頭を己の肩口へと引き寄せて、「泣けよ」と囁いた。正人は裕也の言葉通りに瞳を閉じると涙を流した。瞼の裏に幾千億の星を見ながら……。
……教え子の自殺にショックを受け、北海道へやってきた正人。雄大な自然と愛する人に巡り合い、頑(かたく)なだった心をほどいてゆく……。

1996.11.06発売
月下巴里祭(上)
講談社X文庫ホワイトハート
セーヌ河にかかる美しい橋たち。その橋から河底に若い男女が引きずりこまれるという怪異な事件が!下半身が白蛇という伝説の女神メリュジーヌが、花の都パリに出現!?ゆえあってパリの叔母(おば)宅に身を寄せていた久馬貴志(くまたかし)は、オカルトマニアの留学生月魂(つきしろ)の導きもあって、一気に事件の核心に飛びこむはめとなるのだが……。──のちに日本での古代インド神入り乱れての騒乱で、彰(あきら)と名コンビを組む貴志の、謎のパリ時代特別編!!

1996.11.06発売
黒い肌の魔女 金色の魔道公子(3)
講談社X文庫ホワイトハート
レイムを襲った神の子孫(しそん)、黒精霊(くろせいれい)ナイヴァス・トルティーンは、苦手(にがて)な香草(こうそう)が薫(た)かれたのを見てとり、報復の呪(じゅ)をかけて逃げ去った。そこでレイムは、自分以外の者を、安全な王都へと避難(ひなん)させようとする。しかし、鍵(かぎ)の力が邪魔(じゃま)をして、サミルの移動魔道は失敗に終わってしまった。仕方なくレイムは、東の賢者(けんじゃ)シャダム・レインから鍵を譲(ゆず)り受け、皆とともに次の目的地、南へ向かうが……!?ロマンティック・ファンタジー第3幕!!
1996.11.06発売
若き血の清く燃えて
若き日の鳩山一郎が最愛の女性に贈った恋文新党結成で再び注目を浴びる昭和の名宰相鳩山一郎が愛に苦悩した青春の日々とは? 後の夫人薫に宛てたラブレタ-を初公開。歴史的資料としての価値も第一級品!

1996.11.06発売
食べすぎてしまう女たち
話題の体験手記
「私はなぜ、つい食べすぎてしまったか」
「冷蔵庫は私の心を傷つけない……」心の奥底に潜む病(やまい)の真実の姿とは何か。自らの過食症の体験とその治療過程を赤裸々に明かし、米国で大人気のセラピスト、魂の書き下ろし!!
人々がつい食べてしまう理由は、意志の強さ、カロリー計算や運動などでは説明できないほど複雑で、またそのような手段では克服できません。人々が食べる理由は無視、信頼・愛情の欠如、性的・身体的虐待、表面化できない怒り・悲しみ、差別の対象になることや再び傷つけられることからの自己防衛と関係があるのです。──「原著まえがき」より抜粋