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1981.04.14発売
京の庭
講談社文庫
京都の名園といわれる庭園40ヶ所を、「池泉庭園」「枯山水庭園」「茶庭」に分類し、それぞれを造園時代順に配列。庭園のどこに立って、どのように鑑賞すれば、本当の美をとらえることができるかを、その由来・作庭のポイントなど、やさしく解説した、ハンディーな名園解説書。

1981.04.13発売
口笛を吹くネコ <佐藤さとるファンタジー童話集7>
講談社文庫
タカシとサトミが、人間のことばを話すとらネコに会い、ネコに変身する「口笛を吹くネコ」、アリを小人にかえる魔法のステッキ、作文を書いてくれる魔法のえんぴつ……ヒロシの作るお話がふしぎで楽しい世界にさそう「ぼくは魔法学校三年生」に、「この先ゆきどまり」「角ン童子」「ぼくのおばけ」など、現代の語部・佐藤さとるのファンタジー童話7編を収録。

1981.04.13発売
紫の火花(下)
講談社文庫
祇園の名妓とイギリス人との間に生まれた魔子は、凄艶な美貌と悪魔のような心を持つ女。祇園のボスを手玉にとり、大金をせしめた彼女は東京へ出る。美貌と蠱惑的な肢体で、男を踏み台にする魔子。銀座の高級クラブを乗っ取った彼女が、己の肉体を武器に次に狙ったのは、社交ビルの建設だ。そしてまた、新しいいけにえが物色される。血も凍る非情なこころの持ち主の魔子が、めざす先には? 夜の世界に咲き競うおんなを描いては定評のあった著者の、出色のエンターテインメント。

1981.04.13発売
紫の火花(上)
講談社文庫
祗園の名妓とイギリス人との間に生まれた魔子は、成長するにつれ、凄艶な美貌と悪魔のような心をそなえ、男たちの注目をあつめる。古い習慣に反逆した彼女は、祗園のボスを手玉にとり、大金をせしめて東京へ。花の銀座でホステスをしながら、魔子が考え出したアイデア商法とは? 悪女の魅力を描き出す、傑作長篇小説。

1981.04.13発売
親はあっても子は育つ(ぼくの体験子育て論)
講談社文庫
近い将来やってくるだろう食糧難、神聖なるべき母乳まで汚染した公害……、破局を目前に、孫子の血肉をくらって安逸に暮す親たちは、子供の未来のために今なにをなすべきか? 育児書や教育産業主導の育児を拒否し、親子の温もりが通いあう人間的子育てを希求する、二人の娘をもつ著者の真情あふれる子育て論。

1981.04.13発売
谷捨蔵の憂鬱
講談社文庫
京都の畳職人・谷捨蔵は、昔に比べると仕事がめっきり減ってしまった。近代化の波が、畳業界をも襲ったのである。しかもあと継ぎ息子は、畳なんかはもう前代の遺物だといって、家業をかえりみず、バンドにうつつをぬかしている。50年も畳一筋に生きてきた谷捨蔵の憂鬱は、深まるばかりである……。という表題作のほかに傑作8編を収録。

1981.04.13発売
幸福へのパスポート
講談社文庫
パリのアパルトマンで、フランスとの同化と日本からの逃避をこころみる留学生。その日常に闖入する小事件の数々――旧知らしい日本女性との接触、幸福へのパスポートと銘うつ結婚相談への誘い、そして憧憬した女子学生との再会――を通して青春への訣別が……。澄明な眼と筆致で滞仏生活を描出した、現代文学の秀作。

1981.04.13発売
湖沼学入門
講談社文庫
有名無名の湖に沼。吹雪にうもれた赤城大沼、水の色濃く神秘的な青木湖、多彩な顔をもつ五色沼、茫漠とした尾岱沼、雨にけむる本州北端の十三湖……それぞれの味わい深いたたずまいに浸って、昼は絵筆をとり、夜は酒を酌む。四季おりおりの自然と人情にふれる旅情の中に、人生の味がにじむ紀行エッセイの傑作。
1981.04.09発売
青春の門 第六部 再起篇(下)
講談社文庫

1981.04.08発売
西行物語
講談社学術文庫
鎌倉時代成立の『西行物語』は、歌人西行の生涯を記した伝記物語。友人の急死に世の無常を知った藤原義清は、娘を縁から蹴落して恩愛の道を絶ち、二十五歳で出家して西行と名のる。伊勢から関東へ、陸奥から四国と旅を重ねつつ、歌ごころの涌くままに詠ずる名歌は、彼のひたすらな道心をはぐくみ、ついに「願はくは花の下にて春死なむ」の願いどおり極楽往生を遂げる。数奇と道心の生涯を伝える物語のはじめての全訳である。(全一冊)

1981.04.08発売
論語物語
講談社学術文庫
このうえなくわかりやすい言葉で、『論語』のエッセンスを読める!
孔子が伝えたかったことは、こんなことだった。
『次郎物語』で名高い作家にして教育思想家であった下村湖人が、
人生をかけて読んだ『論語』を、そこに残された言葉をもとに、ひとつの物語として書き紡いだ。
ページをひらけば、孔子や弟子たちが直接語りかけてくる!
【永杉喜輔「まえがき」より】
湖人は生涯をかけて『論語』に学んだ。二千年以上も経た『論語』の章句を自由自在に使って、『論語』で養われた自分の思想を物語に構成したものが本書で、『論語』の精神を後世に伝えたい一念が結晶している。孔子と弟子たちが古い衣をぬぎすて、現代に躍り出す。その光景がみずみずしい現代語でたんねんに描かれている。
【本書「富める子貢」より】
「なるほど、貧富ともに体験をつんだという点では、君は第一人者じゃな」
子貢の耳には、孔子のこの言葉は、ちょっと皮肉に聞こえた。しかし、孔子がみだりに皮肉をいう人でないことを、彼はよく知っていたので、次の瞬間には、それを自分がほめられる脱提であると解した。
「君が、貧にしてへつらわなかったことも、富んで驕らないことも、わしはよく知っている」
そういった孔子の口調は妙に重々しかった。子貢は、ほめられると同時に、なぐりつけられたような気がした。
「それでいい。それでいいのじゃ」
孔子の言葉つきはますます厳粛だった。子貢は、もうすっかり叱られているような気になってしまった。
「だが――」と孔子は語をつづけた。
「君にとっては、貧乏はたしかに一つの大きな災いだったね」
子貢は返事に窮した。彼は、今日道々、「貧乏はそれ自体悪だ」とさえ考えてきたのであるが、孔子に真正面からそんな問いをかけられると、妙に自分の考えどおりを述べることができなくなった。
「君は、貧乏なころは、人にへつらうまいとして、ずいぶん骨を折っていたようじゃな。そして、今では人に驕るまいとして、かなり気を使っている」
「そうです。そして自分だけでは、そのいずれにも成功していると信じていますが……」
「たしかに成功している。それはさっきもいったとおりじゃ。しかし、へつらうまい、驕るまいと気を使うのは、まだ君の心のどこかに、へつらう心や、驕る心が残っているからではあるまいかの」
子貢は、その明敏な頭脳に、研ぎすました刃を刺しこまれたような気がした。孔子はたたみかけていった。……

1981.04.08発売
なぞの研究
講談社学術文庫
名著、復刊。
日本の「なぞなぞ」の歴史の実態を本書ははじめて解明する。なぞの芽生えが既に上代の典籍に童謡揺歌として見え始め、中国のなぞもその渡来とともに機敏に我々の先祖は摂取した。奈良、平安、室町、江戸期と順次資料に基いて、なぞの変遷や盛衰の跡をたどり、文芸との関わり合いや、古典なぞの解き方、なぞの名人たち、なぞの興行、なぞ本の板行(はんこう)、民間伝承のなぞ等々にいたる、なぞの広汎な種々相を懇切平明に興味深く解説する。

1981.03.26発売
新約聖書 新装版
「平明かつ気品あふれる聖書」として定評のある新約聖書
●丁寧で適切な注・解説をつけた
●説明事項つきの懇切な索引をつけた
●小学生にも読めるようふりがなをつけた

1981.03.18発売
好きと嫌いの心理学
講談社現代新書
「蓼食う虫も好き好き」ということわざのとおり、好き嫌いの感情は、人によってさまざまである。食物やひいきのスター、あるいは恋人、同僚、上司に至るまで、われわれの行動はこの不思議の領域によって大きく規定されている。なぜ特定の相手を好きになったり、嫌いになったりするのだろうか。本書は、多くの心理実験、調査を踏まえ、性格と相性、家族関係のもつ意味、好きになる条件、嫌いな人間との関係改善の方法まで、興味ぶかく語る快作。
同調傾向――恋人たちは趣味、嗜好、人生観などがしだいに似てくるようになる。お互いに接近し、同調するようになるのである。この過程は自分自身も気がつかないうちに進行することが多い。たとえば、彼がブルーが好きだというと自分も何となくその色が好きになり、それを基調にした服をつくってみたり、室内の装飾にもその色が多くなったりする。あるいは彼女がクラシック音楽が、好きだというと、自分もいつの間にそれが好きになってしまい、ジャズなどを愛好していた当時の彼を知っているものを唖然とさせることがある。どんな生き方に価値をおくか、どんなタイプの人間が好きか、どんな思想を信奉するかというようなことから、字の書き方、食べものの好き嫌いにいたるまで相互の好みは接近してくる。何となく話し方が以前と違ってきたと思ったら、それが恋人の影響だったということもある。――本書より

1981.03.18発売
科学論文をどう書くか 口頭発表の仕方まで
ブルーバックス
科学論文の書き方・発表の仕方!!
●情報の送り手として心得ておきたいコミュニケーションの基本技術。
●論文の作成者、講演の発表者は、読者や聴衆との環境相関をつくれ。
●論文の発表ばかりでなく、書くときにも駆使したい視聴覚技法とは。
●OHPやスライドの見やすい視覚パターンを作るための原理と構成。
●研究ノートは、論文準備の第一歩から執筆完了まで、常に影の主役。
●科学論文に欠かせない図表の効果的提示法は、新しい発見をも生む。

1981.03.12発売
竜のいる島
講談社文庫
夏休みに、父のアトリエのある八間島に遊びに来た一郎太は、島の友達のトメ・デンと釣りに行った時、海中を巨大な黒い生物の影が走るのを見た――太古の昔に生存した首長竜の謎をめぐって、海から陸へ、伝説から化石の発掘へと展開する、スリリングで臨場感あふれる、海洋大冒険小説。サンケイ児童出版文化賞大賞・国際アンデルセン賞優良作品賞、W受賞作品。

1981.03.12発売
ミステリー傑作選(11) どんでん返し
講談社文庫
時代の移り変りに関係なく多くの人に読み継がれていく名作ミステリー短編を読者に贈り続ける名匠14人の豪華アンソロジー、超廉価版!
-収録作家-陳舜臣・小林久三・佐野洋・山村美紗・小泉喜美子・鮎川哲也・麗羅・草野唯雄・森村誠一・菊村到・海渡英祐・戸板康二・石沢英太郎・夏樹静子

1981.03.12発売
旅するこころ
講談社文庫
いい旅をするための知識と心がまえを説く本。旅ブームの今日だが、軽薄な旅が多すぎる。旅の専門家である著者が、旅の思想、歴史、問題点などを豊富な事例で語り、次の旅への効用を大にしてくれる。ーー旅する人間の精神風土は、年々荒廃してきていないだろうか。例えば、自然に対する我々の感応の貧しさ。自然は旅における環境であり、旅先自体でもあるのだから、今こそ自然と人間のかかわりを見つめ直す好機である――との視点から、旅のさまざまな面を論じる「いい旅の仕方、考え方」。

1981.03.12発売
秘剣揚羽蝶 源氏九郎颯爽記
講談社文庫
白装孤影の剣士・源氏九郎の秘剣揚羽蝶は、凄絶な死闘の中にも、華麗に舞う……。消えた公儀御用の純金の行方を追い、佐渡金山の大陰謀をあばく「花の幻」、上野寛永寺の御府庫金をめぐる「秘剣の宴」、琉球王女の哀愁を托す「夢の舞曲」、千年黄楊の櫛の謎を究明する「血汐櫛」の4篇を収録する、伝奇時代小説。

1981.03.12発売
幽霊達の復活祭
講談社文庫
波の静かな月の美しい夜、粗末な礼拝堂の一室で復活祭を祝うパーティが開かれた。出席者は社会的存在感の薄い、さまざまな国の“幽霊”たちばかり。会話は機智にとみ諷刺にみちて、不思議な幻想の世界をかもしだす――みずみずしい感覚と大胆な手法から成った初期短篇集。ほかに、「火草」「桟橋にて」「首のない鹿」「あいびき」の四篇を収録。