新刊書籍
レーベルで絞り込む :

1979.09.18発売
小さい心の旅
講談社文庫
8歳で父をなくした昌男は、小学校を卒業すると給仕になったが、満たされず、小僧奉公に出ても、どれも長続きしない。童話作家になりたいと願う昌男を、元気づけてくれるのは、文通をしている北国の少女だった……。大正から昭和への転換期を生きる少年の、心の成長をつづった、自伝的小説。日本児童文学者協会賞、赤い鳥文学賞、サンケイ児童出版文化賞受賞作品。

1979.09.18発売
葉煙草(シガリロ)の罠
講談社文庫
森麻子は、京都の外国人観光客用ガイドである。フィリピンの貿易商・ベルナスを案内して清水寺にきたとき、英文パンフレットの購入を頼まれた。だが戻って来た彼女が目にしたものは、ベルナスの惨殺体だった。そしてベルナスの右手には、1個の10円玉が握られていた。彼は何を告げようとしたのか? 貿易と政争をからめた、意欲的推理長篇。

1979.09.18発売
イソップの首に鈴をつけろ
講談社文庫
東大入試を突破したエリートの卵・今井章之は、郷里の熊本をあとにし、勇躍、東京へ向かうが、新幹線の車中で、謎の女と隣りあわせる。初対面のはずなのに、この女性は、いやに章之の個人的事情に詳しい。東大生といっても、そこは男の子。女に誘われるまま、若干の野心と期待を抱いて、名古屋で途中下車、ホテルへ向かうのだが、この昭和の三四郎を待ちうける運命は……。江戸川乱歩賞作家の青春ミステリー。

1979.09.12発売
脱いで試して ―デパート店員日記―
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代っ子デパート店員が売場狭しと繰りひろげる性態を描く「あたし」小説! ーーあたし、若さ溢れるデパート店員、自分でいうのも変だけど、グラマーで美人、とても魅力的な女の子なんです。デパートにくるお客さま、とてもオカシナ人が多い。女の人が試着した水着を好んでペロペロなめるおじさんがいたりして面白いんです。あたしも、下着売場の試着室で、お客さまに失礼のないように体まで使ってサービスしてあげたり、オモチャを買いにきたサラリーマンには小さな戦車で恥ずかしいことをされたり、結構、勤務はキビシイ。でも、あたし、心の中ではヒソカに楽しんでるんです……。

1979.09.12発売
濡れて飛ぶ―スチュワーデス日記―
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、スチュワーデスの性態を若さ溢れるお色気で描く「あたし」小説!ーーあたし、女子高校を卒業したばかりのビューティフルな女の子。憧れの航空会社の試験を見事にパスして、スチュワーデス見習いになったんです。でも、スチュワーデスの仕事って思っていたよりずっと大変。初めてのフライトでアフリカのジャングルに飛行機が不時着したり、怖いことも多い。それに、飛行機のお客さま、みんなとてもエッチなんです。ヘンなサービスを求められたりして、体がいくつあっても足りないくらい忙しい。でも、あたし、いろんな初体験のお蔭で、オンナとしてもだんだん開花してゆくみたい……。

1979.09.06発売
古今和歌集(一)
講談社学術文庫
『古今集』は、国文学史上、殊に和歌史上における最重要作品の一である。『万葉集』および『新古今集』と共に三大歌集と称さる。万葉の素朴直感的表現より、古今の優美情趣的表現となり、更に新古今の妖艶幽玄的表現に進展するのである。以来数百年の間、専ら『古今集』が歌の最高規準と尊ばれ、すべての歌が諳誦せられ、片言隻句も金科玉条と仰がれて来た所以を探り、素朴直感的表現にとどまらず、その真髄を闡明(せんめい)したいものである。

1979.09.06発売
徒然草(一)
講談社学術文庫
『徒然草』は鎌倉末期の草庵歌人兼好の随筆。全244の章段から成る。その中には、人生論あり、都鄙の珍しい逸話あり、古きよき時代をしのばせる故実への考証あり、多彩をきわめる。作品世界は兼好の心の動きのままに展開されるが、随所に鋭い批評眼が光り、みずみずしい情感が流れる。成立後しばらくは埋もれていたが近世以後、無数の読者に迎えられ、日本の代表的古典として評価される。本巻は第46段までを扱う。(全4冊)

1979.09.06発売
近世日本国民史 明治維新と江戸幕府(2)
講談社学術文庫
慶応三年五、六月は、維新回天史上、最も重要な時期であった。上には四賢候が、将軍慶喜・摂政二条齊敬らと会同、評定を重ね、下には薩藩を中心として、一方には長藩の主戦論者がしきりに挙兵を迫り、他方には土藩の平和解決論者が藩を引き入れようと工作。中にあって、坂本龍馬・中岡慎太郎の徒は藩・長・土の間に従横の手腕を揮い、天下の大勢は、あたかも水盤に水を盛るが如く、いずれへ傾いても覆水の虞を蔵していたのだった。

1979.09.06発売
伊勢物語(下)
講談社学術文庫
この天福本「伊勢物語」は家集でも日記でもない歌物語である。が、百に余る歌物語を書き並べる時、それらを綴り合わせる一筋の糸を、ある男の生涯の流れに求めた。したがって上巻には青年期の純情な一途の思慕と流浪のロマンがあった。下巻としておさめた所に見られるのは、人生経験からにじむ思いやりの中で屈折する熱い情と、年月の中で衰えて行く生命の滅びの歌の哀感である。生きる日をかさねるにつれて長く読者の共感を誘うと思う。

1979.09.06発売
純粋理性批判(4)
講談社学術文庫
「神」の存在を証明せんとする「実体論的証明」「宇宙論的証明」「自然神学的証明」のいずれにおいても、神の存在は証明しえないとするカントの先験的神学は、ひとつの論理的体系をみごとに結実させている。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
第三巻に引き続き、最高存在体すなわち「神」の現存在について純粋理性はどのように推論すべきかが論じられる。「神」の存在を証明せんとする「実体論的証明」「宇宙論的証明」「自然神学的証明」のいずれにおいても、神の存在は証明しえないとするカントの先験的神学は、ひとつの論理的体系をみごとに結実させている。体系的統一と論理的形式性を徹底的に追求したカントの純粋哲学の世界は、先験的方法論をもって完結する。(全四巻)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、iPadでの閲読を推奨します。

1979.09.03発売
古典場から量子場への道
数式のもつ物理的意味を懇切に説明しながら手ほどきした絶好の入門書。学生はもちろん、場の量子論が適用領域を拡大しつつある広範な分野の人々に、物理学にとって場とは何か、またその効用と限界とを鮮やかに解き明かす。

1979.08.27発売
ムーミン谷の夏まつり
講談社文庫
ジャスミンの香りにつつまれた6月の美しいムーミン谷をおそった火山の噴火。大水がおしよせてきて、ムーミン一家や動物たちは流され、ちょうど流れてきた劇場に移り住むことにした。ところが、劇場を知らないみんなが劇をはじめることになって……。国際アンデルセン大賞受賞作家の楽しいファンタジー。

1979.08.24発売
柴錬捕物帖 岡っ引どぶ(続)
講談社文庫
どぶは飲む、打つ、買うと三拍子揃った岡っ引。そのどぶが深川木場で寒はぜ釣りとしゃれこんでいたとき、筏の下に隠密の死体を発見した……やがて、新春北風の吹きつのる夜、江戸を火の海と化す大陰謀が実行に移されんとする。その黒幕に挑むどぶ――「火焔小町」ほか2編を収録する、ご存じ柴錬捕物帖。

1979.08.22発売
影の分岐―傑作短編集(六)
講談社文庫
人生は打算であると、昂然と言い放つ女を妻にした、名門出身の無能な男が見出した、唯一の慰安が身の破滅を招くまでを非情に描ききった「無能の情熱」、身代り応募によって入選し、流行作家の虚名を得た男の運命を追求した「文学賞殺人事件」、それらと「暗渠の狼群」「中禅寺湖心中事件」「企業人非人」「殺人花壇」の6編。人生の非情、愛の虚妄を鋭くつく、森村推理の魅力を結晶させた短編群。

1979.08.22発売
穴
講談社文庫
深夜、隣人の不審な行動を目撃した少年の恐怖の体験を、サスペンス豊かに描いた、作者得意の子供を主人公にした表題作「穴」。コートを食堂で取り違えた視覚障害者が、特有の鋭い感受性で名探偵ぶりを発揮する「明るい闇」。ほかに「山のふところに」「幽霊と月夜」「誘拐者たち」「うさぎと豚と人間と」の6編を収録。日常の中の殺意を透明な文体、独得のユーモアの中に鮮かに浮かびあがらせた、傑作ミステリー集。
深夜、隣人の不審な行動を目撃した少年の恐怖の体験を、サスペンス豊に描く著者得意の子どもを主人公にした表題作ほか、「明るい闇」「やまのふところに」「幽霊と月夜」「誘拐者たち」「うさぎと豚と人間と」を収録。

1979.08.22発売
自己発見
講談社文庫
現代の碩学が自由に綴る含蓄深いエッセイ集。偉大な学者であり、芸術にも造詣深い著者が、古典について、自分自身の意識の生いたちについて、現代社会の状況について、思うままに語り提言する。ーー〈人間が忙しく走りまわる文明を、高度の文明だとは思いません〉〈対立するということではなくて、相待つということを、もういっぺん考えなければならぬ〉……人類と社会への熱っぽい提言、また古典への深い思い、生き甲斐論、創造的生き方のすすめ、など、現代を代表する知性による、現代人必読の、含蓄深いエッセイ集。

1979.08.22発売
口笛をふく時
講談社文庫

1979.08.22発売
太閤秀吉(六)
講談社文庫
朝鮮戦役は初戦こそ勝ったが、補給路を絶たれて苦戦を強いられ、膠着状態に陥る。芳しくない戦果を打ちはらうかのように、秀吉は、大々的に吉野山の桜狩を挙行する。付添うのは、粉飾も打算もなく、献身的に彼の世話をし、最近の寵愛を独占する新しい愛妾・なべ。その間、淀君は第二子誕生、後年の秀頼であるが、はたして秀吉の子なのか。伏見城に移った晩年の秀吉を描く。<全8巻>

1979.08.20発売
エントロピーとは何か 「でたらめ」の効用
ブルーバックス
エントロピー的な力とは何か?
気体を箱に入れると、箱のカベに中から圧力がかかる。分子的な立場からいうと、気体がひろがろうひろがろうとするのは、分子がはげしく走りまわっていて、スキさえあれば遠くへ遠くへ脱出しようとするからである。ところが一方、気体がひろがろうとすることと、そのエントロピーを大きくしようとすることとは同じことなのだから、つまりはエントロピーをふやそうとする傾向が圧力となってあらわれる、といってよいことになるわけだ。(本書5章より)

1979.08.20発売
楽器の科学 角笛からシンセサイザーまで
ブルーバックス
科学を楽しむ本――もちろん楽器を楽しみながら
《口笛》は唇の振動で鳴るのではない。空気の振動で鳴るのである。
《ほら貝》はしかし、唇で鳴らす。木の吹き口がついていれば比叡山より南方のもの。吹き口が断ち切りならば北方のもの。
《バイオリン》のエネルギーは0.00数ミリワット。
《オーケストラ》全体でも70ワット。やっと螢光灯3本分。だが、これで聴衆は酔う。
《シンセサイザー》はかけひの応用。電圧をためては放出し、波を作る。
本書は1979年初版発行です。
同じくブルーバックスから『楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」』が刊行されていますが、こちらは2022年4月発行で、著者・内容ともに異なります。