新刊書籍
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1979.07.06発売
今昔物語集(二)
講談社学術文庫
今昔物語集巻二は主として釈尊の説法霊験説話を収める。巻一が釈尊伝に続き、釈尊の姿・行動すなわち身相によって衆生を救い導く話を中心に釈尊の偉大性を示そうとするものであったが、本巻は説法すなわち口相によって衆生済度(しゅじょうさいど)を行なう話を主に釈尊を賛嘆する。その説法は過去・現在・未来にわたる人々の因果を教えるものであり、そこに天竺の国王・長者から乞食・奴隷に及ぶさまざまな人間の苦楽の人生が興味深く捉えられている。

1979.07.03発売
歩道の終るところ
文芸(単行本)
カバサンドの作り方をご存知ですか?
心の休暇をあなたに――
シルヴァスタインの世界は歩道の終るところから始まる。それはどこでもない場所への旅。忘れた言葉の息づくところ。

1979.06.26発売
母系制の研究(上)
講談社文庫
女性解放に歴史的根拠を与えるべく、筆を折り、武蔵野の一隅に籠って7年余。厖大な古系譜をたどり、日本の母系制の存在を実証し、さらに母系が父系に移ってゆく過程を明らかにした。これは高群逸枝のライフワークで、女性史研究の第1作であり、同時にそれは、男性中心の歴史観を訂正する、タブーの中での女性の手になる、最初の科学的女性史の誕生であった。<上下巻>

1979.06.25発売
親しめぬ肌 佐野洋 推理傑作選
講談社文庫
新婚旅行中の花嫁が「私は愛されない妻です」という遺書を残し、北海道・登別温泉の地獄谷へ身を投げた。新郎の女関係を匂わせた抗議の自殺なのか? 新郎はその事実を強く否定し、愛人に擬せられた女性も潔白を主張する。そして事件は意外な経過をたどり、巧妙に仕組まれた計画は功を奏したかに見えたが、意外な陥し穴が待っていた。表題作ほか10編収録の傑作群。

1979.06.25発売
いま日は海に
講談社文庫
欺き利用するだけの男のために、その困窮した生活を援助し、空を飛びたいという男の捨てきれぬ夢を叶えさせようとする加陽子。長い長い歳月の後に、やっと男が自分を振りかえろうとしたとき、悲劇が起こる。報われることを望まず、ただひたむきに愛し尽すことに心身を捧げる純粋な愛の勁さと美しさを描いた名作。
1979.06.21発売
教室二〇五号
講談社文庫

1979.06.21発売
六代目 菊五郎
講談社文庫
近代歌舞伎の名優・六世尾上菊五郎は、舞台の工夫、芸域の広さ、知識の豊かさなどにおいて、誰もまねできない才人であった。大正期、初代中村吉右衛門と競演した華やかな時期は「菊吉時代」とよばれる。本書は、この伝説的名人の素顔、思想、芸風などを、豊富な資料とあふれる意欲とで描出した評伝で、著者の代表作。
名役者六代目尾上菊五郎の人と芸を描く名著。立役のほか女形もやり歌舞伎特有の色気を伝統とする菊五郎。なかでも六代目は伝説的な名優だった。本書は彼の芸風や人柄を正面から解剖した待望の名著。

1979.06.21発売
日本人の自伝
講談社文庫
自伝というジャンルの文学史上の位置を展望しながら、日本人の〈我〉の自覚の歴史を解明した、画期的な長編評論。福沢諭吉、内村鑑三、勝小吉、鈴木牧之、新井白石、山鹿素行、松平定信らの著作から、三世中村仲蔵、七世市川中車など歌舞伎役者の芸談という形の自伝まで、独自の発想で精緻に論究した野心作。自伝という分野の文学史上の位置を展望し、自伝的著作の中に日本人の自我観を探る名著!

1979.06.21発売
女の食卓
講談社文庫
全日本独身者連盟、すなわちゼンドクレンが、周囲から好奇の視線を浴びつつ、結成された。若い幹部の奈々子、かおる、ミカは、高校以来の親友。彼女たちは、女の自立をめざして奮闘する。しかし、タテマエとは違って、身近かに何となく心をひかれる男が存在して……。適齢期の娘心を可憐に描いた、恋愛ユーモア長篇。

1979.06.21発売
愛子のおんな大学
講談社文庫
笑って、怒って、考える、女の行く道・生きる道。娘と妻と母親と、世の中半分、女族。男と女の生活が、この世の幸せであるならば、女の道を教えます。ご存じ愛子の痛快な、男女共読、名エッセイ。「離婚常習者の弁」「母性愛のワナ」「わが教育愚論」「姑のブルース」「ヤキモチは焼くべし」など、24篇を収録。

1979.06.21発売
虫たちの墓
講談社文庫
米軍将校を処刑した村井を縦糸とするこの長篇小説は、多彩なエピソードによって、戦中・戦後の時代精神、風俗を浮き彫りにする。今でも、B・C級戦犯容疑に問われた元兵士たちの胸の中を、なお、乾いた風が吹き抜けるのはなぜか? 生死を賭して戦場から辛うじて帰国した兵士たちを通じて、一兵士・一市民にとって国家とは何かを問うた問題作。

1979.06.21発売
太閤秀吉(四)
講談社文庫
九州・島津の降伏、中国・毛利の懐柔で、西の不安は、一掃した。残るは、関東の北条のみ。豊臣秀吉は、大軍による持久戦でこれを滅亡、全国制覇を達成する。一方、秀吉の愛を独占していたお茶々は、鶴松を生んで後宮での勢力を拡大するが、小田原陣に参戦した茶博士・千利休の娘ぎんの存在に気をもむ。そして、利休切腹の真相は……。<全8巻>

1979.06.19発売
男たらし
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、江戸の町の四季おりおり、大評判のあたし小説決定版! ーーこの頃めっきり、春めいてきて、砂ぼこりのまじったあったかい風が吹いたりして。桜の蕾も、一雨ごとにふくらんできてるみたい。なんとなく、悩ましくって。女の一人寝がもったいないという気になっちゃうんです。夜なんか、なかなか寝つかれずに、太腿に夜着をはさんで、寝がえりばかり、うってることがある。腰巻をひらいたあそこに、丸めた夜着を、こすりつけるように、したりして、あたしってすごく体がほてる性質なんです。夜這いにくるほど、勇気のある男ってこの長屋にいないのかしら……。

1979.06.18発売
数学ぎらいをなくす本 数1を突破口として
ブルーバックス
ああ、数学なんて、この世からなくなってしまえばよいのに!……と思っている人は多いでしょう。こういう人たちの考えを何とか変えてあげることはできないでしょうか?
この本で私(著者)が書きたかったことは(1)あきらめないこと (2)じっくりやること (3)楽しんでやること の3つに要約できるでしょう。
数学ぎらいの人たちの大半は非常にあきらめの早い人たちのようです。また、手っとり早くやり方だけを覚えようとする人たちのようでもあります。最後に、「遊びのこころ」で数学に対することができれば、もう、しめたものなのですが……。(序文より抜粋)

1979.06.08発売
経済学の学び方
講談社学術文庫
「私は、普通の教科書ではひじょうに簡単にしか書かれていないようないくつかの基礎的な問題を、ていねいに解説してみることにしました。……この本のもう一つの特徴は、いわゆる近代経済学か、マルクス経済学か、というような原理体系の対立に一つの解決をつけていることです。……しかし、もっと重要なことは、この本が、応用可能な原理をみずから体得してもらおうという姿勢で書かれていることです」(著者「まえがき」より)

1979.06.08発売
近世日本国民史 開国日本(4)
講談社学術文庫
嘉永・安政の時代、露・米・英・仏諸国は東洋における覇権の中心を日本に向けているのか観を呈し、しかもその間、露国対英・仏のクリミヤ戦争が出来、日本を交戦国の舞台たらしめんとする危険を生ず。時に露国、米国との条約締結をたてにして開国を迫りその交渉最も繁多、葛藤最も難渋、衝突最も激甚を極む。かくて日本は米に次いで露・英・蘭との条約を締結。ここに徳川鎖国制度は打ち破られ、開国日本の曙は招来されたのだった。

1979.06.06発売
滅尽争のなかの戦士たち ―玉砕島パラオ・アンガウルー
講談社文庫
奇跡的生還者が証言するアンガウル島の玉砕。唯一故国防衛のため、米軍の近代戦の前に勇猛果敢に闘い、そして玉砕していった若き戦士たち。この人間の「滅尽争」を、彼ら英霊の叫びを、代って報告する。
◎三島由紀夫はこう評している。ーー近代戦のもっとも凄壮な様相が如実に描かれている点で、又、ただ僥倖としか思えない事情で生き永らえた証人によって、人間の「滅尽争」がはっきり描かれている点で、これは世界に比類のない本だということである。この本は実にありえないような偶然によって書かれたものであるから、これ以上の文学的贅沢などを求めるのは全く無意味である――と。

1979.05.29発売
与謝蕪村
講談社文庫
蕪村の新体の詩「澱河歌」は、淀川を艶なる女体の横たわる姿と見立てたところに生れた……とする記念碑的な評論「『澱河歌』の周辺」以下、大胆な発想と、一字一音一句をもゆるがせにしない確乎たる鑑賞眼で、この画俳の詩句の神髄を、鮮やかに解きあかす。詩心をもって詩心を探り、詩空間に遊ぶ喜びも堪能させる、鑑賞と評論の書。詩人による評価高い評論とともに、44句を取りあげた鑑賞篇が圧巻。詩作品の鑑賞・評論を中心とした蕪村の全て。

1979.05.28発売
沖田総司(下)
講談社文庫
新選組……局長・近藤勇、副長・土方歳三を核に、斎藤一、永倉新八、原田左之助ら、恐れを知らぬ若き群像。この中にあって、天稟の凄剣を紅顔に秘め、攘夷志士を斃して京洛を血漿で染めあげる沖田総司は、闘い終れば純情多感な青年だった。だが、歴史は彼に安息を許さない……。残光煌めく落日を支えるべく、勁烈な士道の美意識に殉じる若者の命運!

1979.05.28発売
沖田総司(上)
講談社文庫
幕末……それは現体制の打倒、徳川幕府の覆滅のとき。しだいに血の旋風で彩られてゆく京の治安を維持すべく、浪士徴募に応じて結成された新選組。その新選組の内部では、近藤勇を初めとする、土方歳三、沖田総司ら誠衛館の一統と、水戸浪人・芹沢鴨を首領とする一派の対立が日ましに激化し、一方、急進公卿と長州藩の企図する、京洛騒乱の陰謀が、着々と進められていた……。はかない夢と知りながら大義に生きた天才剣士・沖田総司の短い生涯を描く傑作長編小説。