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杉浦明平著作選(上)
1978.03.28発売
杉浦明平著作選(上)
著:杉浦 明平,装丁:亀倉 雄策,装丁:ファイブ・アド
講談社文庫
渥美半島・福江湾のノリ養殖に関して、利権にむらがるブローカー、漁業ボスのあさましい行動。それはやがて不正を生んで、素朴な漁民たちの目を覚まさせた。戦後の民衆運動の典型を、重い視点と深いユーモアで描いた名作「ノリソダ騒動記」のほかに「町会議員一年生」を併録。知性と野性が結実する杉浦文学の秀作選。
電子あり
風塵(上)
1978.03.28発売
風塵(上)
著:早乙女 貢,装丁:亀倉 雄策,装丁:熊谷 博人
講談社文庫
天正10年、織田信長は60余州制覇の駒を進めていた。野望渦まくこの戦国乱世に生み落とされた孤児……山猫。信長の姪・茶々に想いをかけ、一国一城の主となって、茶々を嫁にするという大きな夢に命の炎を燃やす男……山猫。非情な運命に弄ばれながら、逞しく人生を切り拓いてゆく男を痛快に描く、戦国ロマン。
電子あり
ニーチェとの対話 ツァラトゥストラ私評
1978.03.17発売
ニーチェとの対話 ツァラトゥストラ私評
著:西尾 幹二
講談社現代新書
「《われわれは幸福を発明した》末人たちはそう言って、まばたきする」末人すなわち現代人に向けて、毒ある予言を呈したニーチェの警句は、《退廃》を宿命として帯びたわれわれの心を深く揺り動かさずにはおかない。本書はニーチェの評伝でも解説でもない。平板な無思想状況と人間の卑小化を予見していたニーチェと著者との《対話》を通じて、人間の生き方を問う思索と行動への書である。高貴なる精神とは何か? いま問いなおす意味は大きい。 末人の時代――人間は昔より多く理解し、多く寛容になったかもしれないが、それだけに真剣に生きることへの無関心がひろがっている。すべての人がほどほどに生きて、適当に賢く、適当に怠け者である。それならば現代人に、成熟した中庸の徳が身にそなわっているのかというと、決してそうではない。互いに足を引張り合い、互いに他を出し抜こうとしてすきをみせない。「人に躓く者は愚者」であって、「歩き方にも気を配」らなければならないのだ。人間同士はそれほど警戒し合っているというのに、孤独な道をひとりで行くことは許されず、べたべた仲間うちで身をこすり合わせていなければ生きていけない。「温みが必要だからである。」彼らは群をなして存在し、ときに権威ある者を嘲笑し、すべての人が平等で、傑出した者などどこにもいないと宣伝したがっている。――本書より
タテ社会の力学
1978.03.16発売
タテ社会の力学
著:中根 千枝
講談社現代新書
日本社会では法的規制はきわめて弱い。人々の行動を律するのは法ではなく、個人あるいは集団間にはたらく力学的規制なのである。無原則のまま外界の変化に柔軟に対応する日本社会は、《軟体動物的構造》をもっている。本来の意味での権力が存在せず、小集団におけるリーダーの力が弱いのも、この特殊な社会構造によるのである。本書は、タテ社会内部にはたらくダイナミズム・動的法則を、《全人格的参加》《無差別平等主義》《儀礼的序列》《とりまきの構造》など、興味深い事例を引きながらあざやかに分析し、現代人1人1人をとりまくネットワークを明示する。『タテ社会の人間関係』と対をなす必読の名著。 法規制でなく社会的規制――私たちの社会生活に規制が働き、全体の治安が維持されているのは、個々人が小集団的規制に常に従い、全体が力学的にバランスをとろうとする動きをもっているからといえよう。こうした社会に育まれた私たち日本人は、法規制にてらして行動するなどということはなく、まわりの人々にてらして、あるいはあわせて行動することに慣習づけられている。いいかえれば、規制というものを肌で感じながら行動しているといえよう。日本社会においては、社会的規制が法規制の機能まで包含していると解釈できる。こうした世界になれていると、法のきびしさを忘れがちである。否、知らないで過すことも可能である。――本書より
播磨灘物語(1)
1978.03.15発売
播磨灘物語(1)
著:司馬 遼太郎
講談社文庫
黒田官兵衛、この戦国末期が生んだ商人的思考の持主。それは既に彼の家系に根づく。官兵衛二十二歳、播州御着城にて一番家老。洗礼名シメオン。のち、如水。本巻は入念に官兵衛の人となりをたどり、播州の小天地で、広大な世界に想いをはせていた一紳士が、愈々織田信長の岐阜へ旅立つあたり迄に関って進む。〈全四巻〉
蜻蛉日記(中)全訳注
1978.03.08発売
蜻蛉日記(中)全訳注
その他:上村 悦子
講談社学術文庫
兼家との結婚生活17年目の元日、共に祝う恒例を破り、作者邸前を先払いも高らかに素通りする。4日も同様。開門して跪(ひざまず)いている従者や侍女の手前作者は居たたまれない。目と鼻の間にある伊尹(これまさ)家の大饗(だいきょう)の夜も期待空しく訪れない。作者は決心して鳴滝の山寺へ参籠する。尼に?と驚いた兼家はその夜物忌(ものいみ)を冒して迎えに赴くが下山せず。3週間目、兼家の強行手段により無事長髪の作者は下山し雨蛙の異名を得る。中巻は本日記の中軸をなす。
若い川の流れ
1978.03.08発売
若い川の流れ
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
川崎専務から頼まれて専務邸に大きな包みを届けた健助は、その娘・ふさ子に出会った。専務にユーモアのある見合いをさせられたことに気づいた二人は、お互いに好意をもつが前後多難――痛快明朗編。映画化、テレビドラマ化もされた。
電子あり
霧の中の少女
1978.03.08発売
霧の中の少女
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
夏休みに旅行中の学友・英吉が、由子の故郷に突然訪ねてきた――。東北の田舎町の風土が滲み出た両親や兄弟の歓迎ぶりに由子は幸せいっぱい……。若者の「性」を霧の中に包んでみせた表題作ほか「危険な年齢」「冬山の幻想」など全6編の短編集。
電子あり
ある日わたしは(2)
1978.03.08発売
ある日わたしは(2)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
大助さん、さようなら!――とゆり子はつぶやいた。恋人・大助の父と結婚前の母との関係を、母の臨終の告白によって、はじめて知ったゆり子は、大助を愛しても結婚はできないと悟ったのだった――。主人公・ゆり子を取り巻く恋愛模様を明るい筆致で描く全2巻・完結編。映画化、テレビドラマ化もされた作品。
電子あり
ある日わたしは(1)
1978.03.08発売
ある日わたしは(1)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
「わたし――白い冷たい雪の中にひとりぼっちでいたとき、もし金子さんが傍にいたら抱いてもらいたいと思ったわ……」とゆり子がいうと、金子はふいに不思議な力でゆり子を抱き、烈しい接吻をした――。主人公・ゆり子を取り巻く様々な恋愛を描く全2巻。映画化、テレビドラマ化もされた作品。
電子あり
女の顔(2)
1978.03.08発売
女の顔(2)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
もし、この人が悪人なら、私も一緒に沈もう。それが私の愛情の運命だから……と、和子の想いはますます募る。感情と本能に支配されやすい女の、ひたむきな愛のはかなさ、もろさを謳いあげる……。全2巻完結編。映画化、テレビドラマ化も。
電子あり
女の顔(1)
1978.03.08発売
女の顔(1)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
「あなたは、ほんとに亡くなった英夫さんに似ています。でもそれだけに坂本先生はあなたにお会いするかどうか……」と和子はこたえながら、恋人だった英夫に生き写しの安雄を見て胸をときめかす……。ひたむきな愛を描く全2巻。映画化、テレビドラマ化も。
電子あり
物理現象を読む 身近な出来事を見直し、考えよう
1978.03.08発売
物理現象を読む 身近な出来事を見直し、考えよう
著:藤井 清,著:中込 八郎,その他:永美 ハルオ,装丁:上野 隆,その他:中込 八郎
ブルーバックス
あなたも小さなガリレイ、小さなニュートン 《ピサの斜塔実験》重さの違う球の落下の伝説を再確認してみよう 《基本的な運動の観察》自由落下、衝突、振り子の運動などからなにが読み取れるのか 《身近な力学問題》慣性力、遠心力、鉛直面内の円運動はいつ、どんな場合に見つけられるか 《瞬間の物理》ミルククラウン、風船の破裂、雨の落下中の形などを高速度写真で見ると…… 《色を見る》薄膜の色、回折、虹、偏光、干渉など光の世界をさぐる 《電気と生活》永久磁石と磁界、電流がつくる磁界、直流・交流モーターの原理など磁気作用を考える
妖星伝 第二部 外道の巻
1978.02.27発売
妖星伝 第二部 外道の巻
著:半村 良,装丁:亀倉 雄策,装画:横尾 忠則
講談社文庫
鬼道衆をはじめ、田沼意次までがつけ狙う黄金城。そのありかを解くべき絵馬は妖僧日円のふところに入る。日円は鬼道衆の襲撃をかわすのに、時間を停止させる沈時術を駆使した。だが、この怪僧の動きを正確に監視している何者かが存在するのを日円は知らない。退廃に走る江戸の暗黒世界で鬼道は揺れる!
中国笑話集
1978.02.27発売
中国笑話集
編・訳・解説:駒田 信二,装丁:亀倉 雄策,装画:野尻 弘
講談社文庫
電子あり
目こぼし歌こぼし
1978.02.24発売
目こぼし歌こぼし
著:上野 瞭,解説:鶴見 俊輔,装丁:亀倉 雄策,装画:梶山 俊夫
講談社文庫
下級武士の息子・足柄七十郎は、ふとしたことから、城下の居酒屋「とろろ」で起きた、不可解で恐ろしい殺人事件にまきこまれた。事件の渦中におかれ、謎の古地図をふところに、仇討ちに出た七十郎は、藩の非人間的な搾取のからくりを知る――人間が真に人間らしく生きる自由と平等の問題を追求した、意欲的な長編時代小説。
電子あり
夢声自伝(中)昭和篇 1
1978.02.24発売
夢声自伝(中)昭和篇 1
著:徳川 夢声
講談社文庫
昭和4年、日本にトーキー映画が上陸、弁士は無用になってしまう。そこで古川ロッパらと「笑の王国」を結成、演劇に乗り出した。映画にも出て、役者業は順調に。だが徳川夢声の名を一躍全国的にしたのは、発展途上のラジオ。昭和14年秋放送の「宮本武蔵」は、彼を放送界のスターに仕立てた。放送史の裏側を語る。<全3巻>
電子あり
夢声自伝(上)明治・大正篇
1978.02.24発売
夢声自伝(上)明治・大正篇
著:徳川 夢声,装丁:亀倉 雄策,装画:山内 章
講談社文庫
東京府立一中から、旧制一高を受験。エリートへの花道だったが、寄席通いが過ぎて挫折、福原少年は活動写真の弁士になる。異例の大転回だ。映画館を転々とするうち、大辻司郎らの良き仲間を得た。関東大震災はあったものの、大正リベラリズムにひたり、すばらしい青春だった――徳川夢声なる芸人誕生の頃の回想。<全3巻>
電子あり
火炎城
1978.02.24発売
火炎城
著:白石 一郎
講談社文庫
天文十九年、相続をめぐる大凶変の末、大友家二十一代目の主となった義鎮(宗麟)は野性味あふる九州男児だった。九国平定をめざして毛利と争うかと思えば、キリスト教に入信し、仏教徒の奥方と壮烈な夫婦喧嘩、正に異色の大名であった。この怪物の生きざまと戦国時代とを劇的に描いた会心作。
能登路悲恋
1978.02.24発売
能登路悲恋
著:加堂 秀三,解説:駒田 信二
講談社文庫
愛を失い恋に傷ついた美しい画学生は、いとこの詩「愛の空 恋の森」に触発されて、能登へ旅立つ。彼女がそこで邂逅したのは、野性的な若者だった。いつしか二人の心は激しく燃え、火の接吻を……。が、その若者には罪深い過去のあることを知る。能登半島を舞台に、人間とは?美とは?を問うた、新鋭の悲恋物語。
電子あり