新刊書籍
レーベルで絞り込む :

1978.01.10発売
良寛(下)
講談社学術文庫
春の日に子供らと手まりをついて遊んだ名僧。良寛についてはこのイメージが一般に知られている。だが著者はあえて「童児と手まりをついて興じたということは、童児と手まりをついて楽しまざるを得なかったということである」という。良寛の行動の背後に深い人間的な苦悩のあったことを明らかにする。ここに新しい良寛像が打ち出される。現代人の目で良寛の生涯をみなおし、かれの主要作品を新たな角度から鑑賞する、意欲的な力作。

1978.01.10発売
良寛(上)
講談社学術文庫
新潟県出雲崎の旧家橘屋の長男として良寛は生まれた。父の以南は風流人で、家業に力を注がず、一家は衰えてゆく。その中で良寛は十八歳のころ親の期待にそむいて出家してしまう。そんな境涯の良寛が考えていたことは何だったろう。良寛の作った多くの漢詩や和歌には、人生に対する深い思いがこめられている。名僧とたたえられる良寛にも、実は苦い自己反省が常にあったのではないか。良寛を一個の人間として見直す味わい深い名著。

1978.01.10発売
中世の光と影(下)
講談社学術文庫
さまざまな紆余曲折を経て、「ヨーロッパ」は12世紀に確立する。ここに東ローマとは全く別個の構造と理念を持つ世界が成立した。が、この世界も15世紀には、「中世の秋」という崩壊期をむかえる。本巻では、上巻に続き、中世後期の西欧社会を概観する。本書は、中世1000年にわたる人間の営為の、本質的意義を解明する史論でもあり、また同時に、歴史家堀米庸三がヨーロッパ世界生成の歴史空間にしるしたひとり旅の旅日記でもある。

1978.01.10発売
中世の光と影(上)
講談社学術文庫
従来、西欧中世期は、華やかな古典文化とルネッサンスの狭間の暗黒の時代と考えられていた。しかし中世は、古典文化・ゲルマン精神・キリスト教の三者が、たがいに対立抗争を続けながら、次第に「ヨーロッパ」を形成していく、独特のエネルギーに満ちた時代であった。著者は自らの紀行文もまじえつつ、このヨーロッパ生成の過程を解明し、中世社会の本質を鮮やかに描き出す。本書は単なる「通史」を超えた、史論と歴史紀行の結晶である。

1978.01.09発売
愛情・少女
講談社文庫
東北的なユーモア、生活にじかにつながっているエロチシズム、鈍重のようでスマートな人生観などを、淡々とさり気なく描きながら、愛情というものの歓びや虚しさをあたたかい心で語る秀作6編の短編集。

1978.01.09発売
寒い朝
講談社文庫
三輪家には女っ気がなく、岩淵家には男っ気がない。どちらも片親という家庭環境の下に育った高校の同級生、茂夫ととみ子。「家同士で交際したら」というとみ子の提案で家族ぐるみのつきあいが始まったが、娘心は微妙に揺れ動く――。刊行後、ぼどなく映画化、テレビドラマ化もされた。
1978.01.06発売
講談社英和辞典

1977.12.21発売
安野光雅の画集 ANNO1968~1977
写真集・画集
数々の賞にかがやく安野光雅の画の世界! ふしぎな絵、ユーモラスな絵……。絵と文章が絶妙のハーモニーを奏でる安野ワールド! 熱烈な数多くのファンをもつ著者の魅力がこめられた一冊。

1977.12.21発売
坪田譲治童話集2 ねずみのいびき
講談社文庫
少年の日の思い出をつづった名作「かっぱとドンコツ」の姉妹編。明治中頃の郷里・岡山の美しい自然と素朴な人々の暮しを軽妙な筆致で浮き彫りにした、譲治童話の絶品です。「卵とどじょうの競争」「馬太郎とゴンベエ」「かっぱのふん」「めじろとり」「ねずみのいびき」「坪田長門守のお墓」など14編を収録。野間児童文芸賞受賞作。

1977.12.21発売
小説 江戸歌舞伎秘話
講談社文庫
「車引」の場で梅王丸・松王丸・桜丸の3兄弟は、赤の襦袢を着る恒例になっているが、五代目団十郎はあるとき白襦袢を着用してアッといわせた。団十郎に新趣向を思いつかせるには、陰にどんな事情があったか(「座頭の襦袢」)はじめ、歌舞伎研究で高名な著者が、江戸歌舞伎に題材を得てミステリ趣向をこらした14編からなる異色連作小説。
歌舞伎研究で高名な著者が、江戸歌舞伎に題材を得てミステリ趣向をこらした異色連作小説。「振袖と刃物」「座頭の襦袢」「美しい前髪」「種と仕掛」「幼馴染」「お七の紋」「女形と胡弓」など十四編。
1977.12.21発売
明暦の大火
講談社現代新書
1977.12.20発売
豊臣秀吉(一) 異本太閤記
講談社文庫
大仁の乱以来百年も続く戦乱の世のただ中、天正五年正月、尾張中村郷の三反百姓の子に生まれた日吉丸は、十二歳で志を立て、清洲へ出て紺屋の小僧をふり出しに十幾つもの職を転々とするが‥‥。〈全六巻〉

1977.12.20発売
お蝶夫人
講談社文庫
作曲者のプッチーニをして「最も理想的な蝶々夫人」と賛美させたプリマドンナ・三浦環。彼女は六63歳で他界する直前まで歌い続け、欧米を中心に「蝶々夫人上演2000回」の記録を樹てた。そして、恋多きおんなでもあった。偉大な歌姫・環の希有な生涯を、女性伝記小説の第一人者がみずみずしく描き上げる力作長篇。

1977.12.20発売
川波抄・春の歌
講談社文庫
隅田川を心のふるさととした明治・大正の東京の情趣が、若い日の「私」の歳月と交錯し、失われた時間に寄せる、想いの光と影を清婉に織りなす「川波抄」、さまざまな歴史を包みこんだ女の、不気味な明るさを湛えた晩年の性を描く「春の歌」など、円地文学の多様な才華と幽玄な到達点を鮮かに示す、傑作全9編を精選。

1977.12.19発売
細い赤い糸
講談社文庫
次々と不可解な連続殺人事件が起こり、被害者のいずれもが、鈍器で殴殺されたと推定された。第一犯行現場の唯一の遺留品は、「細い赤い糸」。被害者の頭部に付着していた。被害者同志、何の面識もなく、犯行動機がつかめない。ただ、手口の類似が、同一犯人の犯行を裏付ける。「細い赤い糸」に秘められた殺人の謎を追う、本格推理長編。日本推理作家協会賞受賞作品。

1977.12.19発売
枇杷の季節
講談社文庫
「異郷人」の自覚は、すでに彼には親しいものだった。父の転勤のたびに繰り返した転校、いつも身近にあった戦争の翳、渾沌としたそれらの日々に訪れた、人生への早い目覚めがうながしたものは……。原点としての幼少年時代とその心の領域の移りゆきを、よく醒めた文体で感銘ふかく描きつくす好短篇集。5篇を収録。

1977.12.19発売
無名碑(上)
講談社文庫
大自然を相手に人間の知恵と力をぶつけるダムや道路の建設。人間が自然の中にうちたてる巨大な碑である。三雲竜起はこの仕事に生涯を賭け、只見川奥地へ赴く。愛する妻との新生活も竜起を力づけ、前途は希望に満ちていたのだが、苦しみもまた忍びよっていた。愛の絆に悩み、自然と闘う男の壮大なロマン。

1977.12.09発売
山と川のある町(2)
講談社文庫
敬助は、のぶ子を抱いて接吻した。「先生はしあわせだった?」「ああ…」「うそでしょう。もう後悔している……明日から学校で私と顔を合せたら、どんな表情をしたらいいかって……先生はそんな方ですもの……」。聖女とも妖婦ともつかぬ謎めいた高校のヴィーナス、のぶ子の魅力に教師・敬助は……。全2巻完結編。

1977.12.09発売
山と川のある町(1)
講談社文庫
生徒がつくった親睦団体マウマウ団のパーティに招待された教師・八木敬助は、東高校のヴィーナス、早川のぶ子に心を奪われた。聖女とも妖婦ともつかぬ謎めいた魅力に教師という立場も忘れて……。東宝で映画化も。全2巻。

1977.12.09発売
山のかなたに(2)
講談社文庫
薄甘い雨の味がするキス。川の中の2匹のお魚のキス。必然性だけに裏づけられた燃えるもののない肉体の接触。雷が遠く鳴っていた――。健太郎から離れた美佐子は無意識にこうつぶやいた……。教師・健太郎の青春の彷徨を描く。<全2巻・完結>