道路独裁 官僚支配はどこまで続くか

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道路独裁 官僚支配はどこまで続くか

ドウロドクサイカンリョウシハイハドコマデツヅクカ

民主党にも道路族がいる!
「道路」を突破口に、官僚支配の本当の恐怖、改革ができない本当の理由を、まざまざと描き出した傑作誕生。

「1000円高速」にも「高速無料化」にもダマされるな! 甘い需要予測で不採算道路を日本中に建設し、「民営化」を偽装して権力拡大を続ける国交省と道路族議員。自民党的権力の源泉「土建王国」を民主党は壊せるか? 「小泉改革」の民営化論議をリアルタイムで追い、国交省と道路公団の内部資料に新たな光を当てたジャーナリストが告発する、驚くべき権力構造の実態。

道路建設を求める「政官業」の構造は、地方のすみずみまで重層的につくりあげられ、からみあった糸のようになっている。ある特定の人物が「道路」を絶対的に制しているわけではない。その権力構造は闇につつまれ、「聖域」となり、手を突っ込もうとしてもはね返されてきた。「道路」という存在そのものが「権力」となり、日本を「独裁」しているのだ。
「自民党的なもの」と「官僚支配」に変革が求められたのは、今回の政権交代が初めてではない。1993年の細川政権、そして2001年の小泉政権の発足は、いずれもその打破を期待されたものだった。しかし、8年ごとに風を吹かせた国民の期待は、失望に変わった。道路公団や道路特定財源は20年前から「改革」が叫ばれ、両政権も取り組もうとしたが、改革は葬り去られた。
もう同じ過ちを繰り返してはならない。「道路独裁」を生んだ「自民党的なこの国のかたち」を民主党は壊せるのか。それが今、問われている。――-本書より-


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目次

第1部 道路の厚い岩盤――巻き戻された時計の針
第1章 高速道路「どこまで行っても1000円」は問題だらけ
第2章 車が減っても道路はどんどん造られる
第3章 幻と消えた「一般財源化」
第4章 ガソリン国会――自民vs.民主
第5章 「改革ごっこ」の罪――なぜ私は6年前の出来事にこだわるか
第2部 道路公団民営化の「七人の侍」
第6章 決戦前夜
第7章 民営化推進委という名の戦場
第8章 真夏の決闘
第9章 官僚支配の深い闇
第10章 「5人組」のクーデター
第3部 それぞれの「わが闘争」
第11章 王国の崩壊――藤井治芳公団総裁の場合
第12章 「変人」の変心――小泉純一郎首相の場合1
第13章 作家の権力――猪瀬直樹委員の場合
第14章 「小泉改革」の罪と罰――小泉純一郎首相の場合2

書誌情報

紙版

発売日

2009年09月18日

ISBN

9784062156257

判型

四六

価格

定価:2,090円(本体1,900円)

ページ数

338ページ

著者紹介

著: 星野 眞三雄(ホシノ マサオ)

(ほしの・まさお) 朝日新聞経済グループ記者。1971年神奈川県生まれ。94年、早稲田大学を卒業し、朝日新聞へ。徳島、千葉の支局、北海道報道部、西部本社経済部などを経て2002年から東京本社経済部。国土交通省、建設・不動産業界、日本銀行、金融業界、金融庁、財界、経済産業省などを担当。06年~07年、米スタンフォード大学客員研究員。

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