文芸(単行本)作品一覧

国を蹴った男
文芸(単行本)
不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。”豪腕作家”の凛然たる戦国小説集。いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く! 伊東潤、一戦ここにあり!
不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。”豪腕作家”の凛然たる戦国小説集。
いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く!
伊東潤、一戦ここにあり!

あの頃の空
文芸(単行本)
『駅男』 定年後の日常が不安な瀬木(59歳)は、毎朝駅で電車に乗らない謎の男を見かける。 『リボン仲間』 失業して就活に苦労する川端(53歳)が、救いを求め飛び込んだストリップ劇場で見たものは? 『カントリータイム』 カナダ留学に挑む60男が、英語が思い通りにならないもどかしさを覚えて。 『花の下にて』 老いた自分を監視する社会に動揺する律子(79歳)は、一世一代の大嘘をつく。(他全8篇)
定年を迎えたあの頃、忙しかった30代のあの頃、楽しかった少年時代のあの頃、そして、いつか訪れる終(つい)の瞬間……。昭和のノスタルジー溢れる追憶の日々。読めば励みになる人生の短篇集(全8篇)
『駅男』 定年後も会社に足が向いてしまうのではと不安に駆られる瀬木(59歳)。毎朝駅のベンチで新聞を読みふけり電車に乗らないスーツ男を見かけるが。
『リボン仲間』 会社が倒産して就活に苦労する川端(53歳)は、救いを求めて飛び込んだストリップ劇場である光景を目撃、家族に言えない秘密をもつ。
『カントリータイム』 実社会でキャリアのある60男がカナダ語学留学に挑む。英語で思い通りに表現できないもどかしさから、若い女子学生を叱ってしまう。
『花の下にて』 夫に先立たれた律子(79歳)は、周囲にばれないように一世一代の大嘘をつく。老いた自分の姿を監視する福祉社会に律子は動揺する。(他4篇)

スリジエセンター1991
文芸(単行本)
天才外科医による「革命」の行方は?
“招かれざる異端児”を襲うアクシデントと張り巡らされた陰謀――。
メディカル・エンターテインメントの真骨頂!
「ブラックペアン」シリーズ、ついに完結!!
手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する天才外科医・天城は、東城大学医学部でのスリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。だが、佐伯教授の急進的な病院改革を危惧する者たちが抵抗勢力として動き始めた。桜宮に永遠に咲き続ける「さくら」を植えるという天城と世良の夢の行く末は?
海堂作品最高の「衝撃と感動」!

大黒島
文芸(単行本)
銀行を辞め、湖に浮かぶ島にある小さな寺の執行(管理責任者)となった「ぼく」の元を、かつての同僚が訪ねてきた。「おまえの仲介で神仏の力を借りたい」と。「ぼく」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。半年後、同僚の妻が来て金を返せという。夫はめでたく昇進したが、辞令が出た翌日、息子が事故で半身不随になったのだった……。姉妹編「オオクニヌシたち」と、「海の碧さに」の2篇を併録。
30万円で、俺の出世を祈ってくれ!
みずうみに浮かぶ島の小さな寺で繰り広げられる金とホトケをめぐる奇妙でユーモラスな物語
信仰とはなにか? 元銀行員の坊主、悶々と考える。
銀行を辞め、みずうみに浮かぶ島にある小さな寺の執行(管理責任者)となった「私」の元へ、かつての同僚が訪ねてきた。「おまえの仲介で神仏の力を借りたい」と。「私」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。半年後、同僚の妻が来て金を返せという。夫はめでたく昇進したが、辞令が出た翌日、息子が事故で半身不随になったのだった……。
姉妹篇「オオクニヌシたち」と、「海の碧さに」の2篇を併録。

西海の虎 清正を破った男
文芸(単行本)
戦国末期、九州では島津勢が猛威を振るい、肥後の一豪族・木山弾正の居城にもついにその大軍が押し寄せてきた。窮地に立たされた弾正は、敵の包囲網を突破して義兄のいる天草へ落ち延びることを決意する。弾正には土地や意地のために、妻子や家臣を犠牲にすることができなかったのだ。脱出に成功した弾正だったが、時代はさらに変転する。九州の新たな支配者に太閤秀吉が君臨し、肥後の国主として加藤清正らがやってきたのだ──。
戦国時代末期、九州では島津勢が猛威を振るい、大友や龍造寺を倒して、もはや敵なしという勢いだった。肥後の一豪族・木山弾正の居城にも島津の大軍がついに押し寄せてきた。城を枕に討ち死にか、それとも軍門に下って自らの殺生与奪の権を敵に委ねるか。だが弾正は決意する、どちらも選ばないことを。選んだ道はただひとつ。敵の包囲網を突破して、義兄のいる天草へ落ち延びることだった。戦国時代には珍しく、弾正には父祖伝来の土地や武士の意地を守るのために、妻子や家臣を犠牲にすることができなかったのだ。無事脱出に成功した弾正は、その後、一介の客将として天草に逼塞する。そして、時代はさらに変転する。九州の新たな支配者には太閤秀吉が君臨し、肥後の国主として半国ずつ小西行長と加藤清正が任じられる。安寧の地を勝ち得たに見えた弾正に、またしても予期せぬ転機が訪れようとしていた──。

K SIDE:BLUE
文芸(単行本)
《青の王》宗像礼司率いる、対能力者治安組織《セプター4》。その屯所の一角にある資料室に、重厚な肉体をもつ隻腕の男――善条剛毅がいる。ただならぬ気配を放つ彼は、前《青の王》時代からの古株で抜刀術の達人だという。人気のない深夜の道場で、新米隊員の楠原剛に剣を教える善条。そこへ、室長・宗像が真意の測り知れない薄い笑みを浮かべながら現れる。「“鬼の善条”の剣術指南――ひとつ、私にもお願いしましょうか」
2012年10月に放送スタートしたTVアニメ『K』、その原作・脚本を手がけた作家集団GoRAによるオリジナル小説シリーズが講談社BOXから刊行開始!
アニメ本編と合わせて読めばその壮大な世界観をさらに膨らませることができ、単独で読んでももちろん抜群の面白さ。
〈第1弾〉は、『K SIDE:BLUE』。アニメ主要キャラクター、《青の王》宗像礼司をめぐる知られざる物語が、GoRAメンバーの一人――古橋秀之によって明かされる。
《セプター4》――青のクランと、宗像礼司をめぐるもう一つの物語が幕を上げる。
《青の王》宗像礼司率いる、対能力者治安組織《セプター4》。
その屯所の一角にある半ば忘れられた資料室に、重厚な肉体をもつ隻腕の男――善条剛毅がいる。
ただならぬ気配を放つ彼は、前《青の王》時代からの古株で抜刀術の達人だという。
人気のない深夜の道場で、新米隊員の楠原剛に剣を教える善条。
そこへ、室長・宗像が真意の測り知れない薄い笑みを浮かべながら現れる。
「“鬼の善条”の剣術指南――ひとつ、私にもお願いしましょうか」

逃走
文芸(単行本)
早期解決を確実視された殺人事件。容疑者の若者は何のために逃げ続けるのか? 驚愕と感動のラストが待つ、乱歩賞作家による逃亡劇。閉店後のラーメン店で、店主が何者かに暴行され死亡した。通報により駆けつけた救急隊員に、「約束を守れなくてすまない」と声を振り絞り、被害者は息絶える。通報した若者を容疑者として始まった捜査は、早期解決が確実視されていたはずだった……。
早期解決を確実視された殺人事件。容疑者の若者は何のために逃げ続けるのか?
驚愕と感動のラストが待つ、乱歩賞作家による逃亡劇。
閉店後のラーメン店で、店主が何者かに暴行され死亡した。通報により駆けつけた救急隊員に、「約束を守れなくてすまない」と声を振り絞り、被害者は息絶える。通報した若者を容疑者として始まった捜査は、早期解決が確実視されていたはずだった……。

満月ケチャップライス
文芸(単行本)
中学一年生の進也の家に突如転がり込んできたモヒカンヘアーの男、チキさん。足が不自由な妹の亜由美も、チキさんには一発でなついてしまった。チキさんには2つの特技がある。ひとつは、料理。そしてもう一つは――。おいしくて不思議な物語が思わぬ方向に展開する、直木賞作家が書いた新たなる名作。
ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。
台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。
夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。
進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼きを作りはじめると……
「あ、そろそろ水を入れた方が、いいんじゃないですか?」

新本格ミステリの話をしよう
文芸(単行本)
綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、北村薫、芦辺拓、麻耶雄嵩、篠田真由美、近藤史恵、京極夏彦、西澤保彦、北川歩美、乙一、柄刀一、米澤穂信、東川篤哉、辻村深月、道尾秀介、円居挽の新本格ミステリ作家20人に加え、鮎川哲也、連城三紀彦、笠井潔、島田荘司、東野圭吾ら本格ミステリの祖5人を含めた計25人の作品を一挙解説! さらに新本格にまつわるコラムも掲載。
新本格ミステリ25周年記念出版! 綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、北村薫、芦辺拓、麻耶雄嵩、篠田真由美、近藤史恵、京極夏彦、西澤保彦、北川歩美、乙一、柄刀一、米澤穂信、東川篤哉、辻村深月、道尾秀介、円居挽の新本格ミステリ作家20人に加え、鮎川哲也、連城三紀彦、笠井潔、島田荘司、東野圭吾ら本格ミステリの祖5人を含めた計25人の解説を収録。
また25周年記念企画として「“新本格の長子”の証言 綾辻行人インタビュー」「これが新本格25周年記念短篇集だ!」「新本格ミステリ・チェックリスト」などを掲載。

希望の獅子
文芸(単行本)
1981年、横濱。獅子として舞う3人の高校生がいた。ならず者の志龍、抜群の運動神経を持つ亮仔、度胸のある将一。彼らは中華街を縦横無尽に駆け、悪さをし、恋をした。2012年、横濱。31年間消息不明だった男が、死体となって発見された。被害者のあだ名は亮仔。神奈川県警の山下は、加賀町署のベテラン刑事、樋口と組み、国境を越えた友情と、中華街を揺るがした恋の謎に挑む!

小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神
文芸(単行本)
荒神様!荒神様! 猫が死ぬのが怖くて小説が書けません!荒神様は日本中を巡行して、小さな建て売り住宅のわが家に来た。わが家では老猫が進行性の痴呆症にかかり、その看病で私は心身ともに限界だった。もしも猫が死んだら、私はどうやって生きていけばいいのか。ダンジョン――空想上の洞窟――内で荒神様と猫と私の共生が始まる。
荒神様! 荒神様! 猫が死ぬのが怖くて小説が書けません!
荒神様は日本中を巡行して、小さな建て売り住宅のわが家に来た。わが家では老猫が進行性の痴呆症にかかり、その看病で私は心身ともに限界だった。もしも猫が死んだら、私はどうやって生きていけばいいのか。ダンジョン――空想上の洞窟――内で荒神様と猫と私の共生が始まる。
あとがき小説「言語にとって核とは何か」を収録

偽物語アニメコンプリートガイドブック
文芸(単行本)
-全物語-アニメ化が決定し、ますます盛り上がる西尾維新アニメプロジェクト。アニメ「偽物語」の魅力のすべてが詰まった、永久保存版のアニメコンプリートガイドブックが刊行決定!第一弾「化物語アニメコンプリートガイドブック」に引き続き、スペシャルなコンテンツをもりだくさんにお届けします!【西尾祭2012対象商品】

カマラとアマラの丘
文芸(単行本)
廃墟となった遊園地、ここは秘密の動物霊園。奇妙な名前の丘にいわくつきのペットが眠る。弔いのためには、依頼者は墓守の青年と交渉し、一番大切なものを差し出さなければならない。ゴールデンレトリーバー、天才インコ、そして……。彼らの“物語”から、青年が解き明かす真実とは。“ハルチカ”シリーズで人気の著者が描く、せつなすぎるミステリー!
廃墟となった遊園地、ここは秘密の動物霊園。奇妙な名前の丘にいわくつきのペットが眠る。弔いのためには、依頼者は墓守の青年と交渉し、一番大切なものを差し出さなければならない。ゴールデンレトリーバー、天才インコ、そして……。彼らの“物語”から、青年が解き明かす真実とは。人と動物のあらゆる絆を描いた、連作長編ミステリー。

憑物語
文芸(単行本)
“頼むからひと思いに――人思いにやってくれ” 少しずつ、だが確実に「これまで目を瞑ってきたこと」を精算させられていく阿良々木暦。大学受験も差し迫った2月、ついに彼の身に起こった“見過ごすことのできない”変化とは……。-物語-は終わりへ向けて、憑かれたように走りはじめる――これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!

半グレ
文芸(単行本)
母子家庭に育った苦学生、真は、働き続けの母に恩返しするために、新卒で企業就職しようと必死になっていた。就職氷河期のなか、彼は社員5人のイベント会社にわが身を引き請けてもらう。しかしサーファーのような風貌の社長、真冬なのに日焼けをした専務、ホスト風の先輩社員からは社会人らしさが感じられない。真が入社した会社は、暴走族のOBたちが経営する、マネー・ロンダリング会社だった!
母子家庭に育った苦学生、真は、働き続けの母に恩返しするために、新卒で企業就職しようと必死になっていた。就職氷河期のなか、彼は社員5人のイベント会社にわが身を引き請けてもらう。しかしサーファーのような風貌の社長、真冬なのにこんがりと日焼けをした専務、ホスト風の先輩社員からは社会人らしさが感じられない。
会社への訪問者たちも一筋縄ではいかなそうな風貌の男ばかり。そして真は、社内で刺青の自慢をしあう社長と先輩社員の“楽しそうな”一幕を目撃する。真が入社したイベント会社の実態は、暴走族のOBたちの集合体「環状連合」のメンバーが経営する、マネー・ロンダリング会社だったのだ。
そして、会社の金を横領し失踪した社長の後任として名ばかりの社長になった真は、なぜか「環状連合」のカリスマ・乙矢に気に入られた。母への思い、そして乙矢への憧れが、平凡な大学生だった真をグループに縛り付けていく。マネロンを成功させ、詐欺会社で大金を稼ぎ、有名女性タレントをも手にした彼は、しかし虚無感に支配されている。同じ虚無の匂いは尊敬する乙矢からも感じられた。真と乙矢は同質の人間なのか? 真の中で乙矢への思いが変容していく――。

東と西 横光利一の旅愁
文芸(単行本)
横光利一は昭和11年、半年にわたってヨーロッパを旅した。その経験をもとに、自らを投影した登場人物を配し、小説『旅愁』を書きはじめる。優柔不断な男と大胆な女が、ヨーロッパを舞台にすれ違う様は、西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであった。戦争の世になっても、横光は戦前の欧州に滞在した人々の社交を描き続けた。『旅愁』『欧州日記』を検証しつつ、横光の精神の軌跡を辿る。
作家、横光利一は昭和11年、半年にわたってヨーロッパを旅した。その経験をもとに、自らを投影した登場人物を配し、小説『旅愁』を書きはじめる。小説のなかでは優柔不断な男と大胆な女が、ヨーロッパを舞台に集い、またすれ違う。それは西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであり、東と西の文明を背負った男女の恋愛の成就を認められない横光の信念の証でもあった。大阪毎日・東京日日新聞で始まった連載は、時をおいて「文藝春秋」に舞台を移し再開するが、世は戦争の最中。雑誌は頁数に制限がかかり、本人は妻の実家に疎開しているような状況にもかかわらず、戦前の欧州に滞在した人々の社交を描き続けた。『旅愁』『欧州日記』を検証しつつ、横光の精神の軌跡を辿る。
初出「群像」2008年~2011年

白兎4 天国という名の組曲
文芸(単行本)
山の中腹に建つ豪奢なホスピス。看護師長の仙道千香子は、最高責任者として勤めているが、元女優の入居者・姫季凛子に「かわいそうな人」と言われてしまう。ある日、土砂崩れでホスピスは孤立。そしてオーナーは巨額の遺産をスタッフに分配するという遺言を発表する。想定外の事態の連続が千香子を困惑させるなか、窓の外には美貌の少年が!?
「あなたはかわいそうな人」
人里から孤立し、無慈悲な遺言に人間関係までも切り刻まれたホスピスで、看護師長は孤独な生と向き合う。
山の中腹に建つ豪奢なホスピス。看護師長の仙道千香子は、最高責任者として勤めているが、元女優の入居者・姫季凛子に「かわいそうな人」と言われてしまう。
ある日、土砂崩れでホスピスは孤立。そしてオーナーは巨額の遺産をスタッフに分配するという遺言を発表する。
想定外の事態の連続が千香子を困惑させるなか、窓の外には美貌の少年が!?

白兎3 蜃楼の主
文芸(単行本)
看護師の母とふたり暮らしの高校生、三島爾(みつる)は、怖ろしい夢を見た翌朝に起こる、さまざまな異変に悩まされていた。指に捲きついた女性の髪、全身にまとわりつく血の臭い……。異変のあった夜には必ず、近隣で通り魔事件が発生していた。人殺しは、無意識のおれなのか? 意を決して親友に相談しようとした爾の前に、見知らぬ級友が現れる。
悪夢を見た翌朝、おれの体には血の臭いが!?
通り魔事件と重なる自らの異変にひとり慄く高校生の前に、見知らぬ級友が現れる!
看護師の母とふたり暮らしの高校生、三島爾(みつる)は、怖ろしい夢を見た翌朝に起こる、さまざまな異変に悩まされていた。
指に捲きついた女性の髪、全身にまとわりつく血の臭い……。
異変のあった夜には必ず、近隣で通り魔事件が発生していた。
人殺しは、無意識のおれなのか? 意を決して親友に相談しようとした爾の前に、見知らぬ級友が現れる。

白兎2 地に埋もれて
文芸(単行本)
心中を約束しながら土壇場で怖気づいた男によって、ひとり仮死状態のまま地中に埋められた城台優枝(じょうだいゆえ)。地面を掘り起こして救い出してくれた、白兎と名乗る見ず知らずの少年は、優枝に復讐をそそのかす。しかし自分を捨てて逃げた男への憎しみよりも、生きることへの倦怠に支配されていた優枝は、死に直したいと、白兎と連れ立って故郷へと旅立つ。
「おれと一緒に死んでくれよ」
しかし男は生き残り、わたしはひとり埋められた。
女は救ってくれた少年とともに「死に直し」の旅へ――
心中を約束しながら土壇場で怖気づいた男によって、ひとり仮死状態のまま地中に埋められた城台優枝(じょうだいゆえ)。
地面を掘り起こして救い出してくれた、白兎と名乗る見ず知らずの少年は、優枝に復讐をそそのかす。
しかし自分を捨てて逃げた男への憎しみよりも、生きることへの倦怠に支配されていた優枝は、死に直したいと、白兎と連れ立って故郷へと旅立つ。

白兎1 透明な旅路と
文芸(単行本)
一時の絶望に駆られ、行きずりの女を絞殺した吉行明敬。殺人現場から離れようと自動車で山道を走る途中、彼は古臭いおかっぱ頭の幼女を連れた、白兎(はくと)と名乗る不思議な少年に出会う。「お家に帰る」という幼女と、付き添いだという少年。やむをえず2人を車に乗せ山間の温泉宿にたどり着くが、吉行は白兎たちの不可思議な言動に混乱していく。
「あなたってまるで、孤児みたいね」
――孤独と絶望の淵で人の首を絞めた男が出会った、謎の少年と幼女。幻惑の逃避行が始まる。
一時の絶望に駆られ、行きずりの女を絞殺した吉行明敬。殺人現場から離れようと自動車で山道を走る途中、彼は古臭いおかっぱ頭の幼女を連れた、白兎(はくと)と名乗る不思議な少年に出会う。
「お家に帰る」という幼女と、付き添いだという少年。やむをえず2人を車に乗せ山間の温泉宿にたどり着くが、吉行は白兎たちの不可思議な言動に混乱していく。