講談社学術文庫作品一覧
私の福澤諭吉
講談社学術文庫
最良の理解者が綴る福澤諭吉の思想と人間.優れた先見と洞察,人物の高潔.日本近代史上第一等の人福澤諭吉の直近にあった著者が,敬愛をこめて語る等身大の福澤像.その居常の姿から学ぶものは今なお多い
ドン・ジョヴァンニ
講談社学術文庫
モ-ツァルトの真髄をオペラに探る音楽評論モ-ツァルトをオペラ作家として捉え,小林秀雄のモ-ツァルト観と際立った対比を示す長篇評論を中心に,奇蹟的な天才音楽家への独自のアプロ-チを試みた評論集
ハックルベリ-・フィンは,いま
講談社学術文庫
アメリカ文明の光と闇を捉えた卓越の文明論本物の「自由」魂の「ホ-ム」を求めてやまないアメリカ人の本質をその文学,歴史,風俗,事件などを通して追求.時事性を超えたアメリカ人の「夢」を語った好著

神話の系譜
講談社学術文庫
日本神話は、世界各地のさまざまな文化を吸収して開花したといわれる。著者は、世界的視野から日本神話の比較分析を系統的に行ない、その源流に光を当てた。「イザナキ・イザナミ神話と中国の伝説」「日本と朝鮮の農耕起源神話」「天孫降臨神話とモンゴル神話」などの比較考察により、日本神話の中軸をなしているのは、王権神話であると指摘する。系統論を中心にすえて展開した画期的な日本神話の系譜。
白雄の秀句
講談社学術文庫
蕪村と並ぶ中興俳諧の偉才白雄の秀句を読む芭蕉を始めとする古典への造詣の深さ、格調の厳しさ、奔放な情動を統べる詩精神の高さにおいて、江戸後期、他に比肩する俳人を見ない加舍白雄の評伝と秀句鑑賞。

マルクス主義の地平
講談社学術文庫
マルクス・エンゲルスは、余りにも“歴史に先駆けすぎた”と言うべきかもしれない。彼らは「ブルジョア的世界観」の“全体的イデオロギー性”をトータルに相対化することによって、それを超克しうべき新しい視界を拓いている。マルクス主義が資本主義体制の根底的な止揚を嚮導(きょうどう)しうる所以もそこに在する。本書がモチーフとするところのものは、この『マルクス主義の地平』の対自化にほかならない。
西アジアとインドの文明
講談社学術文庫
西アジアとインドに展開する民族興亡の歴史中近東は今,激動の渦中にある.多民族の錯綜するこの地域は,過去に幾多の戦乱を繰り返しながらも,高い文化の花を開かせてきた.その波乱の歴史を感動的に語る

詩経
講談社学術文庫
『詩経』は中国文学の母。『易経』『書経』『礼記』『春秋』と併称される「五経」の1として名高い古典。長らく儒教道徳弘布の経典として読みつがれてきたが、著者は伝来の解釈を牽強附会なものとして退ける。原典の詩句を虚心に誦するとき、そこに立ち出でるのは古代中国民衆の瑞々しい感情生活であり、真摯な祈り、痛切な訴えと諷刺である。感動溢れる古代歌謡としての『詩経』を正当に読み解いた画期的名著。

日本の近代化と社会変動
講談社学術文庫
本書は、第1部で近代化論の視点を日本社会論に適用する場合の基本的な考え方を述べ、第2部では徳川時代から現代までの日本の近代化過程を分析的に扱い、第3部では社会の固有領域たる5つの構造類型をとりあげ、社会変動の歴史過程を、社会学の構造-機能理論の考えにしたがいながら分析している。日本の近代化の歴史を社会学理論とかさねあわせたこれまであまり類例のない、画期的な書き下ろし。
外論集
講談社学術文庫
文豪鴎外の重要で代表的な論説・随想を収録日本の近代化を主題にした「洋学の盛衰を論ず」「鼎軒先生」歴史小説の方法を論じた「歴史その儘と歴史離れ」他「礼儀小言」「古い手帖から」等必読の論文選集.
自然学の展開
講談社学術文庫
現代科学を超越する巨大な今西自然学の世界多分野を包含する今西学はその到達点に「自然学」として登場してきた.細分化された科学の限界を喝破し,二十一世紀への確かな視座として注目の思想が展開される

モ-ツァルト
講談社学術文庫
モーツァルトは、父親にヨーロッパ中をひきまわされていた従順な神童時代ばかりでなく、一生を通じて漂泊する人であった。イタリア、フランス、南北ドイツのあらゆる音楽の流れに身をひたし、バッハやヘンデル等の影響下において彼等と対決し、18世紀音楽の完成者となった。わが国の音楽批評の先導者が、楽曲の細部に即して語りつつ稀有の天才の全体像を構築した、陰影に富むモーツァルト論集。

神々の国の首都
講談社学術文庫
「人も物もみな、神秘をたたえた、小さな妖精の国」と日本を初めて訪れた八雲は、感嘆の声をあげた。出雲の松江という「神々の国の首都」での彼の見聞記は、人々の日常生活の中に分け入って、深くその心を汲みとろうという姿勢で貫かれ、みずみずしい感動と相まって、見事な文学作品にまで昇華されている。旧(ふる)い日本と新しい日本が交錯する明治20年代の風物や風習、人々の姿を鮮やかに描いた名著。

徒然草抜書
講談社学術文庫
『徒然草』といえば余りに名高い古典、研究し尽され最早疑問の余地などないかに見える。だが果してそうだろうか。例えば「つれづれ」とは何か。「ものぐるほしけれ」とは?また「うしのつの文字」とは!?次々問いを発するとき通説は急にその安定を失う。博大な学殖によるテキストの読み、重厚な論理的追究、著者の驚くべき炯眼は、見過されてきた真実を紙背から鮮明に炙り出す。真に独創的な現代の名著。

エコエティカ
講談社学術文庫
今日、生命倫理や医の倫理、環境倫理や技術倫理など、すべての分野で倫理が問い直されている。エコエティカとは、これら一切を含む「人類の生息圏の規模で考える倫理」のことで、高度技術社会の中で人間の生き方を考え直そうとする新しい哲学である。人間のエコロジカルな変化に対応する徳目とは何か。よく生きるとはどういうことか。今こそエコエティカの確立が急務であると説く、注目の書下し。

日本系譜綜覧
講談社学術文庫
天皇家を始め諸貴族・武門の系図から宗教者・芸術家・学者の各人脈、更に工芸・芸能・碁将棋・相撲など大衆娯楽の諸流派の系統まで、日本の家系と系譜を集大成した書。昭和11年に刊行され好評を博したものの復刻・縮刷版。日本の歴史と文化を支えてきた人々とその血脈・人脈が一望でき、歴史研究あるいは日本文化の理解のために欠かすことのできない情報を収録。巻末に日本史重要事項20を付す。
日本人の笑
講談社学術文庫
古事記から膝栗毛まで面白さ抜群の古典入門古代から江戸期に至る日本の古典文学全史を通観し,読んで楽しい笑いの場面を特に選びやさしく解説した.名うての国文学研究家が情熱をこめて編んだ日本古典案内

道元禅師語録
講談社学術文庫
道元禅師の思想と信仰は、『正法眼蔵』と双璧をなす『永平広録』にもっとも鮮明に、かつ凝縮した形で伝えられている。本書は、その『広録』十巻の中から抄出された『語録』を訳注したもので、興聖寺と永平寺における「上堂語」や「小参」「法語」をはじめ、中国禅とは異なる禅師の宗風の独自性を示す「普勧坐禅儀」や「坐禅箴」などが収録されている。比類ない道元禅の要諦を窺うに最適の訳注書である。

明治日本の面影
講談社学術文庫
一度(ひとたび)愛し棄て去った土地をふたたび訪ね、無傷でいることはできない。なにかが失われていた。……その不在こそが私の胸中の漠たる悲哀の源なのだ。──出雲をはじめ横浜、京都など日本各地を旅した八雲。そこで出会った様々な人々と風土に、八雲は来日当初とは異なる新たな印象を抱いた。激しい近代化の波の中で失われゆく明治日本の気骨と抒情を、深い愛惜の念で綴った感性あふれる名作品集。

日本歴史人名辞典
講談社学術文庫
著者日置昌一は、日本で最初の本格的年表『国史大年表』の完成者として名高い。本書は、その著者が昭和13年に編集刊行し、好評を博した人名辞典の復刻・縮刷版である。神代より昭和初期まで、天皇・公卿・英雄傑人から学者・文人・力士・芸人まで、日本歴史の最重要人物5200余人の生涯と業績を適切に要約している。多彩で信頼性の高い内容を、ハンディで使いやすい文庫判に収録して刊行する。