講談社現代新書作品一覧

パリ歴史探偵術
講談社現代新書
パリで味わうヨーロッパの古層
中世の城壁、パサージュの抜け道、幻のトイレ、写真館に青空市場……
少年プルーストが走り、モネ、ルノワールが集まった街角を探索する。
まぼろしの公衆トイレを求めて――「失われた時を求めて」の節目節目で、たいせつな機能を果たしている緑色のトイレなのだけれど、実はプチ・パレの近く、現在では「マルセル・プルーストの散歩道」と命名された緑陰の小径にちゃんと残っている。
その形からして、第二帝政時代の料金15サンチームのトイレに酷似している。してみると、パリ万博ガイドブック(1867年)で「シャンゼリゼ:凱旋門に向かって右側」とあった無臭トイレが、そのまま生きながらえているとも思われる。
「失われた時を求めて」の話者になりきって、この建物のかびくささを体験してみれば、あなたの無意志的記憶が浮かび上がってくるかもしれない。――(本書より)

一神教の誕生-ユダヤ教からキリスト教へ
講談社現代新書
一神教は人間の「罪」の意識から生まれた! 複数の神を信じていたユダヤ人が、一神教に変わった理由、ユダヤ教から派生したキリスト教が世界宗教に広がった理由を探りながら、人間と神との関係を問い直す。(講談社現代新書)
一神教は人間の「罪」の意識から生まれた! 複数の神を信じていたユダヤ人が、一神教に変わった理由、ユダヤ教から派生したキリスト教が世界宗教に広がった理由を探りながら、人間と神との関係を問い直す。

日米安保を考え直す
講談社現代新書
安保は日本を守っているか?
偏在する米軍基地、地位協定、核と密約、主体なき日本外交。日本とアメリカ、本土と沖縄の2つの軸から、安保を「非対称」の問題として問い直す。
●日米安保の「非対称性」とは何か
「日本を守る」と「極東を守る」
日米地位協定
●対称性へのバランス・シート
事前協議制と密約
●安保は日本外交をどう変えたか
「甘やかし」の対日政策
●日米安保はどう変わるか
新ガイドラインと「有事」
沖縄基地の役割はどう変わるか
(目次より)
「物と人の協力」――この「物と人の協力」という相互性が非対称的であるため、いつまでも日米双方から安保への不満が出る。冷戦後の今日、「物と人の協力」から「人と人の協力」へと安保を変え、より対等なかたちの同盟へ向かうべきだという意見もある。しかし、はたして日米安保に、真の意味での「物と人の協力」関係があっただろうか。ここまでみてきたように、日本防衛に限定してみるとき、日米の防衛力増強こそが最善の道だと米国は考えてきた。(中略)
日本防衛に在日米軍が直接関わることはない。在日米軍は、日本防衛のための直接戦闘を行う能力を持たないということだ。米太平洋軍は、米軍が日本に存在すること自体が最大の貢献であり、その存在によって米国の保障を示しているのだ、と考えていた。――(本書より)

鬼平と出世―旗本たちの昇進競争
講談社現代新書
根まわし、政略婚、嫉妬、ゴマすり、密告
人事で読む江戸社会
庶民に愛された長谷川平蔵がなぜ町奉行になれなかったのか?
松平定信の真意、ライバルたちの暗闘を寛政期の史料から読み解く。
●鬼平の陰にいた“名奉行”
●有能な人材が競った寛政期
●紛糾した北町奉行の後任人事
●庶民も同情した鬼平の不遇
●「好色将軍」家斉と“乳母問題”
●森山孝盛と武士の出世
●江戸に帰って猟官運動
●出世のお札で大散財
紛糾した北町奉行の後任人事――寛政3年(1791年)12月20日、北町奉行初鹿野河内守(はじかのかわちのかみ)が死んだ。享年48とまだ若い。中風の発作だということであったが、実は御役筋に不首尾なことがあり、切腹を命じられたとのもっぱらの噂だった。後任の町奉行についても色々と観測された。、
当時、江戸で最も人気があったのは、言うまでもなく火付盗賊改の長谷川平蔵である。彼は、町奉行の万年候補であった。平蔵の対抗馬として下馬評に上がったのは、松本兵庫頭(ひょうごのかみ)という物だった。奉行は空席のままで寛政4年に入り、世間の噂はますますかまびすしい。
次に下馬評に上がったのは、小普請の組頭から目付に進んでいた中川勘三郎と勘定奉行の根岸肥前守(ひぜんのかみ)(鎮衛(やすもり)、500石)である。根岸は、有名な随筆「耳嚢(みみぶくろ)」を残している。寛政期の幕閣によほど信頼されていたのだろう。――(本書より)

中国の黒社会
講談社現代新書
中国古来の「秘密結社」がなぜ犯罪集団に変質していったのか。
世界中で暗躍するチャイニーズ・マフィアの全貌!
秘密結社と革命――
秘密結社は革命運動期に大きな役割を果たしている。例えば中国革命の父、孫文は秘密結社を高く評価し、秘密結社の力によって清朝打倒を図ろうとした。
孫文はかつて「華僑は革命の母である」と語ったことがある。これは海外に出た秘密結社の多くが孫文を支持して辛亥革命に貢献したことを意味している。
孫文が清朝打倒のために「興中会」を設立した時、その構成員の多くは秘密結社のメンバーであった。興中会は、華南の三合会にも反清革命運動への参加を呼びかけている。
また、1899年には湖南・湖北の哥老会と連絡をとり、この3つが合流して反清革命組織が結成された。孫文自身、哥老会の一員であったとする説も有力だ。――(本書より)

日韓サッカー文化論
講談社現代新書
初の韓国人Jリーガーの目に、日韓両国のサッカーはどう映ったか。
開拓者として、国際人としてプレーし続ける現役MFが語りつくす。
まえがき――私が日本に来て、早いもので9年が過ぎようとしている。この間に、日本のサッカーは驚異的なレベルアップを遂げ、プロリーグもすっかり日常と化した。Jリーグの成功は日本サッカー全体の発展をも促した。
私は“外国人選手”のひとりとして、そうしたサッカーを取り巻く日本の変化を見てきた。私自身しか体験し得ない事柄もいくつか経験することができた。
いうまでもなく、日本と韓国の間には、長い歴史のなかで形成されてきた独特の感情が存在する。今でも韓国では、日本の風俗文化に関する情報を100パーセント自由に享受することはできないし、根強い反日感情も存在している。
しかし、少なくとも私にとっては、どちらも故郷である。友人がいて、思い出がある。そして、これは決して思い上がりではなく、私が個人的に体験してきたことが日本と韓国というふたつの国のサッカーにいくらかの影響をおよぼしたであろうことも自覚している。――(本書より)

TOEFL・TOEICと日本人の英語力 資格主義から実力主義へ
講談社現代新書
トーフル、トーイックでわかる日本人英語の弱点!
日本ほど英語検定試験の受験者の多い国はない。でもいったい何のため?各試験の内容を詳細に分析し、本当に必要な英語力を探る。
文法軽視は大きな誤り――
最近の日本では、英語教育における文法は、はなはだ肩身が狭くなっている。コミュニケーションと対立するかのように扱われ、文法ばかりやるから英語が話せない、などという意見が常識化している。……
文法など無用だと信じている人も多く、中学生や高校生が、文法なんて無駄なんだけれど受験のために仕方ない、と嫌々学習する傾向がある。
大学受験があるから現実の英会話に不必要な文法を勉強しなければならない、という空気が濃厚で、使える英語を使えなくしているのは大学入試だ、と大学が批判の対象と化している。だが、これは見当違いな考え方だといわざるをえない。……
外国語で内容のある話をしようと思ったら、体系的な文法知識を応用することは当然である。複文を組み立てたり、仮定法を使ったりすることは日常レベルでもあるわけで、そういう際に、文章を作り出し組み立てる力を支えるのは基本的な文法・構文の知識である。だからこそ、検定試験では必ず、何らかの形でそのような知識を問うのである。――(本書より)

大学生のためのレポート・論文術
講談社現代新書
誰も教えてくれなかった基礎の基礎
読めば書ける超入門!
資料探し、スケジュール管理、レイアウトや注の表記法。誰も教えてくれない基本から始めよう。読めば必ず書ける超入門。
基本が大切――
レポートや論文を書き始めるときに、最初にぶつかることはなにか。
世にたくさん出ている「論文作成法」とか「文章の書き方」といった本では、動機やテーマなどの問題を最初に述べていることが多い。
しかし意外とひっかかるのは、もっと単純なことである。
「どんな書式で書くのか?」
「1行の文字数は?1ページの行数は?」、
あるいは「余白は?」などといった、一見どうでもいいことではないだろうか。
そんなことは後から調整すればいいようなものだが、案外そうともいいきれない。――本書より

不妊治療は日本人を幸せにするか
講談社現代新書
治療経験者が語る〈光と影〉
「いのちの誕生」が揺れている!
代理出産、卵子の若返り、多胎と減数手術、クローン技術の応用。ルールなきまま進歩する医療技術と、子どもがほしい夫婦の心のはざまを問う。
海外に出かければ……
――いま、国内では認められていなくても、米国をはじめとして海外にいけば、かなりのことが叶う時代になった。それを斡旋する団体もある。卵子や精子も、ある程度までなら患者の「希望」が満たされる。代理出産も可能だ。
代理母を求めて、凍結した受精卵が箱に詰められ、日本から米国に飛び立ったこともある。30代の夫婦の受精卵だ。夫婦は体外受精を何度も繰り返したが、妊娠の兆しはなかった。妻が以前に妊娠した際、病気になり、子宮内膜の状態が悪くなっていたという。
この夫婦が自分たちの遺伝情報を引き継いだ子どもをもつには代理出産してもらうしかないと産婦人科医は判断し、米国の医療機関に相談した。「受精卵を送ってほしい」と言われ、体外でつくった夫婦の受精卵を凍結して空輸。米国の医療機関で解凍し、代理母に移植した。しかし、妊娠にはいたらなかった。――(本書より)

1日20分! 英会話速習法
講談社現代新書
ナットクの「超」勉強法!
自分の日々の暮らしに必要なことばを1日に1つ、英語で話す練習をすれば初めての人も3ヵ月で英会話ができる!
●英語の自信喪失!
●住み込んだ家の子どもは「ベビーギャング」
●単語でなく、英文をおぼえる
●英語と日本語は同じではない
●会話に必要な文法は1つ
●会話では「イーズィワード」を使う
●「ゆっくりでも正しい発音」が上達の早道
●英語で書く、おぼえる、話す
●ヒアリング――話せる英語は、聞き取れる
●これが会話の言い方――実例集

ハイデガー=存在神秘の哲学
講談社現代新書
この世に〈在る〉ことに何の意味があるのだろう。
難解なハイデガーの思索を解きほぐし、存在の深奥を見通す!
この世と出会い直すために――
この本を書くにあたり、なにより導きの糸になったのはハイデガーである。だが、それにしてもなぜことさら、ハイデガーなのか。理由はじつに簡単。存在の味(意味)について、まともに考え、ちゃんと応接してくれる哲学者は、かれひとりしかいないからだ。
ぼくもあなたも死ぬ。その死のとき、こうして生まれ、この世に存在し、そして死ぬことの意味を得心して死にたいとおもう。すくなくとも、ぼくはそうおもっている。
哲学。それはまさに、そんな得心のための思考のいとなみのはずである。だが、にもかかわらず、哲学の歴史をみるとき、ぼくたちのそんな質朴だが痛切な問題に、こたえてはこなかったようにおもわれる。
生きて在るって、どういうことだろう。この世はなぜ存在するのか。そんなこの世にぼくが存在しているのはなぜか。
この本は、そんな「存在への問い」をもういちど堀りおこしながら、それにこたえていこうというものだ。――(本書より)

戦争の日本近現代史
講談社現代新書
日本はなぜ太平洋戦争に突入していったのか。為政者はどんな理屈で戦争への道筋をつくり、国民はどんな感覚で参戦を納得し支持したのか。気鋭の学者が日清戦争以降の「戦争の論理」を解明した画期的日本論! (講談社現代新書)
日本はなぜ太平洋戦争に突入していったのか。為政者はどんな理屈で戦争への道筋をつくり、国民はどんな感覚で参戦を納得し支持したのか。気鋭の学者が日清戦争以降の「戦争の論理」を解明した画期的日本論!

日本経済50の大疑問
講談社現代新書
デフレ、不良債権、構造改革、国債暴落、ペイオフ対策、中国の脅威……
日本経済はなぜダメなのか、根本から答えます!
●不良債権はなぜ、いつまでたっても増えつづけるのですか?
●債権放棄などの借金棒引きは、なぜ許されるのですか?
●財政再建と景気回復は、本当に両立するのですか?
●アメリカは本当に市場主義で強くなったのですか?
●日本の経済政策は誰の意見で決まっているのですか?
●「インフレターゲット」は正しいのですか?
●「痛み」とは、誰がどのように受けるのですか?
●少額の預金でも銀行口座は移したほうがいい?
●「中国の脅威」に日本の製造業は対抗できますか?
●経済成長は、本当にしなければならないものでしょうか?
「デフレ不況」って何だろう?――経済に底はなく、無限に落ちていく可能性があるのです。意図的に落としていこうと思ったら、いくらでも落ちていきますし、最終的にはゼロになるまで落ちるというのが基本的な特徴なのです。この底割れの恐怖を理解していない人が、信じられないほどたくさんいるのが、悲しいことに日本の現状です。
日本経済の景気の底が割れてしまうかどうかについては、これから先の経済政策がカギを握っています。政府も多くの識者たちも、基本的には「市場原理主義」の立場でこれからの経済の舵取りを行おうとしています。彼らのコンセンサスは、効率の悪い企業をどんどんつぶさなければ日本経済は立ち直れない、だから不良債権処理を断行して、強い企業だけを残していこう、ということです。その改革が遅れれば遅れるほど、日本経済の回復は遅れるというわけです。しかし、本当にそうなのでしょうか。私はまったく間違っていると思います。――(本書より)

失敗を生かす仕事術
講談社現代新書
個人にも組織にも必要なこれからの仕事術。めまぐるしく社会の状況が変わるいまの時代は、今日の成功は明日の失敗へとすぐ変わる。失敗と真正面から向き合い、よりよい仕事をするための考え方を明快に説く。(講談社現代新書)
個人にも組織にも必要なこれからの仕事術。めまぐるしく社会の状況が変わるいまの時代は、今日の成功は明日の失敗へとすぐ変わる。失敗と真正面から向き合い、よりよい仕事をするための考え方を明快に説く。

無敵のラーメン論
講談社現代新書
鶏ガラスープの復活、煮干しダシの多彩な味わい。
戦前創業の老舗に急成長の新興勢力。
旭川から鹿児島まで全国の麺、スープ、具を徹底解剖。
●ダシとタレの基礎知識
魚ダシ――節系と煮干し
新しい味噌ラーメン文化の誕生
●麺の基礎知識
加水率で麺の食感が変わる
●具の基礎知識
もやしに地域性が出る
●東京ラーメンの「系列」を知る
3つの「大勝軒」
●ラーメンの日本地図

最新・アメリカの軍事力
講談社現代新書
地下軍事施設をどう攻撃するか。テロ対策は万全か。
宇宙空間を支配する計画・とは。偵察・管理能力を高める方策は――。
急ピッチで進む米軍の改編を検証する。
21世紀の米軍――W・ブッシュ政権はクリントン政権後期時代のペースを上回る国防予算増額計画を発表、21世紀の任務に対応できるように米軍を改編する「トランスフォーメーション」の推進や、米本土の弾道ミサイル防衛計画を加速・強化するなどの新国防政策を次々と打ち出していったが、その政策が具体化し始めようとしていた2001年9月11日、ニューヨークとワシントンDCにおける、いわゆる同時多発テロ事件が発生した。この日を境に、米国は(そして世界も)大きく変わったといわれる。特に安全保障では180度に近い転換が生まれている。米本土防衛「ホームランド・ディフェンス」の重視である。効率を求める米軍の戦略は、また海外における米軍部隊の常駐を少なくする代わりに、常に短時間で展開できる態勢を確保しておくという政策を促すであろう。好むと好まざるとにかかわらず、米国の軍事戦略は世界のあらゆる国、地域、人々に大きな影響を与える。今、21世紀の米軍は、その役割と姿を大きく変えようとしている。――(本書より)

フロイト思想のキーワード
講談社現代新書
これがフロイトだ!
夢解釈の理論確立の経緯、ユダヤ人としての苦悩、そして知られざる私生活……。フロイト論の決定版!
フロイト思想のキーワード――(目次より)
●死の本能――「死」への迂路としての「生」
●快感原則と現実原則
●無意識とは
●喪の仕事
●エディプス・コンプレックス
●近親姦による心的外傷
●国家悪と戦争の告発
●ユダヤ人フロイト
●フロイトからフロイト以後の精神分析へ
●裏から見たフロイト思想
-現代の課題とフロイト思想-
――もしもフロイトが現存していたら、是非とも出会ってほしかった現代の課題がある。
まずその1つは、イスラエル――パレスチナ問題である。フロイト自身は、超民族的、超国家的な普遍的知性による連帯こそユダヤ人のアイデンティティであると考えて、晩年も当時のイスラエル化運動に懐疑的であった。……もしフロイトがこの世にあったら、イスラエル、いや現代のユダヤの人々を、より開かれた普遍的知性による知の連帯の方向に導く現代のモーゼになってくれたのではないだろうか。……
第2に、現代の相も変わらぬ民族紛争、そして、「文明の衝突」とも評されるような深刻な対立と葛藤が世界的規模で起こっていることである。……フロイト思想は……欧米の自由主義思想と微妙な相性のよさを発揮してきたが、これからもなおフロイト思想は、この二大世界観の衝突と葛藤の対処に何らかの形で寄与することができるのではないか。――(本書より)

進化論という考えかた
講談社現代新書
進化論はいま、人の心や行動、「文化」の謎にまで迫りつつある。
科学と人間をつなぐ思想として読み直す。
「人間性」も進化した?――問題は、人間がほかの動物から進化してきたということから、「人間性」も進化したと考えるかどうか、である。人間の歴史を、ほんの少し――数百年ほど――過去に伸ばせば、サルの進化になる。ならば、自分たちの来し方行く末を考えるときに、動物からはじまる人類の進化に思いを寄せるのは当然のことである。人間がサルから進化したならば、人間の心も人間性も、サルと連続していると考えるのは当然だろう。――(本書より)

地名で読むヨーロッパ
講談社現代新書
パリの由来は?スペインとはどんな意味か。
神話や英雄物語から生まれ、先人たちの生活ぶりを伝える地名の不思議。
パリの起源とモンマルトル――ケルト語起源の都市名の代表的なものにパリ(Paris)があります。この地名はケルトの部族名パリシー(Parisii)が語源です。パリシーはケルト語par(船)に由来すると考えられていて……パリ市役所(Hotel de Ville)の表玄関のドアには、荒波にもまれながら1枚の広い帆を掲げセーヌ川をさかのぼるガレー船をあしらったものがはめられています。2階の幾つもの窓に飾られた紋章にはラテン語でFluctuat nec mergiturと書かれています。それは「荒波にもまれるも沈没せず」と訳せます。……
モンマルトルという地名は「殉教者の丘」(Mount of Martyr)という意味で、……伝説によると、パリの初代司教聖ドニはこの地で首を切られて殉教しますが、自分の首をもって北へ10キロ離れた所まで歩いて行って倒れました。そして、彼が倒れた地がサン・ドニと呼ばれるようになるのです。――(本書より)

明るく乗りきる男と女の更年期
講談社現代新書
知っていれば安心!!
更年期外来のある全国病院リスト付き
更年期障害を克服する第一歩は正しい知識を持つこと。その診断と最新の治療法から快適に過ごすヒントまでをやさしく解説する。
「更年期」は収穫の秋――人間の一生のなかで、生殖のために費やす時間は、それほど多くないのが普通である。半分以上の時間は、仕事や家事、趣味などを通して、社会と関わり合うことに費やされているはずなのだ。何十年もの経験に裏打ちされた実績、仕事上のノウハウでも、ハウスキーピングの腕でも、何でもいい、その積み重ねこそが、人の生きてきた証、価値ではないだろうか。……
仕事だけに明け暮れていたあなたには、少し立ち止まって、これまでの生き方を振り返る時期だろう。実りの秋を享受する前に、心と身体のオーバーホールを勧めたい。1週間ほど休みを取って、何もしないでボーッとして過ごすのがいいと思う。そして、最後の日に健康診断を受ければ、完璧な休暇となる。もし、心か身体のどこかが痛んでいたら、カウンセリングを受けるなり、専門医の治療を受けるなどのきちんとしたメインテナンスを行うことで、これからの人生を明るく過ごせるはずである。どこも悪くなかったら、それは本当に幸せそのもの。「健康」であれば、いかなる苦難にも耐えていけるだろう。――本書より