講談社現代新書作品一覧

はじめての源氏物語
はじめての源氏物語
著:鈴木 日出男,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
第一人者がやさしく語る源氏読破のポイント現代思想の影響のもとで新研究が進む源氏物語.神語,語り,二系列など最新の切り口により,「恋のカタログ」の世界を読み解き,読破するためのポイントを語る.
M&A―20世紀の錬金術
M&A―20世紀の錬金術
著:松井 和夫,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
巨大企業の乗っ取りはなぜおこり何を生むかアメリカ金融界を中心に世界で吹き荒れるM&A旋風.とびかう資金,暗躍するグリ-ンメ-ラ-,影の主役ジャパンマネ-.その虚々実々の戦いと今後の姿を描く.
気象で読む身体
気象で読む身体
著:加賀美 雅弘,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
気象と人体の相関を探る生気象学への案内書気圧の谷の影響で今夜は痙攣にご注意を――医学気象予報や疾病天気図が示す,古代医学や「気」の思想との接点.人間と自然の調和的関係を求める,新しい風土論.
通産省
通産省
著:川北 隆雄,装丁:杉浦 康平,装丁:佐藤 篤司
講談社現代新書
超大国日本を演出し今曲り角に立つ中枢官庁日本株式会社参謀本部として産業界に君臨した通産省.そのエネルギッシュな行動力,卓抜な行政手法とともに「通産省不要論」などで内外から挟撃される現在を描く
「生」と「死」のウィーン
「生」と「死」のウィーン
著:ロ-ト 美恵,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
二つの世紀末に息吹く都市ウィ-ンへご案内「亡骸の会食」に脈打つ死への憧れ.リンクの女たちが受継ぐダブルモラルの性.尖鋭なユダヤ文化人の末流たち.ウィ-ンを彩るアンビバレントな生を大胆に描く.
〈自己発見〉の心理学
〈自己発見〉の心理学
著:国分 康孝
講談社現代新書
打ち破れない悩みの壁。はてしなく深い落ち込みの奈落――。「ねばならぬ」の思い込みが自分自身を呪縛する。ビリーフを探り出すこと、そして合理性の定規を当てること。陥穽の非合理性に気づくことがブレイク・スルーのはじまり。解放のための「自己発見」のすすめ。 幸福の条件――認められたいと願うのは自分の利益優先ゆえ、生き方として高級ではないと思う人がいる。地の塩としての生き方の方が高級だというわけである。このような考え方には検討の余地がある。この人生は自分のために用意されたものではない。したがって世人は私に奉仕するために存在しているのではない。それゆえ、自分のことは自分でするというのが、この人生を生きるための常識である。人は私を認めるために生きているのではない。人に認めてほしければ、自分で人に認めてもらうよう何かをすることである。自力で自分を幸福にする。そのことにひけめや恥かしさや自責の念を持つ必要はない。自分がまず幸福にならないと、人を幸福にするのはむつかしいからである。――本書より
大リ-グ物語
大リ-グ物語
著:福島 良一,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
ライアン100マイルの唸り。遊撃手オジー・スミスの曲技。パワーの衝突、魅せる技は一刻のカタルシス。お祭り騒ぎに展開する大リーグ沸騰野球の魅力。 時速100マイルの豪速球――彼らの攻撃的なピッチングを見ていると、タイミングをはずしたり、いろいろな球種で目先を変えたり、とかく小手先の技を弄びがちな日本のピッチャーたちとの差が浮彫りになってくる。彼らは「打てるなら打ってみろ」といわんばかりに、ワンパターンで投げてくるのだ。そのワンパターンこそが大リーグ野球の本質であり、結果を信じる気持ち同士のぶつかり合いが名勝負を生む。彼らが信じるものは、誰にも負けないスピードと自負する豪速球だけである。――本書より
日本語誤用・慣用小辞典
日本語誤用・慣用小辞典
著:国広 哲弥,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
「おざなり」と「なおざり」はどう違うのか? 意外に気付かない言葉の落とし穴に「的を得た」指摘で「印籠を渡す」。豊富な実例から楽しく語る「汚名挽回」の一冊。 一姫二太郎――あるサラリーマンの奥さんが、御主人の上司の子供さんあてにクリスマス・プレゼントを送った。御主人はつねづね「部長のところは一姫二太郎だ」と言っていたので、奥さんは三人分送った。ところが御主人から「部長のところは子供はふたりなのに、なんで三人分送ったのだ」と叱られたという話がある。こういう行き違いが起こるので、この言い慣わしを使うときは気を付けなけれはならない。「一姫二太郎」というのは本来子供が生まれる順序の理想を言っているので、最初に女の子、二番目に男の子の順序が、その逆よりはよいということである。女の子は病気をしにくくて育てやすいので、母親はまず女の子で育児に慣れておけば、次に育てにくい男の子が生まれても大丈夫だということである。――本書より
マフィア・その神話と現実
マフィア・その神話と現実
著:竹山 博英,装丁:杉浦 康平,装丁:佐藤 篤司
講談社現代新書
秘密の入会儀礼。鉄の規律。ゴッドファーザーと「名誉ある男」たちに率いられ、「沈黙の掟」によって守られた謎の組織=マフィア。麻薬、闇賭博、売春など、血と暴力が支配する一大犯罪シンジケートの恐るべき実態に光を当てる。 麻薬とマフィア――麻薬の世界では、現在、世界に三つの大組織があるという。コロンビアの麻薬カルテル、ヘロインを密売する中国の犯罪組織、そしてイタリアのマフィアである。この三つの組織の中で、マフィアは際立って優位を占めている。他の二つが一種類の麻薬しか扱えないのに対して、マフィアは両方を扱え、しかもアメリカやヨーロッパに確たる販売網を持っているからだ。マフィアは80年代前半の捜査当局の弾圧をはね返し、80年代後半に不死鳥のように復活した。捜査当局はマフィアにより劣勢に追いこまれている。80年代は麻薬によるマフィアの大飛躍期であった。そして90年代にむけて、マフィアはさらにその力を伸ばそうと、虎視耽耽と狙いを定めているのだ。――本書より
格闘する現代思想―トランスモダンへの試み
格闘する現代思想―トランスモダンへの試み
編:今村 仁司,その他:渡辺 一民,その他:山田 鋭夫,その他:福原 泰平,その他:鷲田 清一,その他:篠原 資明,その他:永田 靖,その他:中村 尚司,その他:野家 啓一,その他:有満 麻美子,その他:立川 健二,その他:赤坂 憲雄,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
激動する世界を突破する思想の新たな可能性社会主義は本当に死んだのか.経済理論は現実に立ち遅れていないか.見えざる権力装置が人間を圧殺していないか.現代思想の前線にある12のテ-マを追求する.
悪魔の話
悪魔の話
著:池内 紀
講談社現代新書
現れる時間は夜、好きな色は黒。人に禍いと死をもたらし、宇宙をも破壊しつくすすさまじい力……。世界の半分を支配する闇の帝王たちが物語るものはなにか? その誕生から性格、分類、材質まで、「悪魔」の観念が生みだした華麗な精神絵巻をよむ。 悪魔の総数――カネッティは2つの説をあげている。1つはすこぶる厳密であって、4463万5569。もう1つはいたって大ざっぱで、計11兆。……まったく別の数字ものこされている。それによれば悪魔には6軍団があって、おのおの66大隊を擁し、1大隊はそれぞれ666小隊をもち、1小隊は6666の悪魔で編成されている。とすると悪魔の総計は17億5806万4176ということになる。いかにもこの数は大きすぎるだろう、とジヴリは述べている。地球上の人口を15億とすると、人間1人につき悪魔1人の割合すらも上まわる。海千山千の悪魔相手に、人間はもともと形勢不利だというのに、数の方でもこうだとしたら、とても対抗できないだろう。古来、定式とみなされてきた計算法があった。「ピュタゴラスの数」の6倍、 1234321×6=7 405 926 これが悪魔の正確な数だという。見方にもよるだろうが、ともかく人類を悩ますのに十分な数にちがいない。――本書より
立志・苦学・出世-受験生の社会史
立志・苦学・出世-受験生の社会史
著:竹内 洋
講談社現代新書
受験生はどこから来たのか。怠惰・快楽を悪徳とし、刻苦勉励、蛍雪読書する禁欲的生活世界は勉強立身の物語に支えられる。「苦しい受験生」を生んだ近代日本の心性をさぐる。 努力とガンバリズムの時間と空間──受験準備の世界とは努力と勤勉の世界である。苦労しない怠け者は受験生ではない。だから受験滑稽譚にでてくるトリックスターの名前は「怠雄」(註3)である。快楽は努力と勤勉の世界を汚すものだから徹底的に排除される。快楽につながるものは「誘惑」として危険視された。受験生は手淫を異常なほど悩んだ。そしてかれらはそれを記憶力の減退や頭が悪くなるという恐怖で苦悩した。しかしそれは、精気を放出することによる気の衰弱への恐怖である。と同時に、この種の「快楽」は努力と勤勉の受験空間の「反」世界だったからである。その意味で、「受験生の手記」の健吉が絶望してから、売春街にむかうというものはきわめて象徴的な行為である。「快楽」はこの空間にふさわしくない。──本書より
ソ連経済の歴史的転換はなるか
ソ連経済の歴史的転換はなるか
著:セルゲイ・ブラギンスキ-,著:ヴイタリ-・シユヴイドコ-,装丁:杉浦 康平,装丁:佐藤 篤司
講談社現代新書
崩壊寸前のソ連経済の現状と再生のゆくえ.過剰と欠乏の共存,汚職と腐敗の横行,あらゆる面での非効率.気鋭のソ連経済学者が,瀕死の大国の病根をさぐり,市場経済移行による立て直しの可能性を分析する
検査値で読む人体
検査値で読む人体
著:高見 茂人,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
たった1c.c.の血液で、内臓器官の正常・異常から、ガンの疑いの有無までわかる。健康診断でなじみの「GOT・GPT」や、「コレステロール」「血糖値」など、各種検査値のもつ意味を解説して、健康チェックの情報を提供。 健康チェックの“物差し”――今や、臨床検査データは、客観性の高い医学的情報として、診断にとって必須のものとなっている。また、当然ながら、臨床検査データは、治療経過を知る上にも不可欠なものとなっている。検査データを手にして、医師も患者もまずすることは、「正常値」を確認し、その数値が正常範囲内に入っているかどうかを調べることであろう。正常範囲内なら良し、外れている場合は異常値として扱い、さらなる検査が行われることにもなる。即ち、正常値というのは、臨床検査を患者に適応する際の一種の“物差し”ともいえる。――本書より
世界の村おこし・町づくり まち活性のソフトウェア
世界の村おこし・町づくり まち活性のソフトウェア
著:渡辺 明次,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
世界のユニ-クな例を通して探る町の活性化シェイクスピア劇のメッカとなったアメリカの田舎町.大学やリバ-フロントによる村おこし.巧みに人の心を捉えた実例を各国に求め,日本の町の活性化の道を探る
グリム童話-メルヘンの深層
グリム童話-メルヘンの深層
著:鈴木 晶,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
「赤ずきんちゃん」「白雪姫」「ヘンゼルとグレーテル」……。聖書とならんで世界中でもっとも読まれているグリム童話。本書は、現代思想や精神分析の知見をとおし、メルヘンの19世紀的深層を性とエロティシズム、暴力と残虐性、女性などの観点から、あざやかに解いた力作。 グリム童話の新しい面白さ――たとえば、「いつの日か、白馬にまたがったハンサムな王子さまが迎えにくる」という夢を抱いている若い女性は多い。若い女性が理想の男性を夢みるのは当然だとしても、その男性が「白馬にまたがった王子」としてイメージされるのは、メルヘンの影響を抜きにしては考えられない。さらに、そうした理想の男性を自分のほうから探しにゆくのだとは考えず、王子さまが迎えにくることを夢みるのは、やはりメルヘンの影響だろう。問題は、白馬の王子が迎えにくるというイメージが、大古の昔から伝えられた、人間の本質を象徴するイメージなのか、それとも、ほんの200年前にメルヘンに盛り込まれたメッセージなのかということである。ヴィルヘルムがなぜ、どんなふうにメルヘンを書き換えたのかを細かく見ていくことによって、右のような疑問に対する答えを見つけることができるだろう。――本書より
ワーグナ-
ワーグナ-
著:堀内 修,装丁:杉浦 康平,装丁:佐藤 篤司
講談社現代新書
狂熱的聴衆を生みだすワグナ-音楽を解剖.借金の天才,数多き女性遍歴.ル-トヴィヒとのスキャンダル.ワグナ-の音楽は人々を二分させる.楽劇にいたるワグナ-の生涯をたどりながら,その魅力を解剖.
生き残った帝国ビザンティン
生き残った帝国ビザンティン
著:井上 浩一,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
偉大なるローマを引き継ぎ、古代から中世を生き抜いた帝国ビザンティン。イコンに彩られた聖ソフィア教会、百万都市コンスタンティノープル……。興亡はげしい文明の十字路に君臨した大交易国家の「奇跡の一千年」を鮮かに描き出す。 「市民」という名の役人――ビザンティン帝国では、都コンスタンティノープルの宮殿において皇帝の即位式が行われる時、「デーモス」と呼ばれる人々が「ローマ人の皇帝万歳」を唱えることになっていた。デーモスとは市民とか民衆という意味のギリシア語である……。これはいうまでもなく、皇帝は市民のなかの第一人者である、というローマ古来の理念を受け継いでいたのである。ローマの伝統を受け継ぐビザンティン帝国ということ、それ自体には取り立てて不思議はない。この国の特異な性格はその先にある。「デーモス長」は皇帝直属の高級官僚であり、「デーモス」もまた国家から給料を得ている下級役人であった……。のちにみるようにビザンティン皇帝は、ローマ皇帝とは異なり絶対的な権力者であった。それにもかかわらず、建前としての「市民の第一人者」を維持するために、わざわざ宮廷に「市民」を雇い、その歓呼によって即位するという形をとったのである。「市民」という名の役人を雇っている国家、ビザンティン帝国とは実に奇妙な国家であったといわねばならない。――本書より
「野蛮」の発見
「野蛮」の発見
著:岡倉 登志,装丁:杉浦 康平,装丁:赤崎 正一
講談社現代新書
西欧近代による「野蛮」の創造過程を検証.黒い肌,呪術信仰,一夫多妻――アフリカはなぜ暗黒大陸とされたか.西欧近代知識人や宣教師・探検家らの野蛮観を通して,彼らの外部意識と差別観の変遷を見る.
三国志の英傑
三国志の英傑
著:竹田 晃,装丁:杉浦 康平,装丁:谷村 彰彦
講談社現代新書
非情にして有情の大人曹操、義に篤い劉備、智謀の大軍師諸葛孔明。関羽・張飛の任侠が燃え、眼光烱烱孫権は江東に座る。漢の滅亡から三国時代へ、天下動乱の世を生き抜く英雄・傑物の魅力を活写。 文人曹操――曹操が20を少し出たばかりで、博い学識を備えていることが条件とされる議郎という官に取り立てられたことによっても、彼の学識がなみなみならぬものであり、当時すでに世に認められる程であったことがわかる。彼は古典に造詣が深かったが、とくに兵法の学を好み、後に諸家の兵法を集めて『接要』と名づけ、一方、孫子の兵法に注釈を施した書13篇を著わしており、その一部は今日に伝えられている。曹操は、このように学問を好んでいたが、そればかりではなく、詩人としてもなみなみならぬ力量を備えていた。彼は従軍中にも、高みに登ると必ず詩を賦し、新作が成るときまって管弦の伴奏を求めて唱った、と伝えられる。こうした曹操の面目を、宋の詩人蘇軾(そしょく)は、「酒を灑みて江に臨み、槊を横えて詩を賦す、固に一世の雄なり」(「前赤壁賦」)と歌っている。――本書より