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2014.11.28発売
松下村塾
講談社学術文庫
開塾にあたって松陰は「天下を奮発震動」させる人材が輩出すると予言した。松下村塾――それはわずか一年余の指導で、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文らの俊才を生み出した幕末の奇跡である。物置小屋を改造した粗末な塾舎では何があり、二十八歳の青年は塾生たちに何を教えたのか。塾の成立から閉鎖までを徹底検証、松陰の感化力と謎の私塾の全貌。(講談社学術文庫)
開塾にあたって松陰は「天下を奮発震動」させる人材が輩出すると予言した。松下村塾――それはわずか一年余の指導で、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文らの俊才を生み出した幕末の奇跡である。物置小屋を改造した粗末な塾舎では何があり、二十八歳の青年は塾生たちに何を教えたのか。塾の成立から閉鎖までを徹底検証、松陰の感化力と謎の私塾の全貌。

2014.11.28発売
ハイデガー 存在の歴史
講談社学術文庫
存在が荒々しく立ち現れると同時に隠蔽され忘却されていった古代ギリシャ以来、存在把握は劇的に変動し、現在、忘却の彼方に明滅するものとしてのみ存在は現前する──。存在論の歴史を解体・破壊し、根源的な存在の経験を取り戻すべく構想された『存在と時間』の成立過程を追い、「在る」ことを捉えようとした、ハイデガーの思想の精髄に迫る。(講談社学術文庫)
存在が荒々しく立ち現れると同時に隠蔽され忘却されていった古代ギリシャ以来、存在把握は劇的に変動し、現在、忘却の彼方に明滅するものとしてのみ存在は現前する──。存在論の歴史を解体・破壊し、根源的な存在の経験を取り戻すべく構想された『存在と時間』の成立過程を追い、「在る」ことを捉えようとした、ハイデガーの思想の精髄に迫る。

2014.11.28発売
三国志演義 (二)
講談社学術文庫
西暦220年、後漢王朝の崩壊後、群雄割拠の時代の中から魏、蜀、呉の三つ巴の戦いへと発展した。その約1000年後。複数の「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築してたのが、本書『三国志演義』です。中国文学に精通した訳者が、血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳した決定版です。(講談社学術文庫)
西暦220年、後漢王朝の崩壊により乱世が到来。やがて、その中から魏、蜀、呉の三国が生まれ、三つ巴の戦いへと発展していった「三国時代」は、陳寿による『三国志』(3世紀末)や『新全相三国志平話』(元の至治年間に刊行とされる)、芝居などの民間芸能の世界で、連綿と語られ続けてきました。そして、「三国時代」から約1000年後。いくつもの「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築して、現在知られる「三国志」物語のイメージを確立したとされるのが、羅貫中の白話(口語)長篇小説『三国志演義』です。
本書は、中国文学に精通した訳者が、その血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳しました。
全120話中、第2巻は、第31回から第60回までを収録。大スター諸葛亮の登場となります。劉備と諸葛亮の出会いは「三顧の礼」を、もってようやく実現する。長坂の戦い、赤壁の戦い、虚々実々の頭脳戦、劉備の蜀攻略などなど。読みどころ満載、『演義』の前半のクライマックス。

2014.11.28発売
知の百家言
講談社学術文庫
有史以来、フィロソフィー(知を愛すること)は人類とともにあった。先人たちの「知を愛する」営為の結晶である言葉を選び出し、その含蓄を引き出して、紹介する。<教養>としての哲学ではなく、激動の時代を生き抜くために、生きることに渇きを感じる強烈な好奇心に、思い考えること=生きることと直結するような「哲学」を提示する珠玉のエッセー集。(講談社学術文庫)
古今東西の「人類の英知」から厳選された哲学の言葉を、<好奇心><ドラマ><リズム>に溢れるエッセーで熟読玩味する
有史以来、フィロソフィー(知を愛すること)は人類とともにあった。先人たちの「知を愛する」営為の結晶である言葉を選び出し、その含蓄を引き出して、紹介する。<教養>としての哲学ではなく、激動の時代を生き抜くために、生きることに渇きを感じる強烈な好奇心に、思い考えること=生きることと直結するような「哲学」を提示する珠玉のエッセー集。
「人々が時の流れのあまりに速やかなことに罪を着せて、時の逃れ去るのを嘆くのは、見当違いだ」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
「自然科学においても、探究の対象はもはや自然自体ではなく、人間に問いかけられた自然である」(ハイゼンベルク)
「幸福であるとは、なんのおそれもなしに自己を眺めうる、ということである」(ベンヤミン)
「われわれの憎むものが否定されたり、他の禍(わざわい)を被ったりするのを想像して生じるよろこびは、必ず心の悲しみを伴っている」(スピノザ)
※本書は、1999年に朝日新聞社から刊行された『人類知抄 百家言』を文庫化にあたり改題したものです。

2014.11.28発売
訳注「淮南子」
講談社学術文庫
淮南王劉安(前一七九~前一二二)が招致した数千の賓客と方術の士に編纂させた思想書『淮南子』。老荘を中心に、儒家・兵家・法家・墨家思想も取り入れ、紀元前の中国における、知の百科全書である。前漢の武帝に愛秘されたが、その思想性よりも芸文性の高さが評価されていた。魅力的な『淮南子』の全貌を、コンパクトな形で紹介。【電子書籍】『訳注『淮南子』 増補改訂版』は、「人間万事 塞翁が馬」を収録、新解説を追加。
道家、儒家、法家、兵家、墨家の諸子百家思想と、天文・地理・時令・説話の知識を最大限網羅した、古代中国の思想の百科全書!!
淮南王劉安(前一七九~前一二二)が招致した数千の賓客と方術の士に編纂させた思想書『淮南子』。老荘思想を中心に、儒家・兵家・法家・墨家思想も取り入れた紀元前の中国における、知の百科全書である。前漢の武帝に愛秘されたが、実際はその思想性よりも芸文性の高さが評価されていた。魅力溢れる『淮南子』の全貌を、コンパクトな形で紹介する。
本書『淮南子』は、劉安が中国各地より招致した多数の賓客(数千人とも言われる諸子百家)に命じて、書かせ編纂した思想書である。『淮南鴻烈(わいなんこうれつ)』とも称される。……本書の編纂の開始は、景帝が崩御した前一四一年、完成は武帝即位の翌年(前一三九)である。
劉安は、春秋・戦国以来、前漢初期に至るあらゆる諸子百家の多様な思想を打って一丸となし、当時必要とされていた統一国家の理論を構築して、即位したばかりの青年皇帝武帝の政治に影響を与えようとしたのである。――<「始めに」より>
※本書の原本『淮南子 知の百科』は、小社より1989年に刊行されました。文庫化にあたり、全面的に改稿し関係論著目録も大幅に増やしました。
◎【電子書籍】『訳注『淮南子』 増補改訂版』は、「人間万事 塞翁が馬」を収録、新解説を追加。

2014.11.28発売
暗号 情報セキュリティの技術と歴史
講談社学術文庫
ソーシャル、モバイル、クラウド、スマート……。爆発的発展を遂げる情報化社会は、有史以来、軍事・外交の「秘匿」を担った暗号の役割を、「認証」へと一変させた。情報セキュリティを担う現代暗号の特性とは? 「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「零知識対話証明」の数理も平易に解説。暗号の歴史と倫理、その技術基盤のすべてがわかる格好の入門書。(講談社学術文庫)
軍事・外交の道具からクラウド時代の基盤技術へ
シーザー暗号、エニグマ暗号、紫暗号……を超えて登場した共通鍵暗号・公開鍵暗号の意義と数理の魔術とは?
ソーシャル、モバイル、クラウド、スマート……。爆発的発展を遂げる情報化社会は、有史以来、軍事・外交の「秘匿」を担った暗号の役割を、「認証」へと一変させた。情報セキュリティを担う現代暗号の特性とは? 「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「零知識対話証明」の数理も平易に解説。暗号の歴史と倫理、その技術基盤のすべてがわかる格好の入門書。
一九八〇年代に入ると、科学技術史上、火薬の発明にも匹敵すると言われる公開鍵暗号が利用され始め、「軍事・外交以外の分野でも暗号が役に立つらしい」ということが話題に上るようになった。二〇一〇年前後から、ソーシャル・ネットワーキング・サービスやスマート・フォンが日常生活に溶けこみ、情報環境は大きな変革期に入った。暗号研究の分野でも、暗号化したまま、平文(ひらぶん)に戻さずに加算・乗算や統計処理などを自由に行う方法の研究が活発に行われている。……個人情報や企業の機密情報の流出が深刻な社会的懸案となっている。情報漏洩を防ぐ有効な手段は、公開鍵暗号による本人確認と共通鍵暗号による秘匿である。こうした背景の中で、暗号の重要性が再認識されている。――<「学術文庫版まえがき」より抜粋>
※本書の原本は、弊社より1996年に刊行された『暗号――ポストモダンの情報セキュリティ』です。

2014.11.28発売
逸楽と飽食の古代ローマ―『トリマルキオの饗宴』を読む
講談社学術文庫
『トリマルキオの饗宴』は、古代ローマが生んだ風刺小説の金字塔『サテュリコン』の最も有名な場面である。そこに描かれた山海の珍味と美酒、かしずく少年奴隷たち、黄金の腕輪と銀の尿瓶……解放奴隷の成金富豪が催す饗宴の一部始終を解読。厖大な文献、考古・美術資料を駆使して、繁栄を謳歌するネロ帝時代の社会と、人々の人生観を再構築する。(講談社学術文庫)
風呂につかって、遊び、笑う。
それが人生だ!
ネロ帝時代の大宴会を再現。古代風刺小説の金字塔『サテュリコン』のハイライトシーンを徹底解読。
『トリマルキオの饗宴』は、古代ローマが生んだ風刺小説の金字塔『サテュリコン』の最も有名な場面である。そこに描かれた山海の珍味と美酒、かしずく少年奴隷たち、黄金の腕輪と銀の尿瓶……解放奴隷の成金富豪が催す饗宴の一部始終を解読。厖大な文献、考古・美術資料を駆使して、繁栄を謳歌するネロ帝時代の社会と、人々の人生観を再構築する。
ネロの治世前半は文字どおり平和と繁栄の時代だった。都の住民は市民権をもつ限り、どのように貧しくとも最低限の食糧が皇帝によって保障されていた。市民の最大の関心事は、いかに生きるかというよりもいかに楽しむかであった。したがって、歴代の権力者たちは娯楽施設の整備に余念がなかった。最低限の食糧給付と催し物の提供、つまり「パンとサーカス」こそが皇帝の都における義務であり政策だった。(本書・第一章より)
※本書は、1997年に中央公論社より刊行された『トリマルキオの饗宴―逸楽と飽食のローマ文化』を文庫化にあたり改題したものです。

2014.11.28発売
ルネサンスの神秘思想
講談社学術文庫
千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。(講談社学術文庫)
自然魔術、降神術、占星術、錬金術、数秘術、呪術的音楽、カバラ……。
暗黒の中世を経て、甦った古代の神々と叡智。
もうひとつのルネサンス文化・思想史
千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。
<神々は再生した>。……古典古代のさまざまな宗教的観念(あるいは祭儀さえも)が復活しようとしていたのである。そして、キリスト教の<唯一の神>と異教の<神々>との対話、闘争、講和が、イタリア・ルネサンスの文化と思想を根底で条件づけているのである。……ヘルメス、ゾロアスター、オルフェウス、ピュタゴラスたちの教説は、自然魔術、降神術、占星術、錬金術、数秘術、呪術的音楽など、いわゆるオカルト学的要素や神秘主義的傾向を多く含んでいる。――<「プロローグ」より抜粋>
※本書の原本『神々の再生――ルネサンスの神秘思想」は、1996年東京書籍より刊行されました。

2014.11.28発売
東京の自然史
講談社学術文庫
地殻変動(巨大地震で、地表面は数メートル移動)、氷期と間氷期の海水面変化(一〇〇メートル以上)、火山灰の堆積(数メートル以上)、河川による砂礫の堆積……。一〇〇万年超の東京の形成過程と江戸以来の開発による地形変化を解明。過密集住の東京を脅かす様々な災害。散歩ガイド・災害マップとして、必携の地形学による東京史。(講談社学術文庫)
氷河期、火山活動、大地震による地殻変動、風雨による浸食と砂礫の運搬……そして人間による開発 100万年のスパンで、東京の地形の秘密を読み解く
地殻変動(巨大地震で、地表面は数メートル移動)、氷期と間氷期の海水面変化(一〇〇メートル以上)、火山灰の堆積(数メートル以上)、河川による砂礫の堆積……。一〇〇万年超の東京の形成過程と江戸以来の開発による地形変化を解明。過密集住の東京を脅かす様々な災害。散歩ガイド・災害マップとして、必携の地形学による東京史。(解説・鈴木毅彦)
この本では、東京の土地の自然がどんな構成になっているかを、その生いたちにもとづいて説明することに重点をおいているけれども、その間には土地の性状と関係のある災害や土地利用の問題にも言及したいと思う。……自然の生いたちは、古くまで遡ればきりがないが、現在の東京の地形が成立し、現在利用されている地下水が関係するような地層が成立したのは、ほとんど、第四紀と呼ぶ最新の地質時代のことであるから、話は第四紀の約一〇〇万年にしぼられ、最近の一〇万年ぐらいが特に問題となる。(「第一版のまえがき」より)
※本書の原本は、紀伊國屋書店より1979年に刊行された『東京の自然史<増補第二版>』です。

2014.11.28発売
逆賊と元勲の明治
講談社学術文庫
明治日本の現実の歴史過程に対して、生身の人間の個人的意思や言動、個性などは、いかなるかかわり合いを持っていたのか。西郷隆盛の「銅像建設問題」、危機の時代における「長老」の役割、政治家・明治天皇の伊藤博文への信頼と不満、軍人・山県有朋の日露開戦反対論など、先入観とフィクションを排した透徹した視線で「歴史」と「人間」を論じる。(講談社学術文庫)
裏切りと連帯。信頼と衝突。「生身の人間」が歴史を動かした。
歴史家の透徹した眼で分析する「明治」をつくった男たちの群像と、危機の時代の指導者の条件。
明治日本の現実の歴史過程に対して、生身の人間の個人的意思や言動、個性などは、いかなるかかわり合いを持っていたのか。西郷隆盛の「銅像建設問題」、危機の時代における「長老」の役割、政治家・明治天皇の伊藤博文への信頼と不満、軍人・山県有朋の日露開戦反対論など、先入観とフィクションを排した透徹した視線で「歴史」と「人間」を論じる。
※本書は、1982年にPHP研究所より刊行された『「明治」をつくった男たち――歴史が明かした指導者の条件』を文庫化にあたり改題したものです。

2014.11.28発売
江戸人の精神絵図
講談社学術文庫
禁欲的知識人=定信の倒錯した自己顕示欲、徂徠による政治の虚構性の暴露と絶対的な「聖人信仰」、東湖を殺めた安政大地震期に水戸藩が暴走した理由、慊堂と弟子ネットワークなど、武士的社会の内実を読解。秋成の欠損した指と自意識、源内の山師的精神の背景、銅脈先生の酔生夢死的生活を活写し、江戸時代人の精神構造の前近代性と現代性に迫る。(講談社学術文庫)
定信、徂來、東湖、秋成、源内、慊堂……。遠くて近きは江戸の人。寛政~化政~天保~安政、各時代を代表する人物を題材に、江戸の精神風土を腑分けする。文学者ならではの筆致が歴史のリアルを呼び起こす
(原本『江戸人の昼と夜』を改題、論文「花の名は人めきて」を追加収録)

2014.11.28発売
大清帝国への道
講談社学術文庫
従来、「異民族の征服王朝」もしくは「最後の中華王朝」とのみ捉えられてきた清は、満・漢・藩の「三つの貌」を持つ帝国だった。ヌルハチが統合した北方の一小国は、やがて長城を越えて北京に入城し、さらに中央アジアを制圧、康熙・雍正・乾隆という三帝のもとで最盛期を迎える。満洲語史料を読み解き、現代に続く多民族国家の形成過程を解明する。(講談社学術文庫)
北方の小集団はいかにして大帝国を築いたか
華夷秩序を超越し、「3つの顔」をもつ世界帝国=清朝は、多民族国家・現代中国の原型だった。ヌルハチから康熙・雍正・乾隆まで、大帝国の若々しい盛期を描く。
(原本タイトル『大清帝国』を改題)

2014.11.28発売
寺山修司全歌集
講談社学術文庫
短歌、俳句、詩、エッセイ、評論、演劇……。芸術のジャンルを軽々と飛び越え、その鬼才ぶりを発揮した寺山修司。言葉の錬金術師は歌う。故郷を、愛を、青春を、父を、そして祖国を! 短歌の黄金律を、泥臭く、汗臭く、血腥い呪文へと変貌させる圧倒的な言語魔術に酔いしれる。(講談社学術文庫)
横溢する言葉の魔力
短歌、俳句、詩、エッセイ、評論、演劇……。芸術のジャンルを軽々と飛び越え、その鬼才ぶりを発揮した寺山修司。言葉の錬金術師は歌う。故郷を、愛を、青春を、父を、そして祖国を! 短歌の黄金律を、泥臭く、汗臭く、血腥い呪文へと変貌させる圧倒的な言語魔術に酔いしれる。
(解説「アルカディアの魔王」塚本邦雄 解説「透明な魔術」穂村弘)
寺山修司の場合はどうか。……一見したところ、等身大の<私>が我々の知っている日本に生きているように思えるのだ。だが、寺山ワールドの<私>は神が自らに似せて作った傀儡に過ぎない。作者=本当の私は、五七五七七という定型空間の外部にいて、神のように全てをコントロールしている。――<「解説2 透明な魔術」穂村弘より>
※本書は『寺山修司全歌集』(風土社、沖積舎)を底本にした。

2014.11.28発売
世界史への扉
講談社学術文庫
疫病が世界を一体化した。鎖国は一七世紀の世界的流行だった。歴史上には各地にいくつもの<ルネサンス>があった――。モノとヒトの組み合わせから世界史の同時性を探り、歴史学の内外で唱えられる新視角を紹介・検証する小論集。西欧の歴史を普遍のモデルとせず、多様性と日常性に着目しながら、現代の激動を解読する「歴史への感受性」を磨く。(講談社学術文庫)
歴史への感受性を磨く。現代がちがって見えてくる。
モノとヒトが織り成す<世界史の共時性>を探り、歴史学の内外で唱えられる新視角を紹介する。
疫病が世界を一体化した。鎖国は一七世紀の世界的流行だった。歴史上には各地にいくつもの<ルネサンス>があった――。モノとヒトの組み合わせから世界史の同時性を探り、歴史学の内外で唱えられる新視角を紹介・検証する小論集。西欧の歴史を普遍のモデルとせず、多様性と日常性に着目しながら、現代の激動を解読する「歴史への感受性」を磨く。
※本書の原本『地域からの世界史 第19巻 世界史への扉』は、1992年に朝日新聞社より刊行されました。

2014.11.28発売
天災と国防
講談社学術文庫
標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。天災について再考するための必読書。(解説・畑村洋太郎)
天災の被害を大きくするのは人災である
悪い年回りはむしろいつかは回って来るのが自然の鉄則であると覚悟を定めて、良い年回りの間に充分の用意をしておかなければならないということは、実に明白すぎるほど明白なことであるが、またこれほど万人がきれいに忘れがちなこともまれである。
「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増す」
「現代では日本全体が一つの高等な有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプやが縦横に交差し、いろいろな交通網がすきまもなく張り渡されているありさまは高等動物の神経や血管と同様である。その神経や血管の一か所に故障が起こればその影響はたちまち全体に波及するであろう」――<本文より抜粋>
※本書は『寺田寅彦全集』『寺田寅彦随筆集』(岩波書店)を底本に、物理学者で随筆家でもある寺田寅彦の発表したもののなかから災害に関連するものを集め、再構成したものです。

2014.11.28発売
本居宣長
講談社学術文庫
漢意(からごころ)を否定し、われわれは現に日本人を支えてきた秩序によって生きるしかないという神道論を展開。文芸においては物のあわれを主張した宣長。その思想を追うことは、今日のわれわれ自身を知り、未来に生かすべきものと、同時に克服すべきものも見出すことだと著者はいう。日本思想史に決定的な影響を与えた宣長の本質を鮮やかに浮き彫りにした名著。(講談社学術文庫)
物のあわれ論と神道論をつらぬくものとは?
「悲しみ」をうけとめること そこに「安心」がある
宣長に「せむかたなし」の思想を読みとり、日本思想史研究の画期をなした名著!
漢意(からごころ)を否定し、われわれは現に日本人を支えてきた秩序によって生きるしかないという神道論を展開。文芸においては物のあわれを主張した宣長。その思想を追うことは、今日のわれわれ自身を知り、未来に生かすべきものと、同時に克服すべきものも見出すことだと著者はいう。日本思想史に決定的な影響を与えた宣長の本質を鮮やかに浮き彫りにした名著。
宣長は一方において物のあわれを説いた。それは、例えば悲しむべきことを悲しむことであった。他方において宣長は、よきもあしきも、すべては神のしわざであるとし、そのようにうけとめるところに安心があるといった。本居宣長を理解しようとするものは、どうしてもこの物のあわれ論と神道論とのつながり、重なりを問わないではおられない。――<本書より>
※本書の原本は、1978年、東京大学出版会より刊行されました。

2014.11.28発売
イブン=ハルドゥーン
講談社学術文庫
十四世紀のチュニスに生まれ、政治家として栄達と失脚を繰り返すなかで独自の「文明の学問」を拓いたイブン=ハルドゥーン。文明と王権はいかにして崩壊するのか、都会と田舎の格差はなぜ広がるのか、歴史の動因となる「連帯意識」とは――。イスラーム世界にとどまらない普遍性と警句に満ちた主著『歴史序説』の抄訳と、波瀾の生涯。(講談社学術文庫)
イスラーム世界が生んだ偉大なる歴史哲学者
文明はいかに栄え、崩壊するのか。権力はなぜ堕落するのか。「連帯意識(アサビーヤ)」を鍵に人類史を分析したアラブの思想家の生涯と、代表作『歴史序説』の抄訳。
十四世紀のチュニスに生まれ、政治家として栄達と失脚を繰り返すなかで独自の「文明の学問」を拓いたイブン=ハルドゥーン。文明と王権はいかにして崩壊するのか、都会と田舎の格差はなぜ広がるのか、歴史の動因となる「連帯意識」とは――。イスラーム世界にとどまらない普遍性と警句に満ちた主著『歴史序説』の抄訳と、波瀾の生涯。(解説・池内恵)
※本書の原本『人類の知的遺産22 イブン=ハルドゥーン』は、1980年に小社より刊行されました。

2014.11.28発売
江戸落語 誕生と発展
講談社学術文庫
鹿野武左衛門、烏亭焉馬、三笑亭可楽、林屋正蔵……。江戸落語の立役者たち。元禄期に遡る落語は、始祖武左衛門の流罪で途絶。棟梁にして、熱狂的団十郎贔屓の焉馬が、「咄の会」を運営、中興の祖になるのが百年後。机から高座への移行、短い落とし咄の連結、狂歌との関連、寄席の登場、怪談の導入等々、落語形成過程を克明に活写。(講談社学術文庫)
落語の立役者、武左衛門、焉馬、可楽、正蔵江戸落語はいかにして形成されたのか? 元禄期に誕生するも一旦途絶。「下町派の講頭」烏亭焉馬が主宰する「咄の会」を中心に、落語の輪が益々広がる過程を活写
(原本『落語はいかに して形成されたか』を改題・全面改稿)

2014.11.28発売
試験と競争の学校史
講談社学術文庫
私たちの国の学校は、なぜこれほど過剰に「試験」にとらわれてきたのか。著者は、画一的な「試験の実施」こそが、近代の日本に「学校」を普及させる動因だったという。夜を徹して行われる進級試験、衆人環視・戦慄畏縮の口頭試問、時に三割を超えた落第の恐怖。国民皆学実現の裏で、今に至る教育論争にも長い影を落とす「淘汰と競争」の起源を探る。(講談社学術文庫)
試験地獄と過酷な競争はいかに制度化したか。画一的な「試験と競争」を実施するために、近代の学制は整備された。衆目監視の昇級試験、監督官の過重労働、落第の恐怖など、明治日本の学校と試験の実態を描く。

2014.11.28発売
満洲 マンチュリアの起源・植民・覇権
講談社学術文庫
ヌルハチの決起に始まり北京に都を置いた清朝にとって、満洲は聖なる「封禁の地」だった。しかし漢族の入植で満漢の一体化は進み、辛亥革命の後は日中米英露が覇権を争う。狩猟採集を生業とした女真族の故地は、いかにして「中国の一部」となり、「極東の火薬庫」と化したのか。「満珠」建国から「満洲国」崩壊へと至る、世界史の中のマンチュリア通史。(講談社学術文庫)
清朝の発祥から「満州国崩壊」への300年。女真族の勃興とヌルハチの登場から、清朝による封禁政策、漢人の大量移住とロシアの進出、そして「満洲国」の崩壊まで、300年におよぶ植民と覇権の歴史。