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1994.04.05発売
月の塵
文芸(単行本)
心にしみる音がききたい
父露伴ゆずりの好奇心と細やかな感性で日常を捉え自然をみつめる。いさぎよく豊かに生きた著者の晩年の清澄な心境を映すみずみずしい随筆58篇。
くらしの中にはたくさんの音がある。あり過ぎるからいちいちかまっていられなくて、自然に取捨選択して、必要な音にだけ注意する。それは当然だ。ただ、当然だけでなく、時にもう少し情感を上乗せしてみてはどうだろうか。私は楽しみをさがすような気持で、身辺の雑音に耳をたてる癖がついている。些細なことだが、これが案外おもしろく心に残ったりする。といっても私が特別にいい耳をもっているわけではないが、多分こういったら納得して頂けると思う。つまり私は、さがしたがりや、楽しみたがりやなのだ、と。──本文より

1994.04.05発売
懐かしい人たち
文芸(単行本)
偏奇・磊落・剛直・酒脱・繊細・剽軽……作家の風貌
井伏鱒二から向田邦子まで。幅広い交遊の記憶の中から鮮やかに甦る素顔の魅力!

1994.04.05発売
水
講談社文芸文庫
鋭敏細緻な文体で描出した、古井由吉初期作品世界ーー水差しから救いの水を飲んだ直後、息絶えた病床の母(「水」)。「死にたくない、俺ひとり」と、妻の胸で叫ぶ癌を病む夫(「谷」)。生と死のきわどさ、戦き、微かな命の甦りの感覚を、生理と意識の内部に深く分け入っていく鋭敏な文体で描出した、「影」「水」「狐」「衣」「弟」「谷」の6作による、初期連作短篇集。

1994.04.05発売
箱の話・ここだけの話
講談社文芸文庫
混迷を生き貫く思考の発条。花田清輝の秀抜の遺著ーー『乱世今昔談』をどうしても『ここだけの話』と改題希望した著者の遺志を実現し、遺著『箱の話』と合わせ、花田清輝の常にインターナショナルな、発見的思考の持続を顕彰し、混迷する思想・時代状況を生き、貫いて行く根源力を提示。今日さらに重要な意味を加え続ける、花田清輝の貴重な1冊。

1994.04.05発売
日本の紙・紙漉村旅日記 現代日本のエッセイ
講談社文芸文庫
寿岳文章は、その高い志具現のために一生を生きた。強烈な個性をもち、真の美を究極まで追い求める。それを書物という形に実現するために真撃に全身全霊を傾ける。寿岳文章の確かな業績は、しかし、妻しづの夫、文章への愛にみちた理解なしには考えられない。この希有な夫妻の共同作業の代表作『紙漉村旅日記』『向日庵消息』ほか、和紙をめぐるエッセイを収めた。

1994.04.05発売
厄除け詩集
講談社文芸文庫
そこはかとなきおかしみに幽愁を秘めた「なだれ」「つくだ煮の小魚」「歳末閑居」「寒夜母を思ふ」等の初期詩篇。“ハナニアラシノタトヘモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ”の名訳で知られる「勧酒」、「復愁」「静夜思」「田舎春望」等闊達自在、有情に充ちた漢詩訳。深遠な詩魂溢れる「黒い蝶」「蟻地獄(コンコンの唄)」等、魅了してやまぬ井伏鱒二の詩精神。4部構成の『厄除け詩集』。
そこはかとなきおかしみに幽愁を秘めた「なだれ」「つくだ煮の小魚」「歳末閑居」「寒夜母を思ふ」等の初期詩篇。“ハナニアラシノタトヘモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ”の名訳で知られる「勧酒」、「復愁」「静夜思」「田舎春望」等闊達自在、有情に充ちた漢詩訳。深遠な詩魂溢れる「黒い蝶」「蟻地獄(コンコンの唄)」等、魅了してやまぬ井伏鱒二の詩精神。4部構成の初の文庫版『厄除け詩集』。

1994.04.04発売
島の植物誌 進化と生態の謎
講談社選書メチエ
みずから移動できない植物は、海の彼方の島にどうやって渡るのだろうか?そこでどう生き、進化していくのだろうか?大洋の真中に突然誕生する火山島は、まさにこの疑問に答えてくれる実験室である。ガラパゴス諸島でダーウィンが観察し、指摘した植生の不思議。植物生態学は「島の植物」の精妙な生き方を解き明かす。
【目次】
序章 いまなぜ島の植物か
第一章 植物は海洋島へどうやって渡るのか
第二章 海洋島の上での進化のドラマ
第三章 植物の数は何によって決まるか
第四章 海洋島の植物生態系
第五章 島の植物の保全
参考文献
あとがき
索引

1994.04.04発売
聊斎志異
講談社選書メチエ
狐、神仙、鬼、妖怪……。その裏側にかくされている「志異」の素顔。幻と現実のあわいに浮かぶロマンの世界。世を手玉にとる希有な手品、あるいは人を食った巧妙な魔術のようなその創造性。卓越したモラリストにして表現者・蒲松齢が描く、悲しくも美しい人間模様。冴えわたる筆が、われわれの精神を解放し、躍動させる。

1994.04.04発売
神を殺した男 ダーウィン革命と世紀末
講談社選書メチエ
1859年11月24日、「神の死」を決定づける書が世に出た。初版1250部の『種の起源』は、即日完売となる。「進歩の夢」と「ニヒリズム」が、交錯する世紀末。マルクス主義・自然主義・帝国主義・社会ダーウィニズム……。あらゆる知の分野は、「進化論」のうえに再構築され、20世紀へと突入する。世紀末を飾ったテクストをとおし、ダーウィニズムの思想的磁場を考察した意欲作。
【目次】
第一章 神の殺害――個別創造説・思弁的進化論・ダーウィニズム
第二章 人類の黄昏――ユートピアニズム・マルクス主義・ダーウィニズム
第三章 コリンズ殺人事件――自然主義・決定論・ダーウィニズム
第四章 大英帝国の栄光と暗黒大陸――帝国主義・人種差別主義・ダーウィニズム
エピローグ
注
ブックガイド
「神を殺した男」年表
あとがき
索引

1994.04.04発売
俳句のユ-モア
講談社選書メチエ
五七五の魅力はどこにあるのか一息に口ずさめる楽しさ。自由な読みを許す片言性。場のこわばりをほぐす機知の力。句会という共同の創造。「三月の甘納豆のうふふふふ」で知られる著者が、ユーモアを切り口に俳句の奥深さを解きあかす。

1994.04.04発売
エキプ・ド・シネマ PART2(1984年~1994年)
岩波ホール名画、感動コレクションPart2(1984年~1994年)
イングマール。ベルイマン監督「ファニーとアレクサンデル」、謝晋監督の「美蓉鎮」、羽田澄子監督の「安心して老いるために」などここ10年の名画の数々を紹介。
●名画の育ての親になりたい
――1本、1本上映しているうちにまた10年がたち、エキプは1994年2月で発足20周年を迎えることになったのである。上映作品も33ヵ国、124本になった。
最初の10年と、次の10年とでは、エキプの在り方に少し変化が生じた。外部的には岩波ホールに類似したミニシアターの増加であり、内面的にいえば、エキプに本腰を入れて取り組もうとする私の心がまえであろう。
はじめは、ただ映画を上映するだけだと思っていた。だが、劇場が名画を育てる創造の場であることに気がついて、考えが変わった。私は名画の生みの親ではないが、育ての親になることができる。創造的な興行、これはやり甲斐のある仕事だった。――(編者「まえがき」より)

1994.04.04発売
西洋近代思想史(上)十九世紀の思想のうごき
講談社学術文庫
20世紀のアメリカを代表する哲学「プラグマティズム」の立場にたつ思想家G・H・ミード。彼はとくに、その独創的な自我論やコミュニケイション論などによって、哲学はもとより、心理学や社会学の領域においてもひろく知られてきた。ルネサンスからカントやヘーゲル、さらにマルクスに至る「19世紀の思想のうごき」を、科学的探究を基層に捉えて斬新に展開した。待望の新訳、文庫オリジナル。

1994.04.04発売
世界経済史
講談社学術文庫
ギリシア・ローマの古代から中世、近世への経済発達史を、日本や中国も含めた広大な視野で解説。とくに宗教改革を契機に醸成された近代資本主義の精神と本質を明らかにする。さらに産業革命の地域別発展過程を詳細に分析し、発展途上国の近代化の問題点も鋭く指摘。また両大戦と大恐慌で露呈した資本主義の危機、社会主義の成立と崩壊の背景も論究。従来のヨーロッパ偏重を正した一般経済史の名著。

1994.04.04発売
釋迢空 詩の発生と<折口学>―私領域からの接近
講談社学術文庫
日本古典学と民俗学の第一人者折口信夫は、釋迢空(しゃくちょうくう)の名で知られる歌人でもあった。本書は、「海やまのあひだ」「古代感愛集」「倭(やまと)をぐな」等の代表的歌集を読み解くことによって、釋迢空の詩魂の苦悩と求道の道程をたどり、学問と詩を融合した巨大な折口学の核心に迫らんとする。日本文学の中心に詩を回復させることをめざした〈近代批評の真の批判者〉をしての釋迢空・折口信夫の全体像を明示した野心作。

1994.04.04発売
探究2
講談社学術文庫
『探究1』で、独我論とは私にいえることが万人に妥当するかのように想定されているような思考であると指摘した著者は、『探究2』では「この私」を単独性として見る。単独性としての個体という問題は、もはや認識論的な構えの中では考察しえない。固有名や超越論的コギト、さらに世界宗教に至る各レベルにおいて、個(特殊性)―類(一般性)という回路に閉じこめられた既成の思考への全面的批判を展開する。
1994.04.01発売
弟 尾崎豊の愛と死と
実兄が知られざる話で書き下ろす豊の真実!尾崎豊の数々のメッセ-ジは何を訴えていたのか。弟の悩みごとの相談相手だった兄がこれまで語られなかった豊の青春、ドラッグ、世間との闘い、最後の言葉を綴る
1994.03.31発売
ナイトメア奪回作戦(上)
講談社ノベルス
ロシア原潜を追ってオホ-ツクが戦場に! ロシア保有の超大型原潜がサハリン沖で突如日本に向けて宣戦布告。北海道全土はパニックに!!日米共同防衛網もあせりの色濃く、事態は最悪のシナリオへ!

1994.03.30発売
わくわく育児ハンドブック
講談社の実用書
赤ちゃんとの楽しい日々を安心してすごすために
少なく産んで上手に育てる現代育児バイブル
「子育ては楽しみながら」をモットーに、健康で心やさしい子どもに育てるための手引き書。赤ちゃんとともにお母さんも成長していくように心をはぐくむ内容を満載。
1994.03.30発売
らくらく出産ハンドブック
講談社の実用書
第一線で活躍する産婦人科医があなたに贈る初めての出産を安心して迎えるために、妊娠の初めから毎日の暮らし方、体のトラブル、赤ちゃんとの対面、そして産後の回復までを、最新の医学情報とともに集大成

1994.03.29発売
座礁
文芸(単行本)
危機に瀕するクレジット社会の再生に賭ける男たち!
その内幕を綿密な取材に基づいてヒューマンに描く長編経済小説。
「クレジットカードの総発行枚数は現時点で約1億8千万枚、1世帯当たり3.5枚になるはずです。固定収入のない学生にまでにカードを発行するなんて、どう考えたってやり過ぎですよ」……(本文より)