新刊書籍
レーベルで絞り込む :

1990.03.05発売
私本太平記(三)
後醍醐の切なるご催促に、楠木正成は重い腰をもち上げた。水分(みくまり)の館(たち)から一族500人の運命を賭けて――。すでに主上は笠置落ちの御身であった。また正成も、2万の大軍が取り囲む赤坂城に孤立し、早くも前途は多難。一方、正成とはおよそ対照的なばさら大名・佐々木道誉は幽閉の後醍醐に近づき、美姫といばらの鞭で帝の御心を自由に操縦しようとする。かかる魔像こそ、本書の象徴といえよう。
二万の大軍が取り囲む赤坂城に孤立した正成。後醍醐帝の切なるご催促に、一族五百人の運命を賭けて、重い腰をもち上げた正成であったが、早くも前途は多難。一方、佐々木道誉は幽閉の後醍醐帝に近づいていく。

1990.03.05発売
江戸三国志(二)
舞台は主として武州、甲州、相州の3国にまたがって展開する。わけても武蔵野の北限、人外境の高麗(こま)村がこのロマンの発祥地。いま鬼女面が渡っている狛(こま)家には、かつてピオが逗留したことがあり、夜光珠の短剣の由縁(ゆかり)の地でもある。魑魅魍魎(ちみもうりょう)のとぐろを巻く甲府城下。少年次郎の冒険心をそそる薮や沼の女影(おなかげ)の迷路。それらは”です”調の文章で詩情豊かに描かれ、読者を無限の空想に浸らせる。

1990.03.05発売
江戸三国志(一)
尾州徳川家の7男坊万太郎の邸から、将軍家拝領の鬼女面をまんまと盗み出したのは、大盗日本左衛門。面箱の底には“御成敗(おしおき)ばてれん口書(くちがき)”も隠されていた。その口書によると、日本で客死した羅馬(ローマ)の貴族ピオの遺品“夜光珠の短剣”には、莫大な富と名誉が秘められているという。その行方をめぐり、万太郎と近侍の相良金吾、ころび伴天連(バテレン)の娘お蝶、丹頂のお粂などが入り乱れる伝奇ロマン。

1990.03.05発売
栗の樹
講談社文芸文庫
“如何にして己を知ろうか”フランス象徴主義、ベルグソン、孔子、西行、宣長――東西古今にわたる「達人」たちの精神の運動を、「観」の目で凝視し「批評」の言葉で語る現代批評の先導・小林秀雄の「無常という事」「西行」「私の人生観」などその精神の精髄を凝集する42篇を収録。

1990.03.05発売
歴史について
講談社文芸文庫
強靭なる精神漲るエッセイ。情熱溢れる、鋭い思考ーー運命に対峙して歴史の狭間を主体的に生きる実存は、いかに可能か。ドラマの構造と、それはどう絡むのか。10代に一度は受洗したキリスト教を棄て、しかもなお「精神の極北としての神」を求める求道者・木下順二。民話劇『夕鶴』、『子午線の祀り』の作者が明かす濃密な創作世界の「原風景」。故郷での幼・少年期、漱石『三四郎』にも似た上京以後の「本郷」での生活、趣味の乗馬、歌舞伎・能への深い考察。エッセイの精粋。

1990.03.05発売
叫び声
講談社文芸文庫
新しい言葉の創造によって“時代”が鼓舞される作品、そういう作品を発表し続けて来た文学者・大江健三郎の20代後半の代表的長篇傑作『叫び声』。現代を生きる孤独な青春の“夢”と“挫折”を鋭く追求し、普遍の“青春の意味”と“青春の幻影”を描いた秀作。

1990.03.05発売
思想としての東京 補論・文学史の鎖国と開国
講談社文芸文庫
明治100年、〈東京〉という地方性の崩壊過程を辿り、地図・文学作品・流行歌を通して、〈東京〉に絡む日本人の複雑な心理を抽出、対象化し、都市先住者の側の眼で、日本の近代化の“軋み”とその象徴〈東京〉の呪縛力を解明。名著『永井荷風』の前史として、近代日本文学史の根底を激しく揺さぶった画期的「東京論」。芸術選奨受賞。

1990.03.05発売
維摩経講話
講談社学術文庫
『維摩経』は、大乗仏教の根本原理、すなわち煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)を最もあざやかにとらえているといわれる。迷いと悟り、理想と現実、善と悪など、全く対立するものを不二(ふに)と見なし、その不二の法門に入れば、一切の対立を超えた無対立の世界、何ものにも束縛されない自由な境地に入る。在家の信者の維摩居士が主役となって、菩薩や声聞(しょうもん)を相手に活殺自在に説法するところが維摩経の不思議な魅力といえよう。
1990.03.05発売
アメリカ精神と日本文明
講談社学術文庫
アメリカ建国の理念と日米精神文化とを追求エマーソン、ソロー、ホイットマンらを中心に、自由や独立の意味、自立の思想などアメリカ精神の核を究め、同時に、幕末以降の日本の精神文化への影響を解明する
1990.03.05発売
砂時計の書
講談社学術文庫
時計と時間をめぐる卓越した文明批判の書。砂時計、この愛すべき道具は、機械時計に縛られる以前の、アド・ホークな感覚世界を徴表する。現代ドイツの文豪が厖大なコレクションを駆使して語る独自の宇宙論

1990.03.05発売
櫻史
講談社学術文庫
ただ「花」といえば「櫻花」を指すといわれるほどに、春爛漫の櫻は日本人に格別の意味をもつ。ようやく長い冬が去り、光あふれる春の訪れ。その証しとして美しい薄桃色の花が万朶と咲き匂うとき、私たちの春の歓びは極まる。櫻と日本人のかかわりの歴史を、上古より現代まで七期に分け、櫻花にまつわる逸話・詩歌・人物のあらゆる事柄についてまとめた。国文学研究の第1人者による比類なき“櫻”讃歌。
1990.03.02発売
さらば墨東夢明かり
文芸(単行本)
玉の井を再現,イラスト付私家版・ 東綺譚昭和十年代「ぬけられます」「ちかみち」の看板も懐かしい向島寺島町界隈.遊び人・政五郎と娼婦たちのやりとりを限りない郷愁をこめて描く,ご存じ滝田の世界.
1990.03.01発売
終列車連殺行
講談社ノベルス
大トリックが解明されたのに犯人が分らない下り特急の寝台を血で染めた死体が交差する上り特急車中で発見され,美貌の容疑者は刑事の目の前で見えない手に空中高く吊上げられ墜死.意表をつく大トリック!
1990.03.01発売
雪姫 巨悪を斬る
講談社ノベルス
紅頭巾雪姫の胸すく剣さばき。痛快第二弾!巨悪がぬくぬくと安眠をむさぼる田沼ワイロ政治。大奥も阿片にむしばまれ、庶民にも害毒が及ぶ! 雪姫は得意の変装で阿片密売ルートへ。迫真の時代スペシャル。
1990.03.01発売
鎌倉さざんか寺殺人事件
講談社ノベルス
さざんか咲く古寺に伝説の殺人者が甦る! 鎌倉を旅する女子大生の二人組.その旅の運をタロット日美子は占った.が,カ-ドは非情にも大凶を予言.そして惨劇は起こった…….タロット日美子の痛快推理.
1990.03.01発売
時をさまよう恋人たち
講談社ノベルス
甦る愛の亡霊。長編オカルト伝奇ロマン。 男に抱かれるたび変貌する美砂子は、自分の前世にさかのぼるため、霊媒師をたずねた。無頼漢に犯され、夫に斬られた祖先・美津の悲劇、そして佐古姫の秘密とは?
1990.02.27発売
メビウスの魔魚
文芸(単行本)
名鯉を巡って人間たちの執念が絡む推理小説名鯉のうわさ高い<稲妻>を育てている戸村吾一と弟が変死した。事件追及に乗り出す溝呂木刑事に立ちはだかる鯉師の執念と政治家の妄執。平成元年乱歩賞候補作。
1990.02.27発売
ザ・ブラザーズ -サーチ&サーチの奇跡
世界の広告帝国サ-チ&サ-チ,成長の秘密18年で世界一の広告代理店グル-プを築いたサ-チ兄弟.サッチャ-を首相に仕立て,ニュ-ヨ-クを制覇し,躍進を続ける超成長型企業を兄弟の生まれから描く.
1990.02.27発売
認知科学の発展 vol.2 特集 認知革命
認知革命を特集した学会誌の第2巻。 第4回京都賞に輝くチョムスキー教授の記念講演論文を中心に、言語からの認知革命へのアプローチをまとめた。認知科学の一つの大きな側面を説く話題の書である。
1990.02.27発売
実用科学英語―論文・手紙・報告書の書き方の常識
米国化学会刊の翻訳。効果的な英文作成入門米国化学会刊の翻訳。科学者が出会う論文、手紙、ビジネス文書など多様な英語文書の効果的な書き方のノウハウを紹介。米国の最新事情を知る上でも一読の価値あり