講談社学術文庫作品一覧

徒然草読本
徒然草読本
著:古谷 義徳,装丁:若菜 啓
講談社学術文庫
兼好の人物と徒然草の本領を闡明した幻の書少・青年期は人生にとって最も大切な時である。本書は思想書であり、芸術書であり、そしてまた人生教科書である徒然草を学問的臭味を脱して読本化した啓蒙の書。
一禅者の思索
一禅者の思索
著:鈴木 大拙
講談社学術文庫
若者に向けて大拙博士が語りかける講演、随想集。巻頭の「無明と世界友好」「最高の精神的理想」をはじめ「大地と宗教」「行脚の意義に就いて」「生物愛護」など、各篇を一貫して流れるのは東洋思想の精髄である。本書は単なる学識、教義の解説ではなく、深い宗教体験に基づく時代を超越した識見と洞察に充ちている。止まるところを知らぬ人間疎外の進む現代に対する警世の書であり、この本のもつ今日的意義はかぎりなく大きい。
虚子俳話録
虚子俳話録
著:赤星 水竹居,解説:清崎 敏郎,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
折にふれ虚子側近の著者が記録した貴重な俳話集。さりげないことばの中に師の面影をほうふつさせ、虚子俳句の真髄をとらえて見せた。虚子自身をして面白いと感嘆させた名著。「佳句は一生に一句あれば沢山です」「死後100年の名を楽しまんよりは、寧ろ生前一日を楽しむに如かず」「長くなるのは、結局分かっていないからです」など、琴線にふれる珠玉の名言が随処にちりばめられている。俳句を通して人間虚子を知る好個の書である。
人生十二の知恵
人生十二の知恵
著:福原 麟太郎,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
英文学者として著名な筆者が綴る人生案内。「この通題はまことにきまりが悪い。しかしどれにも、智恵を求めようという心持があることだけは汲んでいただきたい」という謙虚なことばそのままに、深い学識と人生経験が温厚な語り口ににじみ出る。「志を立てること」「金銭について」「魅力ということ」「失敗について」「タイミングについて」など12の名篇は、世代を超えて英知とは何かを問う者にとって、必読のエッセーである。
ルネッサンスの詩
ルネッサンスの詩
著:平川 祐弘,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
詩情ゆたかに語るルネサンスの青春と旅愁。城と泉に象徴される華やかなルネサンス期の詩を紹介しながら、筆は読者をアシジの丘へ、ロワールの野辺へと誘う。みずみずしい感銘と学芸の喜びをあたえる名著。
貧血 血液を科学する
貧血 血液を科学する
著:三輪 史朗,装丁:坂本 光三,装画:志賀 紀子
講談社学術文庫
貧血症の正しい知識と治療法を平明に詳説。人間の生命活動を支える血液の役割と各種の貧血の原因を、現代医学の最前線から一般人に分り易く解説。医師が行う診断と治療の実際や日常生活上の注意にも言及。
西洋哲学史
西洋哲学史
著:今道 友信
講談社学術文庫
哲学の勉強に、なぜ西洋哲学史全般の知識が必要なのでしょうか。哲学も学問である以上、勉強の仕方というものがあり、少なくとも哲学で使う概念がどのようなものかを、哲学者たちに教わる必要があります。本書は、一冊で完結する西洋哲学通史として、重要な哲学者の、それも必要不可欠と思われる考えに絞り、古代・中世・近世・近代・現代の区分に従って問題の展開が論理的に理解できるよう書かれています。(著書「まえがき」より)
電子あり
アメリカの民主政治(下)
アメリカの民主政治(下)
著:DE・アレクシス・トクヴィル,訳:井伊 玄太郎
講談社学術文庫
アメリカ民主政治の特質を明らかにした前2巻(1835年刊)に続いて5年後に著された本書で、トクヴィルは民主的社会についての思索を一段と深めた。民主主義がアメリカ人の精神文化、感情、風習、政治的社会等にどのような影響を及ぼしたかを具体例をあげて分析、考究し、さらにアメリカを超えて、民主的な中央集権国家における独裁の危険性にまで言及した。デモクラシーの本質と限界を初めて説いた名著、待望の本邦初刊完訳なる。
俳句遊想
俳句遊想
著:森 澄雄,装画:菊地 薫
講談社学術文庫
人生すなわち句作を希求する著者の心の軌跡本書は、俳句作家としての境地を確立した句集『花眼』の時期に対応して編まれたものである。俳句の永遠の魅力とは何かを問いつづけてきた一俳人の随想的俳論集。
正法眼蔵随聞記講話
正法眼蔵随聞記講話
著:鎌田 茂雄
講談社学術文庫
『正法眼蔵随聞記』は生活の実際に即しながら、学道する人は如何にあるべきか、修行のやり方や心構えが懇切丁寧に説かれている。何よりも若き時代の道元が強烈な情熱と意志をもって自分の信ずる道を説いているので、無限の親しみと共感を覚える。2歳年上の弟子の懐奘も虚心坦懐に道元に質問しており、道元の答えをそのまま筆録したのがこの『随聞記』である。だからこそこの『随聞記』には人間道元の姿が滲みでている(まえがきより)。
日本の禍機
日本の禍機
著:朝河 貫一
講談社学術文庫
世界に孤立して国運を誤るなかれ──日露戦争後の祖国日本の動きを憂え、遠くアメリカからエール大学教授・朝河貫一が訴えかける。歴史学者としての明解な分析に立って、祖国への熱い思いが格調高く述べられ、読む者の心に迫る。彼の忠告も空しく、軍国主義への道をつき進んだ日本は、戦争、敗戦へと不幸な歴史を辿った。日米の迫間(はざま)で、日本への批判と進言を続けた朝河。彼の予見の確かさと祖国愛には、今もなお学ぶべきものが多い。
電子あり
アメリカの民主政治(中)
アメリカの民主政治(中)
著:DE・アレクシス・トクヴィル,訳:井伊 玄太郎
講談社学術文庫
本巻では、民主主義の根本理念・人民主権の考えを基底に捉え、アメリカンデモクラシーの根幹をなす多数者の権力とその抑制機能、市民参加の例としての陪審制度、連邦と州との行政関係等具体的かつ特異な側面を広く検証、政治動態を社会学的視座から把捉するトクヴィルの思想の精華が遺憾なく発揮さる。特に、今日のアメリカ社会の重要課題である人種問題についての詳細な歴史叙述と展望・提言はアメリカを理解する上に必須である。
綴方読本
綴方読本
著:鈴木 三重吉,解説:上野 浩道,その他:蟹江 征治,装丁:杉浦 幸治
講談社学術文庫
綴方実作指導の根本理論と教育的意義を提唱雑誌「赤い鳥」の綴方革新運動の成果を踏まえて作文指導の基本的態度を論じた名著。単に表現の錬成のみでなく人間教育の一環としての綴方のありうべき姿を主張。
聖徳太子
聖徳太子
著:上原 和,解説:青山 茂,その他:蟹江 征治,装丁:菊池 薫
講談社学術文庫
本書は、久しく法隆寺の再建・非再建をめぐって謎とされてきた諸問題を、文献批判と美術史家の立場から物のかたちを通して克明に論証したものである。たとえば、法隆寺建築の細部に初唐様式の影響が見られる点まぎれもない白鳳様式であること、法隆寺金堂再建のさい玉虫厨子の建築的意匠が模倣されたことなどを指摘し、あわせて太子の釈迦信仰の姿をさぐる。著書の『斑鳩の白い道のうえに』とならぶ、名著と評価の高い聖徳太子論。
アメリカの民主政治(上)
アメリカの民主政治(上)
著:DE・アレクシス・トクヴィル,訳:井伊 玄太郎
講談社学術文庫
フランスの政治学者トクヴィルは、独立後のアメリカのデモクラシーの実態とその展望、本質探るため、1831年から32年にかけてアメリカを旅し、政治制度や成文法律を吟味、通観し、また政治的社会の現状を描写した。特に「アメタカでアメリカ以上のものを見た」というトクヴィルは、アメリカ社会の変らないもの、即ちデモクラシーの本質とその限界を見抜いていた。今日の大衆社会論への道を拓いた必読の古典的名著。(全三巻)
万葉秀歌鑑賞
万葉秀歌鑑賞
著:山本 健吉,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
万葉集の歌を発想の場に捉えて鑑賞した好著折口学的立場に立って、万葉びとの生活を生き生きと再現。その歌の生み出された背景を脳裏に深く印象づけることによって、見事に万葉歌鑑賞の水準を高めた入門書
動物園の歴史
動物園の歴史
著:佐々木 時雄,その他:佐々木 拓二,解説:中川 志郎,その他:蟹江 征治,装丁:遠山 八郎
講談社学術文庫
日本の動物園の歴史の全貌を捉えた唯一の書上野動物園の成立の経緯や田中芳男・石川千代松らの先人の苦闘等、明治・大正・昭和を通じて日本の動物園はいかなる変遷をたどったかを興味深く描いた貴重な記録
南島論序説
南島論序説
著:谷川 健一,解説:岡谷 公二,その他:蟹江 征治,装丁:多田 進
講談社学術文庫
琉球の民俗を通して古代日本の原像に迫る。与那国・石垣・宮古島等に見られる習俗は日本人の世界観や死生観を鮮明に映し出すと確信する著者が、数十回に及ぶ実地踏査を重ねてまとめたユニークな南島民俗論
日本科学史
日本科学史
著:吉田 光邦,解説:筑波 常治,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
日本の科学を特異な自然観から照射した通史西洋に比して自然科学が立ち遅れたという日本科学史の根本問題に応えた書.日本人の自然観と科学的精神の相克という視座から日本の科学の歩みを詳細に把捉する.
現代読書法
現代読書法
著:田中 菊雄,その他:稲村 徹元,解説:紀田 順一郎,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
本書は『岩波英和辞典』の編者として知られる田中菊雄が、読書の方法や情報取得・整理の技術を知りたいと思う人のために、自らの体験をもとに著した読書法の入門書である。昭和16年の刊行以来、読書人必読のバイブルとして読書界に大きな影響を与えた先駆的著作で、読書の方法は勿論のこと、カードの取り方や図書館の利用法、辞典や雑誌の利用の仕方など具体的な方法が語られている。強烈な個性と書物愛の精神に満ち溢れた名著。