講談社学術文庫作品一覧

母
著:鶴見 祐輔,解説:澤地 久枝,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
日本の母の在り方を小説に托した実用教養書大正期の混乱の世を生きた一人の母を中心に,教養と啓蒙につながる人物や書名,人生の名言格言が随所に盛られて広く大衆に愛読された昭和初期ベストセラ-の復刊
新・古事記物語
新・古事記物語
著:中村 啓信,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
『古事記』の解釈に創造の翼を与えた会心作千二百年を超える時代の彼方で書かれた古事記説話群の世界を新しい学問的裏付けにより再構成し,古代日本人の豊かな想像力を証明して古事記の魅力を今に蘇らせる
日本仏教思想の源流
日本仏教思想の源流
著:山折 哲雄,解説:鎌田 東二,装丁:井上 正篤
講談社学術文庫
本書は、日本の仏教史上に登場する代表的なカリスマたちがいかにして自らの宗教意識を体得したかを探る。空海における密教的な神秘思想、独得の密教解釈で新風を起こした覚鑁(かくばん)、道元の「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」の哲学的詩篇と白楽天の詩的世界の関係、常に「日本国」を発想の根底に据えた日蓮のナショナルな危機意識、風狂僧一休の虚構と真実の世界など、時代的背景と豊富な文献を巧みに駆使して、新仏教誕生に果たした姿を独自の視点から描く。
物理学の歴史
物理学の歴史
著:竹内 均,解説:中村 誠太郎,装丁:若菜 啓
講談社学術文庫
元来、物理学の歴史は単に発明・発見の物語ではなく、すべての歴史と同じく、生きた人間と自然界との係り合いが重要である。本書は、自然についての知識を人間がどのように汲みとり、それを生活に社会にどのように応用してきたかといった物理本来の意味を基礎におきながら、物理学が芽ばえた古代文明期から論を起こし、20世紀初めの相対性理論や前期量子論に至るまでを、実に要領よく簡潔にまとめた秀逸の物理学通史といえよう。
朱鷺
朱鷺
著:宮村 堅弥,解説:藤原 英司,装丁:若葉 啓
講談社学術文庫
野鳥の権威悟堂氏がトキの総合記念塔と賞賛昭和の歴史とともに生き,絶滅寸前の悲運にみまわれた”幻の鳥”トキと人間のかかわりの経緯を克明に記した貴重な記録.献身的な愛護活動が惻々と人の胸を打つ.
有職故実(上)
有職故実(上)
著:石村 貞吉
講談社学術文庫
国文学及び日本史学、更に文化史・風俗史研究に密接不離の関係にある有職故実の変遷を辿った本書は、昭和31年刊行当時わが国の儀式典礼や風俗資料を集大成したものとして高く評価されながらも久しく世に出ることのなかった稀覯本(きこうぼん)である。この度学術文庫に収録するに当って上・下巻に分け、上巻には「官職位階」「平安京及び大内裏」「儀式典礼」「年中行事」等を収め、引用文以外は現代表記に改めて広く学界への寄与に努めた。
短歌に見る人生
短歌に見る人生
著:宮 柊二,解説:玉城 徹,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
戦後短歌を切り拓いた歌人宮柊二の歌論集.短歌に見る人生の諸相,師白秋・迢空を中心とする現代歌人論など,歌論の略総体を網羅.作者の歌と人間を解くための絶好の解説書であり,”自歌自註”の書である
とはずがたり(下)
とはずがたり(下)
その他:次田 香澄
講談社学術文庫
後深草院の特異な愛情のもとに寵遇されながら、西園寺実兼・法助法親王らとの愛欲生活を綴った上巻から一転し、下巻は作者後半生の、女性として稀有な長途の旅を記す。宮廷生活に訣別して出家した作者二条は西行の修行を慕い、鎌倉をめざす東海道の旅を手始めに、信濃・奈良・伊勢・また中国路など、当時の貴族女性としては驚異的な規模で諸国を遍歴する。『蜻蛉日記』をしのぐ個性と凄絶な迫力あふれる、注目すべき女流文学作品。
私の常識哲学
私の常識哲学
著:長谷川 如是閑,解説:田中 幸,装丁:若菜 啓
講談社学術文庫
人間如是閑を彷彿させる氏一流の哲学人生論本来哲学とは生活実感が伴うもの。つまり「人生いかに生きるべきか」でなく「まず生きなさい」とその本質を喝破した放送講演集。他に「生活の宗教」等13編収録
半自叙伝
半自叙伝
著:菊池 寛,解説:杉森 久英,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
自らの半生を虚飾なく綴った自伝文学の傑作生い立ちから新進作家として登場するまでを、当時の世相、独自の人生観、社会観を交えつつ生き生きと語る。文壇の大御所といわれた後半生を解く鍵ともなる書。
とはずがたり(上)
とはずがたり(上)
その他:次田 香澄
講談社学術文庫
鎌倉時代前期、武家階級に活力ある政権を奪われた京都では、古来の政治・経済の基盤を失いかけた貴族たちは退廃的な生活にひたっていた。この風潮の中で、家柄と容色と才智にめぐまれた、久我(こが)雅忠の女(むすめ)がその異常な生涯を自らの手で記したのが『とはずがたり』である。14歳の春、無理に後深草院の後宮にされて一皇子を生みながら、複数の男性とも愛欲の生活を続ける大胆・奔放な生き方・体験を露骨に記述する文学史上特異な作品。
老子の思想
老子の思想
著:張 鐘元,訳:上野 浩道
講談社学術文庫
本書は、老子の『道徳経』を現代思想の観点から読みなおしたものである。著書は序において「道」(タオ)の思想がヨーロッパ思想にどのように影響してきたかを検討し、東洋思想と西洋思想の根本的相違を論じる。つづいて、『道徳経』の各章にわたって訳しながら、ハイデッガー、西田哲学、ユング心理学をベースに注釈を加えている。中国思想での解釈の枠を越えた、従来の思想のパラダイムを変える“新しい思惟への道”を提示した画期的な書。
徒然草読本
徒然草読本
著:古谷 義徳,装丁:若菜 啓
講談社学術文庫
兼好の人物と徒然草の本領を闡明した幻の書少・青年期は人生にとって最も大切な時である。本書は思想書であり、芸術書であり、そしてまた人生教科書である徒然草を学問的臭味を脱して読本化した啓蒙の書。
一禅者の思索
一禅者の思索
著:鈴木 大拙
講談社学術文庫
若者に向けて大拙博士が語りかける講演、随想集。巻頭の「無明と世界友好」「最高の精神的理想」をはじめ「大地と宗教」「行脚の意義に就いて」「生物愛護」など、各篇を一貫して流れるのは東洋思想の精髄である。本書は単なる学識、教義の解説ではなく、深い宗教体験に基づく時代を超越した識見と洞察に充ちている。止まるところを知らぬ人間疎外の進む現代に対する警世の書であり、この本のもつ今日的意義はかぎりなく大きい。
虚子俳話録
虚子俳話録
著:赤星 水竹居,解説:清崎 敏郎,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
折にふれ虚子側近の著者が記録した貴重な俳話集。さりげないことばの中に師の面影をほうふつさせ、虚子俳句の真髄をとらえて見せた。虚子自身をして面白いと感嘆させた名著。「佳句は一生に一句あれば沢山です」「死後100年の名を楽しまんよりは、寧ろ生前一日を楽しむに如かず」「長くなるのは、結局分かっていないからです」など、琴線にふれる珠玉の名言が随処にちりばめられている。俳句を通して人間虚子を知る好個の書である。
人生十二の知恵
人生十二の知恵
著:福原 麟太郎,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
英文学者として著名な筆者が綴る人生案内。「この通題はまことにきまりが悪い。しかしどれにも、智恵を求めようという心持があることだけは汲んでいただきたい」という謙虚なことばそのままに、深い学識と人生経験が温厚な語り口ににじみ出る。「志を立てること」「金銭について」「魅力ということ」「失敗について」「タイミングについて」など12の名篇は、世代を超えて英知とは何かを問う者にとって、必読のエッセーである。
ルネッサンスの詩
ルネッサンスの詩
著:平川 祐弘,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
詩情ゆたかに語るルネサンスの青春と旅愁。城と泉に象徴される華やかなルネサンス期の詩を紹介しながら、筆は読者をアシジの丘へ、ロワールの野辺へと誘う。みずみずしい感銘と学芸の喜びをあたえる名著。
貧血 血液を科学する
貧血 血液を科学する
著:三輪 史朗,装丁:坂本 光三,装画:志賀 紀子
講談社学術文庫
貧血症の正しい知識と治療法を平明に詳説。人間の生命活動を支える血液の役割と各種の貧血の原因を、現代医学の最前線から一般人に分り易く解説。医師が行う診断と治療の実際や日常生活上の注意にも言及。
西洋哲学史
西洋哲学史
著:今道 友信
講談社学術文庫
哲学の勉強に、なぜ西洋哲学史全般の知識が必要なのでしょうか。哲学も学問である以上、勉強の仕方というものがあり、少なくとも哲学で使う概念がどのようなものかを、哲学者たちに教わる必要があります。本書は、一冊で完結する西洋哲学通史として、重要な哲学者の、それも必要不可欠と思われる考えに絞り、古代・中世・近世・近代・現代の区分に従って問題の展開が論理的に理解できるよう書かれています。(著書「まえがき」より)
電子あり
アメリカの民主政治(下)
アメリカの民主政治(下)
著:DE・アレクシス・トクヴィル,訳:井伊 玄太郎
講談社学術文庫
アメリカ民主政治の特質を明らかにした前2巻(1835年刊)に続いて5年後に著された本書で、トクヴィルは民主的社会についての思索を一段と深めた。民主主義がアメリカ人の精神文化、感情、風習、政治的社会等にどのような影響を及ぼしたかを具体例をあげて分析、考究し、さらにアメリカを超えて、民主的な中央集権国家における独裁の危険性にまで言及した。デモクラシーの本質と限界を初めて説いた名著、待望の本邦初刊完訳なる。