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私の上に降る雪は
1998.06.10発売
私の上に降る雪は
その他:中原 フク,編:村上 護,解説:北川 透
講談社文芸文庫
《私はあの子のことを、よくわかってやろうとしませんでした。……中也が詩を作るのに反対しながら、私は一方でお茶ばかり熱中していたんです。》 明治40年、医者の長男として山口県湯田温泉に生まれ、生涯仕事に就くことなく30歳で天逝した詩人の姿を94歳になった母が悔恨と愛惜の情を込めて話す。中也を知る必須の資料であり、美しい感動を伝える書。
日本浪曼派批判序説
1998.06.10発売
日本浪曼派批判序説
著:橋川 文三,解説:井口 時男
講談社文芸文庫
「日本浪曼派」は神保光太郎、亀井勝一郎、中島栄次郎、中谷孝雄、緒方隆士、保田与重郎ら6人で創刊した雑誌名であるが、戦前、大日本帝国の侵略的アジア主義、満州国の擁立から第2次大戦の流れのなかで文学運動をこえて、青少年に思想的に多大な影響を与えた。本書は、日本浪曼派の中心人物たる保田与重郎らの近代批判、古代賛歌的日本主義などを初めて精細に批判、検証したもの。
日本文壇史22 明治文壇の残照
1998.06.10発売
日本文壇史22 明治文壇の残照
著:瀬沼 茂樹,解説:十川 信介
講談社文芸文庫
大正元年、舟木重雄・広津和郎・葛西善蔵ら「奇蹟」創刊。堺利彦の売り文社にいた大杉栄・荒畑寒村「近代思想」創刊。小山内薫が欧州へ演劇修業に出発。大正2年、こま子との関係に苦悩、藤村パリへ出発。斎藤茂吉の「赤光」が広く文豪の称賛の得る。花袋・藤村・秋声・白鳥・泡鳴ら自然主義文学大家の変化と去就、明治文豪を背負いつつも明確な大正文学の胎動を、思潮と人間交流の中に鮮やかに描く。
玄奘三蔵
1998.06.10発売
玄奘三蔵
著:慧立,著:彦ソウ,訳:長澤 和俊
講談社学術文庫
天竺にこそ仏法がある!7世紀、唐の都・長安からひとり中央アジアの砂漠を征き、天に至る山巓を越えて聖地インドを目ざした三蔵法師。数々の苦難を乗りこえ、各地の大徳を訪ねて仏教の奥義を極め多くの仏典を携えて帰国した。小説『西遊記』はこの旅行から取材したもの。帰国後は勅許を得て経典翻訳の大事業を成しとげた。本書は、求法の生涯を貫いた名僧玄奘三蔵の最も信頼すべき伝記である。
漂流思考
1998.06.10発売
漂流思考
著:篠原 資明,解説:尼ケ崎 彬
講談社学術文庫
軟体動物のようにおいしくて仕方がない人、私にとってベルクソンとはそのような存在にほかならない。だが不幸なことに、この軟体動物、ベルクソンのテクストの中では進化の袋小路に入り込んだものとして、いわば出来そこない扱いされている。本書は、この軟体動物が袋小路から出て、思想や芸術の世界をさまよってみせた漂流譚のようなものである──現代の思想・芸術世界への豊かで大胆な思索の試み。
構造主義科学論の冒険
1998.06.10発売
構造主義科学論の冒険
著:池田 清彦
講談社学術文庫
科学とは、客観的に実在する外部世界の真理を究めていく学問であるとされてきた。その理論を唯一の真理として現代科学はとめどなく巨大化し、環境破壊などの破壊的状況をもたらした。本書で著者は、これまで科学的真理とされてきた理論を根底から問い直すために、フッサールの認識論やソシュールの言語論を踏まえ、多様性を重んじる構造主義科学論を提唱する。あるべき科学の未来を説く必読の書。
フィレンツェ名門貴族の処世術
1998.06.10発売
フィレンツェ名門貴族の処世術
著:フランシスコ・グィッチャルディ-ニ,訳:永井 三明
講談社学術文庫
波乱のルネサンスを生きたイタリア貴族の知恵 メディチ家とも親交があり、有能な政治家や大使を輩出した名門に生れたグィッチャルディーニ。28歳でフィレンツェ共和国のスペイン大使になり、共和国崩壊後はメディチ家出身の教皇に仕えて教会領行政官として活躍。動乱のルネサンス・イタリアを常に敵に囲まれながら生き抜き、その体験を子孫に書き残した。冷静な眼で人間の真実を赤裸に描いた本書は、現代に通ずる貴重な処世の書といえる。 君の気がすすまないなにごとかを申し入れられた場合、できうるかぎりひき延ばすように努力するがよい。四六時中見てのとおり、このようなやっかいから逃れさせてくれるような突発事がおこってくるものだ。──(「リコルディ」B76)
日本の危機の本質
1998.06.08発売
日本の危機の本質
著:副島 隆彦
アメリカの「騙し」と「去勢」の日本支配!! 日本の危機の本質は、実は経済にあるのではなくて政治にある。日本の現在の指導者層の人々が、あまりにも「米国依存」したことが根本の原因である。私の考えでは、現在の日本の指導者層の人々は、アメリカのマインド・コントロールにかけられている。アメリカの言いなりである。もっと悪い言葉をあえて使えば、洗脳(ブレイン・ウォッシュ)されつづけているのだ。「日米対等」のふりだけはするが、実際には少しも対等ではない。……すなわち、日本はアメリカの属国である、ということである。――(本文より抜粋)
神様がくれた赤ん坊 茉莉子は小学一年生
1998.06.08発売
神様がくれた赤ん坊 茉莉子は小学一年生
著:宇都宮 直子
ダウン症の茉莉子ちゃん今日も元気に学校へ! 生きることはすごいこと。過酷な運命を乗り越える〈愛と感動のドキュメント〉 茉莉子は病気のために、たくさんの「大変」を抱えてしまいましたが、楽しいことをすべてなくしたわけではありません。絵を描くことも、作文を書くことも、本を読むことも大好きです。それから、動物、特に猫がそばにいれば嬉しくてたまりません。 大きな困難の中にありながら、いつも幸せそうに笑っている茉莉子、彼女のそんな日常を喜びながら、私はこの本を書きました。小著を通して、障害児やその家族の思いに触れていただければ幸いです。そして、茉莉子に限らず、障害を持つ子供たちを温かく応援していただけたらと心から願っています。――(「はじめに」より) 赤いバトンを高く掲げるように持ち、茉莉子はよたよたと走りはじめる。初めての運動会では、行進さえままならなかった茉莉子が、園児たちと1本のバトンをつないで走ろうとしている。テントのそばにいた園児が、大きな声で叫ぶ。声援は父兄席からも起こり、さらに大きくなってゆく。「茉莉ちゃん、頑張れ、茉莉子ちゃん、頑張れ」それはひとつに集まり、まるで大合唱のようだった。茉莉子が生まれてから、知子はどんなに悲しくても、苦しくても泣かなかった。それなのに、いまは大きな何かに揺さぶられ、顔を上げることができない。精一杯に走り、バトンをつないだ茉莉子は、大勢の園児に迎えられ、嬉しそうに笑っている。いつか、知子が今日を振り返るとき、目は幸せそうな笑顔を、耳は大きな声援を、そして心は優しい温もりを思い出すだろう。――(本文より)
ミエザの深き眠り アレクサンドロス伝奇(2)
1998.06.05発売
ミエザの深き眠り アレクサンドロス伝奇(2)
著:榛名 しおり,絵:池上 沙京
講談社X文庫ホワイトハート
サラの記憶が蘇るとき、歴史の歯車がまわる。 世界帝国へのエネルギーたぎるマケドニア。 親子兄弟の愛憎渦巻く陰謀の王都ペラで、少年アレクサンドロスは運命の重さに震えていた。 ギリシアに隣する小国マケドニア。大国ペルシアを打倒するエネルギーをたぎらせる都ペラで、王の絶対の信頼を得ているリュシアスに買われてきた少女サラは、少しずつ奴隷になる以前の記憶を取り戻し始める。 一方、嫡子である息子のためにリュシアスを廃そうとする王妃オリムピアスは、妖しい美形の占い師にのめりこんでいく。母の恐ろしさに震える少年アレクスと、サラが出会うとき、地中海世界の歴史が変わる!!
高雅にして感傷的なワルツ
1998.06.05発売
高雅にして感傷的なワルツ
著:仙道 はるか,絵:沢路 きえ
講談社X文庫ホワイトハート
あんたはきっと、俺のものになる予感がしたよ。 コンサート会場で出会った俳優のような美貌のピアニスト。その日から、美幸の中に何かが芽生えて──。 俺もおまえも男なのに…・・・こんなのは間違ってる!! システム・エンジニアの桐野美幸は、連日連夜、ストーカーの不気味な気配に追われていた。 だが、気晴らしのため、友人に連れられて行ったコンサート会場で、ピアニストの里見貴士に出会い、美幸の中で何かが変わり始める。 かけ離れた世界で活躍する里見に憧れ、徐々に惹かれていく美幸は、突然の里見からの告白になぜか素直に応えることができなかった。 絶望感を抱いて帰路についた美幸を部屋で待ち受けていたものは──!!
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封印された夢
1998.06.05発売
封印された夢
著:小早川 恵美,絵:四位 広猫
講談社X文庫ホワイトハート
夜ごと、闇の底に恐怖が目覚める!! 一心同体であったはずの姉の異変。その陰にひそんでいた、世にも恐ろしい過去とは……!? 鬼才の燐光ゆれる、サイキック・ホラー! 「……っつ……!」 次々と襲いかかる霊の攻撃に、高陽の姿勢が崩れた。 力で抑えこむのではない、霊の心を癒すのだ。──父の言葉が高陽の脳裏に閃く。だが、焦れば焦るほど、どうすればいいのかわからない。不安と怯懦とが、急速に心が広がりだす。 1人の少女が、勇帆と高陽に持ちこんだ依頼。それは予想だにしなかった、恐ろしい背景を秘めていた!迫真のサイキック・ホラー!!
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バニ-・ボ-イ
1998.06.05発売
バニ-・ボ-イ
著:有馬 さつき,絵:藤崎 理子
講談社X文庫ホワイトハート
2人でいられれば、ほかに何もいらない!! 「まだ怒ってるの?」「だって、タカはやりすぎなんだよ」「だから、今回はバースデイプレゼントだって言ってるでしょう?」 藤崎理子オリジナル・ショート・コミック特別収録!! 誕生日のお祝いにアルマーニのスーツを贈られたトオルは、高価な品物に憤慨し、飯島は怒る理由がわからずに困惑していた。 そして迎えたバースデイパーティ。トオルは見知らぬ男に、突然キスを迫られる。しかし、男は飯島とただならぬ関係のようで……。
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言葉の花束
1998.06.05発売
言葉の花束
著:三浦 綾子,編:宍戸 芳夫,監:三浦 光世
文芸(単行本)
心悩むあなたへ あなたの生き方を変える愛のメッセージ 何が大切か、人生とは――真摯に追求し続ける三浦綾子全作品のなかから選び抜かれた770章
FRIDAY 篠山紀信Special
1998.06.05発売
FRIDAY 篠山紀信Special
撮影:篠山 紀信
吉川ひなの/広末涼子/中山エミリ/新山千春/小沢真珠/山田まりや/佐藤藍子/吉野紗香/永作博美/大河内奈々子/葉月里緒菜/北浦共笑/矢田亜希子/小島聖/原千晶/ともさかりえ
ま・く・ら
1998.06.04発売
ま・く・ら
著:柳家 小三治
講談社文庫
魔物どもの聖餐
1998.06.04発売
魔物どもの聖餐
著:積木 鏡介
講談社ノベルス
邪悪な魂は世界に求める。正義を。審判を。復讐を! 呪われた兄弟〈幽羅(ゆら)〉の操り人形と化し、桔梗荘に集まる人間を皆殺しにするという男・久羅(くら)の陰鬱な手紙。「復讐せよ」と囁く殺人鬼の悍(おぞ)ましい計画。お伽噺のごとき奇怪な舞台で、予告通りに殺人は起こった!すべては地獄の傀儡師(くぐつし)の罠か。純粋悪の結晶がきらめくミステリの離れ業。最終章が読む者の心臓を貫く!
蜃気楼
1998.06.04発売
蜃気楼
著:内田 康夫
講談社ノベルス
越中富山の薬売りの死体が舞鶴で発見された。現役最年長者として取材しようとした矢先の凶事に浅見光彦の心は騒ぐ。東京での思わぬ接点、孫娘との「蜃気楼の丘」での出会い――天意ともいうべき因縁に衝き動かされて奔走する浅見の前で、第2第3の惨劇が。荘厳な余韻が深い感動をよぶ文芸ミステリー第4弾。
火の山 山猿記(下)
1998.06.01発売
火の山 山猿記(下)
著:津島 佑子
文芸(単行本)
焼け野原に響きわたる、歎きの声と歓びの歌。土地を離れ、悲しみを超え、女たちは語りだす。空を駆ける馬、サファイアの目の子ども、そして石や木の語る物語。 この時代を語りつぐ世界文学の誕生 由紀子もこの絵を知っていることだろう。…… そのときの私には、どうしてもそれは、「燃える石」をくわえた女の像にしか見えなかった。憤怒のアシュラであり、悲哀の老婆であり、イノセントに笑う少女でもあった。 ……私には「戦争」という連想は働かなかった。それは笛子の怒り、悲しみ、喜びの姿だった。冬吾に対する愛の姿なのだった。――(本文より)
火の山 山猿記(上)
1998.06.01発売
火の山 山猿記(上)
著:津島 佑子
文芸(単行本)
火の山を仰ぎ見つつ、光につつまれ野を駆けた日々。20XX年、パリで見つかった日本語のノートには、いったい何が託されていたのか。 維新の前夜から新しい世紀まで夢と記憶が交錯する、傑作長篇小説。 勇平。 パトリス。 どうか、今は2歳のあなたの命が守られつづけますように!あなたの存在が押しつぶされるような、悪いことが、この地球上に起こりませんように! たとえ、フランスや日本という国が消え失せたとしても、この海、この陸地、この植物、この動物が、あなたのまわりにひろがりつづけ、あなたに喜びを与えつづけていてくれますように!――(本文より)