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1994.12.07発売
日本の中の朝鮮文化(11)備前・肥後・日向・薩摩ほか
講談社文庫
吉野ヶ里遺跡で注目されている弥生人は、古代朝鮮からの渡来人だった。彼らが最初に「国」を築いたのが九州の地で、渡来人文化を開花させる。韓国宇豆峯(からくにうずみね)神社や大隅正八幡に残されている資料は、それを雄弁に物語る。佐賀・長崎・熊本・鹿児島の各地を踏査し、古代日本の実像に迫る歴史紀行シリーズ第11巻。

1994.12.07発売
夢は枯野を
講談社文庫
旅先で出会った人々への想いは募る。風圧に抗い格闘技まがいにぶつかり合うレースは“人生の喧嘩”を教えられた少年時代に重なり、ギャンブルに敗れてなお耽美な顔を見せる男には影の薄い女が寄り添う。「終わってみると己れを買い己れに賭しただけの遊び」の中で伊集院文学の原石が光を放つ話題の好エッセイ。

1994.12.07発売
晩年の子供
講談社文庫

1994.12.07発売
片翼だけの天使
講談社文庫
「愛してるんよ。あんたはトクベチュな人よ」――40代半ばの独身中年作家が、ふと遊びに出かけたソープランドで出会った、天使のような明るい韓国人女性。作家は、彼女の舌足らずのしゃべり方や、全身で愛情を表現してためらうことのない一途な性格に魅せられていく。現代では稀有な「純愛」を描いて、熱い共感を呼ぶ大人のための「名昨」恋愛小説。ひたむきで純朴な女性とのめくるめく恋の熱い日々!
1994.12.07発売
走り屋伝説

1994.12.06発売
太郎の物語・民話系創作文学 全1冊
民話を現代に蘇らせた松谷文学の代表作!
「龍の子太郎」「まえがみ太郎」「ちびっこ太郎」の長編3部作の他、「おおかみのまつ毛」「さぶろべいとコブくま」などの民話をベースとした創作群を1冊に収録

1994.12.06発売
悔恨の島ミンダナオ
戦後50年目に出た「人肉食」の衝撃の真実――1946年、フィリピン・ミンダナオ島で起こった旧日本軍敗残兵による先住民・ヒガオノン族虐殺と人肉食。癒すことのできない戦争の傷跡を追う、書き下ろしノンフィクション。
●ヒガオノン族に対する「補償」は、彼らをミンダナオ島に送った日本の責務でもあるはずだ。戦後補償については様々な考え方があるが、この問題は人道上の問題として解決がはかられるべきではないだろうか。取材を進めながら彼らの悩み苦しむ姿を知り、また激しく取材を拒否する手紙を読みながら、この本を送り出すことにためらいが全くなかったわけではない。結果的にはこの本も彼らを苦しめることになるのだろうと思う。それでも書くべきだと判断したのは、戦後補償が被害者のためだけではなく「加害者」とならざるを得なかった日本兵のためにも必要なことだと思ったからだ。(あとがきより)

1994.12.06発売
地球にやさしい買い物ガイド
環境にいい店、教えます。
全国主要スーパー・生協・コンビニを徹底調査!
北海道から九州まで、70人の調査員が足で調べた68チェーンストアの環境通信簿。あなたの街のお店は★いくつ?
環境にいいことってなんだろう?そのひとつの答えが、ふだん何気なくしている買い物のなかにあります。より自然を大切にしたものを買う、私たちの健康に害を与えないものを選ぶ、そしてできればより少なく消費する。商品選びからお店選びまで、この本はそんな環境にいい暮らしをするためのガイドブックです。
グリーンコンシューマーという言葉を知っていますか?自然を大切にし、環境に気をつけて買い物をする人のことです。毎日の暮らしのなかで、より環境にいい商品を選ぶこと、より環境にいいお店を選ぶことが、むやみな自然破壊に歯止めをかけ、自分たちの健康と子供たちの将来を守ることにつながる――そのことを忘れないでください。
1994.12.06発売
大事故は夜明け前に起きる
昼夜ない24時間社会がはらむ危険性を突く人間の機能は体内時計によって操られている。夜と昼をとりちがえたような生活や夜勤体制は、人為ミスによる重大な事故の可能性をもつ。それにはどう対処するか?

1994.12.05発売
ナチ占領下のフランス 沈黙・抵抗・協力
講談社選書メチエ
ヴィシー時代。老元帥ペタンにひきいられた日々は、「抹殺すべき四年間」(1940-44)と呼ばれる。対独協力者(コラボ)によるユダヤ人狩り、ファシズムを礼讃する知識人、ヒトラーに忠誠を誓った男たち……。多くの驚くべき事実がそこにはあった。三色旗が鉤十字に蹂躙されるなか、人びとはいかに生きたのか?われわれの知らない「もう一つのフランス」に、いま光があてられる。
【目次】
第一章 忘却のベール
第二章 第二次大戦前夜
第三章 ヴィシー体制
第四章 対独協力
第五章 レジスタンス
第六章 解放
註
あとがき
関連年表
索引

1994.12.05発売
漢詩と日本人
講談社選書メチエ
『白氏文集』も『和漢朗読集』も、写本で読むしかない時代、中国の詩は、ひとにぎりの宮廷貴族のものであった。木版印刷による空前のロングセラー、『唐詩選』、『三体詩』は、読者階層を庶民大衆へと大きく広げ、その影響は、俳諧、川柳から都々逸(どどいつ)にまで及ぶ。わが国の古典と化した漢詩の、豊かな味わいとつきない魅力を語り、日本人との千年以上にわたる深いかかわりを丹念に跡づける労作。
【目次】
はじめに
序章 漱石と漢詩
第一章 阿倍仲麻呂と唐の詩人たち
第二章 平安朝と文人の漢詩
第三章 『三体詩』の話
第四章 『唐詩選』の話
第五章 都々逸と漢詩
参考文献
あとがき
索引
1994.12.05発売
白狐
文芸(単行本)
近代日本絵画の基礎を築いた風雲児の素顔!フェノロサの薫陶を受け、東京美術学校長となり、横山大観・菱田春草・下村観山らを育てた明治画壇の巨人、天心の知られざる奔放な愛の遍歴を描く書下ろし長編。

1994.12.05発売
新編 沓掛筆記
講談社文芸文庫
戦前・戦中・戦後の日本を最も誠実に生き抜いた文学者・中野重治の“遺書”とも評される晩年のエッセイ。雑誌「文芸」に連載され、単行本となった『沓掛筆記』を軸に、言い遺しておきたいこと、思いつづけてきたこと、友人達のこと、長、短いりまじった随筆を新しく編集したエッセイ集。

1994.12.05発売
哀しき父 椎の若葉
講談社文芸文庫
「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。

1994.12.05発売
「最後の小説」
講談社文芸文庫
人は死に向って年をとる、というしみじみした自己認識をもつに至った小説家が、いま自分はこのように生きている、という真撃な現場報告を提示して、1冊の濃密な本とした。「国外で日本人作家たること」「僕自身のなかの死」等、全5章の評論に、戯曲・シナリオ草稿「革命女性」200枚。長篇3部作「燃えあがる緑の木」を構想しつつある作家の“現在”の心の内奥と作家的パフォーマンスの全体像。

1994.12.05発売
日本文壇史1 開化期の人々
講談社文芸文庫
同時代の文士や思想家、政治家の行動、「そのつながりや関係や影響を明らかにすることに全力をつくした」という菊地寛賞受賞の伊藤整畢生の明治文壇史・全18巻の“1”。仮名垣魯文、福沢諭吉、鴎外、柳北、新島襄、犬養毅ら、各界のジャーナリズム動かした人々。坪内逍遙の出現と、まだ自己の仕事や運命も知らずに行き合う紅葉、漱石等々を厖大な資料を渉猟しつつ生き生きと描写する人間物語!

1994.12.05発売
アメリカ自由主義の伝統
講談社学術文庫
アメリカの政治史を論ずる時、常にアメリカ政治思想論議の出発点となっている『アメリカ自由主義の伝統』。ハーツはアメリカとヨーロッパの政治史を比較対照し、封建的伝統を持たないアメリカは「生まれながらの自由主義社会」であると分析。更に自由主義を絶対化して国民的信念「アメリカニズム」を確立したと論及する。才気溢れた文体と論理を駆使した鋭い洞察によるアメリカ政治史の古典的名著。

1994.12.05発売
老子・荘子
講談社学術文庫
儒家の人為の思想を相対差別の元凶として否定した老子は、無為自然を根本の立場として不浄の哲学を説く。荘子はなお徹底して運命随順を志向し、万物斉同を根本思想とした。著者は老荘の微妙な相違を検証しながら、「道」と「無」に収斂される壮大な思想体系の全貌を明証する。宇宙の在り方に従って生きんとする老荘思想の根本的意義と、禅や浄土宗などを通して日本人に与えた多大な影響を照射する好著。

1994.12.05発売
ヨ-ロッパ封建都市
講談社学術文庫
11世紀のヨーロッパに「都市の空気は自由にする」という合言葉が生まれた。荘園領主の専横に苦しむ農民たちの、華やかな商工業活動による経済的自由への希求が、新たな都市文化を築き上げたのである。近代資本主義社会を生み出す市民意識形成の場となった自由都市成立の契機を、日本の封建社会との比較文化的視角を交えて縦横に分析する。史上に比類なき自由都市の興亡を鮮明に描いた必読の都市論。

1994.12.05発売
茂吉秀歌『白桃』から『のぼり路』まで百首
講談社学術文庫
――このたびの4歌集では、特にその外的要因が顕著な影響を与へてゐる例が多い。――問題点の1つは、初期戦争短歌の評価と処理にあつた。作者個人の人間関係に纏(まつは)る愛憎は、むしろこのとき従たる問題となる。昭和10年代前半に、まさに青春を迎へようとし、結果的には戦争によって、それを完膚なきまでに蝕まれた私にとつて、茂吉のいたましい戦争体験は他人事ではなかつた。(著書「解題」より)