新刊書籍
レーベルで絞り込む :

1980.03.07発売
和泉式部日記(上)全訳注
講談社学術文庫
『和泉式部日記』は、情熱の女流歌人和泉式部と冷泉天皇第四皇子敦道親王との恋の始まりから、和泉が宮邸に迎えられて入り、宮の北の方がついに宮邸を去るまで約10ヶ月の恋を描いてる。全編140余首に及ぶ2人の愛の歌によって彩られ、盛り上げられて行くこの日記は、歌日記と呼ばれるとともに、女主人公和泉式部を三人称的に記述している点や、和泉式部の視界外の世界の描写をも含む点で、物語的様相をも示している。(全3巻)

1980.02.18発売
化学ぎらいをなくす本 化学再入門
ブルーバックス
この本は、一度化学のおせわにはなったがどうもよくわからない、どうも味気ないという、一種の失意を味わった人にむけて書かれたものです。H2はマルで、C2はどうしてペケなのか――といった意外性のある例をひきながら、対話形式で読物風に書いてあります。この本によって、眼がさめたように化学がわかるようになった、面白くなったという人が、どんどん出てくることを期待したいものです。

1980.02.07発売
方丈記
講談社学術文庫
鴨長明が隠棲した、京都市日野山の、方丈の庵の跡に立つ時、人は、そこの生活が、いかに苛酷なものであったかを思わぬ者はないであろう。彼は、日野山における孤独と寂寥と窮乏に堪え、自己の生涯の帰結をこの庵の生活に求めて、その中に、深い「閑居の気味」を見いだしている。『方丈記』は、この閑居生活の真実な表現であって、いつの世の読者にも、現実社会の煩累を越えて、自己を深く生かす道を示唆してやまないものがある。
1980.01.09発売
うたかた
講談社文庫

1980.01.08発売
空海の思想について
講談社学術文庫
密教哲学の魅力を、著者は次のように説く。「『世界というものはすばらしい。それは無限の宝を宿している。人はまだよくこの無限の宝を見つけることが出来ない。無限の宝というものは、何よりも、お前自身の中にある。汝自身の中にある、世界の無限の宝を開拓せよ』。そういう世界肯定の思想が密教の思想にあると私は思う。私が真言密教に強く魅かれ、現在も魅かれているのは、そういう思想である」と。

1980.01.08発売
乃木大将と日本人
講談社学術文庫
ここに描かれたのは、乃木大将の伝記ではない。いわんや戦役史に資料を提供するものでもない。彼の大戦役の折、大将の身近にあり、大将をFather Nogiと呼んだ一米国従軍記者が、難攻不落といわれた二〇三高地を陥れ奉天戦へと転戦する乃木の孤影の中に、武士道精神と優雅な詩情とを併せもった名将の姿を見、自我を没却し、専心、理想の実現に邁進しようとした大将の生涯は、日本人の特質を具体化したものだと説く、香り高い名著。

1980.01.08発売
おくのほそ道
講談社学術文庫
『おくのほそ道』は、松尾芭蕉という不世出の俳諧師が全才能を傾けて執筆し、推敲を重ねた結果生まれた、日本の紀行文中最高の傑作である。病身な芭蕉は、江戸、奥羽、北陸の人跡まれな地方を歩き、百五十日、六百里の苦しい旅を続けながら独特の芸術観を確立した。「枯淡な味わいも、優美な趣も、たくましさも、はかなげなものも(素龍の跋文)」渾然と秘めた『おくのほそ道』を読んで、芭蕉のきたえられた高い詩魂を汲みとっていただきたい。

1980.01.08発売
論語新釈
講談社学術文庫
論語は、孔子の語、孔子が門人及び当時の人と問答した語、孔子の起居動作等を、孔子の死後に、門人の門人が論撰して編成したものである。孔子の言行録は他にもあるが、直ちに孔子の思想をうかがい、孔子の人格に接する書は、論語のほかにはなく、古来孔子の教えを奉ずる人たちに愛読され、「宇宙第一の書」、あるいは「人類の語では賞讃しきれないほどりっぱな書物だ」といわれている。(「解題」より)
1980.01.08発売
ボクはのら犬
講談社文庫

1980.01.07発売
ミステリー傑作選(10) 闇のなかのあなた
講談社文庫
推理小説の様々なジャンル、テーマ、スタイル、トリックに、ベテラン作家12人が、極めつきの“騙しのテクニック”で挑戦して成った傑作13編。
<収録作家>笹沢左保・石沢英太郎・菊村到・草野唯雄・土屋隆夫・戸板康二・筒井康隆・森村誠一・三好徹・夏樹静子・佐野洋・都筑道夫・山村正夫

1979.12.13発売
有機合成化学
シントン(合成単位)という考え方に基づき、目的分子を合成するためにどの反応をどう組合わせれば効果的かを判断できる力を養う演習書。基礎反応から順次積上げるので、初心者も合成の魅力を十分味わい実力を養成できる。

1979.12.10発売
ガラスの城
講談社文庫
エリートコースの販売課長が社員旅行の晩に行方不明となり、やがて惨死体で発見された。課長殺害で微妙に動揺する社内の空気の中で、執拗に死の謎を追う女子社員……。ガラスの城のような、都心の高層ビルに勤める一流サラリーマンの世界にうずまく、さまざまな欲望と犯罪の構図を鮮烈に描く傑作推理長編。

1979.12.07発売
文字の書き方
講談社学術文庫
本書は、漢字とかな一千余字について、毛筆による楷書と行書の二体、および硬筆による楷書体を収録しています。用具の選び方や姿勢から始めて、筆づかい・美しい字形のとり方まできめ細かに実例指導。さらに、陥りやすい欠点の直し方や上達のポイントなどを、二色刷りでわかりやすく明示しました。日常使用の基本文字について、正しく美しい書き方が身につき、あとの応用も自由自在です。音訓・筆順・熟語例なども採録しました。

1979.12.06発売
王朝びとの四季
講談社学術文庫
本書は、〈折口学〉を継承する著者が、古今集に歌を残した人々、また源氏物語などの小説に登場するモデルたちが生きていた、後期王朝の日本人の生活を指すに「王朝びと」の用語を用い、その生活全般にかかわる季節感や自然観を、季節の景物を手がかりとして追究し、今1つの側面として、王朝びとの恋の生活を季節の生活と結びつけて語りながら、われわれ日本人が伝統としてもつ美意識のふるさとを平易に説き明かした、王朝文化論。
1979.11.28発売
青春の門 望郷篇(下)

1979.11.16発売
ピラミッドの謎
講談社現代新書
ギザの大ピラミッドは驚異と神秘に包まれ、いまもなお砂漠にそびえ立つ。ピラミッドは古代の天文台、あるいは大洪水に備えたタイム・カプセルだったという説も出されている。はたして、なんのために、そしてどのようにして、二百万を超える巨石を積み上げていったのだろうか。正確な方位、絶妙な傾斜角、不思議なバランスを保つ重力構造――。古代人の信じがたいまでの技術は、どう解釈されるのだろうか。本書は、最新の発掘調査の成果をふまえ、ピラミッド建造の真相からピラミッドパワーの神秘まで、五千年の謎に迫る。
πの謎――ピラミッドの比率の中には「円を四角にする」というむずかしい数字の解答があると主張する学者もいる。ピラミッドの底辺の四辺をその高さの二倍で割るとπ(パイ)の値になる。またピラミッドの底面積はその高さの二乗にπを掛けた値である。円周率が正式に認められたのはピラミッド建造後2500年以上もたってからのことであるから、この数値は驚異である。また、ピラミッドの三角面の高さを半径とする円を描くと、その円周とピラミッドの四底辺の長さが同じであるという関係ができる。――本文より

1979.11.13発売
ムーミン谷の冬
講談社文庫
まっ白な雪にとざされたムーミン谷。パパとママといっしょに冬眠にはいったのに、どうしたわけか春がこないうちにたった1人眠りからさめてしまったムーミントロール。はじめて知る冬の世界で彼のすばらしい冒険がはじまった……。冬のムーミン谷を舞台にヤンソンがつづるファンタジー童話の傑作。

1979.11.12発売
なめくじに聞いてみろ
講談社文庫
出羽の山から東京にやってきた桔梗信治。彼の父親は、殺人方法考案の天才であった。東京に10人以上いるという父親の弟子をさがし、信治は行動をおこす。弟子を皆殺しにして、父親の発明した殺人方法も闇に葬るつもりだ。しかし、彼にとっては敵の居場所も武器もわからない。奇想天外なコミカル・ミステリーの傑作。

1979.11.08発売
茶道の歴史
講談社学術文庫
本書は、日本独自の伝統芸道である茶の湯のしきたり、名物茶道具のいわれ、茶会の変遷、茶道の精神などについて、その概要を述べたものであります。しかし、むつかしい理論の証明や空虚な概念の叙述を避け、史上の人物、つまり、紹鴎・利休・遠州・足利義政・信長・秀吉らの逸話、人間などを中心に、茶道の礼法や茶道具の由緒について余り関心のない方々にも興味を持たれるように、工夫をこらしてお話しました。(著者「まえがき」より)

1979.11.08発売
増鏡(上)
講談社学術文庫
『増鏡』の成立は南北朝時代に入ってからと思われるが、その内容は、鎌倉時代の宮廷・貴族の歴史を、また、皇室と北条氏との争いを物語風に記述したものである。鎌倉時代の宮廷・貴族の生活には、まだまだ王朝風の優雅さが広く行きわたって残っているが、その雰囲気を生き生きと語っているのが『増鏡』である。その意味で、根強く生き残った王朝精神、王朝文化を余すところなく描ききった王朝文学掉尾(とうび)の名作といえるであろう。(全3巻)