新刊書籍
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1980.07.08発売
ギリシャ正教
講談社学術文庫
キリスト教といえば西洋のものと考える人が多い。しかし、キリスト教初代からの伝統をいまなお保持しているギリシャ正教を知ると、その見方が誤まりであることに気がつく。ビザンチン文化やドストエフスキイの思想などを通して断片的に知られているにすぎないこのギリシャ正教の全貌を、本書はわが国で初めて体系的に紹介するとともに、西洋のキリスト教とその文化の原泉を問い、私たちの通念そのものをただす注目の書である

1980.07.08発売
茶器と懐石
講談社学術文庫
(本書では)茶の湯をおこなううえにおいて欠くべからざる茶器の起源・変遷、名物茶器の由来、それにまつわる逸話などを紹介してみた。そして、唐物、高麗・李朝物、南蛮物、和物など、あらゆる茶器の名品が、いかなる茶人たちによってその真価を認められ、珍重されたかなどについて詳述した。また、懐石のほうは、史上における一流茶人の懐石料理や器具の実例を紹介し、現代の懐石のありかたについて、一言批判を添えた。(「まえがき」より)

1980.07.08発売
仏陀のおしえ
講談社学術文庫
著者は、明治・大正・昭和を通じ、二千五百年の伝統ある仏教を、再び世に活かしえた天才であった。本書は、実践と学問を通じて現代人の真の仏教とは何かを把握した著者が、日本仏教諸宗派を総括し、仏教の内容をなす三つの不変なるもの、すなわち、仏・法・僧の「三宝」を中心にして、仏陀のおしえの根本義を誰にでも理解できる平易な言葉で著した最高の仏教入門書である。仏教という巨大なおしえの最重要の問題点が説かれている。

1980.06.18発売
ジャンボジェットはどう飛ぶか ボーイング747のメカニズムを楽しむ
ブルーバックス
飛ベジャンボ!
ジャンボは大きな翼をいっぱいに広げ、ゆっくりと滑走路の中心に正対して停止する。一瞬、冷たい静寂が漂う。いままさに、操縦室(コックピット)も緊張の一瞬に違いない……管制塔より離陸許可(テイクオフ)が出た。と同時に、四基のターボファン・エンジンは全開される。推力84トンのパワーが巨体をぐんぐん加速させてゆく。10秒、20秒、30秒……。右席の副操縦士がすばやく「ブイ・ワン!」(臨界点速度)を機長に告げる。そして「ロー テート!」。その瞬間、機首はぐんと大空を向く。いま、ジャンボの離陸の瞬間である。

1980.06.17発売
1973年のピンボール
文芸(単行本)
僕たちの終章はピンボールで始まった。雨の匂い、古いスタン・ゲッツ、そしてピンボール……青春の彷徨は、序章もなく本章もなく、いま、終わりの時を迎える。新鋭の知的で爽やかな’80年代の文学。
この倉庫での彼女(ピンボール)との邂逅場面の清潔な甘美さと知的なセンチメンタリズムは上等でとても筆舌に尽くし難い。さらに重要なのは、〈僕〉がその体内にとりこんだピンボール・マシン=外国との、やさしく堂々とした結着のつけ方である。希望、絶望、おごり、へつらいなど、いかなる色眼鏡もなく、この20世紀のコッペリアと一体化し、そして突き離しながら、〈僕〉は、自分と彼女がどう関わり合っているかをたしかめる。こうして〈僕〉はゆっくりとした歩調を保ちながらなにものかになって行くのだ。主人公が海外渡航しない「海外渡航小説」の、これはみごとな収穫といえるだろう。──井上ひさし(朝日新聞文芸時評より)

1980.06.11発売
地を潤すもの
講談社文庫
住民虐殺の戦犯として処刑された弟。30年後のいま、兄は弟の生を見直してみようと、墓参りの旅に出る。タイからマレー半島を下りシンガポールへ。虐殺現場、刑死した刑務所、そして墓地――弟ゆかりの場所を訪ねていくうち、事件の意外な真相が現われる。戦争を題材に、人間の生と死の意味を問う問題作。

1980.06.09発売
類語の辞典(下)
講談社学術文庫
収録語例【酒】竹葉(ちくよう)、玉友(ぎょくゆう)、甘波(かんぱ)、花露(かろ)、雲泉(うんせん)、香泉(こうせん)、春蟻(しゅんぎ)、黄雲(こううん)、杏村(きょうそん)、天乳(てんにゅう)、如華(じょか)、白玉(はくぎょく)、真一(しんいつ)、忘憂(ぼうゆう)、洞庭春(どうていしゅん)、慶雲香(けいうんこう)、養生主(ようじょうしゅ)、大平君子(たいへいくんし)など、約200の類語を収録。さらに157項目にわたって、地酒(じざけ)、雪見酒(ゆきみざけ)、古酒(こしゅ)、錦絲主(きんししゅ)、菊酒(きくざけ)、菖蒲酒(しょうぶしゅ)、薄荷酒(はっかしゅ)、清白酒(せいはくしゅ)、拳酒(けんざけ)、黒酒(くろき)、聞酒(ききざけ)、延命酒(えんめいしゅ)、礼酒(れいしゅ)、など、酒にまつわる各種用語を分類・解説する。古語・俗語・方言・敬語・美称・謙称をあまねく網羅し、語彙・文章表現力が飛躍的に高まる。

1980.06.09発売
類語の辞典(上)
講談社学術文庫
本書は、明治42年に初版発行、昭和49年に小社より復刻刊行した『日本類語大辞典』を、そのままの内容で上下2巻に分かち、学術文庫に収録するものである。本書は、我が国における「類語辞典」の嚆矢としての名誉を担うばかりでなく、質量ともに空前絶後、今日なおこれを凌ぐ「類語辞典」は世に出ていない。豊富な語彙とすぐれた解説は、現代語と鮮明度の限界を補って余りあり、今後も決して生命を失うことのない名辞典である。

1980.06.06発売
明治維新と日本人
講談社学術文庫
幕末明治の日本人は、襲いかかる西洋文明の大波に、どう対応したのだろうか。また、欧米列強に伍して国を立ち行かせるために、どう苦心したのだろうか。著者は、“比較文化”という視点から明治日本の「近代化」現象を透視し、清新な史眼と溌刺たる文体とによって、幕末維新史の類(たぐい)稀れな見取図を描き出すことに成功した。ことに維新・「近代化」の根源に、幕末明治日本人の「『内発的』な要請」を見出し、論証し、従来の通説を一歩深めた。

1980.05.09発売
立体化学入門
自分で理解度を判断しながら、立体化学の初歩から立体区別反応の入り口まで学習できるユニークな形式と内容をもった入門書。有機化学を学びはじめた学生にとっての最初の難関を突破し、マスターするための絶好の助っ人。

1980.05.08発売
中国思想
講談社学術文庫
本書は、中国哲学を論ずるに西洋哲学の方法をとり入れ、漢学の再構成を試みた著者が、上古より清朝末にいたる中国思想の大要を、極めて平易簡明に叙述した。劃期的な名著。なかんずく、清朝における学術思想の変遷が、いかに暗々裏に清朝の滅亡を招き、共和政体の建設をなすにいたらしめたるか、という歴史的考察は、学問思想が一見したところ、社会とは無関係のようでありながら、実は重要な関係にあることを指摘したものといえよう。

1980.05.08発売
中国古代の民俗
講談社学術文庫
魯迅の弟、周作人に始まる中国の民俗学研究の歴史は浅く、研究方法もいまだ模索の段階にある。本書は「古代文字の構造を通じて考えられる古代人の生活と思惟、古代歌謡としての詩篇の発想と表現とを通じてみられる生活習俗のありかた、そしてそれによってえられたところのものをわが国の古代の民俗的な事実と対応させながら比較」考察するという3つの方法をもって、未開拓の中国民俗学研究という分野に正面から取組んだ労作である。

1980.05.08発売
日本人の言霊思想
講談社学術文庫
古代の人は言葉に精霊が宿ると信じ、霊妙な力が人の幸不幸を左右すると考えた。これらの痕跡を、文献・伝承等に探り、祝詞の言霊・万葉人の言霊・仏教の言霊・名に宿る精霊・近世国学者の言霊観などの諸相に捉え、「言事融即」の観点から精細に考察する。外からの押付け言語政策、民族語のもつ母語固有の言霊、自国憲法に言語規定をもつ諸国、言語不信をかこつ言論、汎言語主義の病弊など、爼上に究明して言霊思想の回帰点に及ぶ。

1980.05.08発売
言志四録(3) 言志晩録
講談社学術文庫
第3巻には、「言志晩録」292条をおさめる。佐藤一斎が、67歳より78歳までのおよそ12年間に書き記した文章である。学問修養・倫理道徳から政治法律・風流韻事に至るまで、人間生活のあらゆる局面における身の処し方・心構えが説かれている。政治家も実業家も学者も若者も、それぞれの立場に応じて味読すべき金言の宝庫である。異色の訳注者の手になる現代語訳と解説は、溌刺自在。古典を現代に活き活きと甦えらせた。

1980.04.25発売
「遠野物語」の国へ
柳田国男と佐々木喜善――、2人のふとした出会いから、『遠野物語』という名著が生まれました。かっぱ・天狗・きつね・おおかみ・雪女……。数々のふしぎなものが登場する、岩手県の山おくで語りつがれてきたむかしばなしは、いま、わたしたちに、なにをつたえてくれるでしょう。2人の先人の足跡と、『遠野物語』の世界とを紹介する、たのしくて、ユニークな課外読み物です。小学生上級から。

1980.04.11発売
帰らざる復讐者
講談社文庫
タクシー運転手の原田光政は過去の幻影におびえつつ、ある日何者かに惨殺された。娘の季美も犯された上に息絶えていた。息子の青年医師義之は激怒し、見えざる犯人への報復を誓う。季美の許婚者峰岸も同じ思いだった。彼らが凄絶な追跡の果てに到達した敵の巨大な正体は?壮大なスケールの復讐ドラマ。

1980.04.07発売
日本霊異記(下) 全訳注
講談社学術文庫
日本霊異記(下)は、中巻の時代の後を受け、奈良時代末期稱徳天皇(764)から平安時代初頭嵯峨天皇(822)にわたる説話を載せる。全39話。凄惨激烈な血族間の政権争奪と権力闘争―その結果として、平城京から長岡京遷都、さらに平安京への再遷―の難世相が説話の隙ににじみ出ている。編者景戒という一人格の、艱難に苦吟した人生の告白が、烈々の句となり、深沈たる文章となって読者を魅きつけるのも(第38話)巻下の特色といえる。

1980.03.18発売
暗号の数理 作り方と解読の原理
ブルーバックス
「暗号」の作成と解読の原理を見る!!
《最高級の知的遊戯》暗号作成と解読技術の果てしない闘い!
《古代のシーザー暗号》とは? DBFTBSが解読できればおわかりのはず!
《多表式暗号》慣用の暗号の主流。その解読の手法は……?
《公開鍵暗号系》最新の暗号体系の原理を紹介!
《本当に解読不可能か?》公開鍵暗号系の問題点を探ってみると……。
《暗号と計算機》高性能計算機の出現がもたらしたものはなにか……?

1980.03.12発売
ムーミンパパの思い出
講談社文庫
自由と冒険を求めて海にのりだした青年時代のムーミンパパ。ユーモラスな竜との戦い、あらしでたどりついたゆかいな王さまの島、おばけと同居したり、深海にもぐったり……さまざまな冒険をしながら、ムーミンママと劇的な出会いをするまでをパパが書いたファンタジーあふれるムーミン童話6冊目の傑作。

1980.03.12発売
殺しの四人―仕掛人・藤枝梅安
講談社文庫
この世に生きていては毒になる奴を消す。それが殺しの定法だ。ハリの名医が表看板だが、極悪人の殺しを請負って、闇から闇へと葬る非情な裏稼業。吹矢の名手彦次郎を相棒に、仕掛人・藤枝梅安必殺の殺し針が急所に突きささる。梅安・彦次郎コンビの人間味を追究しつつ、闇の活躍を痛快に描いた短編連作。