講談社選書メチエ作品一覧

江戸の病
講談社選書メチエ
ダメ医者に診てもらい、あやしい薬を買い、母乳のネットワークで助け合った人びと
コレラにインフルエンザ、国民病とも言われる「肺病」とあふれる梅毒患者たち。出産は命がけだし、母乳の出だっておぼつかない。常に死と隣り合わせだった江戸の人びとは、ユーモアあふれる諦観と温情に満ちた人的ネットワークで乗り切った。江戸文化のエキスパートが、近世日本の新たな一面を明かす。
【目次】
病気の章
産と乳の章
医者の章
薬の章
終章 「飼い殺し」と「看病断」
あとがき
[資料]死にゆく人々(『官府御沙汰略記』より)
主な参考文献・資料

浜口雄幸と永田鉄山
講談社選書メチエ
国際協調か最終戦争か? 二つの路線の相克。第1次大戦に彼らは何も見出したか? 国際協調路線の可能性に賭けた浜口。最終戦争は必至と軍中心の総力戦体制の構築を計る永田。国家の将来を巡る究極の選択とは?
第一次世界大戦の未曾有の惨禍は日本指導層に甚大な衝撃をもたらした。もはや進むべき道は国際協調以外にないと対中融和を含む協調路線に賭けた浜口。最終戦争は必至と満蒙・華北領有を含む軍中心の総力戦体制の構築を計った永田。ともにテロに斃れた2人の国家存亡を巡る究極の対立を描く。
【目次】
プロローグ──張作霖爆殺事件
第一章 田中義一政友会内閣と民政党総裁浜口雄幸
1 戦前政党政治の展開
2 対中国政策をめぐる対立と国際環境
3 構造改革と議会中心主義
第二章 浜口内閣期の外交と内政
1 国際協調と対中融和政策
2 産業構成の高度化とセーフティ・ネット
3 海軍軍縮条約問題と浜口の遭難
第三章 構想の相克
1 永田鉄山と陸軍中堅幕僚グループ
2 国家総力戦
3 国際連盟
4 中国認識
第四章 満州事変と永田鉄山
1 事変前夜
2 柳条湖事件
3 北満・錦州攻略と独立国家樹立方針
4 五・一五事件と熱河作戦
第五章 統制派と皇道派───陸軍派閥抗争
1 省部首脳会議
2 隊付青年将校の国家改造運動
3 陸軍パンフレットと華北分離工作
エピローグ 永田死後──太平洋戦争への道
註
あとがき
索引

丸山眞男を読みなおす
講談社選書メチエ
戦後日本最大の知性は日本思想に何を見たか
丸山眞男は西洋近代至上主義者・国民国家至上主義者だったのか。丸山が「主体性」論で追究しようとしていたものは何か。著作、講義録をいま一度丁寧に読みなおし、「他者感覚」「自己内対話」など新たな視点から、誤解されがちな丸山思想の可能性を探る。
【目次】
はじめに
第一章 主体性と国家
1 近代の「個人主義的国家」への批判
2 京都学派との関わり
3 近代主義への変貌
第二章 「自然」と「作為」
1 江戸時代における近代化
2 「自然」の思想家
3 徂徠論の抱える問題点
第三章 超越と他者
1 戦後の日本人と「自由」
2 近代的「自由」への反省
3 ナショナリズムの変容
4 相対主義に耐える力
第四章 「開国」と「原型」
1 「開国」への注目
2 「原型」論の登場
3 「原型」とはなにか
第五章 「原型」と「原型を超えた思想」
1 六〇年代の講義
2 カオスとしての「原型」
3 「原型を超えた思想」をどう捉えるか
第六章 日本思想史の構想 1──天皇制
1 天皇制の基本的特色
2 「まつりごと」の構造
3 天皇制と儒教的政治観
4 『神皇正統記』の意義
第七章 日本思想史の構想 2──武士のエートス
1 近代化と武士道
2 武士のエートスの発生
3 武士の「道理」
4 鎌倉時代以降の武士
5 『葉隠』の主体性
6 武士道と「忠君愛国」
第八章 日本思想史の構想 3──仏教とキリスト教
1 十七条憲法
2 「原型」による仏教理解の変容
3 鎌倉新仏教の意義
4 キリシタン
第九章 日本思想史の構想 4──近世思想
1 幕藩体制の基本的性格
2 近世儒教の変容
3 儒教の普遍的契機の意義
第一〇章 異質なものとの対話
1 超越的なものの風化
2 「原型」と「原型を超えた思想」との統合
3 複数の観点
終章 「他者感覚」から「自己内対話」へ
註
あとがき
索引

伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生
講談社選書メチエ
伊勢・出雲神話を読み直し日本の起源に迫る 内なる伊勢と外なる出雲、古代日本は二極構造のダイナミクスから誕生した。日本と天皇の起源の通説を塗り替える民俗学と歴史学を融合させた新たな古代史の誕生!

幕末の将軍
講談社選書メチエ
徳川家慶、家定、家茂らの知られざる苦闘を辿る。権威の将軍から国事の将軍へ……家斉に絶頂を見た将軍・幕府の権威権力がほころびゆく中、彼らはいかに闘ったのか。幕末政治の新たな枠組みを示す、画期的論考!
【目次】
序 「権威の将軍」と「国事の将軍」
第一章 徳川将軍の権威と本流
1 大御所家斉の半世紀
2 権威の表象
3 生身の徳川将軍
4 徳川将軍家の本流とは
第二章 十二代家慶と内憂外患の時代
1 危機の徴候
2 徳川斉昭の処罰
3 水戸徳川血統とペリー来航前夜
第三章 十三代家定と開国日本
1 ペリー来航と新将軍
2 変わりゆく大君への視線
3 「徳川本流」対「英明・年長」
4 「木偶人」家定の本領
5 家定の死後に来るもの
第四章 「国事の将軍」誕生 十四代家茂
1 文久改革の衝撃 見える将軍へ
2 将軍上洛の復活 見せる将軍へ
3 攘夷を指揮する将軍
第五章 果てしなき奔走
1 参与大名と将軍家茂
2 見えなくなる家茂 江戸城西の丸から長州征伐へ
3 将軍辞職の上表
4 最後の徳川将軍か
第六章 語られない十五代将軍
1 継承された「国事の将軍」
2 「京都御旅館」の慶喜政権
3 大政委任の崩壊
4 空名の征夷大将軍
5 「慶喜公御実紀」が語るもの
結語 徳川将軍という逆説
あとがき
主要参考文献一覧

ヨーガの思想
講談社選書メチエ
ヨーガの歴史と思想のすべてがわかる決定版。身体の操作により精神の究極の解放を目指す。悠久のインド文明とともに生まれ、現代セレブたちに愛好されるまでに世界的ブームとなったヨーガ。豊饒にして混沌たるインド思想を通底する特異な身体観とその背景にある哲学的思弁の本質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。(講談社選書メチエ)
ヨーガの歴史と思想、すべてがわかる決定版 インドに発したヨーガの起源、歴史、その背景にある思想と哲学、および現代のグローバル化による変質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。

島津久光=幕末政治の焦点
講談社選書メチエ
西郷・大久保の雄飛、慶喜の将軍就任、長州の変転……
幕末史の筋書きを決定づけた男
時は、幕末がいまだ「政治の季節」であった文久期。幕府の権威が根底から揺らぎ、過激志士らの暴発に朝廷がおびえる中、その動向をもっとも注目された男こそ、島津久光であった。久光の指揮の下、小松帯刀、大久保一蔵、中山中左衛門、堀次郎ら、実力ある藩士たちが、京都の中央政局を舞台にして、幕末の行方を決定づける政争をくりひろげてゆく。史料を丹念に読みこみ、幕末政治史にあらたな光をあてる意欲作!
【目次】
島津久光=幕末政治の焦点
目次
プロローグ
序章
第一章 久光体制の確立と上京政略
一.「久光四天王」体制の誕生
二.堀・中山による率兵上京への地ならし
三.久光の「皇国復古」とその政略
第二章 錯綜するイデオロギー
一.尊王志士と義挙計画
二.西国志士たちの思想
三.岩倉具視=朝廷の思惑
第三章 率兵上京と中央政局
一.上京開始と反抗勢力
二.九条関白と酒井所司代の対応
三.久光の入京と建白
第四章 寺田屋事件の深層
一.「義挙」へ突き進む志士たち
二.伏見義挙計画、そして事件勃発
三.事件の意義と長州藩との確執
第五章 久光 vs.京都所司代──朝廷での政争
一.勅使派遣問題
二.久光の名代・中川宮
第六章 朔平門外の変──薩摩藩最大の危機
一.事件直前の中央政局
二.追いつめられる薩摩藩と中川宮
三.謀略の真相とその影響
第七章 八月十八日政変──首謀者は誰か?
一.久光召命問題と上京政略
二.政変の主役・高崎正風
三.政変の首謀者と中川宮
第八章 元治・慶応期の久光・薩摩藩
一.参予会議と薩長盟約の締結
二.四侯会議と王政復古への転換
エピローグ
主要参考文献一覧

観光人類学の挑戦 「新しい地球」の生き方
講談社選書メチエ
東京・バリ・カリフォルニア……
観光と移住が織りなす「越境の民族誌」
グローバル化が進行する中で、国境を越えて移動する人びとは世界全体で年間10億人に達しようとしている。東京の下町で、熱帯雨林の島で、中国の世界遺産で、それぞれに繰り広げられる文化景観はすべてリゾーム状につながり、地球はもはや境界のない大きな空間になっているのだ。本書では、ボーダレス時代の観光/移住のありようを描き出し、「一つの世界にともに生きる」とはどういうことか、人類学の新たな試みとして論じていく。
【目次】
第一章 「新しい地球」の生き方を探る
第二章 越境する日本人女性 ── 女たちのグローバル化
第三章 フィリピーナたちの夢 ── 移民が普通に暮らせる日
第四章 世界遺産という文化資源 ── バリ・白川郷・麗江
第五章 熱帯雨林のアイロニー ── マレーシア・サバのエコツーリズム
第六章 「南」の観光歴史学 ── ミクロネシア・パラオにおける観光と植民地主義
第七章 ロングステイ ── 暮らすように旅すること
第八章 新しい地球、新しい日本 ── 一つの世界にともに生きる
注
あとがき
参照文献

ヨーガと浄土 ブッディスト・セオロジー(5)
講談社選書メチエ
立川仏教学の集大成。シリーズついに完結! 仏教を構造的に分析し、宗教の普遍的本質にせまる画期的シリーズ最終巻。縁起・空・マンダラなど仏教の伝統的概念を更新し、混沌の21世紀にこそ必須の思想として再生をはかる。碩学畢生の「セオロジー」がついにここに完結する。
【目次】
ヨーガと浄土
目 次
はじめに
第一章 宗教的倫理における否定
第二章 空思想が否定するもの
第三章 ヨーガの理論
第四章 古典ヨーガの行法
第五章 ハタ・ヨーガの伝統
第六章 チャクラのシンボリズム
第七章 自己と他者
第八章 死と浄土
第九章 マンダラとヨーガ
第一〇章 現代思想としての仏教
おわりに
索引

儒教・仏教・道教-東アジアの思想空間
講談社選書メチエ
矛盾しながら共存する東アジア的宗教の本質。なぜ3つの異なる宗教が共存できるのか。死生観、自然認識、民間信仰などを題材に、衝突・妥協・調和を繰り返すアジア的宗教のダイナミックな思想構造を分析する。(講談社選書メチエ)
矛盾しながら共存する東アジア的宗教の本質。なぜ3つの異なる宗教が共存できるのか。死生観、自然認識、民間信仰などを題材に、衝突・妥協・調和を繰り返すアジア的宗教のダイナミックな思想構造を分析する。

対話の哲学 ドイツ・ユダヤ思想の隠れた系譜
講談社選書メチエ
わたしは世界の中心ではない。わたしはあなたから語りかけられるときに新しく生まれる存在だ。近代ドイツのユダヤ哲学を基に、自己中心主義からの真の脱却をめざす。西洋哲学2500年の誤謬を覆す新たな哲学 !
【目次】
序章 現代の思想状況と二〇世紀転換期のドイツ・ユダヤ人
第一章 ドイツ・ユダヤ人と啓蒙主義
1 ユダヤ人の歴史
2 ヨーロッパ的〈教養〉の理想とユダヤ人
3 啓蒙主義とモノローグの思考
第二章 関係は関係なきもののあいだになりたつ ヘルマン・コーヘン
1 あるユダヤ人のカント主義
2 『ユダヤ教の源泉からの理性の宗教』
3 カッシーラーとローゼンツヴァイク
第三章 西洋哲学はモノローグの思考である フランツ・ローゼンツヴァイク
1 ローゼンツヴァイクの西洋哲学批判
2 新しい思考とメタ倫理的人間
第四章 モノローグの言語から対話の言語へ プラトン、オースティン、フンボルト
1 伝統的な言語理解 プラトンの言語論
2 オースティンの言語行為論
3 フンボルトの対話的言語論
4 二〇世紀におけるフンボルト・ルネサンス
第五章 対話の一般的構造
1 呼びかけと応答の文法
2 対話者という〈他者〉
3 対話の時間的構造
4 現代における「対話の哲学」
あとがき
引用文献
索引

性欲の文化史2
講談社選書メチエ
性から社会を読み解く論集、待望の第2弾 桂離宮から中国の房中術、日本映画のなかの性まで、第2弾も、編者・井上章一氏の腕がさえる、異色かつ読み応えのある論考満載

複数の日本語 方言からはじめる言語学
講談社選書メチエ
津軽弁もウチナーグチも……方言は標準語よりも「世界標準」だった!?
「落ち葉が散りよる」と「散っとる」の違い? 「おかあさん干してある」ってどういうこと?
日本語はこんなに面白い!
世界の中の日本語を考えるとき、その「日本語」とは、いったいどこの言葉なのでしょうか?
北は青森県から南は沖縄県、さらにブラジルの日系人社会まで、各地で使われている方言の豊かな表現をとりあげ、さらに世界の言語との比較をすることで、日本語の多様性を発見する旅へと誘います。
その道のりでは、均一で単一な「標準語」だけが日本語なのでは決してないことが発見され、さらには、各地の方言が世界の言語と共通する普遍的なあり方をしていることさえも明らかになるでしょう。
世界の言語学の現場で研究が進展している言語類型論の手法を用いて、世界各国の言語と方言・標準語を自在に横断する、刺激的な日本語論です。
【本書の内容】
1.「あっこに花子ちゃんがいてる」―存在をいかに言い表すか
2.「桜の花が散りよる/散っとる」―標準語は世界標準じゃない!
3.「落ちよった!」―目撃者の文法・エヴィデンシャリティー
4.「生ちゅとーてーさやー」―テンスが伝えるのは時間だけじゃない
5.「花子、美人でら」―美しいのは今日だけ?現象と本質の違い
6.「おかあさん、干してある」―「シテアル」にひそむ地域差
7.「花子、元気ない」は「花子は元気だ」?―ふらふらする形容詞と形容動詞
8.「全部食べれれんかった」―可能をいかに言い表すか
9.「ねえ花子、明日学校来る↓」―質問が尻上がりイントネーションとは限らない
10.「みんなでシュラスカリア、アジューダしよる」―言語接触と日本語

性欲の文化史1
講談社選書メチエ
「性」をキーワードに社会を読み直す試み 日本社会の歴史や文化を考えるとき、人々が性欲をどう扱おうとしたかという視点は、重大な鍵を握っている。避けられがちなテーマに挑む画期的な論考集、第一弾!

来るべき精神分析のプログラム
講談社選書メチエ
フロイト=ラカンの彼方へバージョンアップ 「私」とはなにか。それはいかに作動し、「経験」を作り出し、自己を変容させるのか。「システム」をキーワードに21世紀における新たな精神分析の構築を試みる。
【目次】
はじめに
第一部 基本構想
第一章 主体の精神分析から自己の精神分析へ
1 精神分析の現在
2 「言語論的精神分析」の評価と限界
3 新たな理論モデルの構築
第二章 セクシュアリティの二重性
1 『性欲論三篇』を再読する
2 男女における欲動の回路形成の違い
3 幼児のセクシュアリティと成人のセクシュアリティ
第三章
心的システムと社会システム
1 自己システムとコミュニケーション・システム
2 二つのエディプス
3 自閉症と統合失調症の病理
第二部 臨床的エラボレーション
第四章 自己の歴史性と心的作動の二重性
1 反復という問題系 転移と可塑性
2 快原則とは何か
3 死の欲動とは何か
第五章 治療的コミュニケーションと現実の複数性
1 情動的・言語的コミュニケーション
2 自己システムの変容過程
3 分析治療が目指すもの
第六章 観察システムとしての分析家
1 「分析家の自己」と「分析家としての自己」
2 分析家はいかに作動すべきか
3 生権力としての精神分析
第七章 新たなる境界の形成
1 境界の変動の経験
2 ルジャンドルと『ロルティ伍長の犯罪』
3 ジャン・ジュネの変容
あとがき
索引

時間の正体 デジャブ・因果論・量子論
講談社選書メチエ
科学と哲学が直面する最大の難問に挑む! 「わたし」と不可分に結びついた「現在」を、科学はいかに論じられるか。量子力学や生命科学、脳科学による成果と課題を哲学的時間論と交差させる、興奮の一冊。
「わたし」はこの現在に立ち尽くす。「わたし」には現在しか許されない。にもかかわらず、「先ほどの現在」、「5分後の現在」といった変化を認めるなら、現在が運動する土台としての三人称的歴史が必要となる。こうして、時間は、一人称と三人称の接続する場所として開示されることになる。現代の脳科学や認知科学は、主体がこの世界の中で生きているということは、世界と自らとの折り合いをつけることであるということを明らかにしつつある。それは、世界とその表象とを、絶えず調停することであり、両者の間に同期をとることである。自分自身の運動と、その結果に対する知覚に関して、脳は絶えず同期をつくり出す。ときに時間は縮み、ときに因果関係は逆転さえする。このような主観的時間の現象が実験的に論証されつつある。翻って同期をつくるとは、まさに「現在」を絶えずつくることである。本書で展開する時間論は、これらの現象を理解する強力なツールとなるだろう。
【目次】
第1章 なぜ時間なのか
第2章 デジャブ・木/森の可換性
第3章 マルコポーロ――時空の内的記述
第4章 内部観測からA系列・B系列へ
第5章 マクタガート的不可能性からの転回――デジャブ再考
第6章 因果論・宿命論の相克と量子論
第7章 認知的時間におけるA系列・B系列間の調停

江戸歌舞伎の怪談と化け物
講談社選書メチエ
耽美と残酷。大江戸ワンダーランドへの招待 化け猫・妖狐・怨霊。怖いけれど面白い娯楽の王様。宙乗り・水くぐり・早変わりとさまざまな仕掛けを駆使し恐怖と陶酔へと誘う、スペクタクルショーを活写する。
化け猫・妖狐・怨霊。怖いけれど面白い娯楽の王様。宙乗り・水くぐり・早変わりとさまざまな仕掛けを駆使し恐怖と陶酔へと誘う、スペクタクルショーを活写する。耽美と残酷……大江戸ワンダーランドへの招待!
【目次】
まえがき カイミーラの中のカイミーラ
第一章 夏は水中早替り
第二章 玉藻前は人気者
第三章 バケネコ・ミステリー・ツアー
第四章 おばけごっこは、みんな大好き!
第五章 劇場を飛び出す歌舞伎役者
第六章 フランケンシュタインとお岩、そしてその子どもたち
第七章 「化ける女」に化けるのは男
第八章 恋するオサカベ
結び 妖怪革命後の私たち
注
あとがき
索引

世界のなかの日清韓関係史-交隣と属国、自主と独立
講談社選書メチエ
日清韓――利害と政治の歴史を照射する! 朝鮮半島は、東アジアの国際関係史を考えるうえで、きわめて重要な位置を占めている。16世紀の東アジア情勢から説き起こし、江戸時代の「日朝交隣関係」と「清韓宗属関係」の併存、19世紀後半の「属国自主」を検証。そのうえで、近代の日清韓の利害対立、国際関係の行方を追う力作。日清、日露戦争にいたる道とはなんだったのか、大きなスケールで描く。(講談社選書メチエ)
東アジアの近代史を描き直す力作 日清・日露戦争にいたる東アジアの国際関係を、16世紀からの歴史のなかでとらえる。ポイントになるのは、つねに朝鮮半島をめぐる力関係だった。

経済倫理=あなたは、なに主義?
講談社選書メチエ
市場社会はどのように倫理的な評価/批判をされるべきだろうか。そのような問いに対して、現代のイデオロギー――リベラリズム、ネオリベラリズム、ネオコン、リバタリアニズム、平等主義、共同体主義、マルクス主義――は、いかに答えうるのか。そしてあなた自身は、なに主義なのか?時事問題や、あなた自身の日常的で素朴な倫理感覚からスタートして、さまざまな思想のエッセンスを、実感的かつ体系的に理解できる、驚きの1冊。
現代市場社会にいかなる倫理があり得るか? リベラリズム、コミュニタリアニズム、リバタリアニズム、マルクス主義―錯綜する経済イデオロギーを具体的かつ明快に解説。説教ではない「使える」倫理を学ぼう

シオニズムとアラブ ジャボティンスキーとイスラエル右派 一八八〇~二〇〇五年
講談社選書メチエ
パレスチナ紛争史をユダヤ思想から読み解く 現イスラエル右派の思想的源流、修正主義シオニズム。その創始者ジャボティンスキーの民族論と対アラブ強硬論の系譜から見えてくるパレスチナ問題の核心と本質。
【目次】
第1章 多民族国家における模索(1880~1917年)
修正主義シオニズムの濫觴
第2章 民族国家と「鉄の壁」(1917~1940年)
ジャボティンスキーと修正主義運動の世界観
第3章 ジャボティンスキーからメナヘム・ベギンへ(1930年代~1981年)
修正主義運動の転換と継承
第4章 甦る「鉄の壁」(1982~2005年)
ジャボティンスキーの遺産と現代イスラエル政治