講談社選書メチエ作品一覧

マイケル・ポランニー 「暗黙知」と自由の哲学
マイケル・ポランニー 「暗黙知」と自由の哲学
著:佐藤 光
講談社選書メチエ
20世紀の「万能人」のユニークな思想 科学の根源を問い、暗黙知理論を提唱した異色の科学哲学者。科学のみならず経済学・哲学の分野でもユニークな思考を展開した天才の思想の全貌を初めて紹介する。 【目次】 序章  現代世界とマイケル・ポランニー 1 はじめに──相対主義を超えて 2 生涯 3 ポランニーはどのように読まれてきたか 4 本書のプラン 第一章  自由の哲学 1 ポランニーのリベラリズム 2 二つの「二つの自由概念」──ポランニーとバーリン 3 自生的秩序──市場システム、法システム、科学システム 4 「多中心性問題」 5 市場システムと自由 6 「道徳的反転」 第二章  経済学 1 貨幣サークルと雇用量の決定 2 「中立性の原則」 3 ソ連、ナチス、戦時経済体制などをどう見るか 4 ポランニーの「ハーヴェイ・ロードの前提」 5 完全雇用が可能とする自由貿易 第三章  知識論 1 『個人的知識』の目的と構成 2 批判的哲学の批判 3 「分節化されたもの」と「分節化されないもの」のダイナミクス 4 知的情熱と共同性 5 信仰と懐疑 6 「生きて在るもの」を「知る」ということ 第四章  「宗教の受容」への道──科学、芸術、そして宗教 1 さまざまな意味──「指示」・「象徴」・「隠喩」 2 芸術の力 3 「観察すること」と「受容すること」 4 福田恆存「人間・この劇的なるもの」への寄り道 5 宗教的欲望の本質──ポランニー、福田、エリアーデを結ぶもの 終章  暗黙のリベラリズムの可能性 1 リベラルなケインズ主義者の社会経済学 2 個人的で人格的で暗黙の知識の役割 3 「道徳的反転」、「宗教的反転」、そして宗教の回復 補論 「自由」をめぐるカールとマイケル・ポランニー 註 参照文献 あとがき
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自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治
自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治
編:坂野 潤治
講談社選書メチエ
自由主義と社会主義の相克で昭和史を再検討 既成政党型の自由主義か社会大衆型の平等主義か―。 軍ファシズムの台頭によって忘れられた戦前の言論界・政界の大論争。 「格差か自由か」の原点がここにある!
『西遊記』XYZ このへんな小説の迷路をあるく
『西遊記』XYZ このへんな小説の迷路をあるく
著:中野 美代子
講談社選書メチエ
『西遊記』はただの冒険小説ではなかった! 悟空・八戒や怪物たち、あるいはダジャレに秘められたシンボリズムを縦横無尽に読解し、中国的思考の迷宮を踏破する。 中国史上もっとも「けったいな」奇書を縦横無尽に解読。なぜやたらと詩ばっかりなのか? なぜいつもどこかにもぐりこむのか? 『西遊記』はただの冒険奇譚小説ではなかった! 孫悟空・猪八戒や怪物たち、あるいはおびただしい作中詩やダジャレに秘められたシンボリズムを縦横無尽に読解し、中国的思考の迷宮を踏破する。 【目次】 はじめに 1.登場人物とは何か? 史実から虚構への三蔵の旅 だれがお経を授けたのか? シンボル体系としての孫悟空 2.「ならべる」世界 万暦はおもしろい 百科事典もどきの詩詞 事典からウラの迷路へ 網の目状の迷路 「地口」好きの猪八戒 「余分な孫」は役たたず 「ならべる」けれども立体構造 3.「もぐりこむ」世界 洞窟のなかの洞窟 「閉じ込められる」器物 「もぐりこむ」他者のからだ モチーフも「もぐりこむ」 むすび 注 あとがき
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日露戦争と新聞 -「世界の中の日本」をどう論じたか
日露戦争と新聞 -「世界の中の日本」をどう論じたか
著:片山 慶隆
講談社選書メチエ
新聞の黄金期、戦争と外交はどう書かれたか? 高級紙「時事新報」、政府系「東京日日新聞」、イエロージャーナリズム「萬朝報」…。大国との戦争へと向かう日本と世界を、いかに論じたか。メディア史研究の試み。 【目次】 はじめに 第一章 日英同盟への期待と危惧 1. 日英同盟を言祝ぐ人々 2. 「有力新聞」による批判 3. 揺れる同盟への評価 第二章 開戦論への道 1. 日露関係の緊張 2. ロシア・イメージの悪化と「七博士意見書」 3. 韓国問題と開戦論 4. 開戦論の完成──「文明国」としての日本 第三章 日露戦争勃発 1. 「野蛮」としてのロシア 2. 内なる敵を求めて──「露探」問題と国民意識 3. 戦時下の同盟国観 第四章 韓国の保護国化 1. 日韓議定書の締結 2. 「韓国荒蕪地開拓案」をめぐる論争 3. 韓国擁護論の不在 4. 保護国化と統治方法 第五章 戦争の終わり 1. ロシア社会への希望?──議会改革と革命運動 2. 台頭するアメリカ──戦争協力と移民問題 3. ポーツマス講和会議と日比谷焼打事件 4. 第二次日英同盟の発表 終章 日露戦後の新聞界 1. 「一等国」日本と外国認識 2. 大企業化する新聞社 3. 新聞論調から歴史を見るということ 註 あとがき 索引
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トマス・アクィナス 『神学大全』
トマス・アクィナス 『神学大全』
著:稲垣 良典
講談社選書メチエ
神とは何か。創造とは、悪とは、そして人間の幸福とは? キリスト教の根源にトマスは深い洞察で答える。斯界の第一人者が『神学大全(スンマ)』をアクチュアルな挑戦の書として読み直す。(講談社選書メチエ) 中世キリスト教神学思想の最高峰を読み解く 神とは何か。悪とは創造とは、そして人間とは?キリスト教の根源にトマスは深い洞察を持って答える。第一人者が『大全』をアクチュアルな挑戦の書として読み直す
自由だけではなぜいけないのか 経済学を考え直す
自由だけではなぜいけないのか 経済学を考え直す
著:荒井 一博
講談社選書メチエ
なぜ、新自由主義経済ではダメなのか? 自由放任の経済は、人びとの絆と信頼を破壊し社会基盤を掘り崩す。新自由主義経済の欺瞞と論理矛盾を暴き、あるべき経済の在り方を社会との関係に注目して論じる。 【目次】 はじめに 第一章 新自由主義が日本を劣化させた 第二章 新古典派経済学パラダイムの構造と主張 第三章 個人の独立性という虚構 第四章 法化社会で自己利益を追求する個人という虚構 第五章 高能力を持つ合理的な個人という虚構 第六章 情報の非対称性 第七章 取引費用と契約の不完備性 第八章 業績は評価できるのか 第九章 ネットワークと社会関係資本 第一〇章 社会関係資本と人間の行動 第一一章 良質な文化をいかにして形成するか 第一二章 日本社会をいかに立て直すか おわりに 参考文献 索引
近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治
近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治
著:ロベルト・エスポジト,訳:岡田 温司
講談社選書メチエ
今もっとも注目される現代思想を本邦初訳 フーコーの〈生政治〉概念を大きく展開させ、「免疫論」で9.11を読み解き、新たな「共同体論」を構想する注目の思想家エスポジト。その思想がよくわかる一冊
「女装と男装」の文化史
「女装と男装」の文化史
著:佐伯 順子
講談社選書メチエ
男装女装に表象される性別越境の現実と深層 古今東西の様々なメディアに現れてきた異性装は、多様化を極める性の現実の象徴だ。古事記からジャニーズまで、ベルばらからシェイクスピアまで縦横無尽に分析! 古今東西を問わず、演劇や文学、映画、アニメ、漫画に数限りなく登場してきた「女装する男」と「男装する女」。彼/彼女たちは、なぜ性の境界を超えようとしたのか?“変態”“異常”“倒錯”という言葉で片付けてしまうだけでは気がつかない、性と愛の現実がそこにある。「男と女」という単純な二項対立がsexとgenderの視点をからめると無限の性別へと変化していくさまをつぶさに論じ、人間の生の多様性に軽やかに迫る。 【目次】 はじめに 第1部  男から女へ──エロスと暴力とユーモアと 1 「オヤジ殺し」の手段 ヤマトタケルノミコト/『古事記』 2 流動するセクシュアリティ 弁天小僧/『青砥稿花紅彩画』 3 演劇的幻惑 お嬢吉三/『三人吉三巴白浪』 4 少年アイドルが女装するとき 堂本光一/『ルーキー!』 5 「環境適応型」女装 マリー/『毛皮のマリー』 6 強いられた性自認 蝶衣/『覇王別姫』 7 「近代家族」を超えて ヴィヴィアン/『お・こ・げ』 8 良夫より賢父 ダニエル/『ミセス・ダウトファイア』 9 サバイバルのために マイケル/『トッツィー』 10 クィアの解放 ドラァグクィーンたち/『プリシラ』 11 「女社会」に入りたい僕 ビリー/『ビリー・エリオット』 第2部  女から男へ──戦いと自己実現と恋と 1 「戦う女」になるために サファイア/『リボンの騎士』 2 自己実現の誇り オスカル/『ベルサイユのばら』 3 親孝行な「父の娘」 ムーラン/『ムーラン』 4 冒険と才能発揮のチャンス ポーシャ/『ヴェニスの商人』 5 父からの解放 ロザリンド/『お気に召すまま』 6 自己防衛と恋 ヴァイオラ/『十二夜』 7 想い人との一体化 能の男装/『井筒』『松風』『道成寺』 8 女が男を「見る」快楽 瑞稀/『花ざかりの君たちへ』 9 現代女性のサムライ願望 セイ/『風光る』 10 「女人結界」突破の試み マリナ/『オサマ』 11 男として認められたい ブランドン/『ボーイズ・ドント・クライ』 第3部  双方向の越境──ジェンダーの呪縛を超えて 1 古代の「性同一性障害」 「姫君」と「若君」/『とりかへばや物語』 2 性と生の可能性を求めて オーランドー/『オーランドー』 おわりに 事例一覧表 注・テキスト・主要参考文献・映像資料 あとがき
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〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学  戦時下の柳田國男、保田與重郎、折口信夫
〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学  戦時下の柳田國男、保田與重郎、折口信夫
著:石川 公彌子
講談社選書メチエ
柳田、保田、折口の思想に通底するものとは? 柳田國男、保田與重郎、折口信夫。国学の系譜を引く三人の学者が、戦時下にあって展開しようとした思想とは何か。近代の国学の可能性を照射する刺激的論考。 【目次】 はじめに 序章 一 国学の思想 二 沖縄論 第一章 柳田國男の思想 一 郷土研究と国家 二 公民形成の学としての民俗学 三 国家と家郷 四 柳田と地方文化運動 五 『先祖の話』 第二章 保田與重郎の思想 一 青春の復権と日本浪曼派の成立 二 言霊論 三 天皇論 四 思想の変容 五 国学論 六 イロニーと近代的自我の隘路 第三章 折口信夫の思想 一 源氏物語と〈弱さ〉 二 まれびと論 三 「たをやめぶり」の尊重 四 天皇論 五 神道と国学論 六 神道普遍宗教化論 七 親密圏と近代国学 終章 一 近代国学における親密圏の位相 二 近代国学の意義 註 あとがき
近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ
近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ
著:玉木 俊明
講談社選書メチエ
「近代」は、なぜオランダで生まれたのか? 「近代」は16世紀オランダに始まった。近代ヨーロッパ勃興の過程を、北のバルト海世界に注目して解明し、あわせてイギリスへのヘゲモニー交替のプロセスを描く。 「近代」は16世紀オランダに始まった。ウォーラーステインの「近代世界システム論」を出発点に、近代ヨーロッパ勃興の過程を北のバルト海世界に注目して解明し、あわせて「最初の近代システム」オランダから、「最初の近代国家」イギリスへのヘゲモニー移動のプロセスを描く、グローバルヒストリー研究の最前線。 【目次】 序章 近代世界システムからみたヨーロッパの近世と近代 1 ウォーラーステインの近代世界システムとその影響 2 グローバルヒストリーと世界システム 3 戦争の世紀と経済発展 第一章 バルト海地方の台頭 1 地中海世界の衰退 2 ヨーロッパの食糧危機 3 ヨーロッパの森林資源枯渇 4 危機からの脱出 5 地中海からバルト海へ 第二章 オランダの黄金時代 1 「黄金時代」の特徴 2 「商業資本主義」とは何か? 3 オランダの穀物貿易 母なる貿易 4 ゲートウェイとしてのアムステルダム 物流と国際貿易の中心 5 オランダの国家構造とヨーロッパの経済発展─ 75 第三章 イギリスの台頭 オランダとの比較を中心に 1 後発国イギリスの財政 2 イギリス帝国の形成とバルト海貿易 3 取引される商品 4 ロシア貿易の形態 5 イングランドとスウェーデンの貿易関係 第四章 ハンブルクの役割 1 近世ハンブルクの概観 2 一八世紀ボルドーの貿易発展とハンブルク 3 ハンブルクとイギリス・スペイン・ポルトガル 4 ヨーロッパ大陸の流通ルート 第五章 産業革命発生をめぐるロンドンとハンブルクの関係 フランス革命とナポレオン戦争の影響 1 産業革命発生の原因をめぐって 2 アムステルダムのヨーロッパ経済に対する役割 3 アムステルダムとロンドンの関係 4 フランス革命・ナポレオン戦争の影響 終章 オランダからイギリスへ 主要参考文献 あとがき 索引
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薩摩藩士朝鮮漂流日記-「鎖国」の向こうの日朝交渉
薩摩藩士朝鮮漂流日記-「鎖国」の向こうの日朝交渉
著:池内 敏
講談社選書メチエ
筆まめ薩摩武士が描いた、素顔の日朝交流。詩文を贈答し合い、待遇・送還手続について筆談で交渉し、酒を酌み交わす―漂着した武士が残した詳細な記録と挿図から、朝鮮地方官僚との「日朝交流」を読み解く。 離島勤務から本国への帰途、薩摩藩士安田義方ら一行は遭難し、朝鮮に漂着する。安田は、朝鮮王朝の地方官僚らと漢文の筆談によって、現地での待遇と送還について折衝しながら、一方で、酒を酌み交わし、詩文を贈りあい、交流を深めていく。安田が遺した詳細な記録と巧みな挿図から、朝鮮通信使の儀礼的な通交とはまったく違った近世日朝交流のすがたが見えてくる。 【目次】 はじめに 第一章 近世日本の朝鮮認識 1.日朝友好の枠組み 2.朝鮮漂流記を読む 第二章 事件のはじまり  1.咆哮する唐山の海 40 2.執拗な事情聴取(文政二年七月三~七日) 3.うちとける心(七月八~十二日) 第三章 船を棄てる 1.衝突と交流(七月十三~二十一日) 2.別れじたく(七月二十二~二十六日) 第四章 帰途 1.一刻千秋の思い(七月二十六~八月十五日) 2.釜山湾の日々(八月十六日~文政三年) 3.余聞 おわりに 安田義方「朝鮮漂流日記」から見えること あとがき 参考史料・文献
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イスラーム教 「異端」と「正統」の思想史
イスラーム教 「異端」と「正統」の思想史
著:菊地 達也
講談社選書メチエ
イスラーム教形成のプロセスを根源から考察。「正統」は「異端」から生まれる。ムハンマドが創始した宗教がスンニ派、シーア派に分かれ我々の知るイスラーム教になるまでの過程を読み直す新たな思想史の登場。 「最終預言者」ムハンマド亡き後、「信仰」の正しさは誰が決めるのか。あくまで信仰の純正性を追究する「極端派」、生活との「妥協」を計るその他の多数派。イスラーム教は両者の対立・抗争のダイナミズムから誕生した。イスラーム教形成のプロセスを根源から考察し、ムハンマドが創始した新たなる宗教がスンナ派、シーア派に分かれ、われわれの知る「イスラーム教」になるプロセスを読み直す、スリリングな思想史の登場。 【目次】 はじめに 第一章 理想の信仰共同体と「分派」の出現 第二章 「異端」と「正統」 第三章 「宗教宗派」シーア派の成立 第四章 イマーム派と極端派 第五章 イスラーム教のメシア思想 第六章 裏切られた革命 第七章 十二イマーム派とイスマーイール派の台頭 第八章 シーア派とスンナ派の対峙 第九章 イスラーム教教義の限界に向かって おわりに 主要参考文献 索引
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日本語は論理的である
日本語は論理的である
著:月本 洋
講談社選書メチエ
主語はなくても論理はある! 人工知能学者が考える「論理」の正体とは。日本語の論理はどんなあり方をしているのか。小学校英語教育の脳科学的危険性……理系と文系を架橋する斬新な日本語論。 日本語は特殊でも非論理的でもない! 人工知能研究と脳科学の知見を武器に、形骸化した学校文法からは見えなかった、日本語の論理がもつ普遍性と特徴を、非常に明快に解説。返す刀で、小学校での英語教育の根源的問題点を突く。理系と文系を架橋する、まったく新しい角度からの日本語論。 【目次】 はじめに 1.日本語否定論・日本語特殊論の系譜 1 明治以来の日本語廃止論 2 「日本語には文法がない」説 3 「日本語は非論理的」説 4 「日本語の論理は西欧の言語の論理とは違う」説 2.論理とは比喩の形式である 1 理解の二重性──想像可能性と記号操作可能性 2 記号操作可能性は想像可能性に基づく 3 イメージの言語的側面が比喩である 4 抽象的な表現は比喩を通してイメージにつながる 5 論理は比喩の形式である 3.日本語の論理と英語の論理 1 英語の論理は主体の論理 2 「主語─述語」は普遍的か? 3 「主題─解説」という関係 4 日本語の論理の基本は容器の論理 5 一文法二論理 6 空間の論理としての格助詞 4.日本語の論理の基本は形式論理である 1 ものすごく簡単な論理学入門 2 命題論理とは何か 3 述語 4 命題論理は容器の比喩の形式、述語は擬人の比喩の形式 5 日本語の論理の基本は命題論理 5.学校文法が自虐的言語観を生んでいる 1 学校文法とはどのようなものか 2 日本語文法 3 学校文法が自虐的言語観の原因である 4 文法教育はどのようにあるべきか 5 国語で論理訓練を 6 日本語は変わってしまった 6.小学校英語教育は廃止すべきである 1 小学校英語教育とは 2 小学校英語教育の賛成派と反対派の意見 3 音声で決まる文法 4 脳科学的立場からの小学校英語教育廃止論 おわりに 参考文献 索引
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奈良貴族の時代史 長屋王家木簡と北宮王家
奈良貴族の時代史 長屋王家木簡と北宮王家
著:森 公章
講談社選書メチエ
陰謀渦巻く平城京で、貴族はどのような毎日を送っていたのか? 平城宮長屋王邸宅跡から出土した膨大な木簡群を資料として、藤原氏との政争に敗れながらも平安時代までしぶとく生き残った長屋王家=北宮王家の日常生活を解明する。 【目次】 プロローグ 北宮王家とは 第一章 奈良時代史の舞台 平城京 1 平城遷都 2 平城京の発掘と長屋王邸宅の発見 第二章 北宮王家のなりたち 1 律令体制の成立 2 長屋王家木簡の謎 3 北宮王家の「発見」 第三章 藤原氏の展開 1 律令貴族藤原氏の成立 2 藤原氏と家政組織の継承 3 女性の力 4 聖武天皇とその皇統 第四章 北宮王家の試練 1 長屋王の変 2 北宮王家の家政運営 3 北宮王家の経済基盤 4 下級官人のくらしとの比較 第五章 北宮王家の行方 1 藤原四子とその後の北宮王家 2 橘奈良麻呂の乱と王族 3 女性王族のくらし 4 称徳天皇と不破内親王 5 地方豪族と王臣家 エピローグ 高階真人氏の行方 註 あとがき 索引
<代表>と<統治>のアメリカ政治
<代表>と<統治>のアメリカ政治
著:待鳥 聡史
講談社選書メチエ
矛盾する論理が駆動する超大国の政治力学 アメリカ政治の主戦場は議会にあり。-統治-と-代表-という相克する論理の狭間で政党と議員はいかに政治を動かしているのか。日本人が知らなかった深層を探る 知っているようでわかりにくい、アメリカ政治の核心をいかに捉えるか。地域代表としてのイデオロギー〈代表の論理〉と政府運営者としての行動原理〈統治の論理〉、矛盾する2つの論理の力学という視角で、本質をするどく抉出する! 【目次】 序章 本書の課題と関心 第一章 アメリカ政治にとって政党とは何か 1 歴史の中の政党 2 政党の変化は何を意味するのか 3 政党は意味のない存在なのか 4 比較政治制度論という視角 5 アメリカの政治制度 6 予測される政党の行動 第二章 連邦議会における政党 1 議会組織の特徴 2 一九七〇年代の議会改革 3 多数党中心の議事運営 4 少数党による対抗策 第三章 〈代表の論理〉の政党を目指して 多数党への軌跡 1 共和党にとっての「保守」 2 議会共和党の転回 3 議会中継専門放送局の活用 4 〈代表の論理〉による多数派獲得へ 第四章 二つの論理のはざまで クリントン政権期の対立と協調 1 イデオロギーから統治へ 2 一九九六年度予算編成における激しい対立 3 予算編成における対立の弱まり 4 項目別拒否権付与における積極的協調 5 情報通信改革における消極的協調 第五章 〈統治の論理〉の果てに ─ G・W・ブッシュ政権との関係 1 共和党統一政府の出現 2 減税をめぐる積極的協調 3 九・一一テロからイラク戦争へ 4 共和党多数期の終焉 第六章 アメリカ政治の展望 1 本書が明らかにしたことは何か 2 議会における大統領の影響力 ─ 残された論点 3 オバマ政権期のアメリカ政治 終章 〈代表の論理〉と〈統治の論理〉から見た日本政治 1 国政への含意 2 地方政治への含意 あとがき 註 参考文献 索引
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日本陸軍と内蒙工作 関東軍はなぜ独走したか
日本陸軍と内蒙工作 関東軍はなぜ独走したか
著:森 久男
講談社選書メチエ
エリート軍人はなぜ独走しかつ失敗するのか? 壮大かつ無謀な内蒙古独立工作はなぜ立案されたのか? 対ソ連・対中国の陸軍基本方針から陸軍軍人のメンタリティーに至るまで、必然の失敗に至る構造的欠陥を新資料を駆使して分析する。(講 【目次】 序章──帝国国防方針と中国一撃論 第一章  日本陸軍の革新運動と対中国政策 1 陸軍革新運動と支那通軍人 2 陸軍派閥抗争と中国一撃論 3 陸軍中央部の出先軍部に対する指導 4 関東軍の内蒙工作と日独防共協定 第二章  内蒙高度自治運動 1 南京国民政府への請願 2 百霊廟会議 3 百霊廟蒙政会 4 徳王の対日接近と蒙政会の分裂 第三章  満州国と初期内蒙工作 1 満州国興安省 2 熱河作戦 3 察東特別自治区 4 チャハル工作 第四章  関東軍の内蒙工作の展開 1 察東事変 2 チャハル盟公署 3 蒙古軍政府 4 綏遠事件 第五章  欧亜連絡航空路 1 日独航空協定 2 ゴビ砂漠に出現した航空補給基地 3 オジナ特務機関と第二次ガソリン輸送隊の最後 4 日満独航空連絡計画の終焉 第六章  外務省池田書記生の「中国一撃論」批判 1 綏遠事件の失敗 2 張家口領事館と池田書記生 3 池田書記生の関東軍批判 終章 辺境が照射する日本陸軍の対中国政策の特質 註 あとがき 索引
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パロール・ドネ
パロール・ドネ
著:クロード・レヴィ=ストロース,訳:中沢 新一
講談社選書メチエ
レヴィ=ストロースの思想がわかる名講義録 レヴィ=ストロースの講義録は論文になる前の思考のなまなましさにあふれている。『神話論理』に結実するその思想の粋を中沢新一氏の珠玉の翻訳でおくる決定版!
聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形
聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形
著:秋山 聰
講談社選書メチエ
鷹と将軍 徳川社会の贈答システム
鷹と将軍 徳川社会の贈答システム
著:岡崎 寛徳
講談社選書メチエ
鷹狩は古代から続く伝統的な行為である。猛禽類の野生の鷹を飼い馴らすことは至難の業で、野外での鷹狩に備えて一年中昼夜を問わず飼育する必要があったため、専門の職能を持つ鷹匠が生まれ、その特殊な技芸は後代に継承された。鷹を飼う場としての巣鷹山の自然環境維持も必要であり、鷹文化の継承は為政者の保護なくしては困難であった。そのため、古代では天皇や公家・豪族、中世では武士が鷹狩を行ったが、とくに徳川の将軍たちは、鷹狩という行為そのものだけでなく、鷹の献上や拝領、贈答や獲物の饗応といった派生行為をも含めて、政治システムの中に深く組み込ませた。鷹や鷹狩は将軍権威の表徴となり、大名統制にも利用され、多様な面で、「格付」が明示された。伝統文化と政治体制の不可分な関係は、茶道や絵画などにも見られることだが、本書では「鷹文化」を主題として、日本史上最初かつ最長の全国支配を行った徳川の将軍たちの「伝統文化の継承と政治利用」のあり方について検討、政治史と文化史の融合を試みる。 【目次】 はじめに 第1章 家康と鷹狩り 1無類の鷹狩好き 2継承する将軍たち 3彦根藩の「御鷹場」 第2章 献上と拝領 1弘前藩津軽家の鷹献上 2彦根藩井伊家の鷹拝領 3大名間の鷹贈答 第3章 綱吉と吉宗 1鷹狩を廃止した綱吉 2家康回帰の吉宗 3国家の政事 第4章 鷹匠と若年寄 1名鷹を扱う技術者 2鷹狩の責任者 おわりに 注 あとがき 終 章 家康の存在
アーリア人
アーリア人
著:青木 健
講談社選書メチエ
スキタイ人・メディア人・ペルシア人・バクトリア人・パルティア人……史上最初の騎馬民族にして壮大なる世界帝国の樹立者。ユーラシア大陸を舞台に興亡を繰り返す諸民族の足跡を、「アーリア性」をキーワードに気鋭のイラン学者がたどる。(講談社選書メチエ) 世界最大の「民族」二千年の壮大なドラマ。 史上最初の騎馬民族にして壮大なる文明の創設者。ユーラシア大陸を舞台に興亡を繰り返すイラン・インド・ヨーロッパ諸民族の足跡を、気鋭のイラン学者がたどる。
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