葉桜の季節

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葉桜の季節

ハザクラノキセツ

文芸(単行本)

瀬戸内の輝く光のなかで過した幼い日から今日まで出会いとわかれを繰り返した自らの生を四季の情景に重ねてたどる

郷里で暮していたころ、季節の移ろいは目に見えて鮮やかで、周囲の植物や土や山は、まさに刻々と色を変えていった。麦畑は、黄緑色から目を射るような緑へ、そして深い灰色がかった緑からさらには薄茶色へと、時間を確実に呑みこみながら変化していき、最後には刈られて、黒い大地と化すのだ。だから私は、季節というものは、色で表されるものだ、と思っていた。色が大気を染め、気温を変え、人々の心をぶ厚くしたり、透明にしたりあるいは鋼のように強靱にしたりするのだと思っていた。──本文より


書誌情報

紙版

発売日

1996年04月11日

ISBN

9784062081306

判型

四六

価格

定価:1,708円(本体1,553円)

ページ数

260ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    葉桜の季節

    初出

    『ラ・セーヌ』92・5

  • 作品名

    花闇そして崩壊の情熱

    初出

    『花時間』92・4

  • 作品名

    花荊

    初出

    『俳句α』95・4

  • 作品名

    紫陽花の哀れ

    初出

    『リーガ・ロイヤル・ニュース』91・6

  • 作品名

    初夏の緑は深い

    初出

    『ラ・セーヌ』91・8

  • 作品名

    茗荷

    初出

    『ラ・セーヌ』92・6

  • 作品名

    夜振火

    初出

    『ラ・セーヌ』92・7

  • 作品名

    十七年

    初出

    『ラ・セーヌ』92・8

  • 作品名

    色とにおい

    初出

    『ラ・セーヌ』91・7

  • 作品名

    天使魚

    初出

    『俳句α』95・6

  • 作品名

    心を染める記憶の繋がり

    初出

    『ラ・セーヌ』91・9

  • 作品名

    雨の陰影

    初出

    『ラ・セーヌ』92・9

  • 作品名

    旱空

    初出

    『ラ・セーヌ』95・8―9

  • 作品名

    雨月

    初出

    『ラ・セーヌ』92・10

  • 作品名

    雨の快楽

    初出

    『ラ・セーヌ』91・10

  • 作品名

    四季のある海

    初出

    『ラ・セーヌ』91・11

  • 作品名

    紅葉狩り

    初出

    『ラ・セーヌ』91・12

  • 作品名

    初出

    『俳句α』95・10―11

  • 作品名

    苫を編む

    初出

    『ラ・セーヌ』92・12

  • 作品名

    おこぜ

    初出

    『ラ・セーヌ』92・11

著者紹介

既刊・関連作品一覧

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